九州縦断旅:鹿児島編
旅行期間:2020年8月中旬~下旬
桜島一周も早々に余裕が無くなる・・・
さて桜島一周サイクリングは順調に滑り出しました。この8月という炎天下の真夏時期だったのもあったけど、自転車を漕いでいると心地よい浜風が吹いてきて、そんな暑さを忘れさせてくれるかのようでした。
桜島一周をサイクリング!
そして桜島を一周するのに車で回るのと自転車で回るのとを比べると、車の場合は遥かに早く一周できるけど、このように景色をゆっくり楽しむ時間がない。しかし自転車でのサイクリングだと、周囲の景色を見ながらゆっくりと進めるので、より桜島の景観や桜島の生活感などを感じる事が出来る。

歩きや走るにはちょっと時間が掛かり過ぎるので、サイクリングがちょうどいいですね!
桜島に住んでいる人からすると常識なんだろうけど、このように桜島内では火山が大噴火して溶岩が流れてきた時に、その溶岩が流れていく用水路のようなものを整備している光景をよく見かけた。昔の大噴火ではなすすべがなくて、ただ火口から噴き出てくる溶岩が流れ落ちていくのを指を咥えて見ているしかなかったのだろう。しかし現在ではこのように事前に溶岩を海へ逃がす道を造っておけば、被害が最小限で済むという事でどんどん工事が行われていた。

ワシに逆らおうとするには、100万年早いド~~ン!
ただちょっと調べていると、これらの溝は溶岩にも使えるけど、大雨が降った際に発生しやすい土石流を流す為の溝のようだ。大噴火は200~300年に1回ぐらいの割合しか起こらないけど、桜島では噴火で積もった火山灰の影響で山林が荒廃しているので、桜島に降った大雨が地肌の土や岩ごと流れ落ちてくるそうだ。
北部海岸線を進む
そしてこちらのバス停にも見える建造物はこれまた桜島名物の退避壕で、火山が爆発して火山岩が飛んできた時に避難する場所である。後で実際に普段飛んで来る火山岩を見せてもらったけど、直径2~3cmの物から10cm程のサイズもあった。そういった大きさの火山岩を見ると、このような退避壕があちらこちらにあるのも納得であった。
周囲を見回しても同じようにサイクリングをしている人は、全然見かけなかった。コロナ禍の2020年だった影響も大きいかもしれないけど、この真夏の炎天下に桜島一周のサイクリングをしようと考える人の少なさがよく分かった。

ボクが行く場所はだいたい人が少ないんだけどね・・(笑)
サイクリングしている景色 動画
この左回り(時計回り)ルートは個人的には正解だったかもしれない。桜島港から始まる左回りルートの道は、最初は平坦で左側に海が開けて景観が良くて、写真に撮り易い場所もそこそこにあった。この桜島一周サイクリングも後半は結構疲れてくるので、あまり写真撮影する余力が無くなってくる。そうなると錦江湾の景観がよく見える、このルートの方が良かったと個人的に思う。
桜島の道には殆ど歩行者はおらず、自転車もこれまた殆ど通っていない。道路を行き交うのは車が多く、この桜島北側の辺りには住居が多いので、乗用車がよく通っていた。それでも走っている車の台数が少ないのもあって、車道の端を走る自転車を見かけると、殆どの車は自転車との距離を空けて追い越してくれるので全然危なくもない。
そして進んで行くと、このように家の敷地から道路側に大きくはみ出した木が見えてくる。この木はクワ科のアコウという木で、海から吹いてくる風の防風林として重宝されていた名残で、今でもこのように道路の所々で見かける事が出来る。
海の近くに住んでいると、浜風には塩が含まれているので鉄などが錆びやすいと聞いた事があるので、そんな風から住宅を守る手段だったアコウの木。今となっては桜島内にやって来る観光客などの目を、楽しませるものにもなっているのである。
そして桜島内で、”鹿児島の象徴でもある火山の桜島”を除いて、一番人気の写真スポットが見えてきたようだ。さっきの家からはみ出していたアコウの木もなかなかだけど、先に見えているアコウの木は思いっ切り道路の上部まではみ出しているのが見えている。
その手前には商店が見える。島内には港周辺にしかコンビニがないけど、このような商店があるのでそこまで不自由しないのかもしれない。ただこのような商店も数える程しか無いのだが。。それとここの道は何も標識が出ていないけど、ここを曲がって進んで行くと「島津義弘蟄居跡」という史跡がある。
島津氏の第17代当主で戦国時代に猛将としても有名だった島津義弘。関ヶ原で西軍に付いた島津家は西軍の敗北で、徳川家康の傘下に下る事になる。その際に関ヶ原で西軍に加担した家は殆どが冷遇されたが、島津家だけは家康が武力介入する姿勢で脅したものの、最後まで白旗を上げずに抵抗した。そんな島津家も家康時代を予想していたので、最終的には和睦する事になる。そして家康に対して恭順の意を表す為に島津義弘は家督を嫡男であった島津忠恒(家久:薩摩藩初代藩主)に譲り、自分はこの奥にある藤崎家の住居に約2ヶ月間に渡って蟄居(ちっきょ:家に閉じ籠る)するのであった。
それを経て家康から薩摩の領土は島津家に、安堵されるのである。しかし死ぬまで家康は島津家を警戒していたらしく、島津家の攻撃を恐れて熊本城南側だけ石垣を何重にして厳重に造らせたり、家康以降の時代にも薩摩藩の力を削ごうと普請などで資金を度々捻出されるように仕向けていたようだ。

昔の時代は「引き籠り」ではなく、この「蟄居」という言葉を使っていたようですね!

おいどんもよく蟄居させられてたでごわす!
藤野のアコウ群にて
さて桜島北側の住宅エリアに今でも生えているアコウの木の中でも、特に目立って道路まではみ出している、通称「藤野のアコウ群」と呼ばれるポイントまで辿り着きました。事前にこのようなポイントがあるのをグーグルマップで調べていたのですが、この周辺には写真を撮っている人を1人も見かけなかったので、この場所がそのポイントなのか自信を持てていませんでしたね。。

ここのアコウの木は、昔から友達ド~~ン!
この「藤野のアコウ群」があるのは地図を見ると分かるように、まだスタートしてからそんなに遠くない場所。しかしこの時点でサイクリングがスタートしてから約30分が経過しており、その割にはチョコチョコと停まって景色の写真を撮ってばかりだったので、こうやって地図を見ると全然進めていなかったのである。。
なお、後程カフェで喋ったオジサン曰くは「このアコウ群と海を一緒に入れてのカメラ角度が、一番綺麗に映えるよ!」と言っていた。だけどまだ先にも同じような場所があるかもと、ちょっと控えめに撮影して進む事にした。
「藤野のアコウ群」の景色 動画
クロマツ親水公園にて
そしてそんな桜島内でも一番の写真スポットを過ぎると、海側に公園のような休憩場所があったので、ここでもちょっとストップしてみる事に。
ここは「クロマツ親水公園」という名前で、このように広い道路が続いていて、公園というよりかはそこそこな台数が停めれる駐車場に公園を付け加えたような場所だった。
個人的には海沿いの場所にこのように1本だけ高い木が生えていたので、この木を写真に撮りたいがための寄り道でもあった。しかしまだまだ桜島一周サイクリング旅の先は長そうなので、「あまり悠長に写真を撮っている訳にもいけない・・・」と自分に言い聞かせて進むのであった。

案の定、最終的には返却時間ギリギリまで自転車旅を満喫しましたが・・(笑)
クロマツ親水公園からの景色 動画
てっきり県外から来る人間からすると溶岩を流す用水路だと思っていたけど、実際には土石流対策の溝だった。これも活火山の間近に住んでいるからこそ、こういった対策が必要になるようだ。そう思うと普段何気なく周りに生えている木々などに、人間は知らぬ間にとても助けられているという事を実感するのであった。

木々には、いついかなる時でも感謝しかないでごわす!
だから県外から桜島にやって来る人にとっては、この桜島は活火山の麓にある町だけあって、実は色んな事に注意しないといけない場所である。まあこのように天気がいい日だとそこまで気にする必要はないけど、たまたま雨が降ってきてそれが大雨になると川の氾濫ではなく、土石流が流れてくるというので恐ろしい場所でもある。
まあそのように恐ろしい環境でもある桜島だけど、前もってそれらの知識を知っていれば、かなりの危険は回避する事が出来る。なのでこのように道中の色んな景色を自分の目で眺めて、それぞれに「何故、これがこうなっているのか?!」と疑問に思って調べてみるという事が重要なのかもしれない。

それは人間が考える事で、ワシは何も考えずに普段通りにド~~ン!
そんな風に活火山である桜島の麓に住むのであれば、活火山の環境に合わせて住み方を変えるしかないのである。現実的にも県外から来る人間からすると「こんな所に住むのも不便だな・・・」と思うけど、昔から住んでいる人達などはそれに対応だけすれば、住み易い環境のようだ。
そしてもろに火山灰が飛んで来る桜島内の住居では、雨樋というものが家に取り付けられていない。何故かというと降ってくる火山灰が雨樋に溜まって、雨樋が詰まってしまうからだそうだ。

火山に適応したライフスタイルが必要な桜島!
ここでサイクリング途中に見えている海が綺麗過ぎたので、ちょっと1人で海をバックに記念撮影を試みた。この旅の時はダイソーで購入した200円(+税)の簡易な蛸足のようなスマホ三脚を持って行っていたが、サイクリングの途中にその足が取れてボロボロになってしまっていた。。

なので強引に外れていた足を差し込み、自撮りを頑張ってみた・・・
足が短いスタンドだったので自分の思っているようなアングルまで高くならずに、今思うとイマイチな自撮り写真になってしまった。。
まあその反省もあって、後日ネットで色々と探してこちらの自動り棒兼カメラ三脚を購入した。なおリモコンも付いていてBluetoothで手持ちのスマホにリンクさせると、遠隔で撮影も出来たので1人旅で記念撮影したい時にとても重宝したのである。

なので、これを購入した2020年9月後半からはチョコチョコと、いい感じの自撮り写真が出てくると思います!

遠隔リモコンで撮影できるなんて、なんて便利な時代でごわすか!
今サイクリングしている道は、この標識にもあるように「鹿児島県道26号:桜島港黒神線」である。桜島港から黒神という、ダースベイダーのようなダークサイドに心変わりしてしまった神様が居そうな場所の名前である。。
自転車で走っていると「白浜温泉センター」の建物が見えてきた。桜島一周してから温泉に入りたいと思っているけど、今入るには早すぎるのでパス。。
そしてサイクリングを開始してから約1時間後の正午近くに、事前に調べていた昼食を食べようと思っていたお店の「カフェしらはま」に到着するが、なんと残念ながら臨時休業していた・・・。ただ事前にネットで見ていたら畑などもしているので、収穫時には店を閉めて収穫を優先したりする事も多いので、このような臨時休業は度々あるそうだ。

結果的にはここで昼食を食べれなかった事が、後でいい出会いに繋がるのでした!

ここは無農薬の自家製野菜をふんだんに使った、ランチプレートが人気あるブヒ!
そして狙っていた美味しそうな野菜がたっぷりと使われているランチが食べれずにガッカリしていたら、その下がった視線の先に、黄色い中身がたっぷり詰まったゴミ袋のようなものが見えている。こちらはゴミではなくて火山灰を入れる袋で、「克灰袋(こくはいぶくろ)」と呼ばれているもの。火山灰が降り積もる桜島の町だけに降灰量が多い時に無料で指定場所で配布されており、ここに火山灰を入れて処分するそうだ。

ワシが吐き出した火山灰をゴミのように捨てるなんて、罰当たりド~~ン!
そして昼食を食べ損ねてガッカリしながら進んでいると、ちょっとするとこのようなトレーラーハウスのような外観をした「桜島コーヒ&ベーカリー」というお店を発見する。ただ個人的には桜島の美味しそうな野菜を食べる事しか、この時は考えていなかったので「コーヒーとパンだけのお店はパスしよう・・・」となったのであった。

ただこのスルーという選択をした事に、後々に何度も後悔してしまうのであった・・・

目の前にご飯があれば、その時に絶対食べとかないと食いはぐれるブヒ!
途中から急勾配の坂地域に差し掛かる
さて「パンは我慢して、次にいい店を見つけたら入って昼食を食べよう!」と思いながら快適にサイクリングを続けて進んで行くと、急にそこそこな勾配がある長い坂が目の前に立ちふさがってきた。
自分の頭の中では「これぐらいの坂道なら、昔よく登ってたし、変速ギア24段もある自転車だし余裕で登れる!」と思っていたけど、普段全然自転車に乗らない”にわかチャリダー”。しかも御年”本厄年”でもある満41歳の肉体が、予想以上に早く悲鳴を上げだした。。
ここから急にアップダウンというよりも左回り(時計回り)ルートだと、上り坂ばかりが続いた。そしてあっという間に根を上げて、自転車を押す事にした。というよりも押すしかできないのである。完全に桜島でのサイクリングを舐めていたけど、この坂は別名「にわかチャリダー殺しの坂」とも名付けられている(※あくまでボクが勝手に付けただけ・・・)ように、よくここで自転車を押しているにわかチャリダーの姿を見かけるという。

そしてここからが難所で、当分坂道が続く場所なのです。。

はっはっはっ、苦しむがいいド~~ン!
最初の坂道は頑張って5分ほど自転車を押していると、ちょっとした下り道となった。勿論坂を登るという事は、時折このような下り道もあるにはある。だけど、途中からの上り坂は体力が無くなってきて、途中まで漕いで登るという事が出来ずに最初から自転車を押して坂を登らざるを得なくなってくる。

そうなると炎天下の下で、更に体力と気力を消耗していくのです・・・

こういった桜島らしさを体験しに来たんだろう、もっと楽しめド~~ン!
こちらの案内板にもあるように、約100年前の大噴火の際に約1.5mも降り積もった火山灰に埋まってしまって、上の部分だけ見えている”埋没した鳥居”がある場所まで、まだ7kmも残っている。
なおこの写真を見ているだけでは、なかなかこの坂の過酷さが伝わらないと思うので、是非ここ桜島に来て体感してみて欲しい。

そうすればこの苦しさが理解できると思う。。
そんな体力の無さにガッカリとした自分に苛立ちと諦めの気持ちを抱えながら、諦めずに1歩ずつ足を進めていると、このような綺麗な形に手入れされている盆栽のような木々がある場所が見えてくる。
自転車を押しながらもこのような景色を見ながら、心を静めて頑張って進むのであった。。
そしてこの坂があるエリアから急に住宅が少なくなって、山道のような感じになる。なので道路を走っていく車もそこそこにスピードを出して通るし、この辺りから工事車両のダンプカーもチラホラと出没しだす。なのでなるべく道路の脇を慎重に進まないと、少々危ないような雰囲気を感じる場所でもあった。
しかし多少高い坂を上まで登ると、そこからこのように錦江湾の綺麗な景色が見えるので、写真を撮ると共に少々水入り休憩を行う。既にこの時点で「ハ~~・・ハ~~・・ハ~~・・・・」と肩で息をする位に疲れてきていた。これでもまだ半周もしていないので、もうこの辺りで引き返す事が頭の中でチラつきながらも、頑張って歩みを進めていくのであった。。
こんな旅はまた次回に続きます!
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