ファベルジェ工房作「インペリアル・イースターエッグ」の至宝の数々

ロシア旅行記:5日目

阪急交通社ツアー「お1人様参加限定:ロシア7日間」
-2020年3月12~18日

驚きの卵ばかり・・・

ファベルジェ博物館に展示されているイースターエッグの部屋

ここはサンクトペテルブルグにある、ファベルジェ工房がロシア皇帝の為に作った豪華なインペリアル・イースターエッグなどが展示されているファベルジェ博物館(Fabergé Museum)である。まだ2013年にオープンしたばかりの比較的新しい博物館である。

 

ファベルジェ博物館にて

ファベルジェ工房が製作したイースターエッグ「戴冠式の卵」

こちらは1897年にニコライ2世から彼の奥さんへとプレゼントした『戴冠式の卵』である。この毎年ロシア皇帝からファベルジェ工房に発注されたインペリアル・イースターエッグは、豪華な装飾と共に新しい驚きを含んだ要素を含んで作るように指示されていた。

 

ファベルジェ工房が製作したイースターエッグ「戴冠式の卵」

なのでニコライ2世になってからは毎年1個だったイースターエッグが2個の発注に増えた為に、ファベルジェ工房の責任者だったカール・ファベルジェは毎年頭を悩ましていたのではなかろうか。こちらの卵の中身はニコライ2世の戴冠式の時に使われた、エカテリーナ2世時代に作られた馬車をそのままミニチュアにした物がそのまま入っている。なおこの馬車は車輪がちゃんと回転するし、ドアもこのように開くのである。

マトちゃん
マトちゃん

毎年新しく2個のイースターエッグを造るというのも、ファベルジェの類まれな独創性があってこそだったのよね!

 

『谷間の百合の卵』(Lilies of the Valley)と呼ばれるイースターエッグ

こちらは1898年に作られた『谷間の百合の卵』(Lilies of the Valley)と呼ばれるイースターエッグ。ニコライ2世の妻であるアレクサンドラ・フョードロヴナ皇后の好きな百合の花を模り、ピンクのエナメルで殻部分は装飾されており、真珠などが豪勢に取り付けられている。

 

『谷間の百合の卵』(Lilies of the Valley)と呼ばれるイースターエッグ-1

なおこのイースターエッグのギミックは、この卵上部に仕掛けられている。卵上部にある突起しているツマミを捻じると、このように突起が上に出てきて、象牙に描かれたニコライ2世と長女オリガと次女タチアナの肖像画が飛び出してくる仕掛けとなっている。こんな小さい肖像画の周囲にも細かいダイヤモンドが、散りばめられている。

 

『雄鶏の鳩時計』(Chanticleer)

こちらは1904年に作られた『雄鶏の鳩時計』(Chanticleer)とも呼ばれる物。これはロシア皇帝の為にではなく、ロシアの貴族であったアレクサンドル・ケルチ(Alexander Kelch)の要望によって作られた。

 

『雄鶏の鳩時計』(Chanticleer)

これも一種の鳩時計で決まった時間になると、このように蓋が開いてそこから雄鶏が顔を出して時間を知らせてくれる仕掛けが施されていたようだ。

 

『雄鶏の鳩時計』(Chanticleer)-2

こちらの鳩時計の裏には鍵穴があって、ここに鍵を突っ込んでネジを巻くシステムなんだけど、残念ながらこの鍵が紛失していてこの鳩時計が動くギミックは見れなくなってしまったという。

 

『15周年記念の卵』(Fifteenth Anniversary)

こちらは1911年に作られた『15周年記念の卵』(Fifteenth Anniversary)と呼ばれるもの。ニコライ2世がロシア皇帝になったのは1894年でこれだと1911年が15周年にならないけど、これは戴冠式が1896年に行われた事の15周年なので、正確には「ニコライ2世の戴冠式の15周年記念」である。

マトちゃん
マトちゃん

ニコライ2世の家族への愛が、溢れているのを感じ取れるイースターエッグね!

 

『15周年記念の卵』(Fifteenth Anniversary)-1

こちらの卵には特別なギミックは用意されていなくて、合計18枚のパネルが取り付けられているのをただ眺めるだけのようだ。こちらの中央正面にはニコライ2世の肖像画が描かれたおり、その下には作成された1911年の文字が見える。左右には1896年に行われた戴冠式の様子を描いた絵が入れられているのが見える。ロシア皇帝の年表は即位した日付とは別に戴冠式の日付も記載されていて、ロシア皇帝即位と戴冠式は別個な物と考えられているようだ。

 

 

『15周年記念の卵』(Fifteenth Anniversary)-2

こちら側にはニコライ2世の子供達の肖像画が見えている。中央の可愛いアレクセイは小さい頃から壊血病を患っており、その治療に対してニコライ2世は藁にも縋る思いだったようだ。

 

そして実際には催眠術を操っていたと考えられる、怪しい僧侶グリゴリー・ラスプーチン(Grigorii Rasputin)に頼る事になる。そして結果的にはそれが原因で、ロシア帝国の崩壊が早まるのであった。

 

『月桂樹の卵』(Bay Tree)

こちらも1911年に作られた『月桂樹の卵』(Bay Tree)である。上のイースターエッグはニコライ2世の皇后であるアレクサンドラ・フョードロヴナに贈られたものであるが、こちらはニコライ2世の母親であるマリア・フョードロヴナに贈ったもの。ニコライ2世は毎年2個のイースターエッグを発注していたのである。

 

『月桂樹の卵』(Bay Tree)-1

この月桂樹の緑色した325枚の葉っぱは、ロシアのサヤン山脈付近で産出する翡翠(ジェイド)を使用しているという。そしてその葉っぱ周辺にはアクセサリー的に色んな宝石が散りばめられていて、とても華やかに見える作品である。

 

『月桂樹の卵』(Bay Tree)-2

なお、こちらの上部にはギミックが仕掛けられており、後ろにある鍵穴に鍵を差し込んでネジを回すと、このように蓋が開いて小鳥が出てくる。そして小鳥は出てくるだけではなく、羽を羽ばたかせて頭を回し、さらに小さな嘴をパカパカと動かせる仕組みに仕上がっているのである。

 

ファベルジェ博物館に展示されているイースターエッグの部屋-1

単なる装飾品としての仕上がり自体が素晴らしい出来のインペリアル・イースターエッグだけど、そこに驚きを与えるギミックが必ず秘められているというのが凄いのである。それはロシア皇帝のニコライ2世からの依頼であり、毎年その驚かせるギミックを発明しなければならなかったカール・ファベルジェには負荷だったかもしれないが、逆にそれがあったからこそ、これ程の素晴らしい作品へと進化していったのかもしれない。

 

『聖ゲオルギの十字勲章』(Order of St. George)

こちらは1916年に作られた『聖ゲオルギの十字勲章』(Order of St. George)である。こちらはニコライ2世の母親であるマリア・フョードロヴナに贈られた、そして彼女が最後に受け取ったイースターエッグである。なお、こちらの作品はキエフに移住していたマリアの為に、わざわざカール・ファベルジェがキエフまで届けに行ったという。

1914年に勃発した第一次世界大戦の影響で大量の物資などが戦争に供給されている背景の中、王室の自己満足な贅沢は控える事になった。そして翌年にはロシア革命が起きてニコライ2世は退位する為に、これが最後の母親へ贈る作品となったのである。

なお、ボタンを押すと左右にある聖ゲオルギの彫刻部分が開いて、ニコライ2世と皇太子アレクセイの肖像画が現れるギミックが仕掛けられている。

 

『聖ゲオルギの十字勲章』(Order of St. George)-1

ヨーロッパ中を巻き込んでの大きな戦争であった第一次世界大戦の真っ最中であった為に、今までのイースターエッグとは異なり、質素な造りとなっている。なお、翌1917年にもファベルジェ工房は2個のイースターエッグを作成したが、残念ながら受取人に届ける事は出来なかったので、この1916年製が皇帝達にとって最後のイースターエッグとなるのであった。

 

イースターエッグが展示されている部屋 動画

 

『ケルチの雌鶏』(Kelch Hen)

こちらは1898年に作られた『ケルチの雌鶏』(Kelch Hen)。こちらの卵は皇帝用ではなく、ロシアの実業家で金鉱山や海運業などで富を築いたアレクサンドル・ケルチの奥さんにプレゼントされた7個のイースターエッグの1つ。左下にある水晶の下に入っている肖像画は、卵が完成した時にはケルチの家族の肖像画が描かれていたが、その後に皇太子アレクセイの肖像画に差し替えられたという。

 

 

水晶板で出来た、ブレスレット兼ネックレス

こちらはダイヤモンドで装飾されている水晶板で出来た、ブレスレット兼ネックレスである。こちらは2枚1セットになっていて、真ん中部分で取り外すとブレスレットとして使えるという。ちなみにこちらの発注したのは、ダイナマイトを発明したノーベルの甥であるエマヌエル・ノーベルである。

 

 

ファーベルジュ博物館に展示されているアクセサリー

こちらはイヤリングとして使われるように作ったと思われる、小さな装飾品が並んでいた。

ただし小さすぎて、あまりよく見えなかったけど・・・

 

ファーベルジュ博物館にある大広間の景色

こちらの大広間には特に展示されている品物は無かったけど、元々宮殿として作られた建物だけに大広間として古代ギリシャ風に装飾されているのが見える。

 

ファーベルジュ博物館にある大広間の景色-1

天井を支える古代ギリシャのコリント式の柱も見える。

 

ファーベルジュ博物館の展示を見学する人達

さて再びファベルジェ博物館内の展示品を見ていきます。作品ばかりに目が行ってしまいますが、天井を見上げると金で装飾されたシャンデリアが光り輝いているのも見えます。

 

ファーベルジュ博物館の展示を見学する人達-1

先程見たインペリアル・イースターエッグは下手すれば1個が約10億円もする物もあるので、展示品はこのように厚い防弾ガラスで守られている。

 

モスクワのフョードル・リュケルト工房で作られたもの

こちらの作品はファベルジェ工房の物ではなく、モスクワのフョードル・リュケルト工房で作られたもの。モスクワ競馬のとあるレースで勝利した際の記念品だとか。

 

ニコライ2世夫妻がウーラン連隊へ贈ったという透明のグラスなど

こちらにはフッサール近衛軽騎兵連隊に所属している時に、その制服を着ていたニコライ2世の肖像画が見える。その右側にはニコライ2世夫妻がウーラン連隊へ贈ったという透明のグラスも置かれている。

 

「嗅ぎタバコ入れ」(snuffbox)のケース

こちらの豪華なケースは「嗅ぎタバコ入れ」(snuffbox)のケースで、当時の西欧紳士の間ではとても重要なアイテムだったという。右側のケースの肖像画はウラジーミル・アレクサンドロヴィチ大公で、アレクサンドル2世の息子(三男)でアレクサンドル3世の弟に当たる。ちなみに左側のケースに入っている肖像画はアレクサンドル3世である。

 

 

シガレットケースなどが展示されている

こちらにはシガレットケースなども展示されている。婦人用のシガレットケースなどもあるようだ。

 

 

シガレットケースなどが展示されている-1

夫婦もお互いに愛し合っている状態であればこのようなプレゼントを貰ったら嬉しいかもしれないけど、夫婦仲が冷え切った状態でこんなプレゼントを貰ったりすると、一瞬でお蔵入りしそうな肖像画入りのケース。。

 

シガレットケースなどが展示されている-2

こちらは既に自己満足の製品にも見える。旦那がもしこれを貰っても、喜ばなかっただろうと感じる一品。。

 

シガレットケースなどが展示されている-3

これらのケースには細かいダイヤモンドなどの宝石類が散りばめられていて、とても豪華である。

 

ゾウなどの動物を模った彫刻作品

こちらにはゾウなどの動物を模った彫刻作品まで展示されている。小さくてとても可愛らしく座るゾウさんである。

 

凝った彫刻作品が展示されている

ここにはそれぞれに解説が必要な、細かい装飾された小物類が溢れる位に贅沢に並べている。

 

『踊る農夫の人形』

こちらは『踊る農夫の人形』である。一見すると単純な人形の像のように見えるけど、実際には珪石・石英砂岩・碧玉・プルプリンなどが使われており、ちょっと分かりにくいけど農夫の目にはなんとブルーサファイアが嵌め込まれているという。それと腰に巻かれている紐は金で出来ているという・・・。こちらの作品シリーズはファベルジェ工房でもイースターエッグに次ぐ重要な人気商品だとかで、農夫人形シリーズはニコライ2世の大のお気に入りだったという。

 

『パンジー:花』という作品

こちらの花差しグラスに入ったのは『パンジー:花』という作品で、1900年にパリで行われた世界展示会では高い評価を受けた傑作だという。このグラスの中に入っている水のように見えるのはロッククリスタル(天然の水晶)で、まるで本物の水が入っているようにしか見えない。葉っぱは翡翠(ヒスイ)から作られており、間近で見ても造り物に見えない程の完成度合いである。

 

”ブルドッグ”とも呼ばれたアレクサンドル3世をモチーフにして作られた作品

こちらは愛称”ブルドッグ”とも呼ばれたアレクサンドル3世をモチーフにして作られた、ブルドッグの顔型ケース。底には蓋が取り付けられていて、開けるとそこが空洞になっていて物を納める機能も付いている。

しかし目や鼻や歯にダイヤモンドが嵌め込まれてると、いやに恐ろしい顔に見えてしまう・・・

 

カタツムリの作品

こちらには動物・昆虫シリーズの作品が沢山並べられている。こちらのカタツムリもまるで生きているように見える作品である。

 

こちらは『流氷上のシロクマ』と呼ばれる、特別に磨かれたロッククリスタルから彫られていて、ホッキョクグマの毛並み感がとても再現されている。このアングルからだと分かりにくいが、このホッキョクグマの目には赤いルビーが埋め込まれている。

 

トランプ柄の灰皿

こちらはトランプに出てくる柄の灰皿のようだ。さっきまでの動物などの彫刻を見ていると、これらの物が普通に見えてしまう・・・。

 

熊の灰皿

ロシアにゾウの置物などはちょっと似合わないけど、熊の置物は似合う。

 

 

豪華なアクセサリー類

それにしても豪華な品々が所狭しと展示されていて、それぞれ小さいだけにまとまって展示されているのがとても勿体無くも感じてしまう。

 

豪華なアクセサリー類-1

こちらはニコライ2世の従兄弟にあたる、ロシア皇帝ニコライ1世の孫でもあるアレクサンドル・ミハイロヴィチ大公とその妻クセニア・アレクサンドロヴナが写った写真のレリーフが中央に飾られている。妻クセニア・アレクサンドロヴナが好きだった、ショッキングピンクに統一されているカラーリングである。

 

豪華なアクセサリー類を見学する人達

エルミタージュ美術館にはロシア人画家が描いた作品が少なく、置いてある有名な絵画は殆ど外国の画家たちの物。エカテリーナ宮殿も装飾品というのはそこまでなかったので、このファベルジェ博物館での金細工などの工芸品の精巧さを見ていると「ロシア・グレート!」という言葉が目の前に浮かんでくる感じであった。

 

豪華な物入れなど

昔の中国などではあまりに凄い造形技術を持っていた職人は、皇帝に対して最高傑作の品を作った後は二度と同じ作品を造れないようにと手を切り落とされたり、目をくり抜かれたという逸話を聞く事がある。でもカール・ファベルジェにはそういった事は無かったので、彼は次々に傑作を生みだしていったようだ。

 

豪華な装飾品の数々

ただこういう傑作の作品なども王族関係者しか、その当時は目に出来なかった訳で今の時代だからこそ、こうやって目の前で見れる時代になったのだ。

 

豪華な装飾品の数々-1

これだけ置かれていると真剣に1個ずつしっかりと見物していくと、ここだけでも結構な時間が掛かりそうな博物館である。

 

豪華な装飾品の数々-2

こちらはベルトのバックル部分である。バックル部分はベルトの中でも一番お洒落を強調できるので、特に凝って色んなパターンを作成していたのであろう。

 

ファーベルジュ博物館内の様子

ここファベルジェ博物館では現地ガイドさんの案内に従って、主要な作品を見ていくだけだった。この博物館見学時にはあまり分からなかったけど、帰ってからこの時の写真を見返していく度にこれらの工芸品の数々の凄さを思い知るのであった。。

 

ファーベルジュ博物館内に飾られている、豪華絢爛な品物

またこれらの展示品でどれとどれを組み合わせて置いて展示するとかも、それなりに置く人のセンスが求められるんだろうな。スペースが空いているからといって詰めて置くと見にくくなるしと、それなりに難しそうな展示品の配置。

 

ファーベルジュ博物館内に飾られている、豪華絢爛な品物-1

こちらは20世紀に入って量産されてきたカメラの普及に伴い、生まれてきたアイテムである。そう、これは写真を入れるアルバムであった。こちらにはモスクワの観光スポットの写真が入れられていたそうだ。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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