隠れキリシタンが多く暮らしていた﨑津集落で、信仰の支えとなった物【九州縦断秋旅行記㊼】

九州縦断旅行記(秋)2020年-㊼

 旅行期間:2020年10月24日~28日
(In the village of Sakitsu, where many hidden Christians lived, the objects that supported their faith.)

バレてはいけないキリシタン!

ここは熊本県の天草下島にある、世界遺産にも指定されている「﨑津集落」という、隠れキリシタンが多く暮らしていた漁村。昔は街道が無くて海路しかなかった為に世間と隔離されていた場所だったので、隠れキリシタンが長く根付いた場所でもあったようだ。

 

【天草の﨑津集落】

住所:熊本県天草市河浦町崎津535

 

 

 

﨑津集落にて

この天草地方で作られた塩は「ロザリオ塩」という名前が付けられているようだ。このような片仮名の名前が付けられているだけで特別な塩かと思ってしまうけど、塩は塩である。なお塩は明治時代に入って専売制となり、それが自由化されたのはまだ最近の事。

 

店内には色んなお土産なども見えるけど、ひと気は感じられない。特にコロナ禍では下手に人に接触する訳にもいかないので、外から見るだけにしておく。

 

﨑津資料館 みなと屋にて

そんな﨑津集落にあった、こちらの資料館に立ち寄ります。このような独特な集落は外から見ているだけでは分からない事が多いので、このような場合は資料館などに立ち寄ると色んな事を勉強できるのである。

 

【﨑津資料館みなと屋】

住所:天草市河浦町﨑津463
営業時間:9時~17時頃(※年末年始休み)
※入場料は無料
電話番号:0969-75-9911

 

 

そしてなんといっても「入館無料」という文字に惹かれてしまう。勿論資料館などには入場料が必要な所も多いけど、やっぱり無料と書かれているだけで、勝手に足が進んでしまうのである。

エロ坊主オジサン
エロ坊主
オジサン

無料って言葉は最高やろ!

 

まず2階に上がると、この﨑津集落のシンボルマークでもある﨑津教会が目の前に見えている。このような大きな建造物の無い小さな集落では、大きな教会の鐘楼がどこからでも見える。

 

まずは資料館の2階からが順序との事で、階段を登って上に上がります。2016年頃にオープンしたという資料館だけど、この建物自体は昭和11年(1936年)に「みなとや旅館」として造られた木造の建物を改装して使っているそうだ。

 

この建物が造られたのは、先程見えた﨑津教会とほぼ同年代。そんな歴史ある旅館は廃業してしまったけど、その後を継ぐように今は資料館として引き継がれている。

 

室内にはこのようなパネルなども色々と設置されていて、この﨑津集落についての歴史などが記されている。鎖国していたイメージが強い江戸時代だけど、実は幕末時代にペリー来航によって開国した後は、江戸時代ではあったものの外国人居留地ではキリスト教の宣教が許されていた。なので江戸時代終わりには既に、フランス人宣教師が日本にやって来ていたのである。

 

 

資料館には説明パネルの他に、隠れキリシタン達が心を寄せていた像なども展示されている。このようなキリスト教に繋がる像などは役人に見つかれば処分される為に、家のバレない柱の中などに隠されていた事例もあるようだ。

 

こちらは「ウマンテラ様」という、ここから少し離れた今富村の山の山頂に祀られていた像だという。パッと見は洋風の像には見えない。。

 

ウマンテラ様というのはキリスト教には見当たる名前が無いようだけど、ここでは手に剣を持っていたり、翼が生えていたりという点から、大天使ミカエルに相当する存在を像にした物だと推測しているようだ。

 

この大天使ミカエルはユダヤ教に登場する偉大な大天使で、その流れを継ぐキリスト教やイスラム教でも同様に崇拝されている。キリスト教だったら分かるけどイスラム教にも大天使ミカエルが登場するのはおかしいと思ってしまうけど、実はイスラム教もキリスト教のストーリーから派生した宗教でもある。

 

確かにウマンテラ様の像を近くで見ると、背中には羽のような物が生えているのが見える。日本人の考えの中では人に羽が生えているという伝説は聞かないので、そういう意味では西洋文化に影響されている像だという事が分かる。

 

そんなウマンテラ様を横にして、

エロ坊主オジサン
エロ坊主
オジサン

オレは北九州のウマンテラ・エロ坊主だ!

と叫ぶ変なオジサンが見える。

恐らくこのウマンテラ・エロ坊主に祈りを捧げた所で、御利益はなさそうだが・・・

朋ちゃん
朋ちゃん

実は子宝に御利益がある神様かも?!(笑)

 

この像は江戸時代に造られたものらしく、独特な形状なのでこの日本で作られたものと考えられているようだ。だから日本的なキリスト教の神様として、祀られてきたのだろう。

 

この﨑津集落は周囲から閉ざされていた環境にあったので、それだけ独自な文化が根付いていったのだろう。そしてキリスト教を信仰し出すと、ありとあらゆるものを信仰の対象にして、貝殻なども信仰の対象にしていたという。

 

 

2階には映像コーナーもあり、コロナ禍を配慮してこのように椅子はそれぞれに距離を取りながら設置されているのが見える。1つのウイルスの出現により、大きく世界が分かってしまった事を思い出す光景である。

 

こちらには2018年に『長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産』の12個の構成資産の1つとして、世界遺産に認定された﨑津集落の書状も飾られている(※複製)。なお、ここで世界遺産というとさっきの﨑津教会がそれに選ばれていると思いガチだけど、実はあの教会ではなくて、この﨑津集落全体が隠れキリシタンの集落として指定されているのである。

 

というのも﨑津教会は文化財の指定を受けていないので、世界遺産の構成資産として認められず、その代わりとして集落全体が選ばれているようだ。なので世界遺産的には﨑津教会は、﨑津集落内のイチ建物として存在しているだけのようだ。

朋ちゃん
朋ちゃん

へ~~世界遺産って、中々ややこしいのね~!

 

そしてモニターに流れる映像を元に、元中学の社会科教師だったエロ坊主オジサンの講義を受ける朋ちゃんの姿が見える。ちなみに添乗員さんのアルアル話で、「お客さんに先生が居るとすぐ判る!」というのがある。というのも教員をやっていると長期休みの時にしか海外旅行が出来ずに行ける時期が限定され、更には添乗員さんが一通り説明した後に個別に色々と細かい話を突っ込んで来る傾向が高いという。

エロ坊主オジサン
エロ坊主
オジサン

それだけ教師は勉強熱心やという事やけ!

 

こちらは昭和初期の、﨑津集落が最も繁栄していたという時代を再現したミニチュア模型。手前にあるのは﨑津諏訪神社で、この町割りは江戸時代後半からは大きく変わってはいないという。

 

福岡や長崎といった物流が多い都市と交易を行う事によって、多くの人が入ってきた為に﨑津は活性化して、大きく発展した。しかし町割り自体は江戸時代後半からそのまま変わらずで、昔ながらの雰囲気が残っているようだ。

 

海外では普通に見かける教会も、このように日本家屋の中に1つだけ違和感を感じさせながら存在していた﨑津教会。それだけにこの﨑津集落では、キリスト教が住民に浸透しきっていたという事なのかもしれない。

 

明治時代になると外国の建築様式も沢山入って来て、港のある都市などには洋式建築物が沢山造られていったけど、ここ﨑津集落では田舎だったのでそんな洋風建築は造られずに、昔からの日本家屋ばかりだったのだろう。

 

1つの集落で教会と神社が近くに混在するという、変わった場所。しかし住民達の心の拠り所は教会であって、神社は隠れ蓑だった。このように教会と神社が同じ構図内に見えるという、面白い場所。

 

そして1階にも展示コーナーがあるので、見学していきます。ただ展示品によっては撮影禁止になっている物もあったりで、写真撮影には少々注意が必要。

 

隠れキリシタン達は何かキリスト教を象徴する物を持ち合わせていないと自信が持てなかったのか、このような聖母マリアの刻印があるメダルや、アワビの貝殻に聖母マリアを見出して、信仰心を繋いでいたようだ。また左上の写真にあるように、柱の中にそのメダルを埋め込んでバレないようにしていたようだ。

 

という訳で「﨑津資料館 みなと屋」での見学を済ませてから、最初に見えていた﨑津諏訪神社の方に向かうと、その手前には﨑津教会を造ったハルブ神父の記念堂が見えてきて、その奥には彼のお墓も設置されている。

 

今ではキリスト教信者である事を隠す必要は勿論無いので、このように近くの家の軒先からは白いマリア像のような物も見えている。人間はこのような偶像崇拝がとても好きだけど、やっぱり目に見える物を信じてしまい易いという人間らしい特性が表れているのかもしれない。

 

このようにキリスト像の下に文字が刻まれているけど、解釈の仕方によってどうにでも取れる内容となっている。興味がない人間からすれば意味不明な言葉も、キリスト教信者であればこの文章から意味を見出そうとするので、色んな解釈を導く。そして人間は死ぬと生き返らないので、この言葉を言った人物は嘘つきであるのも確定的であるが。。

朋ちゃん
朋ちゃん

いいのよ、とりあえず信じれば~~!

 

こちらは﨑津集落でカトリックを布教したハルブ神父のお墓もある。ハルブ神父もガルニエ神父と同様に、長年天草で布教活動を行い、この地で没した。なので今見られるカトリック教会のある風景も、彼が尽力して築いた光景でもある。

 

このように今でも花が捧げられて地元住民に愛されている。ハルブ神父がここで行った事に対しての功績が、それだけ大きかったという事の証明でもあろう。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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2020年10月下旬に訪れた、福岡県から開始して佐賀~長崎~大分~熊本を巡る旅の開始。なお今回は旅仲間と巡りますが、初日の福岡巡りは前乗りという事もあって、1人で巡ります!
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