神奈川県&東京旅(2022年12月中旬)-60
訪問:2022年12月中旬(2泊3日)
旅行にカバンは付き物!
現代では多くの種類のカバンが世の中に溢れている時代だが、そのカバンもここ「世界のカバン博物館」に展示されている昔のカバンを眺めていくと、それぞれの時代毎に形状と材質が変わっていき、今に至っている歴史が勉強できる。
カバンの見学!
こちらは1980年頃に製造された、塩化ビニールレザーを使用した「スポーツバッグ」。
このスポーツバッグは1980年にモスクワで開催された【モスクワオリンピック(1980年)】を記念して、作られた物だったようだ。
『平和の祭典』とも言われるオリンピックだが、近年は政治色も強くなってきて、その時の世界情勢によって参加を辞退する国も度々見られる。
この【モスクワオリンピック(1980年)】もソ連がアフガニスタン侵攻を前年に行った為に、約50ヵ国の西側諸国がボイコットして参加を取りやめた。
柔道の山下泰裕は、全盛期だったのでホントに参加したかったんだろうね。。
こちらは1970年代に作られた、塩化ビニールレザー素材で更に”フェイクファー”を取り付けた、ヨーロッパで使われていた「スクールバッグ」。
最近の日本国内で販売されている小学生向けランドセルは、昔の黒と赤ではなく、自由に自分の好きな色なども選べる時代になっているが、流石に”フェイクファー”が付いたランドセルは殆ど見かける事が出来ないが。。
こんなん学校に持っていったら、イジメられるで・・・
カバンの歴史が大きく動いていくのは、19世紀中頃から20世紀半ば頃の間。
それはなぜかというと、カバンは人が外出する際に必要な物で、19~20世紀には交通機関の発達により、より遠くに移動する事になった為に、それに特化した新しい形状のカバンが生み出されていく。
こちらは1960年代に製造された「キャリーオン・バッグ」で、飛行機を使った旅行が主流になっていった為に、機内に持ち込めるサイズ用にコンパクトに設計されたカバンとなっている。
こちらは「オーバーナイト・ケース」で、第一次世界大戦が終結して好景気を迎えたアメリカ国内で、豪華列車の旅が人気となって、それ向けに作られたカバン。
このカバンはアメリカのニューヨーク市マンハッタンにある超高層ビル「クライスラー・ビルディング(Chrysler Building)」のアールデコ建築デザインにインスパイアされて、設計された装飾が施されているという。
1930年に完成した超高層ビルは、まだ現役で使われているぜい!
地震が来たら、恐いけどね~!
映画『アルマゲドン』(1998)予告編
「クライスラー・ビル」と聞くと、個人的には1998年に公開されたアメリカ映画『アルマゲドン(Armageddon)』の中で、降ってきた隕石がクライスラー・ビルに直撃して、ビルが折れて落ちていくシーンが思い浮かぶのだが。。
松田聖子が旅行客としてワンシーンに出てた映画よね~!
20世紀は2つの大きな世界大戦が勃発した影響で、飛行機業界が大きく発展する事に繋がった。
20世紀後半に入ると、それまでのプロペラ機に比べて2倍速く、更に2倍の乗客を運べるジェット機が運行され、それまで富裕層しか行けなかった海外旅行が庶民の手が届くレベルになっていく。
こちらはそんな世界旅行ブームを牽引した、”パンナム航空(パンアメリカン航空)”の「エアラインバッグ」。
世界で最初のジャンボジェット機を導入し、世界初の”自社運航による世界一周路線”を開設し、更には世界初のビジネスクラスも導入し、就航する主要都市へ系列ホテルチェーン「インターコンチネンタルホテル」を展開するなど、現代の航空業界で当たり前になっている事を始めた先駆者でもある。
【Catch me if you can [2002] Frank becoming Pilot scene】
”パンナム航空”というと、2002年に公開されたアメリカ映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(Catch Me If You Can)』の中で、主演のレオナルド・ディカプリオ演じる詐欺師「フランク・アバグネイル」が、パンナム航空のパイロットに憧れて、偽パイロットとして活動するシーンが思い浮かぶ。
世界を席巻したパンナム航空も、最後は1991年に破産してしまったな・・・
こちらは1940年代初めに「ゼロハリバートン社(Zero Halliburton)」が製造した、最初の量産プロトタイプ品でアルミニウム合金を素材とした「スーツケース」。
ゼロハリバートン社の創業者「アール・P・ハリバートン(Erle P. Halliburton)」は、第一次世界大戦前から産油ビジネスを手掛け、世界最大級の”石油/天然ガスの探鉱/開発/生産関連サービス”会社である『ハリバートン(Halliburton Company)』の創業者でもある。
アメリカの砂漠地帯で石油採掘を行っていたハリバートン氏が、砂埃が中に入らない構造のカバンを開発して商品化し、1960年代のアポロ計画で月面着陸して”月の石”を採取した際に入れたのが、このゼロハリバートン社のスーツケースであった。
”月の石”、昔に見に行ったデ♪
元々は砂埃対策で密閉性が高く、アルミニウム合金を使った頑丈なカバンとして人気となった品。
そんなゼロハリバートン社は2006年にエースカバンの「エース株式会社」が商標&販売権を買収して、グループ会社になっている。
こちらは1950年代に作られた「トラベルバッグ」で、ミシンなどで行う縫製加工を排除して、品質の標準化&低コスト化に成功した商品。
第二次世界大戦後の大量生産時代に、こういう加工手間の掛からないカバンが多く製造されていく事になる。
こちらは1970年代に作られた、塩化ビニールレザー素材のスーツケースと、それに付随するヴァニティーケース。
右側のひと回り小さい”ヴァニティーケース”は、女性の化粧品用具入れとして、女性の旅の供として人気を博したという。
こちらの大きな「キャビントランク」は、明治~昭和初期の政治家/公家であった「西園寺 公望(さいおんじ きんもち)」が、大正8年に第一次世界大戦終結後のパリ講和会議に出席する際に、実際に日本郵船の客室に積み込んで使用した品。
大正時代はまだ飛行機が殆ど飛んでいなかった時代なので、海外に行く際には船旅だった。
その船旅もヨーロッパまで出向くには数ヵ月も掛かる長旅だったので、着替えなど多くの荷物を持って行く必要があった為に、このような大型のキャビントランクが愛用されていたようだ。
こちらは日本伝統の「長持(ながもち)」で、江戸時代には輿入れの際にこのような長持ちに嫁入り道具を入れて、持ち運んでいたイメージが強い。
江戸時代の道はボコボコだったから、キャスターを付けるという発想はなかったぜい!
こちらの地球儀は真ん中に切れ目が入っていて、蝶番(ヒンジ)が取り付けられているのが見える。
このままカバンに入れて運ぶと嵩張る為か、半分に割ってカバンに入れやすくしたのか。。
このように時代によって、船旅用のカバンや、飛行機旅用のカバン、またカバンを使う場所によって機能性が特化した物など、多種多様なカバンを眺める事によってその歴史も勉強できるのであった。
こんな旅はまた次回に続きます!
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2022年12月中旬に『どこかでマイル』を使って訪れた、2泊3日の神奈川県&東京旅です。