南海天王寺支線跡(2023年6月)-5
訪問:2023年6月
線路跡を探して!
大阪市西成区内に柵で仕切られて、入れない空間。
その正体は「南海電鉄:天王寺支線」の土地跡だった。
大阪に住んで数十年になるボクにとって、この南海天王寺支線は行動範囲の狭かった中学生時代に廃線となってしまっていた為に、この線路の存在を全く知らなかったのである。。
飛田本通駅跡の「山王みどり公園」を散策!
そして今居る飛田本通商店街とも呼ばれる「動物園前商店街:1番街」と「同:2番街」の間にあった空き地は、今では「山王みどり公園」として日中のみだが一般市民向けに開放されている。
住所:大阪府大阪市西成区山王1-14-10
営業時間: 10時~16時頃
今では普通に縦長の公園となっているこのエリアに、約30年程前まで「南海天王寺支線」の線路が存在していたのである。
1900年に開業した南海天王寺支線は、当初は単線だったが利用客が増えた為に複線(2線)となった。
しかし、1984年に天下茶屋駅~今池町駅区間が廃止となった後は、単線路線となって、その線路跡に「飛田本通駅」が新設される事になる。
そんな線路跡に造られている「山王みどり公園」だが、ここには当時の線路跡を彷彿とさせるようなモニュメントは一切設置されていない。
だから線路跡の知識が無い人がこの公園を訪れても、「まさか、ここに電車が走っていたなんて?!」と驚く事もない・・・。
こちらは『地理院地図』で
①1961~69年
②1974~78年
③1979~83年
④1984~86年
の、この「阪神高速:阿倍野入口周辺の航空写真」を重ねてみたもの。
今では大きな阪神高速道路がこの公園の上を跨いでいるが、1960年代以前まではその影も形も無かったようだ。
飛田の花街を阪神高速が貫いているのは、あまり好きではないけ!
そして南海天王寺支線の線路は、この高速道路の下を通って天王寺交差点から西に延びる道路を渡って、今では「東横イン ホテル」が建っている場所付近に向って延びていたようだ。
「山王みどり公園」の北端には残念ながら出入口が無かったものの、ここで今まで何回も通った事のある道で、今まで疑問に感じていた事が”融解するかの如く”、謎が解けた瞬間でもあった。
「山王みどり公園」を抜けて東に行くと、こちらの「西成警察署:北門交番」が見えてくる。
この交番前もよく通るけど、個人的には”西成らしさ”がとても表れている印象を受ける交番とも思っている。
というのも小さい交番ながら、このように”窓が金網柵で覆われている”所である。
このエリアは昔は暴動が起きたり、また近くに暴力団事務所が密集していたりで、物騒な場所である。
その為に、この様に厳重な守りの交番となっていた訳である。
【西成の暴力団事務所11/鮪アンダーグラウンド】
近くには「智崇院」という寺の門に、このような落書きっぽくも見える千手観音像が描かれていた。
写真加工アプリで、絵を動かしてみたぞ!
そしてこの壁に挟まれた道が以前から何回も通っている時に、
「何で車道がこんなに潜っているのか?」
と疑問に思っていた箇所だった。
そしてこのかつて走っていた「南海電鉄天王寺支線」の車窓動画を見ていて、この道の上に線路があった為に、その”下を車が通れるように少し掘られていた”という訳だった。
全てに理由があるんや!
【前面展望】 南海電鉄天王寺支線(3) 今池町ー天王寺
そしてこのフェンスで仕切られている場所は、北東の斜め側を向いて、今では東横インが建っている場所に続いている。
そんな線路跡だった土地の脇に、解体現場に”ポツ~~ンと1人取り残された”かのような螺旋階段がそびえている光景が見られた。
まるで『天国に繋がる階段』のようになっていて、このまま置いておけば、”観光客向けの人気インスタ映え”スポットにもなりそうな場所に思えた。
天王寺の交差点から西に下っていく道路の途中に、このようなフェンスで区切られている場所が南海天王寺支線の線路跡である。
この前の道路は交通量も多いので、このような空き地として置いておくよりも、何かしらの再開発が出来そうな土地にも思える。
そして前の道路を渡った先には、今では「東横INN あべの天王寺」の大きなホテルが見えてくる。
ちなみにこの「東横INN あべの天王寺」は長く”コロナ患者宿泊療養所”となっていたが、今年2023年4月から解除され、再び一般客向けの営業を再開した。
なお、先日久々に映画館に行って、作品上映前の映画の宣伝を見ていたら、とある映画のワンシーンで見た事のある場所が背景で映っていた。
◤特報◢ 9/29公開 映画『BAD LANDS バッド・ランズ』
その作品とは、9月29日に劇場公開される『BAD LANDS(バッド・ランズ)』という”安藤サクラ”と”山田涼介”が出演する映画だった。
ちょっと調べてみるとこの大阪市内でもロケが行われており、天王寺交差点から西側に降りてきた、このかつて南海電車の線路跡を安藤サクラが走っていたのであった。。
南海電車の線路跡と知らずに走ってんちゃうか?
南海天王寺支線の線路跡が唯一残る場所!
その「東横INN あべの天王寺」の北側には、かつてJR環状線などの線路踏切跡があった小道がある。
その小道の東側にはコインパーキングと共に、これまた”柵で覆われた不思議な空間”が広がっていた。
この空き地は南海系グループの不動産会社が所有/管理している土地らしく、残念ながら中には入れないようになっている。
しかし、金網の隙間からは、奥の方に『唯一、南海天王寺支線で残されている線路跡』が少しだけ見えていた。
それからもう少し天王寺駅寄りにあったコインパーキングから、その南海天王寺支線の線路跡を再び眺めてみた。
廃線になった後も長い間、ここに南海天王寺支線の線路が残されていたらしいが、今ではこのように殆どその線路は撤去されてコンクリート舗装された場所となっていた。
南海天王寺支線の線路跡! 動画
こちらは天王寺駅側から見た、かつて「南海天王寺支線」が通っていた場所。
ここからは既に線路を見る事が出来なくなっており、ここから景色を眺める人も「ここに線路があった」という事に気付けなくなってしまった場所でもあった。。
JR西日本の線路は健在やで!
※電車好きでもない人間が調べた内容なので、間違っている情報や追加情報などがあれば、コメント欄にてご指摘頂ければ幸いです。。
こんな旅はまた次回に続きます!
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