神奈川旅行記2020年秋-㉑
旅行期間:2020年11月24日~27日(3泊4日)
(Meigetsuin Temple: the garden after the main hall, which is usually closed to the public, is specially open to visitors during the autumn foliage season. [Kanagawa Travelogue 21])
秋にも咲く紫陽花?!
鎌倉にある『アジサイ寺』として多くの観光客が訪れるという「明月院」。鎌倉幕府5代執権:北条時頼が建立した寺の塔頭として造られた明月院ですが、今では敷地内に多く植えられているアジサイが人気となっており、そのアジサイが咲く6月のシーズンは大混雑する場所ともなっている。
住所:神奈川県鎌倉市山ノ内189
営業時間:9時~16時頃
電話番号:0467-24-3437
拝観料:高校生以上500円/小中学生300円
※本堂後庭園の特別公開は6月頃と11月頃のみ
※6/1〜6/30は平日のみ開門(土日は終日閉門)
明月院の本堂後庭園を見学!
その明月院の本堂裏にある庭園は普段は一般公開されていないが、年に2回だけ特別に見学する事が出来る。花菖蒲という植物が花を咲かせるタイミングは既に過ぎ去っていたので、今は紅葉シーズンでたまたま特別公開されていた。なお、この裏庭園は明月院の拝観料とは別に、追加で大人500円必要なので注意。
追加で500円が必要な庭園というのも珍しい値段設定に思えるけど、この本堂後庭園を見学していると庭園の手入れがしっかり行き届いており、その管理にそれなりの維持費が掛かっている様子が読み取れる。だから寺としては金儲けというよりも、この庭園を維持する費用を出してもらっているという感じに思える。
本堂後庭園の景観! 動画
先程並んでみんなが写真を撮っていた人気スポットの”悟りの窓”を、反対側の庭園側から眺めてみた。相変わらず窓の奥には写真を撮ろうとしている人達の行列が見えているけど、写真を撮る人達はなるべく窓の奥に人が写っていない写真を撮りたいようだ。しかしこの庭園に入場した人間からすると、わざわざ500円の追加入場料を払って入って来ているのに、外側から写真を撮っている人達に気を遣いながら庭園を散策する必要もないので、そんな事を気にせず歩く事にする。
こちらの枯山水庭園もどきの砂場の盛り上がった場所に亀が居ると思ったけど、よ~~く見てみると亀の置物だった。この明月院の庭園などはこのようにちょっと真面目な寺とは一味違って雰囲気で、ゆる~~い雰囲気を楽しんで管理しているような感じを受けたのであった。
この本堂後庭園は6月と11月末のみの限定公開となっていて、今は紅葉シーズン(と言っても紅葉も終わりかけ・・・)。ただ紅葉と言ってもモミジの木が全部赤く葉っぱを変色させる訳ではなく、人間のようにそれぞれ個性があるように真っ赤な葉っぱを付けている木があれば、全く赤い葉っぱを付けていない木もあったりで、それらの個性を受け入れてあげる余裕を持って見学してみると、それはそれで楽しめるのである。
そして通路を進んで行くと、大きな亀のような形をした岩みたいな物が見えてくる。さっき小さな亀の置物があったから、それに関連するものなのかな?!
正面には看板があって「昭和初期まで使用していた炭焼きの窯」と、説明が書かれていた。ちなみに後日NHKで放送されていた『岩合光昭の世界ネコ歩き:鎌倉』の番組内で、この窯の中に入る猫ちゃんが写っているシーンがあった。
この明月院にはこの黒猫:ムーミン以外にも何匹かの猫ちゃんが居るようで、鎌倉でも猫好きな人には意外と人気の寺らしい。ただボクが訪れた日は雨が降っていた事もあって、全然猫ちゃんを見かける事が出来なかった・・・。
人類の技術はドンドン発展していって、昔は薪に火をつけて燃やしていたのが、今では薪で火をつけている家庭も都会では殆ど見られなくなってしまった。田舎でも風呂を焚く時は昔は薪だったのだが、今ではプロパンガスや給湯器などの普及で、田舎でも薪に火をつける家庭も減っているようだ。
花菖蒲の池
この本堂後庭園見学のメインは今の時期は見られないけど、ここに植えられている「花菖蒲(ハナショウブ)」である。花菖蒲は江戸時代以降に品種改良が盛んになり、300以上の品種が生み出されて、全国展開されていった。
この訪れた秋には収穫が終わった田んぼのような風景だったけど、花菖蒲の花が咲く5月末~6月上旬のシーズンには全然景色が変わって見えるようだ。こちらにはその花菖蒲が開花する時期の写真も飾られていたけど、普段花菖蒲の花なんて気にした事が全くないので、その写真を見ても全然頭にイメージが湧かないのであるが。。
その花菖蒲が植えられている場所にはこのような通路も造られていたけど、この時期だったら花菖蒲ではなく、この通路の方が目立つ存在になっていた。。
その花菖蒲は今は見られないけど、その代わりに紅葉したモミジが見られる本堂後庭園。しかしこの時はそこまで感動する程に紅葉したモミジの葉はあまり見られず、かつスマホで撮った写真も紅葉の赤さをそこまで反映できずで、少々残念ではあった。。
しかも雨まで降っているという事で、想定していたよりも楽しめない本堂後庭園。とりあえず通路を進んで奥まで行くと、花菖蒲だけではなくアジサイもここに植えられている様子が見えてくる。
こちらの説明板によると、ここに植えられているアジサイは「姫あじさい」という品種で、昭和時代にある人が信越地方で見つけて、その優雅な姿からこの名前を付けたとか。
観葉植物などが好きな人からすればアジサイの花が咲いているイメージが湧くかもしれないけど、観葉植物に興味のない人間からすれば「アジサイの花って、どんなんだっけ??」と何も想像が付かないのである。。
植物の勉強も必要ダね!
ただそんなシーズン外れの時期にでも、どの世界にも変わり者が居るのと一緒で、このように少しだけ咲いているアジサイを発見する。まるで時季外れのシーズンだけど、追加で500円の入場料を支払ってまで裏庭を見に来てくれた見学客を喜ばせる為に、わざわざ咲いてくれているかの如きアジサイだったのである。
人間もそうだけど地球に生きる生物には、必ず一定の割合で異変種が生まれてくるようになっている。どんな進化の過程でも同じ種が生き残り続ける訳ではなく、環境に対応した種が生き残るというダーウィンの理論。アジサイで言えば、5月~7月にしか花を咲かさない普通のアジサイに対抗して、他のアジサイが咲かない秋に咲く事によって、独占的に種子をバラ撒ける可能性がある。
もしそれでうまくいけば秋に花を咲かす種が増えるし、種子をバラ撒く昆虫が少ない秋に咲いても無駄であれば、淘汰されていくだけの事である。。
11月の終わりになると、雨が降れば地面には多くの紅葉で力を使い果たしたモミジの葉っぱが散乱しているのが見える。しかしこれは散って悲しむのではなく、この散った葉っぱが土に還って次は養分となって土壌に栄養を与えて、その次の世代に命のバトンタッチをしていく過程に過ぎないのである。
という事で本堂後庭園はそこまで広い訳ではなく、約5分で意外と簡単に一周の見学を終えてしまう程の場所。どうせ入場するのであればもう少し時期が早めで紅葉が真っ盛りのシーズンの方が良かったかもしれないけど、今回の神奈川旅ではそれを目当てにしていた訳ではないので仕方ない事。
その本堂後庭園にはこちらの青い肩掛けが被せられた、屋根付きの地蔵も設置されている。そして地蔵は歩けないのに、わざわざ足元に草履を置いてあったりと、まるで生きている人間を扱っているかの如く感じる明月院。
こちらは「青地蔵」と名付けられているようで、”アジサイ寺”として呼ばれる事もあって、そのアジサイの花の色にあやかって青地蔵となっているのかもしれない。こちらには「透明な青色はどこにも存在しないと。あなたはどう思いますか?」と書かれているけど、何とも答えようのない質問に思えるが。。
こちらには地蔵を取り囲むようにウサギの像が、その両脇を取り囲んでいる様子も見られる。そしてそのウサギの像をよ~~く見ると、左のウサギはなんと眼鏡を掛けているではないか。
なんとも遊び心のある明月院ならではダね!
こちらの先は残念ながら前年の台風の影響で、まだ通れないままになっているようだ。大阪市内に住んでいると台風が来てもあまり大きな被害は起きないけど、地方や木が沢山生えているエリアなどでは、倒木などもあってその後処理が大変みたい。
こちらはさっきの青地蔵に対抗してか、同じように肩掛けを付けた赤い「赤地蔵」も設置されているのが見える。ひょっとしたらこの本堂後庭園が特別に公開される秋の紅葉したモミジの色になぞらえて、赤い地蔵を設置していたのかも。
「命の色を赤地蔵様、教えてください。不思議、不思議、人の体は小宇宙」と書かれていて、明月院の人達の深みある思考に考えさせられるような看板である。
モミジの葉っぱも紅葉しているのばかりではなく、このように全く紅葉せずに緑色のままの物もたまに見られる。もしかしたらこれから紅葉しだすのかもしれないけど、「オレは周りの奴とは違うんだぜ!」と語りかけているメッセージが聴こえてくるような・・・。
こちらは本堂の裏側から、さっき写真を撮った悟りの窓を眺めた写真。冷静に考えれば単なる丸い窓なんだけど、その背後に綺麗な庭があったりと上手い事写真スポットを演出している仕掛けとなっている。観光客を多く惹き付けようと思うと、このように写真を撮りたくなるスポットを演出するのが今の流行りなのかもしれない。
ホンマ現代人は、何でもかんでも写真に撮るよね!
もう少しモミジの葉っぱが紅葉していたら写真映えして良かったのかもしれないが、これはこれでそれなりに楽しめたと思う。後は猫ちゃんが居たらもっと楽しかったのだろうが、その反動で明日出会った猫ちゃんの写真を大量に撮る事になるのだが。。
こちらは本堂裏にあった水深の浅い池だけど、ここの亀も本物ではなく、置物の亀だった。さすがに亀を飼っていたら好き勝手に色んな所へ移動されてしまうと困るので、仕方なしに置物を飾っていたのかも。
こんな旅はまた次回に続きます!
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