井伊家藩主の大豪邸として使われていた、江戸時代から残る「楽々園」の建物群【彦根城旅行記9】

彦根城旅行記2022年1月-9

旅行期間:2022年1月(当日旅)

豪邸跡!

彦根城 楽々園の建物

さて彦根城本丸の見学を終えてから、内堀沿いにある彦根藩を治めていた井伊家の屋敷跡「楽々園」をこれから見学していく。

かつてはふんだんにケヤキの木が使われていた事もあって「槻御殿」とも呼ばれていたが、今では「楽々園」という名前が通称となっているようだ。

 

 

 

「楽々園」の見学!

滋賀県 彦根城 楽々園 案内板

この「楽々園」という場所は、彦根藩第4代藩主「井伊 直興(いい なおおき)時代の1678年頃に建設された、藩主の下屋敷として主に使われていた建物である。

しかし単なる下屋敷としてではなく、後になってから隠居した藩主が豪勢な建物を増築していき、藩主が藩政を行っていた表御殿よりも立派な建物にまでなっていたという。

 

滋賀県 彦根城 楽々園 案内板2

そんな楽々園の入口にあった、こちらの説明板もよく見てみると、このように一部の文字が”変な漢字”になっていた。

普通はこのような説明板は真面目な内容になっているので、途中で文字のフォントが変わる事もないだけに、余計に目が行ってしまった。

飛虎ヤン
飛虎ヤン

彦根市の遊び心が出ていたんや!

 

滋賀県 彦根城 楽々園 玄関棟

こちらは楽々園の「玄関棟」で、2005年から行われている改修工事で真っ先に改修されていたので、このように綺麗な外観となっていた。

彦根城に来ると、やっぱり江戸時代から残る城郭の建造物に目が行ってしまうけど、このような藩主が暮らしていた江戸時代から残る建物も貴重なのである。

 

滋賀県 彦根城 楽々園 修復工事の説明板2

こちらには2005年から行われた、玄関棟の改修工事の経過が張られていた。簡単に鉄筋コンクリートで造られている建物ではなく、江戸時代の建物をそのまま修復する手間が掛かる工事なので、このように多くの工程を経て工事が行われる。

 

滋賀県 彦根城 楽々園 修復工事の説明板3

そして楽々園には、この玄関棟だけではなく、全部で10棟ぐらいの建物が残っているので、それらを全てこのような江戸時代の建物のまま修復工事を行うので、その工事計画は約20年間を見込んでいる。

単なる補修工事ではなく、過去の遺跡調査も兼ねているので、余計に時間が掛かるようだ。

 

滋賀県 彦根城 楽々園 修復工事の説明板

そして楽々園の中でも特に目立った建物が、この先にある「御書院棟」である。

1812年頃から大幅に増改築が行われた楽々園だけど、その頃の日本国内は多くの藩が財政難で苦しんでいた時代だっただけに、それだけ彦根藩に財政的な余裕があった可能性が考えられる。

飛虎ヤン
飛虎ヤン

それか、無理して造ったか?!

 

滋賀県 彦根城 楽々園 玄関棟 正面

この楽々園は明治時代に入ってからは民間で旅館営業が行われ、平成の時代に入るまでの約100年間に渡って宿泊施設として使われていた。

それもあってか、明治時代には一部の建物に浴室と便所が設けられたが、今回の改修工事の際に真っ先に「江戸時代の建物にふさわしくない」として、その浴室と便所が撤去されたようだ。

 

滋賀県 彦根城 楽々園 玄関棟 正面入り口

ただ、この玄関棟はこのように入口だけしか見る事が出来ずに、内部の見学は出来ないようになっていた。改修工事は既に完了していた玄関棟だけど、特別な公開の時以外は入れないようだ。

 

滋賀県 彦根城 楽々園 玄関棟 内観

江戸時代に大幅な増改築が行われた楽々園だけど、その後に規模が縮小されたようだ。

どうやら彦根藩の財政状況もそんなによろしくなかった可能性があり、無理して偉いさんの自己満足の為に建てられた建物も、その偉い人が亡くなった後に解体されたのかもしれない。

 

 

楽々園の園内に進む!

滋賀県 彦根城 楽々園 玄関棟脇

そして玄関棟の脇に楽々園の奥に通じる入口があったので、ちょっと先に進む事にした。この楽々園の園内は無料で見学できるようになっている。

ちなみに有料となっているのは、この隣にある「玄宮園」という大名庭園の方である。

 

滋賀県 彦根城 楽々園 中

藩主の屋敷跡という事もあって、雄大な敷地の雰囲気が待ち受けている。

雪がこのように積もっている事もあって、より綺麗に見える景色が待ち受けている。

 

滋賀県 彦根城 楽々園 雪景色

そして楽々園の建物から庭を見て楽しむように、建物の向かい側には「枯山水庭園」も見えるけど、このように雪に埋もれていて、その姿は半分消えてしまっていたが。。

 

 

楽々園内の景観! 動画

 

 

滋賀県 彦根城 楽々園から眺める景色

そして奥の方には大名庭園の「玄宮園」も見えているが、向こうは有料ゾーンとなっている事もあって、この楽々園内からは道が繋がっていない。

それとこのような景色も自然に出来た景色ではなく、藩主が楽しめる景観をわざわざ造ったのである。ちなみに昭和初期までは、奥の庭園との間に池も存在していたという。

 

滋賀県 彦根城 楽々園 御茶座敷

楽々園内の奥には、このような古い家屋も見られた。こちらも御書院と同様に、1814年頃に彦根藩:第11代藩主「井伊 直中(いい なおなか)が隠居した際に、新たに造設された建物である。

なお、その井伊 直中は、あの有名な井伊直弼の実父である。

 

滋賀県 彦根城 楽々園 御茶座敷 説明

この建物は「茶座敷」という、お茶を振舞う茶室として建てられた。ただ、今では「地震の間」という、あまり目にしない建物の名前となっている。

これは建物の構造が地震対策を施されていた為に、今では「地震の間」の名前で呼ばれているそうだ。

 

滋賀県 彦根城 楽々園 御茶座敷前の景色

こちらには昔、鹿威しが取り付けられていたような丸い穴が空いた石も置かれている。

そしてそんな石の上に水が溜まって、その周囲に綺麗に雪が積もっていたが、水が凍結する程の寒さではなかったようだ。

 

滋賀県 彦根城 楽々園 御書院 外観

こちらが「地震の間」と同時期に新設された「御書院」で、こちらの建物も2012年に約4年に渡る補修工事が完了している。

ただ一般開放されていない建物となっており、たまに”特別公開”として内部の見学できる日が設けられているようだ。

 

滋賀県 彦根城 楽々園 御書院 見上げる

御書院内は10~15畳の部屋が4部屋あり、隠居した井伊直中が客人を迎えた時に応対する建物となっていた事だろう。そしてこの部屋からは、正面に大名庭園や、その間にある枯山水庭園なども見られる。

 

滋賀県 彦根城 楽々園 御書院 内観

部屋内を遠目に眺めてみると、「御上段」と一段高い部屋が見える。昔は身分が高い者は、一段高い場所に陣取っていたので、あそこに井伊直中などが座っていたのかもしれない。

 

滋賀県 彦根城 楽々園 彦根城世界遺産を目指す旗

そして近くには、こちらの「彦根市を世界遺産のある町に!」という内容が書かれたノボリが見られた。

2024年度の世界遺産登録を目指して彦根市が力を入れてアピールしているようだが、個人的には世界遺産に登録するには、江戸時代からの城郭だけではちょっと印象が弱いように感じたが・・・。

飛虎ヤン
飛虎ヤン

世界遺産になれば、良いって訳じゃないんやけどね・・・

 

 

 

「玄宮園」の見学!

滋賀県 彦根城 玄宮園へと向かう道

楽々園は改修工事中で全ての建物を見学する事が出来なかったので、そこそこで切り上げて、隣にある大名庭園の「玄宮園(げんきゅうえん)へと向かう。

なお、この玄宮園はさっきの楽々園と共に『玄宮楽々園』として”国の名勝”に指定されているが、玄宮園の方だけ有料ゾーンとなっている。

 

滋賀県 彦根城 玄宮園へと向かう道2

その為に玄宮園入口に小さな小屋があって、そこで入場チケットの有無を確認していた。

この玄宮園は単体なら入場料:大人200円となっているが、彦根城本丸の入場料800円内に玄宮園の入場も含まれているので、天守閣を見学してきた人は追加で入場料を支払う必要はない。

 

滋賀県 彦根城 玄宮園から眺める楽々園

そして玄宮園の中に繋がる道を進んで行くと、さっき見学した楽々園の建物などが左側に見えてくる。

この間の土地は立ち入り禁止となっていたけど、戦前までは池があって、更には手前に滝も作られていて、その流れた水が琵琶湖に流れ込んでいたとか。

 

滋賀県 彦根城 玄宮園の景色

そしてすぐに右手に、美しい『池泉回遊式庭園』の景色が見えてくる。日本庭園の芸術の域に達したような綺麗な光景だった為に、しばしの間、見惚れてしまうほどだった。

特に今回は雪が多少積もっていたので、それが雪化粧して余計に印象的に見えたのかもしれない。

飛虎ヤン
飛虎ヤン

踏みしめられていない、積もった雪は綺麗やね!

 

滋賀県 彦根城 玄宮園の建物

そんな庭園の中央付近には、このような昔風の建物も見られる。この建物は「臨池閣(りんちかく)という、江戸時代に井伊直弼なども茶室として使っていた建物を増築して造られた、「八景亭」という料理旅館だった建物。

 

明治時代から営業していた「八景亭」は、2017年をもって廃業してしまっている。こんな素晴らしい日本庭園内に宿泊できるなんて、想像も出来ない旅館だけど、廃業後は彦根市に移管されていて今は営業をしていない。

 

滋賀県 彦根城 玄宮園の景色2

このように江戸時代の景色が多く残されているように思える彦根城周辺だけど、細かい点を見ていくと、やっぱり明治時代以降に手を加えられた箇所がそこそこに存在している。

世界遺産を目指す彦根市からすると、そのように明治時代以降に手が加えられた箇所を撤去して、江戸時代の景観を取り戻す方針のようだが。

 

滋賀県 彦根城 玄宮園 七間橋

個人的には既に『国宝』にも指定されている彦根城天守があるのだから、わざわざ世界遺産を目指さなくてもいいのではと思う。世界遺産に登録してもらうにはハードルが高く、江戸時代からの城郭が現存しているのは国内で彦根城だけではないので、そこまでの希少性も感じられない。

しかし、目立った産業も無い彦根市では、この彦根城という観光資源を更に活かす為に、『世界遺産』の称号がどうしても欲しいと思っているのだろう。

 

 

玄宮園内の景観! 動画

 

 

滋賀県 彦根城 玄宮園 七間橋と彦根城

普段はこのような大名庭園にそこまで興味を示さないけど、玄宮園ではこのようにバックに彦根城が見える、素晴らしい景色が待ち受けていたので、入場した甲斐を感じた。

そして世界遺産に登録されるかの是非は別として、この素晴らしい緑と江戸時代の雰囲気は守り続けて欲しいと感じた景観でもあった。

飛虎ヤン
飛虎ヤン

世界遺産になるように、是非応援してね!

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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