九州縦断旅:北九州編
旅行期間:2020年8月中旬
北九州一の小倉の街
ここは福岡県の北九州市で一番大きな街の小倉。そして小倉藩の城であった小倉城を目の前にしている。ここから見ても分かるようにこの小倉城は”唐造り”と呼ばれる中国の建築様式を取り入れている。”唐造り”というのはこの天守閣の4階部分がその上の5階部分よりも一回り小さくなっていて、その代わりに屋根と言うかひさしがないのが特徴の建築様式だという。
小倉の街を散策する
そして小倉城を出てから南側の方へと向かうと、そこには「小倉祇園八坂神社」がある。元々は小倉城内の場所だった所にこのような神社があり、名前からも分かるように有名な八坂神社の小倉支部のような形でこの神社の起源は約400年前に遡るという。当時の藩主である細川忠興が鷹狩に行った際に鷹に目を蹴られて失明寸前になり、神に無礼を働いたせいだと思って荘厳な神社を創建したそうな。
こちらはその八坂神社の歴史がありそうな東楼門。この八坂神社もこの門側から入ると威厳があって歴史ある雰囲気を感じれたけど、反対側の小倉城敷地側から入ってしまったのでイマイチその雰囲気を味わう事が出来なかった。なのでもしこれからこの辺りを訪れようと思っている人には、八坂神社を訪れる際にはこちらの東楼門側から入る事をオススメする。
東楼門を出るとそこには小倉城の内堀が周辺に広がっているのが見えてくる。日本中にお城があって日本人からすると知らぬうちにこういう光景は自然に思えるけど、これは当時の築城様式では重要な防御システムであったのだ。雨があまり降らない中東などでは考えられないけど、水が豊かな日本らしい防御システムの堀である。
争いの多かった戦国時代の城ってその殆どが現存してなくて、現存する城も実はその後の一応平和になった江戸時代に建てられた城が多い。ボクが住む大阪を代表する大阪城も秀吉時代の大阪城ではなく、実は江戸時代に2代将軍徳川秀忠によって再建されたもの。ただその基盤となる地下には秀吉時代の大阪城の石垣などが埋まっており、最近はその発掘調査が行われている。
お城にはあまり興味がない人からすると、だいたいドコの城に行っても同じように思えるけど、注意深く観察してみるとそれぞれにその城を築城した人達の個性やその時代の背景などが何かしら出ているのである。だからそういった特徴を嗅ぎ当てようという気持ちでお城を訪れると、今までより一層楽しくお城見物ができるのである。
ここから見ればさっきも説明した「唐造り」という手法がよく分かる。城をデザインした建築家の人達も自分の個性を盛り込んで、他の城とはちょっと趣が違う城を建てたかったハズ。しかし今現存するお城は江戸時代に建てられたものが多く、徳川家の将軍が支配していた江戸時代はデカイ城を造ると、それが幕府に対して反乱しようと企んでいると思われる可能性があった。
もし幕府に目を付けられると最悪の場合には「お家お取り潰し」にもなりかねなかったので、あまり大きな城を建てる訳にもいかなかったそうな。
そして真夏の炎天下から少し逃れる為に、掘り沿いに造られている「リバーウォーク北九州」で少し休憩をする。そんなショッピングモールの水が噴き出す広場で、子供達が嬉しそうに水を被って遊び回っている姿を見守る。できればボクも一緒に子供達に交じって遊びたいけど、着替えを今持っていないのでパス。。
そんなショッピングモールの入口付近には、このような仲良しで眠るカバの像が置かれていた。なお、カバってこのように見た目は可愛らしく見えるけど、実際には獰猛な動物なので、もし大自然の中でこれ位至近距離でカバと出会ったら静かに逃げるのがベターである。
「リバーウォーク北九州」の入口ではそのカバの像の横に、このようなオブジェも造られていた。こちらのショッピングモールは2003年にこの地区の再開発として建てられたものだが、そのデザインというか色使いが近くにある小倉城と全く雰囲気が違って景観を壊しているという声も聞かれるという。
確かにこの川沿いの気持ちいい雰囲気だけ考えて設計するのと、小倉城のような日本の城の隣に建築するとなるとそれにも気を使わないといけない。ただそうすると現代的なデザインが出来なかったりと、このショッピングモールのデザイナーもそれなりにアイデアで迷ったのかもしれない。
こちらはそのリバーウォークの施設がある場所から東へと延びる道に架かっていた「勝山橋(石の橋)」。元々は木造で1911年に開通した九州電気軌道(西鉄)の路面電車がこの橋の上を通過していたそうだ。その後1931年頃には耐久性の問題から木造から石造りに変わり、勝山橋という名前と共に「石の橋」という呼び名もその名残で残っているようだ。
チャチャタウン小倉にて
そして”エロ坊主オジサン”の運転する車から見えた、小倉の街にある観覧車がある「チャチャタウン小倉」に到着する。よく街中にある観覧車は駅横の大きな複合施設の上に造られているパターンがあるが、ここはちょっと駅前からは離れた場所の複合施設の3階に観覧車が設置されていた。
住所:福岡県北九州市小倉北区砂津3-1-1
【営業時間】ショッピングモール:10時~20時
【観覧車の営業時間】11:00~21:00 ※毎週火曜日は運休(点検の為)
観覧車TEL:093-513-6363
【料金】小学生以上は一律300円 ※チャチャタウン小倉内の映画館の半券で1回無料
このチャチャタウン小倉は2000年にオープンした複合施設で、映画館の他にも100円均一のダイソーやファッション系やレストラン系など色んなテナントが入っている。さっきのリバーウォークよりは、単価的に低い店が入っているので中学生や高校生などの若い世代がよく目立った。
ボクにとってはそんなテナントよりも、一番大事なのは観覧車である。ブログで時折動画も付けているけど、元々このブログのサーバーにアップロードして公開していたらその動画の視聴数が把握できなかった。そしてその後サーバーの容量を気にしてYoutubeにアップしてその動画を張り付ける方式に替えたら、それぞれの動画の視聴回数がハッキリと表示されるようになった。
そうすると観覧車に乗って、そのカゴの中から撮った景色が意外と他の動画に比べると視聴数が高かったりしたので、需要があればそれに応えたいという気持ちもあって、観覧車を見ると乗りたくなる最近のボクなのです!
こうやって写真を見返してもこの盆時期の九州の暑さが、イマイチ感じられない。しかし実際にここにいた事を思い出すと、修行僧のように暑い気温と焼き殺そうとしているかのような太陽光を受けて、約20分位かけて徒歩でここまで歩いてきたのである。なお今回の九州旅行が終わったら、案の定、腕や脚は真っ黒に日焼けしていた。
ある人には工事現場で働く作業員かと勘違いされた事もあったっけ。。
チャチャタウン小倉の観覧車がある3階部分も、この観覧車があるスペースは屋外になっていて暑い。それはさておき券売機へと向かう。そんなに利用者がいないのか、それとも映画の半券で乗る人が多いからか、券売機は1台のみであった。
ここの観覧車は1周300円(小学生以上で大人も同一料金)という、優しい値段設定がされている。場所的に主要駅横の大きなビルの上に設置されていなくて、駅から15分は歩かないといけない離れた場所にあるだけにこのような値段になっているのかもしれない。
なお観覧車は1人300円(小学生未満は無料)だけど、この『SDカード』という無事故・無違反証明書を証明するカードを持参すれば1ゴンドラが無料になるそうだ。会社員時代に毎年このSDカードを会社経由で貰っていたけど、活用した記憶が全くないカードだったが、このように一応は使える場所があるようだ。
という事で券売機で300円にてチケットを購入します。このようにチケットは当日限りしか使えないので、勿論そのまま当日に使いましょう。
よく道端で見る「ビール、冷えてます!」ではなく、「観覧車冷えてます!」の看板があった。確かに猛暑となっているこの時期に35度以上の気温の中で、冷えていない観覧車に乗ったらその周遊時間が拷問に思えるかもしれない。ただ最近の観覧車はたいがいカゴ内に空調設備があるので、冷暖房完備の観覧車が多い。
という事で観覧車乗り場へと進みます。この観覧車は高さ60m(直径50m)で20台のカゴが付いている。その内シースルーのカゴが2台、「ラブゴンドラ」というカゴ内でラブラブのカップルがチョメチョメする仕様のような名前のカゴも2台ある。ちなみにこの「ラブゴンドラ」は実際にはカゴ内でチョメチョメする仕様ではなく、外観や内装がハートの模様などが散りばめられた可愛らしい内装になっているだけで、他のゴンドラ同様に窓などは同じである。
さて1人で観覧車のゴンドラに乗り込みます。よく「映画館や観覧車に1人で行く奴の気が知れない。オレは絶対ひとりでは行けないな~~!」とか言っている奴を見かけるけど、そういう奴は「自分で1人では何もできない人間です!」と宣言しているようなもの。
逆に1人で映画館や観覧車に行くのに慣れた人間からすると、連れと一緒に行くと少し戸惑うもの。たまにオカンを連れて映画に行くと、上映中に喋りかけてきたりといつものペースを崩される。ボクとしては映画を見ている時は自分の世界に入り込んでジックリと鑑賞したいのだが、隣の連れが途中で「トイレに行ってくる!」と席を立たれたりするとゲンナリしてしまう。。
観覧車から見る小倉の街 動画
20年前に造られた観覧車だけど、カゴも定期的にペンキを塗り直しているようで中は意外と綺麗だった。それにさっき看板で見た通りに観覧車のカゴ内はキンキンに冷えていて、先程までの猛暑の暑さを全然感じさせない。
こちらはチャチャタウン小倉からの北西の方角で、JR小倉駅のある方向で真ん中に見える大きな建物は小倉で一番のホテルであるリーガロイヤルホテル小倉。天皇陛下も宿泊した事のあるという、小倉を代表するホテル。
もしこの炎天下でエアコンが故障して切れてしまったら、灼熱地獄に陥りそうだったけどもキチンと正常に動いていたカゴ内のエアコン。なおこの観覧車は1周するのに約12分で、ホームページには平日だと連続2周も乗れると記載があった。
なおバルト三国のエストニアの首都タリンで乗った観覧車は、3周が1回セットだった。ただその分観覧車の回転する速度が速かったような。
こちらは小倉の街の南側の方面で、電波塔やその奥には山が見えている。なお、この翌日はこの山のどこかにある鍾乳洞の「千仏鍾乳洞」を訪れる予定だ。夏場の鍾乳洞散策は涼しくて気持ちがいいが、祝日だと大勢の人が同じ考えで集まって来るので、もし訪れるなら早い時間に行った方がいい。
観覧車から見る小倉の街-2 動画
さて辺りの景色を写真や動画に収める事に忙しくしていたら、あっという間に観覧車の頂上である60mの高さ付近まで到達した。まだコロナ禍の時期だったのでそこまで観覧車に乗っている人も見かけなくて、隣のカゴはこのように無人。
こちらは北側の景色で北九州の沿岸にはコンビナート群が見えていて、その奥には先程まで滞在していた下関側が見えている。中央やや下にはJRの在来線と山陽新幹線の高架路線が見える。なお今回の旅は行きは新幹線で来たが、帰りは貯まっていたJALのマイルを利用しての飛行機で帰るのである。
こちらは北東側で門司港方面である。JRの在来線が東側ではなく、沿岸側の門司港駅に向かって湾曲して延びていっているのが見て分かる。この線路の延び方を見ると、この北九州は門司港での貿易で発展した事を表しているのだろう。
こちらは小倉の東やや南側の方角で、主にマンションなどが目立つ。その奥にある山々には自衛隊の駐屯地などもあるそうだ。あの辺りの山からだと小倉の街の夜景が綺麗に見えるようだ。
さて段々と観覧車が下がって来る。高さが段々と降りてくると周囲の建物に吸収されていくような感覚がするのは、ボクだけなんだろうか? 登りは時間が掛かったように思うけど、下りは早く感じる。
登山でもそう感じるのは気のせいかな?!
さて一旦解散した後の集合時間まではまだ30分程あるので、観覧車を満喫した後はこの駅前のアーケード街「小倉中央商店街」を少し散策してみる。ただこの駅前商店街も端の方に風俗街があったりする影響で、汚い場所やガラの悪そうな連中もいたりで、そういう景観がなんとも小倉らしい感じを逆に楽しめる商店街でもあった。
JR小倉駅に戻ってきたら、「銀河鉄道999」の車掌さんの像が置かれていたブースを発見する。この「銀河鉄道999」の原作者である松本零士は生まれ自体は久留米市だけど、育ちはこの北九州の小倉の街だったようだ。だからJR小倉駅内に松本零士作品の銅像などが置かれていた訳である。
この銀河鉄道の車掌さんが一体何者なのかが分からない・・・。
分かる事は意外とカラフルな制服だった銀河鉄道という事だけかな?!
若松地区へと移動する
さて集合時間17時30分頃にJR小倉駅北口の太鼓を叩く像付近で、”エロ坊主オジサン”と再会し、このオジサンの自宅がある方面へと車で移動する事に。なお今晩と明日の宿は”エロ坊主オジサン”の御厚意に甘えて、オジサンの自宅に泊めてもらうのである。
人によっては「数回しか会ってない人の家に泊まるなんて出来ない!」とか言う人もいるけど、そんな繊細な性格では海外なんて旅できないのである。海外を旅するには”なるようになる、もしくは、なるようにしかならない”という気持ちが大事かもしれない。
北九州市の小倉駅がある小倉北区→田畑区と移動し、その先にある若松区との間を流れる洞海湾の上に造られた「若戸大橋」を通過していきます。1962年に開通した若戸大橋は元々有料ゾーンだったけど、今では無料で通行できるようになっている。
昔は歩行者や自転車も通行できたけど、今はそのスペースは無くなって車専用の橋になっているんよ!
住所:福岡県北九州市若松区本町1-5-18
若戸大橋をドライブする 動画
ちょうど今洞海湾という川のような運河の上を通っているけど、明治時代以降の経済発展時には排水をそのまま流していたので、とても汚染された水で真っ黒の川だったという。
そんな北九州に詳しい”エロ坊主オジサン”の解説を聞きながら、旅は続くのである。
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