奈良旅行記⑦
旅行期間:2020年9月8日~9日
奈良ホテルにチェックイン
さて奈良近鉄駅を通過して奈良公園の入口でもある猿沢池の東側を、奈良ホテルに向かって移動中。奈良ホテルは元々寺があった小高い丘の上に造られているが、西側からはその手前にご覧のように木々が生い茂っているので、その外観を遠くから眺める事が出来ないので、ちょっと残念。。
奈良市内にて
猿沢池の西側から奈良ホテルに向かう最短ルートは、猿沢池の東側を通る「ならまち通り」という道を進んでいる途中にこの「奈良ホテルの近道!」と書かれた看板がある道。奈良ホテルへの行き方は一般的には国道169号側の正面から入るルートであるが、そんな王道が好きではない人にはこのような裏道から入るのがオススメである。
まあ初めて奈良ホテルに向かう人は王道ルート(正面側から入る)がいいのかもしれないが、正面側の入口は前に来た時に見た事があったので、今回は敢えて裏側からの近道ルートを選択した訳で。
性格としてもみんなが通る大通りよりも、このように狭くてあまり人通りが無い道を1人で進むのが好きである。
昼間はいいけど、夜は明るい道を通りたいよ~~!
奈良ホテルに近づくにつれて丘の上に見える建物が、だんだんと近づいて見えてくる。なおこちらは新館側の上に造られているレストランのテラス席である。今回の奈良ホテル宿泊プランに付いていた【ビアテラスでの飲み放題付夕食】を食べる会場が、この正面に見えている部分である。
はあ~~平城京跡から歩いてきたので疲れたから、一旦部屋で休憩しような!
奈良ホテルに到着
そして「奈良ホテル」の西側の裏門に到着する。この門を入るとすぐに駐車場があって、そこそこにいい外車なども見られて、さすが奈良ホテルという雰囲気を感じさせる門であった。個人的には高級ホテルに泊まりたいという欲望は全然ないけど、高級なホテル程にそこに宿泊している客が乗って来た車を見れば、その高級さが感じ取れる。
まあそんな高級ホテルに泊まる金も無いしな!
この西側の裏門から入ると「聖ラファエル教会」という教会と、こちらに入口がある「名勝:旧大乗院庭園」がまずは目に入る。この日本庭園である「旧大乗院庭園」は、明治時代に入るまであった大乗院という寺が管理していた11世紀に造られた庭園。係員は用意されていないけど、入園料が必要な場所なので中に入るのは一旦パス。。
ここは奈良ホテルに宿泊すると、無料入場チケットがもらえますよ!
元々は12世紀後半に造られた日本庭園跡は、2010年に大幅な復原整備が行われた為に、今ではこのような綺麗な景色が広がっている。今日はもうそろそろ夕暮れ時となってきていたので、明日奈良ホテルで無料券を貰って中を見学する事にする。なお昔はここでミニゴルフ場やテニスコートも造られていた時期があるという。
奈良ホテルは関西でも昔から天皇家などが関西に宿泊する際のホテルとして使われていた事もあって、建物入口へ向かう道もこのように緑が溢れていて、とても重厚ないい雰囲気を感じさせてくれる道。
こちらは奈良ホテルの灯篭で、奈良の象徴でもある鹿のマークもしっかりと入っている。こちらは東側からの王道ルートで入ってくる道で、車でやって来る場合はこちらの道を通って入った方がいいようだ。
奈良ホテルは明治42年(1909年)に当初造られたものであるが、昭和の後半になると旅行客が増えてきて客室が手狭になってきた為に、昭和59年(1984年)に総工費約24億円をかけて65室の新館を新たに増築した。しかし一般的に奈良ホテルに泊まりたい人からすると、新館ではなくて歴史を感じれる「本館」に泊まりたいようだ。なお今回の宿泊プランでは「本館宿泊」となっていたので、チェックインするまで「本館か新館、どっちになるかな・・??」という悩みはなかったのである。
こちらは奈良ホテルの正面玄関。明治42年に建てられた本館だけに、建物自体はこのように2階建てとなっていて、今よく見られる大型ホテルではなくて、外観だけ見ると和風な匂いがする奈良ホテルである。
そんな奈良ホテルの正面入り口の西側にある建物は、新たに造られた新館側となっている。なお新館は山の斜面を削って造られており、新館は本館とは違って5階建てになっていて、ここのフロアは新館の5階部分となっている。だから新館に宿泊する人は、ここから下に降りて部屋に向かう必要があるのだ。
ではオカンがとても楽しみにしている奈良ホテルのロビーへと向かう事にする。創業してから100年以上を誇る、奈良を代表する名門ホテルの奈良ホテル。
ただこういうホテル程、事前に期待しすぎてホテル側の対応にガッカリする事が多いんですが・・・
まずはロビーで予約している名前を伝えると、「只今の時間帯はチェックイン作業が混み合っておりますので、隣の控室でお待ちください。準備ができ次第、声をお掛けさせてもらいます!」との事で、こちらの部屋に通される。このような格式高いホテルに泊まりに来るお客さんは基本的に年配層が多い。そして年配層ほど早い時間帯にホテルにチェックインして、ホテル内でゆっくりしたいという人が多いので、それで16時頃にホテルに向かうと既にチェックインのピーク時間帯になっている事が多いようだ。
奈良ホテルはチェックインの窓口が2個しかなかったから、時間が掛かるみたいやね!
昔ながらのホテルだけに、チェックイン自体にも時間が掛かっていたようです!
奈良ホテル館内を見学
待合室に通されたものの、館内の見学は自由との事だったので、同じ映像を見ているだけも面白くなかったので、大人しく椅子に座って休憩するオカンを置いて、奈良ホテルの1階ロビーを見学してみる事にする。
まずは廊下の向かい側にあった「桜の間(ロビー)」という部屋に入ってみると、いきなりこちらのピアノが目に飛び込んできた。
このピアノの隣にはわざわざこのような説明板が置かれていて、この奈良ホテルに宿泊したアインシュタイン博士が実際にその時に演奏したピアノだという。1900年頃に造られたとされる米国ハリントン社製アップライトピアノで、戦後になって行方不明になっていた物だそうだ。それが約60年振りとなる2009年に所有者であったJR西日本から貸し出されてここに再び展示される事になった逸品。
戦前までここにあったピアノは戦後にGHQ進駐軍によって持ち去られたと考えられており、ここで展示される事になってピアノの補修を行った。その補修により今でも一応弾くと音色が出るピアノがあるが、何せ年代物で鍵盤にはヒビが入っている箇所もあるらしく、このように「ピアノには触れないようにお願いします!」との札が掛けられていた。
こういう注意を張ってても、勝手に触る奴がおるねん!
こちらはこのピアノが奈良ホテルにあった実物だという事を立証した、1922年にアインシュタイン博士が奈良ホテルに宿泊して実際にピアノを演奏していた時の写真だという。持ち出されたピアノも保管先で大事に保管されていた事もあって、今尚その当時の姿を残している。
この「桜の間」で先に来てチェックインを待っていたと思われる老夫婦が、ホテル側スタッフに「いつになったら呼ばれるんだ!さっきからず~~っと待ってるんだけども!」とお怒りの様子であった。ボクらでもチェックインに約15分程待たされたけど、コロナ禍だったのでてっきり宿泊客も少ないからすんなり部屋へ通されると皆さん思って来ているだけに、余計にイライラとされられる奈良ホテルでの長いチェックイン作業の待ち時間であった。
ホテルの口コミをネットで調べると、「チェックインに待たされる時間が長い!」と沢山出てましたね・・・
まあ年を召される程に我慢する気力が無くなってきて怒りやすくなるのは知っているけど、ボクはそこまでお年を召している自覚は無いし、今日はこの奈良ホテルがゴールでこれからどっかに行く予定もないので、気長にチェックインの順番が回って来るのを待つ。そして待ち時間をじ~~っと椅子に座っているから余計にイライラすると思うが、ボクは待ち時間中に館内を見学していたので全然待ち時間が気にもならなかったが。
奈良ホテルは創業して100年以上が経過しており、また天皇などの皇室が宿泊するホテルでもあり、また数多くの著名な外国人なども宿泊した事あるホテルなので、館内に設置されたこのような調度品などを見て回るだけでもそれなりに楽しむ事が出来る。だから初めて奈良ホテルを訪れる人には、チェックイン待ち時間中に館内を見て回る事をお勧めする。
この時計は「平成の大時計」という名前で、平成の天皇陛下が即位した記念に設置されたものだそうだ。ただ時代は「令和」に突入しているが、まだ「令和の大時計」は見る事が出来なかった。。
この「平成の大時計」は16時15分頃を差していたが、奈良ホテルのチェックインが混雑するのは16~17時頃だそうだ。通常のホテルであればここまでチェックイン(予約済)だけで待たされる所もまずないけど、ここは創業100年以上の歴史を誇る天皇家も宿泊する由緒正しいホテル。
文句言わんでも待ってれば呼ばれるから、ちょっと我慢したらええだけや!
そんな「アインシュタイン博士が実際に弾いたピアノ」や「平成の大時計」などがある『桜の間』の片隅に、こちらの胸像を発見する。天皇家にゆかりのあるホテルだけに「顔だけ見ていると平成の天皇かな?!」と思ったけど、台座には「Jose Laurel」というアルファベットが入っていた。
こちらの胸像は「ホセ・ラウレル」(Jose Laurel)という、フィリピン共和国で第3代大統領を務めた人物である。第二次世界大戦が始まる前まではアメリカの植民地となっていたフィリピンだが、太平洋戦争が始まりフィリピンからアメリカ植民地政府を追い出して占領下に置いた日本軍に肩入れした人物。しかし第二次世界大戦の末期に日本軍の劣勢を受けて、処分を恐れて日本国内へ亡命して、戦争が終わるまでここ奈良ホテルで亡命生活をしていたという。
そして奈良ホテルには海外から訪れた外国人著名人などの写真も展示されていて、特に目を引いたのが今でもアメリカのメジャーリーグ(MLB)でも最も尊敬されている選手の代表格である「ジョー・ディマジオ」(Joseph DiMaggio)の写真。選手としては既に引退していた1954年にディマジオが日本にやって来たのは、新婚旅行の為であった。その結婚相手というとこちらにカラー写真が飾られているマリリン・モンローであった。
メジャーリーグ界のスーパースターと、映画界のセクシー女優であるマリリン・モンローは”世紀のビッグカップル”として世間を騒がしたようだ。しかしそんな大スターの新婚旅行も残念ながら、マリリン・モンローは朝鮮半島で戦う米軍兵士を鼓舞する依頼を受けて旦那を置いて朝鮮半島へ行くのであった。そしてビッグカップルならではのプライドがお互いにあってそれぞれに自分の仕事に妥協しなかった為に、結婚から僅か274日で離婚してしまったのである。
有名人は心の休まる時間が少ないから、大変やな~~!
創業100年以上を誇る老舗ホテルである奈良ホテルも、今までの経営状態は順調だった訳ではなくて、順風満帆だった時代もある。昔はまだまだ国内旅行を手軽に楽しむという時代では無かったので、ホテルの宿泊客を増やすのも大変だったようだ。
アインシュタイン博士やジョー・ディマジオ以外にも、チャールズ・リンドバーグ、ヘレン・ケラー、リチャード・ニクソン、マーロン・ブランド、オードリー・ヘプバーンなどそうそうたる顔ぶれが宿泊した事もあるという奈良ホテル。
この奈良ホテルに宿泊した時は、奈良県民限定の”いまならキャンペーン”というのも行われていて、奈良県民だったら格安で宿泊できたようだ。だからか奈良ホテルというとそこそこに高級なイメージがあったけど、普通に大学生カップルのような人達もいたりした訳だ。
奈良ホテルのフロント付近は、このように吹き抜け格天井となっていて、木造建築物なので古い木の造りがとてもいい雰囲気を醸し出していた。また館内には至る所に色々と絵画も飾られているので、それらを見て楽しむ事も出来る。
奈良ホテルのフロントではチェックイン・カウンターが2個しか無くて、確認や館内の説明も長かったので、その分チェックイン待ち時間が多く発生していたのであろう。ただホテルのチェックイン時からイライラしていると、ホテルでの宿泊自体が全然楽しめなくなるので、ここは大きな心を持ってチェックイン待ちするべきであろう。
こんな旅はまた次回に続きます!
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