和歌山市旅行記2021年1月-④
旅行期間:2021年1月某日(0泊1日当日旅)
歴史的な資料がいっぱいの天守閣!
ここは徳川家の御三家の1つだった”紀州徳川家”が治めていた和歌山城。紀州徳川家というと、他の御三家である尾張徳川家や水戸徳川家とは異なり、唯一徳川幕府の将軍を輩出した家柄でもある。その徳川幕府の将軍になった人物でも有名なのが、松平健でお馴染みの『暴れん坊将軍』のモデルとなった徳川吉宗である。
ワシって意外と現代では有名人なんよ!
天守閣の見学開始!
という事でそんな紀州徳川家の城だった、和歌山城の天守閣内へと足を踏み入れて行きます。これまで2回見学がした事がある和歌山城天守閣だけど、昔に来た時の記憶は天守閣からの眺め位しか残っておらずに、今回は2021年が開始した1月という事もあって、新鮮な気持ちで登城する事にしたのであった。
この和歌山城の天守閣内は「わかやま歴史館」ともなっていて、また単独の天守閣ではなく連立の天守群となっている事から、展示スペースが広かったのでそれに合わせて展示品も沢山あった。だから普通の城見学よりも、資料などを沢山見られる城でもあった。
さて今回の和歌山旅で同行しているのは、毎度お馴染みのオカンである。意気揚々とボクが登城していこうと階段を進んで行くと、「ちょっと待って!」との号令が聞こえてきた。靴紐でも解けてしまったのかと思ったけど、振り向いて見ると、そうではなく記念のスタンプを押したかったようだ。
こちらがオカンが押したかった「和歌山城:登閣記念スタンプ」。ボクはこういった記念品には全く興味を示さないけど、意外とオカンは記念でこういった物を押したがる傾向にある。ただボクから見れば、このようなスタンプを押したパンフレットも捨てられる運命にあるだけに、押すだけ無駄に感じるのだが。。
タダで押せるんやで♪
まあ本人が押したいというのであれば、それを見守るしか選択肢がないので、オカンが気の済むまで見守る事にした。なお、1枚目は上手く押せなかったようで「アンタのパンフレット、貸して!」と言って、2枚目は1枚目よりシッカリ押している光景が見られた。
こちら2枚目に綺麗にスタンプを押せたようで、意外とご満悦だったオカン。特にこの2021年は前年から引き続き、新型コロナウイルス感染が拡がっていた為に、近くに消毒液が設置されているにも関わらず、このような物理的接触する機会は控えるに越したことはないのだが・・・。
上手く押せたやろ~~♪
それはさておき、和歌山城の連立天守閣内に足を踏み入れて行く。この入口となっている「天守二の門(楠門)」を抜けると、直ぐに左に折れて階段となっているが、同じ連立天守閣の松山城とは違って、天守閣内には意外と簡単に足を踏み入れる事が出来る。
愛媛県の松山城では、天守閣の建物の入口に到着するまでにグルグルと周囲を回らされた記憶が蘇ります。
それと比べると、意外とあっさり天守閣内に到達できた。城の造りからして、この天守閣内に到達される前に敵を撃退できなければ、そこでゲームオーバーという考えだったのかもしれない。実際にはこの天守閣の周囲に立つだけで、連立天守閣から弓矢や鉄砲で狙われるのでそう簡単に生き抜くのは難しかっただろうが。
過去に訪れた時には全く気にしなかったけど、この和歌山城にも大きな天守閣と小さな天守閣が造られているのが判る。前回来た時とは違って、国内の他の城などを多く訪れて勉強を重ねた事もあって、気付ける事も増えてきたのだろう。
そして天守閣内には、和歌山の特産品でもある”南高梅”の木が見られる。梅の生産量はこの和歌山県が日本一の産地で、日本国内で採れる半分以上の梅がここ和歌山県で栽培されている。なお梅は暑さと寒さのそれぞれに強く、47都道府県の全てで栽培されているにも関わらず、ダントツの生産量となっている。また2番目の産地は群馬県で、お隣の大阪府は45位となっている。※2020年のデータ
大阪人からすれば、作るより買った方が早いな!
連立天守閣内側の景色! 動画
こちらは3層になっている大きい方の天守閣。江戸時代後期に焼失して再建される際に、以前より豪華な5層の立派な天守閣を建造する案もあったらしいが、当時は天守閣を再建する事が難しく、しかもより大きな天守閣を造るという事が江戸幕府に睨まれる事もあって、実現はしなかったようだ。
見た目だけにムダ金を使うのは、愚かですよ!
さて連立天守閣の建物内への入口は、そんな大きな天守閣ではなく、横の小さい方の天守閣となっている。外から見た目には鉄筋コンクリート造りには一見見えないけど、近づいて建物を観察すると昔ながらの木造建築物とはちょっと違う雰囲気がする建物だった。
そして和歌山の名産品として梅以外にも有名なのが、「蜜柑」である。この蜜柑も梅同様に、和歌山県が日本で一番生産量が多く、和歌山県民が贈り物を送る際にこの蜜柑が選ばれるケースが多い。以前ボクが働いていた会社には和歌山県出身者が多く、よく地元から蜜柑が送られてきたが、その際に小さくてとても酸っぱい蜜柑をとても気に入った事を思い出してしまう。
愛媛県など日本国内で栽培されている蜜柑は一般的な”温州蜜柑”だが、ここ和歌山県では「紀州蜜柑」や「有田蜜柑」などと呼ばれて、小ぶりで酸味のある蜜柑が特徴的である。個人的には甘いだけの温州蜜柑とは違って、酸味のある紀州蜜柑の方が好きなのであるが。。
私は酸っぱいの、ダメやで!
連立天守閣内の見学!
そして天守閣の建物内に足を踏み入れて行く。この天守閣は昭和時代に再建された鉄筋コンクリート造りの建物だけあって、江戸時代からの現存天守とは違って、土足でそのまま上がって見学していく形式になっている。
こちらは和歌山城の登城記念『御城印』という物で、無料ではなく300円の有料となっている。勿論これにも全く興味が無かったけど、実際に購入する場合は額は含まれていないようので、勘違いしないように注意である。
当たり前やろ!
ちなみにこの和歌山城の登城記念『御城印』、当初はイベント時に無料で配布していた物だったという。ただその際に意外と人気を博して、欲しがる人が居た為に販売するようになったんだとか。なお、販売しているのはこの建物内ではなく、手前にあるチケット売り場のようだ。
そして見えてきたのは、昭和33年に天守閣を再建する為に事前に造られた、「大天守の模型(1/20スケール)」。基本的には江戸時代に描かれた天守閣の設計図を基に設計した物であるが、事前にこのような小さなサイズで模型を造る事によって、問題点や実物のイメージを膨らませた事だろう。
ただこの和歌山城天守閣の建物は全て鉄筋コンクリート造りで再建されているので、このような木造建築ではない。だが江戸時代の設計図がキチンと保管されていた事によって、このように細かい部分まで再現する事が可能だったようだ。
そしてこちらは天守閣の建物内の天井に取り付けられていた照明だが、中心部分が「鞠(まり)」となっている事から、童謡『鞠と殿さま』をモチーフとしているのだろう。またこの和歌山城から流れるチャイムの音が、この童謡『鞠と殿さま』になっているらしいが、和歌山県民でなければその童謡が使われているという事に気付けないだろうが。。
外から建物を見た時はあまり分からなかったけど、このように建物内に入ると、鉄筋コンクリート造りで造られた城だという事がすぐに分かる景色となっていた。天守閣を復元する際に完全木造建築ではなく、鉄筋コンクリート造りにした方が合理的なのはよく理解できるけど、何とも味気ない建物内の雰囲気となっている。
予算が限られているから、仕方ないけ!
建物内はこのように木造建築物とは違って柱が少ないので、広々とした展示スペースが余裕たっぷりの間隔で配置されていた。紀州徳川家が治めた和歌山藩は、江戸幕府の将軍を輩出した際にはそれまでの藩が没収となって召し上げられる事が通例となっていたが、将軍に選ばれた徳川吉宗は特例として廃藩にさせずに、従兄弟の徳川宗直(むねなお)が跡を継いだ。
もし徳川吉宗が将軍になった時に廃藩となって天領となっていれば、このような文化財や資料などが多数残される事はなかったのかもしれない。隣の大阪府は天領となっていた為に、その地を治めていた大名のこういった鎧兜などの文化財はあまり見かける事が無い。
こちらは紀州徳川家の藩主の鎧兜ではなく、その藩士に伝わった物だそうだ。だから特に豪華な鎧兜という訳ではないが、前立てには紀州徳川家の合印の「金の日輪」のマークが模られている。
こちらは「骨牌鉄畳具足」という名前の鎧兜で、『骨牌金(かるたがね)』と呼ばれた金属片を繋ぎ合わせた鎧兜になっている。大きな金属片ではなく、小さい金属片を繋ぎ合わせているので、縫い目に沿って折り畳めるという特性があり、嵩張る事なく持ち運べたという。
こちらは江戸時代の「黒塗弓」で、戦が無かった江戸時代に武士達がその腕を競い合った弓道によく使われたようだ。弓はダーツのように的当てとして、実戦が無かった江戸時代の武士達が競って腕を磨いた物だったようだ。
こちらは「小笠原流 弓術秘巻」という弓術の秘伝書だった物らしく、小笠原流は室町時代以降に武家の礼式などで行われる弓術などで一般的だったようだ。弓術と言っても自己流で単に的に当てるだけではなく、その際の動作の美しさや礼儀なども重要視されていたようだ。
日本古来の武芸などには、美しさなどの芸術的要素も含まれている物が多い。また世界的なスポーツ競技でも、例えばフィギュアスケートのように、演技中の美しさや優雅さなどが評価に含まれる種目も多い。その為に単に的を射るだけの種目ではなく、魅せる種目でもあった弓道のようだ。
こちらには色んな槍の先端部分が並べられている。一口に「槍」と言っても、このように十文字した物や、刀を伸ばしたような長刀(なぎなた)形式もあって、武器の奥深さを感じてしまう光景でもあった。
武具は芸術品よ!
こんな旅はまた次回に続きます!
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