和歌山市旅行記2021年1月-㉑
旅行期間:2021年1月某日(当日旅)
黄昏!
こちらは和歌山市の南西側に海に突き出た形になっている雑賀崎に、1960年に造られた展望台型の「雑賀崎灯台」。元々は観光客向けの展望台として造られた建造物に、ついでに海上保安庁が灯台を設置した建物となっている。
「雑賀崎灯台」にて
この展望台兼灯台の上に登っていくと、このように吹きさらしの風が吹き付ける場所となっていた。そしてこのように周囲には景観を邪魔する建造物や山なども無い為に、見晴らしが良い場所ともなっていた。
気持ちいい場所やな~!
この辺りはかつて雑賀衆の居城となっていた雑賀城があったとされる場所で、また江戸時代後半には来航してくる可能性があった外国戦艦を攻撃する為に台場や見張り処が設置された場所でもある。それまで内向きにしか物を見ていなかった江戸幕府が、慌てて外に目を向けた様が想像できるような気がした。
この和歌山を訪れた時期にはどこも観光客が居なくてガラガラだったけど、この雑賀崎灯台にはこちらの先客が居た。こちらの2人組はここから見晴らしの良い景色を眺めながら、日常の問題や愚痴みたいな話をしていたので、恐らく旅行者ではなく地元の人かと推定出来た。
この辺りには江戸時代後半に砲台などが設置された台場となっていたようだが、ここはあくまでも和歌山市内を守る要所として整備された場所で、湾を北上して大坂へ向かおうとする外国船を砲撃するには、ちょっとしんどそうな場所のようにも感じた。
そんな見張り番が置かれた、こちらの岬は今では綺麗に芝生などが管理されている庭園というか、公園になっていたけど入場料が500円必要な為に見学する事はなかった。ただ綺麗に緑が管理されている庭園から、西の海に落ちていく夕陽を眺めるには、絶好のロケーションだったかもしれないが。
雑賀崎近くにはこのような小さな島が3つあったけど、無人島のような島で人間が生活している様子は感じられなかった。ただこの島は釣り人の間では”知る人ぞ知る”ような穴場らしく、和歌山港から渡船に乗ってわざわざ釣り目当てに来る人も居るようだ。
そろそろ夕陽が西の海に沈みたいような顔をしている時間帯となってきた。このように西側が海になっている場所だと、日本中どこでも夕陽の見られる絶景スポットとなるのである。
展望台の足元にはこのように円形の広場も設置されているが、この灯台には先程の2人組以外にはボクら以外に来訪客の姿はなかった。地元の人達からしても、天気が良ければほぼ毎日普通に見られる夕陽を、わざわざこの展望台まで来て眺める人も少ないのだろう。
「灯台下暗し」ってヤツだね!
この雑賀崎は和歌山と言っても北側に位置していて、和歌山県としてはまだまだ南の方まで続いている。この雑賀崎から南側に見えている陸地方面には「有田蜜柑」でも有名な有田市があり、和歌山市を訪れただけでは和歌山を観光したとは全然言えない事だろう。
こちらはこの雑賀崎周辺の地図が載っており、さっき見た台場跡などが史跡として登録されている。しかし、雑賀城跡などは特に何も残されていない事もあって、夕陽が沈む景色を見られる場所か、昔ながらの漁港がある集落といった雰囲気の場所だった。
ここは日本で最初に制定された3つの国立公園の1つ”瀬戸内海国立公園”となっているが、瀬戸内海国立公園が国立公園に指定された当初の1934年には小豆島付近までの範囲となっていて、この和歌山市の海沿いは含まれていなかった。
その1934年以降に複数回改訂されていった後に、西は北九州市から、東はここ和歌山市までと広大な国立公園となっていった。という事でここから見えている海も、瀬戸内海に分類される海という認識なんだろう。
それにしても初めて訪れた場所で眺める夕陽は、格別の想いで眺める事が出来る。普段から普通に見れる夕陽だけど、このように眺める場所を変えるだけで、新鮮で気持ちいい景色となる夕陽。特に海が一望できる場所は、海面に夕陽が反射して、余計に美しく見えるのだろう。
普段であればもう少し訪問客が居るのだろうが、この時期は寒かった事もあるし、新型コロナウイルス感染が蔓延していた時期でもあったので、訪問客が少なかったのだろう。ただ和歌山市を観光する際に必ず訪れるような人気スポットでもないので、ここに来る人は中々にマニアックな人か、よく調べている人だろう。
さてこのように綺麗に芝生が管理されている雑賀崎で、海の果てに沈んで行く夕陽をいつまでも見ていたい気持ちになるけど、今回はバスで来ていた為に帰りのバスの時間を気にする必要があった。というのもここ雑賀崎から和歌山市内中心部に戻るバスは、1時間に1本しかないので、乗り過ごすと1時間待たないといけないからだ。
という事で黄昏時を前にして、雑賀崎灯台を後にする。個人的にはもう少し暗くなってから、歩いて1時間掛けて和歌山市内中心部まで戻ってもいいのだが、オカンと同伴旅なのでそのような行動はNGとなっている。
アンタだけ歩けばエエねん!(怒)
そして時間には真面目なオカンに早めに連れられて、和歌山バスのバス停に到着する。バスがやって来る10分以上も前にバス停に到着したのだが、このように他人の行動1つ見るだけで、その人間の性格が分かるのである。
という事でバス停にやって来たバスに乗り込み、和歌山市駅を目指す事にする。やって来た和歌山バスもガラガラだったけど、和歌山市駅行きだったので、途中で何人か乗り込んできた。和歌山市ではあまり電車が走っていないので、このようにバスの利用がメインとなっているみたいだ。
暗くなった和歌山城を再訪!
そしてバスに揺られてそのまま和歌山市駅まで直行しようと思っていたけど、バスの中からライトアップされていた和歌山城の天守閣が見えたので、城近くのバス停でバスを飛び降りる事にした。暗くなってきてライトアップされた城は、日中に見えていた景色とまた違った顔を見せてくれるので、明るい時と暗い時、両方とも訪れる事をオススメする。
暗くなったと言ってもまだ18時前なのであるが、1月という冬場だったので陽が沈むのが早かった。ただもうこの時間では天守閣やその近くにある茶屋なども閉まっている時間ではあるが、ライトアップされた天守閣だけあればそれで充分である。
和歌山城の天守閣に向かって階段を登っていくと、遠くの空はこのように黄昏時を迎えて、マジックアワーとも呼ばれる綺麗な景色となってきている。”黄昏時”というと若い世代にとっては、アニメ映画『君の名は。』ですっかり知名度が上がったけど、昔から毎日繰り返されている光景でもある。
お城などの歴史的な建造物は、このようにライトアップされた暗くなった時間帯にも訪れる事によって、”1粒で2度美味しい!”的な景観を楽しませてくれる。夜はライトアップされる事によって、作為的に魅せたい箇所に光が当てられる事によって、その部分が強調され、逆に見せたくない場所が闇に隠れてしまうので、余計に”良い印象”に見えやすいのである。
テレビなどで使われる「女優ライト」もそうだね・・・
天守閣のある高台まで登ってくると、ひと気はあまり無かったけど、このように綺麗に天守閣がライトアップされている光景が間近に見られる。白い壁の城だけあって、ライトで綺麗に照らされて、その美しさがひと際に目立っていた。
日本全国ではこのように城が夜にライトアップされている所も多いけど、そのライトアップで使われている照明の色が白色ではなく、ピンク色や青色で照らされている所もあったりする。その意図は普段の城と雰囲気を変えたいという気持ちがあるからだろうが、やっぱり城のライトアップにはこのようにその城の美しさが強調される白色ライトが似合う。
そして間近で天守閣を見上げた後に、昔の御殿跡があった高台に移動すると、このように背後が暗くなって黄昏時を迎えた背景と共に浮かび上がるような和歌山城天守閣が見える。せっかく和歌山市見物に来ても、暗くなる前に帰ってしまう人も多いだろうけど、このような景色を見れずに帰ってしまう事が勿体なく思えてしまう光景でもある。
黄昏時の和歌山城の景色! 動画
このように和歌山城天守閣には、大天守と小天守を備えて、関西でもひと際大きな城として君臨していた様子が伺える。徳川御三家の中でも一番西に配置されていた紀州徳川家は、最前線に居を構えていた事もあって西側諸国に目を光らせていた事だろう。
こちらは西の丸に架かっている屋根付きの「御橋廊下」で、こちらもライトアップされて綺麗に見える。また内堀の水面にそのライトアップされた姿が反射して写っており、夜の和歌山城でも人気のスポットとなっている事だろう。
という事で暗くなった和歌山城を堪能した所で、そろそろ和歌山市駅に戻る事にする。その途中にかつて城下町に張り巡らされていた外堀を眺めると、このように堀沿いもライトアップされていて、意外と暗くなってからも景観を楽しめる和歌山市となっていた。
こんな旅はまた次回に続きます!
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