中野駅跡に隠された、阪神高速松原線の支柱が一本だけズレた秘密とは?!【南海平野線跡⑥】

南海平野線跡(2023年6月)-6

訪問:2023年6月

何かが下にあった!

大阪市 駒川商店街 入口

今から約40年前に廃線となってしまった「南海平野線跡」

西平野駅跡と平野駅跡の痕跡を見て平野区を散策した日から、また翌日に再びそれ以外の平野線の痕跡を探しに行く事にした。

 

 

駒川から再び調査開始!

大阪市 駒川商店街 入口 門

そしてやって来たのは、大阪市東住吉区にある「駒川」

今の駒川駅は谷町線の駅があり、また近鉄「針中野駅」までの間に形成されているアーケード商店街が、珍しく賑わいを見せて繁盛している場所である。

 

大阪市 駒川商店街 道

駒川から針中野駅に繋がる「駒川商店街」は、今でも多くの人で賑わう商店街だが、南港通りを南側に渡った場所にあるこの「駒川町前商店街」は、ご覧のように寂れた商店街となっていた。

 

大阪市 駒川商店街 道2

このような寂れてしまった商店街も、その歴史を調べてみると、近くに鉄道の駅があったりする事が多い。

南港通りという道路を一本挟んだ北側にある商店街との違いがどこにあるのか?」という観点で散策してみる。

 

駒川町周辺の発展航空写真での年代移り変わり

「駒川周辺の航空写真」(1928年頃&1936~1942年頃&2017年頃)—地理院地図より加工済

そんな駒川の約100年前の航空写真から調べてみる。

すると、上記写真のように1928年頃には、なんとこの駒川周辺は田んぼが広がる田園だった。

沈沈クン
沈沈クン

昔は田んぼしか無かったんやな!

 

大阪市 駒川商店街 南港通り

しかし、それから10年ほどして『大阪市の市街地拡大政策』によって、移り住む人が増えて、更には商店街が形成された事によって、多くの住民が流入して活気を得ていった駒川。

戦後には空襲で燃えなかった事もあって更に多くの人口が流入してきて、大阪市内でも繁栄していった。

 

大阪市 駒川商店街 高速道路側に向かう

そんな繁栄していた町の外れに寂しい雰囲気が漂っていた「駒川町前商店街」で、北側に歩いて行くと、高速道路松原線の下まで商店街が続いていた痕跡が見られた。

 

大阪市 東住吉区 高速道路下

駒川商店街が大きく賑わったのは、南に近鉄大阪線の針中野駅があり、北には南海平野線の「駒川町駅」があったからだという。

 

という事は、この周辺にその平野線の駒川町駅跡があるハズだと睨んで、周辺を調べてみた。

 

 

南海平野線:駒川町駅跡を発見!

大阪市東住吉区 高速道路下 南海平野線「駒川町駅跡」

すると、阪神高速の高架下をくぐった場所に、怪しげな緑が植わっている小さな公園のようなスペースを見つけた。

 

どうやらこの怪しげなスペースが、かつて駒川を繁栄に導いた南海平野線「駒川町駅跡」があった場所だった。

 

大阪市東住吉区 高速道路下 南海平野線「駒川町駅跡」2

ただ、この辺りには南海平野線「駒川町駅跡」を示す看板などは一切設置されておらず、何も知らない人がここを通っても絶対「駒川町駅跡」とは気付けない場所だった。

 

【南海平野線:駒川町駅跡】

住所:大阪府大阪市東住吉区駒川3-25周辺

 

 

大阪市東住吉区 高速道路下 南海平野線「駒川町駅跡」周辺

この阪神高速松原線のすぐ脇の下を、南海平野線の線路が延びていたのである。

ただし正確には南海平野線:線路の脇にある南海電鉄所有の土地に、阪神高速松原線が造られたのであるが。。

 

南海平野線の「駒川町駅周辺」

南海平野線の「駒川町駅周辺」【Youtube動画】『南海平野線その1 前面展望 平野→阿倍野→恵美須町 1980年撮影』より引用)

南海平野線が実際に走っていた当時に車窓から撮った動画を見ると、確かにこの場所に「駒川町駅」が存在していた事が分かる。

 

『南海平野線その1 前面展望 平野→阿倍野→恵美須町 1980年撮影』

 

大阪市東住吉区 高速道路下 南海平野線「駒川町駅跡」3

この付近も何回か歩いた事があるのだが、その際にもこの緑が植えられている空き地を見て、「公園でもない空間がなんでここにあるのだろうか??」と疑問に抱いていた場所であった。

しかし、南海電鉄の線路跡を調べる事によって、そんな活用されていない土地にしか見えなかった空間が駒川町駅跡」だったという事実を知る事に繋がるのである。

沈沈クン
沈沈クン

常にアンテナを張って歩かなアカンで!

 

大阪市東住吉区 高速道路下 近鉄電車との交差

まず駒川町駅跡の痕跡を見つけた事で気持ちが高揚してきた為に、張り切って次の「中野駅跡」の探索に向かう。

こちらは駒川町駅跡から北に進んだ所にある、近鉄南大阪線の高架である。

ちなみに近鉄南大阪線の天王寺までの区間は、南海平野線よりも後に敷設された為にこのような高架になったのだろう。

 

大阪市東住吉区 高速道路下 南海平野線「中野駅跡」の空き地

そして近鉄電車の高架をくぐって北に進んで行くと、手前に自転車の駐輪所となっている奥の、柵で囲われた緑地が見えてきた。

 

大阪市東住吉区 高速道路下 南海平野線「中野駅跡」の空き地2

ここも今まで何回も歩いた事のある場所だが、「この場所が何なのか?」を一度も意識した事のない場所だった。

ただ、今回この場所をじっくり見てみると、緑地の割に周囲にこのような柵が張り巡らされていた。

なのでこの中に入る事が出来ないので、公園として使われている訳でもなかった。

 

 

南海平野線の「中野駅跡」

大阪市東住吉区 高速道路下 南海平野線「中野駅跡」景色

そんな”怪しげな緑地”がある場所が、なんと「南海平野線:中野駅跡」だったのである。

 

ただし、このように現在の様子を見ても、何一つ「駅跡」という雰囲気が感じられないような場所になっているので、一般人はまず駅跡という事に気付けない場所である。

 

【南海平野線:中野駅跡】

住所:大阪府大阪市東住吉区西今川4-9周辺

 

大阪市東住吉区 高速道路下 南海平野線「中野駅跡」の空き地2

何も知らないとまず気付けない「中野駅跡」だけど、平野線の痕跡を調べに来た人間からは”とても匂う場所”だった。

沈沈クン
沈沈クン

勿論、臭くはないデ!(笑)

 

南海平野線の「中野駅周辺」

南海平野線の「中野駅周辺」【Youtube動画】『南海平野線その1 前面展望 平野→阿倍野→恵美須町 1980年撮影』より引用)

確かに昔の動画を見ても、この阪神高速松原線が北に向って湾曲しだしている部分の下に、南海平野線:中野駅があった事が分かる。

 

大阪市東住吉区 高速道路下 南海平野線「中野駅跡」の空き地2

この阪神高速松原線の高架下脇には、車道と幅の広い歩道が造られている。

しかもその歩道にはこのように植物が植えられている程に幅が広いが、このような広い歩道というのは、かつて南海平野線が走っていた土地の名残を残している事に気付いたのでもあった。

 

大阪市東住吉区 高速道路下

ボクはこの阪神高速松原線が当然のように立っている時代に生きてきたので、今のこの景色を何にも疑問を持たずに生きていた。

しかし、南海平野線の存在を知っている人間からすれば、この景色は南海平野線跡の上に造られた景色という事を知っているのである。

 

 

高速道路で1本だけズレた支柱!

大阪市東住吉区 高速道路下 南海平野線「中野駅跡」が通っていた場所

そしてこの中野駅跡の面影を残す部分は、小さな緑地だけではなく、この高速道路下の支柱にも残されている。

これも言われないと全く気付けない程の、”難解なクイズ”並みの場所でもある。

 

大阪市東住吉区 高速道路下 南海平野線「中野駅跡」が通っていた場所 支柱のズレた場所

そのズレた支柱は阪神高速松原線の下に来ると、このように1本だけズレて造られているのがよく分かる。

この1本だけズレた柱の奥は2本脚となっていて、この裏の西側にある柱は1本脚だけど、高速道路の真ん中部分に足がある。

※この高速道路下の空き地は、柵で囲われていて入る事はできません。

 

 

南海平野線の「中野駅近く」

南海平野線の「中野駅近く」【Youtube動画】『南海平野線その2 前面展望 恵美須町→阿倍野→平野 1980年撮影』より引用)

昔撮影された動画を見ると、このように中野駅付近から東側に進むポイントで、この阪神高速松原線の高架下に入っていく箇所だった。

 

大阪市東住吉区 高速道路下 南海平野線「中野駅跡」が通っていた場所 支柱のズレた場所 線路跡

目の前に見ている光景には全てその姿に至る歴史があり、人類が造った物には必ずその理由が存在している

そしてこの阪神高速松原線の支柱が、1本だけ不自然にズレて造られていたのも、ここが「南海平野線の線路を引き込む道」だったからであった。

沈沈クン
沈沈クン

「謎は解けたっ!!」ってデカイ声で叫びたくなるよな!

 

大阪市東住吉区 高速道路下 南海平野線「中野駅跡」が通っていた場所 線路跡

このように南海平野線:中野駅跡があった場所も、その存在や痕跡に気付く人は殆どいない。

周辺を散歩している近くに住んでいる人達も、そんな過去は忘れたか、全く知らない事だろう。

なので、この場所で1人熱心に写真を撮りまくるボクの姿を、変な目で見てくる人ばかりであったのだ。。

エロ坊主オジサン
エロ坊主
オジサン

普段から怪しいヤツやけ、当然け!(笑)

 

 

※電車好きでもない人間が調べた内容なので、間違っている情報や追加情報などがあれば、コメント欄にてご指摘頂ければ幸いです。。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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