南海平野線跡(2023年6月)-12
訪問:2023年6月
賑やかだっただろう場所!
20世紀初めに敷設されて、大阪の発展に大きく貢献した『南海平野線』。
これまで多くの人達が利用していた路線も、今ではこのようにひっそりとその跡地が眠る場所となっている所が多い。
飛田駅跡周辺にて
ここは南海平野線の「飛田駅」という駅跡周辺で、1980年に廃線となってしまった為に、駅跡周辺にはその面影があまり感じられない場所ともなっている。
その飛田駅跡脇に延びているこの通りは、かつて南海平野線が走っていた頃に栄えただろう商店街の跡。
飛田駅が営業していた頃は、飛田新地に向かう客など多くの人が行き来していた道だったのだろう。
前回見た斜めに立つマンションと、その脇に昔は営業していた「居酒屋:八重」という建物との境界線も、線路跡の面影を残すように斜めになっているのが分かる。
この飛田駅跡は廃線になって人通りが途切れてしまったが、飛田新地までは動物園側から延びる「飛田本通商店街」が、その代理とばかりに長いアーケード商店街となっている。
それから線路跡を更に探索すべく、西側の堺筋の道路側に出てくる。
この辺りの道を南海平野線が踏切で横切っていた訳だけど、その面影は今のこの道路には全く見られない。。
堺筋の道路には線路跡の面影を見つけられなかったが、道路の反対側にちょっと変わった形をしたマンションが目に入った。
普段ならこういった形のマンションなど全く気にならないけど、”廃線跡探索”という目的を持って歩いていると、こういう不自然な建物が特に気になってしまうのである。
こちらは先程正面から見た斜めに立つマンションと、その脇にあった「居酒屋:八重」の境界を、裏側から見た景色。
この境界線が斜めになっているのも、線路跡が影響していたという事に今頃気が付いた2023年であった。。
電車なんて、いつかは忘れられる存在さ・・・
そして道路の反対側に見えた、こちらのマンションも普通に四角の形になっている訳ではなく、途中から建物が斜めを向いているという変わった造りになっている。
さっき見たマンションと違って、このマンションは上から見ると、このように”下半分が途中から東側に向いて斜めになっている”のだ。
この斜めになっている理由こそ、ここにかつて走っていた南海平野線の線路跡に沿って、造られたマンションだった訳である。
マンションを建設する側からすれば、どうせ使わない廃線跡なので四角い土地を求めた事だろうが、それが認められなかったので、斜めの廃線跡の土地に合わせて無理やり建物の形を調整したのだろう。
そしてマンションの奥には、阪堺線の今船駅~今池駅間の勾配を登っていく電車が見える。
この南海平野線跡も、この辺りに同じような勾配のある坂があったのだろうが、今ではその坂跡は消え去っている。
19世紀後半から鉄道が普及し始め、20世紀には全盛期を築いた鉄道社会。
しかし20世紀後半には”モータリゼーション”で車やトラックが多く普及し、利用者が減ってしまった鉄道。
今回廃線跡を探索していくと、その鉄道の繁栄と衰退の歴史を勉強できた旅でもあった。
いつまでも繁栄し続ける種族が居ないように、鉄道というインフラシステムも人間と同様に、いつかは代替え手段に負けて淘汰される運命にある。
都会ではあまり感じにくいけど、地方都市などに行くと、地方路線の活気の無さが伝わってくる。
少子高齢化社会となって若い世代が都会に出て行ってドーナツ化減少が起きている地方では、余計に鉄道の利用客が減って赤字路線が目立って来ている。
ただし車を持っていない住民のインフラとして地方の鉄道路線は維持されているが、利用客の少ない赤字路線のまま、いつまで税金を大量に投じて維持できるかはわからない。
こちらの記事にもあるように『JR北海道は”全線区が赤字” / JR四国は”2/3が赤字”』と、地方路線ほどに万年赤字を垂れ流す世界と化している。
一般企業であれば倒産してもおかしくない営業状態なので、いくら”インフラの為”としても、それほど長く継続していくと、その企業の体質が余計に悪化して好ましくない結果になりそうにも思う。。
そしてこれから人口減少に拍車がかかる日本国内では、逆風が更に吹いてくる為に赤字幅は増大していく事が考えられる。
それと共に人口減少の為に税金が少なくなって、国や地方自治体が使える予算も減っていく。
そこで切り札とばかりに国債発行という手段もあるのだが、この手は近年使いまくって借金だらけの国になってしまっている。
国債を発行し、それを日銀が買ってるって、違和感しか感じない・・・
このように冷静に考えれば考える程に将来が暗く思える日本だけに、「暗くなる時程、チャンスがやって来る!」という視点を持って生きる必要があるのかもしれない。。
夜明けは必ずやって来るで!
まだ暗くなったばかりなのに!(笑)
※電車好きでもない人間が調べた内容なので、間違っている情報や追加情報などがあれば、コメント欄にてご指摘頂ければ幸いです。。
こんな旅はまた次回に続きます!
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