明石&加古川旅(2023年)-12
訪問:2023年1月下旬(1泊2日)
大きな主塔の秘密!
日本国内でも珍しい”橋の博物館”となっている、明石海峡大橋の神戸市垂水区側の袂に設置されている「橋の科学館」。
「橋の科学館」の見学
こちらは明石海峡大橋以外で使われている違う構造のアンカレイジの説明で、来島海峡大橋で使われた「トンネルアンカー型」や、デンマークで使われた「中空アンカレイジ」など、場所によってその地形をなるべく破壊しないように色んな工法が工夫されていた。
こちらは来島海峡大橋の今治市側で設置された「トンネルアンカー型」で、周囲の地形をなるべく破壊しないように、地中に延びるアンカーとなっている。
こちらはデンマークで最も長い吊り橋「グレートベルト・リンク(Great Belt Link)」で、その吊り橋部分のケーブルを支える「中空アンカレイジ」となっており、環境面に配慮して海中にではなく海上の橋自体にアンカリングされている。
明石海峡大橋は”世界で初めて照明器具をケーブルに設置”して、イルミネーションを毎日行える吊り橋になったという。
明石海峡大橋のイルミネーションは虹色や更には各誕生石の色まで再現する事ができて、このような多彩なイルミネーションの演出も世界初の試みだという。
先程勉強したアンカレイジは吊り橋の”縁の下の力持ち”的な役割の構造物だが、こちらの主塔は吊り橋の主役的存在である。
明石海峡大橋は世界最大級吊り橋であるが、その反面、その長い橋を支える為に従来の吊り橋の主塔に比べて遥かに高い設計になっている為に、常に吹き付ける風による振動に耐えれる構造となっている。
明石海峡大橋の主塔の高さは海面上298.3mとなっており、海中に埋められている基礎部分を合わせると、高さ333mの東京タワーよりも高い建造物になる。
見えている地上部分だけで勝負だぜい!
こちらはそんな約300m近い主塔が受ける風を制御する装置が組み込まれた模型で、制御装置の有り/無しでその揺れ度合いを視認する事ができる模型となっていた。
主塔からケーブルを斜めに橋桁に直接張って繋ぎ支える構造の「斜張橋(しゃちょうきょう)」も、吊り橋の1種とも考えられている。
斜張橋も1950年以降の技術発展の追い風を受けて、中央支間長は元々は200mほどだった物が、21世紀には1000m以上の長さの斜張橋が造られる程になってきている。
斜張橋に比べて古くから造られてきた「吊り橋」も当初は中央支間長500m程の規模しか造れなかったが、明石海峡大橋のように中央支間長2000mを超える超巨大な橋が造られてきている。
人類の技術発展は、本当に恐ろしいナラ・・・
先程勉強したアンカレイジも相当な労力をかけて造られていたが、海上の高さが約300mの主塔はそれ以上に苦労が絶えない建造物だった事だろう。
こちらには実際に主塔建設時に使われた「実物大のアンカーボルト」も展示されていたが、このような巨大なナットとボルトは当然ながら一般市民は見る機会が殆ど無い物だろう。。
デカ過ぎて、この世のナットとボルトとは思えんな・・・
こちらには主塔の外面や内面に塗装された板のサンプルなども展示されており、まさに”橋マニア”にとっては普段見られない物ばかりなので、橋マニア垂涎の場所に感じた。。
普段は間近で見学する事もできない主塔では、その高さを支える構造や、底板なども一般人には想像できない程に精密な作業で研磨などが行われている。
そして海中に造られた主塔基礎の上に、極厚板を挟んで、その上からコンクリートブロックを1段ずつ載せていく作業が始まる。
【主塔-明石海峡大橋-】
ブロックを載せていく作業の誤差はたった1mmタコ!
明石海峡大橋の主塔建設時の精密な作業風景をYoutube動画で見ていると、到底大雑把な”O型人間”には不向きな作業で、几帳面な”A型人間”にしか出来ない作業のように感じてしまうのだ。。
なんでここまで面倒な事、するんや・・・
こちらは「主塔水平断面模型」(底板&1段目&2段目)で、このコンクリートブロックの中には通路や照明設備や更には高速エレベーターなどの設備も備えられているという。
吊り橋の主塔建造方法も、アンカレイジと同様にその橋が架けられる国やその周辺環境などに応じて、多種多様な構造が開発されて用いられている。
こちらは橋で使われていた、2つの部品間に挟むプレート型シムの実物も展示されていた。
家庭用のボルト&ナットで使うシムに比べて、当然ながら大幅にゴツいプレートだったが。。
「フレキシブル式鋼板セル構造」という、主塔形式になっている明石海峡大橋。
江戸時代までの簡単な橋の知識しか持ち合わせていない人間からすれば、大変複雑な構造にしか思えない現代の橋であった。。
こんな旅はまた次回に続きます!
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2023年1月下旬に訪れた、1泊2日の兵庫県:明石&加古川旅です。