明石&加古川旅(2023年)-10
訪問:2023年1月下旬(1泊2日)
模型マニア垂涎!
明石海峡大橋の袂脇に設置されている「橋の科学館」では、建設前の設計計画時に風洞実験用に製作された1/100スケールの明石海峡大橋:模型も展示されている。
「橋の科学館」の見学
橋の建設では江戸時代頃にも行われていたように、まずは実際の構造でのミニチュア模型を製作して、それで建設時の問題点などを炙り出していた手法が現代でも使われている。
何事も事前のテストは必要やで!
特に”世界最長の吊り橋”として前代未聞の大きな橋を建造するとなると、念には念を入れ過ぎる位に慎重に設計が行われた事だろう。
そして明石海峡大橋の模型だけではなく、こちらには「多々羅大橋」の模型も展示されていた。
「多々羅大橋」というと、瀬戸内海に沢山の島が集まる地区に造られた”しまなみ海道”の1つの橋で、そのしまなみ海道の中でも愛媛県今治市と広島県尾道市との県境に架かっている橋でもある。
多々羅大橋の完成した1999年当時には”世界最大の斜張橋”となっていた橋で、しまなみ海道に架かる橋は自転車でも通行できるようになっている。
多々羅大橋は2021年3月に尾道を訪れた際に、レンタサイクルを借りて橋の上を走った想い出が甦る。
体を動かした想い出の方が、より記憶に残るタコ!
多々羅大橋を渡った後に今治市側の展望所から橋を眺めたけど、その場所が寂れ過ぎていて特に案内板も見当たらなかった為に、素晴らしい景観が見れる場所なのに全然人が居なかったのも思い出す。。
写真左下に見える展望台タコ!
そして隣にはしまなみ海道の中でも最大で、”世界で初めての3連吊橋”である「来島海峡大橋」の模型も見られた。
来島海峡大橋はしまなみ海道の中でも最も愛媛県今治市側に架かる橋で、”3連吊橋”と表現されるように3つの吊り橋が連なる橋であるが、実際に訪れてみると1つの道で繋がっていて、橋の途中に出入り口があるという感じの橋でもあった。
来島海峡大橋が架かる愛媛県今治市側には、橋のすぐ近くには”日本最大の造船メーカー”である「今治造船」の工場が置かれている。
橋だけではなく、周辺施設の再現度も高い模型タコ!
3つの連なる吊橋の合計での全長は4105mもあり、サイクリングで渡るだけでもそこそこに時間がかかるけど、地元民はウォーキングの一環で徒歩で渡っている人も見かけた橋。
この来島海峡大橋は2020年9月の愛媛県旅の際中にサイクリングした場所で、来島海峡大橋を渡る前に手前に造られている展望台から橋を眺めながら記念写真を独りで撮っていた想い出も甦る。。
記念写真は独りの方が、好き勝手に撮りやすいタコ!
こちらは来島海峡大橋の大島側で、自転車道は自動車道とは橋の袂で別れて、クネクネした道を走ったルートもそのまま再現されていた。
大きな橋を架ける際には、潮流/地質/強風/地震/航行船舶などの条件をしっかり調査する事が必要となってくる。
ここで手抜きすると、後で取り返しもつかない重大な欠陥を引き起こす事に繋がる。
「急がば回れ」ナルト!
明石海峡大橋を支えるのは2本の大きな主塔だが、その主塔には約12万トンという想像も付かない程の荷重がかかるという。
その為にしっかりした基礎が造られる訳だが、甲子園球場のグラウンド部分を埋め尽くす位のサイズになっているようだ。
主塔の中で野球ができるタコ!
そこで阪神タイガースの試合をしたら、面白いやろな!
その主塔基礎を設置する際には『設置ケーソン工法』が用いられている。
ケーソンとは”鋼製の箱”の意味で、まず造船所で基礎の骨組み部分が造られ、それが完成すると船で曳航して基礎を造る部分で海底に沈める。
海中基礎にいどむ -明石海峡大橋ケーソン設置-
そして海底に沈めたケーソンにコンクリートを何度も流し込んでいき、その基礎を海中で完成させていくという工法だ。
瀬戸大橋で使われた工法ナルト!
こちらはそのケーソンを海底に沈める前に行われた「海底掘削工事」の模型まで展示されていた。※1/250スケール
その横ではボタンが設置されている展示物を見ると、ボタンを押さずにはいられないオカンの姿が見られる。
動くの、見たいやろ!
こちらの模型は海中に沈められる「鋼ケーソン沈設模型」で、事前に造船ドックでこれを造ってから、潮流が穏やかな時間を狙って狂いなく投下する必要があるという。※1/150スケール
鋼ケーソンを放り込む為に海底掘削が行われるが、国内でも最新鋭の浚渫機で正確に掘られ、誤差は±50cmの正確性で実施されたという。
また、海底を掘ってそこに鋼ケーソンを落とすと、その周辺の潮流が変化して足元の地盤の削られ方が変化してしまうが、長年の研究でその変化する潮流も正確に分析し、足元に砕いた石をネットに詰めた物で覆い被せて対策が施されたという。
こちらの写真は巨大な基礎となる鋼ケーソンを、12隻の大型タグボートで曳行している様子。
海上での曳行では、単に前方からロープで引っ張るだけではなく、後ろ側からタグボートで押している姿も見られる。
そして目的地点に投下された鋼ケーソンは、3日間の昼夜に渡ってコンクリートが注ぎ込まれて、主塔基礎へと生まれ変わっていく。
こちらはその鋼ケーソンの「水中コンクリート工模型」で、脇には25000トン級のコンクリートプラント船が横付けされて、コンクリートが入れられていく工事の様子も再現されていた。※1/250スケール
こんな旅はまた次回に続きます!
よければ下記ブログ村のボタンをポチッとお願いします!
↓↓↓↓明石&加古川旅(2023)ページ↓↓
2023年1月下旬に訪れた、1泊2日の兵庫県:明石&加古川旅です。