橋のメイン部分である補剛桁もじっくり学べる「橋の科学館」【明石&加古川旅14】

明石&加古川旅(2023年)-14

訪問:2023年1月下旬(1泊2日)

重要な部分!

「明石海峡大橋の色んな部位がどうやって造られたか?」などをしっかりと学べる「橋の科学館」を訪問したが、我々以外の訪問者の姿を滞在中に殆ど見かける事ができなかったが。。

オカン
オカン

アンタの行く場所は、人少ない所が多いな。。

 

【橋の科学館】

住所:神戸市垂水区東舞子町4-114
営業時間:9時15分~17時頃(※定休日:月曜日)
電話番号:078-784-3339
入館料:大人310円/小中学生150円/65歳以上200円

 

 

 

「橋の科学館」の見学

アンカレイジや主塔やケーブルの仕組みや製造工程を勉強した次は、橋の中でも常時使われる橋桁を補強する役目ともなっている「補剛桁(ほごうけた)の説明が始まる。

 

ケーブルが張られてから垂れ下げられたハンガーロープと、橋の車両などが通る道路部分の基盤となる「補剛桁」が順番に取り付けられていく。

 

こちらは「補剛トラス架設模型」※1/100スケール で橋の中でも重要な部分でもあるので、高張力鋼材という強度がある材質が使われている。

 

なお、補剛トラスは工場でブロック毎に生産されるが、余りにも大きなサイズなのでトレーラーではなく、船で運ばれてきて、船に最初から取り付けられているクレーンで引き揚げられて設営されていく。

 

そんな風に館内の模型や説明文を真剣に見ながら勉強していると、オカンから

オカン
オカン

何か、映像の流れる時間が来たデ!

と呼ばれた為に、館内の見学を一旦ストップして映像が流れる部屋に向かう事にした。

 

この映像が流される部屋では”3D映像”が見られるようで、部屋の入口にはこの3Dメガネが無料で配布されていた。

 

この部屋の映像は撮影禁止なので、代わりにその映像VTRを見ている、3Dメガネをかけたオカンを代わりに写す事にした。

オカン
オカン

見てみ、映像が飛び出てるデ♪

 

 

両手には動く模型のボタンを押す為に付けた手袋をそのまま着用した姿のオカンだったが、まだまだボタンを押しまくるような印象を感じた。。

オカン
オカン

久々に3D映像、見たわ♪

 

補剛桁は”三角形を組み合わせた骨組み(トラス)で造った「トラス桁」となっており、強度が強い三角形が集合体した構造の為に”変形しにくい構造”となっている。

 

「モントリオール・バイオスフィア」-『ジオデシック・ドーム』-Wikipediaより引用

「モントリオール・バイオスフィア」-『ジオデシック・ドーム』-Wikipediaより引用

「トラス桁」構造の建築物で思い出すのが、『ジオデシック・ドーム(Geodesic Dome)という、正三角形に近い三角形で細分割された正二十面体型の建造物である。

 

この『ジオデシック・ドーム』はスティーブ・ジョブズも尊敬したという、発明家/建築家/思想家の「バックミンスター・フラー(Buckminster Fuller)が発明した建造物で、彼の発明品の中で初めてのヒット商品になった代物。

 

これはNHKのテレビ番組『映像の世紀バタフライエフェクト』の「世界を変えた“愚か者”フラーとジョブズ」で詳しく紹介されており、スティーブ・ジョブズの名言として有名な『stay hungry, stay foolish』という言葉は、実はバックミンスター・フラーがかつて出版していた本に記されていた言葉を、ジョブズが気に入って歴史的なスピーチで引用したのだという。

ブッダ君
ブッダ君

偉人はその前の偉人に大きな影響を受けて育つのじゃよ!

 

勿論、補剛桁はその三角構造のトラス桁だけで耐えうる桁となっている訳ではなく、それ以外にも風により発生する渦が引き起こす”ねじれ振動”を抑える「スタビライザー」や、橋桁を軽くする為に床が鋼構造で造られているという。

 

海に橋を架ける工事ではこのような大きなトラス形式の補剛桁も、遠方の工場で製作したブロックを巨大なクレーンを持つ船に載せて運搬してくる。

そして工事現場でクレーン船のクレーンを使用して橋の上に積むという作業で、道中移動の際に起きる問題を解決し、更には大型の資材まで運搬できるというメリットがあった。

 

そして補剛桁は海面の上で潮風に最も晒される場所にある為に、使われるボルトなども「防錆処理高力ボルト」という、錆びにくいボルトがわざわざ使われている。

 

こちらには橋の各部位に使われる、鋼板を結合して製作された「高張力鋼溶接試験片」のサンプルが置かれていた。

 

 

橋に使われるパーツは多種多様な物があるが、全て耐久性や劣化度合いなどをテストし、何十年にも渡って立ち続ける巨大な橋に適合する部材かを時間かけて検証していった。

 

そしてクレーン船で吊り上げた補剛桁は、ケーブルから吊り下げられていたハンガーロープを接続させて固定する。

そして補剛桁の天井部分に、試験をクリアした高張力鋼材を大量に敷き詰め、その上に「グース・アスファルト」「改質アスファルト」の2層を塗装する事によって、防水性が高く、更には変形しにくい道路ができるという。

 

 

瀬戸大橋では「道路鉄道併用橋(ダブルデッキ)」になっており、橋の上部は道路で、下部は新幹線も通れるサイズの線路が走っている。

 

こちらは「補剛桁部分模型」※1/70スケール で、建設前の風洞試験用に造られた実際に架けられる橋と同じ構造をした模型となっている。

なお、明石海峡大橋は長い橋の為に風の影響を受けやすく、中央径間では風速80m/秒の風が吹くと、水平方向に約32mもたわむという。

オカン
オカン

いきなり強風が吹いてきたらコワイな・・・

明石蛸一郎
明石蛸一郎

32mもたわむ柔軟性があるという事タコ!

 

昔の時代と違って現代の橋に求められるのは、ただ単に目的地を繋ぐだけの役割だけではなく、周辺の景観を破壊せずにより風景に調和した外観デザインも求められる時代に来ている。

大坂黒門
大坂黒門

橋も芸術品として見られる時代やな。。

 

瀬戸内海で岡山県倉敷市と香川県坂出市を繋ぐ『瀬戸大橋』とも呼ばれる10本の橋のうち、北側に位置する「櫃石島橋」「岩黒島橋」は建設計画当初は”ゲルバートラス橋”だったが、瀬戸内海の景観に調和するデザインが求められた為に、途中でデザイン案が変更となって最終的には”斜張橋”として完成している。

 

 

瀬戸内海は昔から穏やかな内海で周辺の景色も綺麗な為に、ゴツゴツとした外観の印象を受けるゲルバートラス橋は毛嫌いされたのかもしれない。。

 

そんな嫌われたゲルバートラス橋だが、わが大阪には”世界最大級”のゲルバートラス橋が実は存在しているのだ。

 

大阪市内に存在する世界最大級のゲルバートラス橋は「港大橋」である。

なお、この橋は港区と南港を繋ぐ車専用道路になっているので、歩行者は渡る事ができずに、いつも「歩いて渡ってみたいな~~」と思いながら横目で見ていた橋なのであるが。。

 

ゲルバートラス橋と斜張橋でどちらが景観に調和するかという判断は、その判断する人間の価値観などに大きく左右されそうな要素だと思うが、開放的な橋のイメージがある方が選ばれたという事なのかもしれない。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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明石&加古川旅(2023)

2023年1月下旬に訪れた、1泊2日の兵庫県:明石&加古川旅です。

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