ギネスブックに乗る、明石海峡大橋の世界記録とは?【明石&加古川旅15】

明石&加古川旅(2023年)-15

訪問:2023年1月下旬(1泊2日)

努力の称号!

約10年の長い工事期間を経て、世界最大級の吊り橋として完成した明石海峡大橋。

明石蛸一郎
明石蛸一郎

工事前の計画段階からだと、もっと長い時間が費やされてるタコ!

 

【橋の科学館】

住所:神戸市垂水区東舞子町4-114
営業時間:9時15分~17時頃(※定休日:月曜日)
電話番号:078-784-3339
入館料:大人310円/小中学生150円/65歳以上200円

 

 

 

「橋の科学館」の見学

世界最大級の吊り橋にはその巨大な吊り橋の張力を支える為に、”世界最大級のアンカレイジ”が必要となってくる。

 

しかし、”世界最大級のアンカレイジ”を設置すると橋の両側に大きな人工的建造物が出来上がる為に、しまなみ海道を構成する橋の1つである多々羅大橋は、巨大なアンカレイジを嫌って斜張橋として造られたという。

 

こちらは主塔の塗装などを行ってくれる「塗装ロボット」だが、”ロボット”というと勝手に人間の形をしている姿を想像してしまうので、見た目にはいまいち”ロボット”というイメージが浮かばないロボットであった。。

 

明石海峡大橋の建造には約10年という歳月が掛けられたが、それで終わりではなく、それ以降の長い年月に安全な状態の橋を守り続ける”メンテナンス/補修”という気の長い作業が必要となってくる。

明石蛸一郎
明石蛸一郎

陽が当たらない地道な作業タコ!

 

大きな橋になればなる程にメンテナンス作業が大変になり、劣化をチェックする場所も増えるし、その確認作業が大変にもなる。

橋も建設から時間が経過すると、潮風による腐食を防ぐ特殊加工された部品を使っていても、自然の力には勝てずに腐食してくる部位が出てくるという。

 

明石海峡大橋の維持管理では、海上に出ている部分だけではなく、海中部分も行う必要がある。

その中でも主塔の基礎を支えるケーソン部分は、以前はダイバーが潜っての作業が一般的だったが、人による潜水作業が効率と安全性が悪い為に、近年では機械を使っての作業が増えているという。

ナラ鹿
ナラ鹿

人間は文句も言うしナラ!

 

建造物の外壁も時間を経過する毎に劣化して剥がれ落ちてくる為に、外壁も定期的に塗装作業が必要となってくる。

明石海峡大橋では主塔の高い部分などの塗装作業が必要で、高い場所となると人間の作業では危険性もつき纏うので、これも最近では新たに開発された機械での塗装作業が進められている。

 

明石海峡大橋の外壁塗装には腐食を低減させる為に、内側から順番に「厚膜型:無機ジングリッチペイント」「エキポシ樹脂塗料」を二重に塗り⇒「フッ素 or ポリウレタン樹脂塗料」と重ね塗りが施されている。

 

 

橋を引っ張り続けている太いケーブルも時間が経過する毎に腐食してくるが、その対策にケーブル内に”乾燥した空気”を送り込む事によって、ケーブル内のストランドの隙間を乾燥させて腐食を防ぐ対策が行われているという。

 

橋の科学館にはこちらの”記念スタンプ”が用意されていて、「橋の科学館に来た証」として押して帰る人も多いようだ。

 

コンクリート建造物も海沿いに建てられている建物は、海から運ばれてくる潮風による”飛塩”によって、従来の建物よりも劣化が早いという。

重要なインフラともなっているコンクリート建造物は、その為に約10年間隔でコンクリートの劣化評価を実施し、劣化が見られたら補修していく作業が必要となる。

 

橋は完成して終わりではなく、それ以降何十年に渡っての補修作業が続いて行く。

 

完成から約10年後に海中に沈められている”ケーソン外壁”を点検した所、局部的に「孔食」と呼ばれる腐食部分が見つかり、その対策として『電着防食工法』が実施されて補修されたという。

 

それと海中部分だけではなく、橋は風からも大きな影響を受ける建造物であり、ケーブルから橋桁を支える為に吊り下げられているハンガーロープも風下側の1本が特に強風の影響を受けている事が判明した。

その対策に風下側ハンガーロープに直径10mmのロープを螺旋状に巻き付けて、強風による振動を抑える工夫が施されているという。

 

日本は”地震大国”なのでいつ地震が起きても不思議ではないが、地震が発生した際には普通の建物とは違って、複雑な建造物となっているこのような大きな橋では地震の影響を調べるには、膨大な時間を要するという。

 

1995年1月17日に起きた”阪神淡路大震災時”には、明石海峡大橋はまだ建造途中でケーブルストランドが架設されて、それを円形に搾っていくスクイズ作業途中だったという。

 

 

大地震による大きな影響は無かったものの、基礎部分が数十cm移動してしまい、その移動に合わせてケーブルなどの長さが調整されたという。

明石蛸一郎
明石蛸一郎

あれだけの大地震で、倒れなかったのは凄いタコ!

 

阪神淡路大震災の発生でもあまり大きな影響が出なかった明石海峡大橋だが、その周辺の住宅地などでは建物の多くが倒壊したり半壊し、ブルーシートが被された家屋が当時の写真に目立っていた。。

 

そして1998年に完成した明石海峡大橋は、【ギネス記録】にも登録される世界イチの吊り橋となった。

 

ただし”世界イチ”という称号も、世界中に存在する橋の長さが一番という訳ではなく、ギネスブックには『最長の吊り橋』と表記されている。

江戸春男
江戸春男

吊り橋は全長ではなく、支柱間距離で測られる事が多いぜい!

 

ギネスブックには明石海峡大橋以外にも”世界最長の鉄鋼アーチ橋””世界最長の斜張橋”なども記載があり、更には”世界最長の鉄道道路橋”として1988年に開通した瀬戸大橋の項目も見られる。

 

こちらは土木工事関係で優秀な業績を達成した構造物などに贈られる『土木学会:田中賞』の盾も見られる。

 

この『土木学会:田中賞』とは、大正~昭和前半時代に帝都復興院/内務省復興局の技師として数々の橋に携わり、橋の近代化に大きく貢献した技術者「田中 豊(たなか ゆたか)の名前が付けられた賞で、1966年から始まった賞である。

 

 

そんなギネスブックに乗る『最長の吊り橋』だった明石海峡大橋も、今では新たに建造されたトルコの橋に世界イチの称号を譲り、現在では”世界最大級の吊り橋”という呼び名が多く見られる橋となっている。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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明石&加古川旅(2023)

2023年1月下旬に訪れた、1泊2日の兵庫県:明石&加古川旅です。

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