明石&加古川旅(2023年)-11
訪問:2023年1月下旬(1泊2日)
アンカレイジ!
世界最長の吊り橋である明石海峡大橋、そんな巨大な橋が造られた経過や工法などがたっぷりと学べる「橋の科学館」の見学はまだまだ続きます。
「橋の科学館」の見学
明石海峡大橋の2本の巨大な主塔基礎を造る際には「ケーソン工法」が用いられたが、橋が建設される場所に応じて主塔基礎の造られ方は異なる工法も用いられている。

海流が早い大鳴門橋では「多柱基礎工法」が使われたナルト!
それと主塔基礎のケーソンに注入されるコンクリートも一般住宅を造る際に用いられる普通のコンクリートではなく、「低発熱コンクリート」や「水中不分解性コンクリート」や「高流動コンクリート」という、特殊なコンクリートが用いられている。

世界最長の吊り橋となる巨大な橋の主塔基礎に使うコンクリートだけあって、なるべく変形せずに劣化も最小限に抑える特殊なコンクリートが使われている。
こちらには色んなコンクリートが使われた場所のコアも展示されており、コンクリート部分からこのような円筒形のコアを取り出して、サンプル検査などに使われた物のようだ。
主塔基礎のケーソン部分と岸側のアンカレイジの基礎では、外見は同じような基礎も使われるコンクリートの種類が異なっている。

海中に入れるコンクリートは特別な物タコ!
ここからは巨大な吊り橋を両脇から約12万トンの荷重を耐えながら支える、巨大なコンクリートブロックの「アンカレイジ(anchorage)」の説明が始まる。
ちなみにアメリカ合衆国アラスカ州の中で最大の都市である「アンカレッジ(Anchorage)」の名は、同じ”船の投錨地”を意味する言葉から付けられている。
なお、アメリカ本土からだいぶ北の方にある飛び地の「アラスカ州」は元々はロシアが支配する土地だったが、1867年に720万ドルでアメリカに売却されたのである。

現代からみれば、圧倒的にアメリカが得した取引よね~!

この時代のロシアの敵国がイギリスだったので、仕方なしの取引だったぜい!
大きな吊り橋を建設する際には、必ず両端でその吊り橋を引っ張るケーブルを一手に支えるアンカレイジを設置する必要がある。
神戸市側に設けられた「1Aアンカレイジ」は、硬い岩盤の神戸層が水面下61mと深かった為にそこまで巨大な穴を掘り、92多角形の地下連続壁をその地中に設けて、そこにコンクリートを注入していったという。
こちらは対する淡路島側に設置された「4Aアンカレイジ」のフレーム部分の模型で、ケーブルの水平張力約65000トンを支える構造物で、1基の重量は約1900トンだという。※1/50スケール
淡路島側の「4Aアンカレイジ」の基礎は、花崗岩の支持基盤が水面下21.5mと比較的浅かった為に、神戸市側とは違って”柱列式土留壁による掘削工法”が用いられたという。
こちらは神戸市側のアンカレイジで使用された「鉄筋コンクリート用棒鋼」で、外からは全く内部構造が見えないアンカレイジだけど、このようなしっかりとした部材が使われているという。
神戸市側のアンカレイジでは、投入されたコンクリートは14万㎥、そして総重量は35万トンという超重量級の建造物となっている。

外から見ているだけだと、重さは全くワカラン・・・
こちらのブロックは神戸市側アンカレイジの地下連続壁のコンクリート片で、試験用に採り出されたサンプルとなっている。

何かの化石みたいにも見えるような・・・
神戸市側1Aアンカレイジケーブルアンカーフレームだけで重さ約2000トンだったので、それを吊って移動させる為に3500トンの重さまで吊る事の出来るクレーン船で設置されたという。

これだけ巨大なクレーンは、車両での運送は難しいタコ!
こちらは「エレクトロミル堀削機」の模型で、神戸市側1Aアンカレイジの基礎部分を掘る為に2台が使われて掘られたという。※1/10スケール
神戸市側1Aアンカレイジの基礎が造られ始めた当時はまだ海の上だったが、その後にはアンカレイジ工事の作業スペースが必要な為に、周辺部分も埋め立てが行われた。
そんな埋め立て作業スペースに、先程見学した孫文記念館や、この橋の科学館が今は建てられている。
こちらは神戸市側1Aアンカレイジの作業基地となった「舞子作業基地:全景模型」で、アンカレイジを造る際に必要なコンクリート資材などを真横に置いていたようだ。※1/300スケール

まさに今ボクらが居る場所が、この舞子作業基地跡タコ!
こちらは神戸市側の「1Aアンカレイジ模型」で、当初は海の中に建てられた基礎部分も、すっかり工事が完了した状態になるとまるで地上の上からケーブルを引っ張っている姿に変貌を遂げている。※1/250スケール
このように明石海峡大橋の”建設前”と”建設後”の航空写真を比べると一目瞭然で、それまで海岸線だった所にアンカレイジとそれを支える埋め立て地に変わっているのが判る。
そんなアンカレイジの基礎工事だけでも色々と学ぶ事が多いのだが、更にそのアンカレイジ内部の仕組みも、これまた素人の頭がパンクする程の専門用語だらけの世界が広がっているのである。。

もう既に、頭はパンクしてます。。
こんな旅はまた次回に続きます!
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2023年1月下旬に訪れた、1泊2日の兵庫県:明石&加古川旅です。