都井岬で地平線に沈みゆく夕陽を背景に、御崎馬を見続ける【宮崎旅行記㊸】

宮崎県旅行記2020年-㊸

 旅行期間:2020年10月18日~22日
(Continuing to watch the Misaki horse against the backdrop of the setting sun on the horizon at Cape Toi.)

夕陽に映える馬!

ここは宮崎県の中でもその最南端に位置する「都井岬」という場所。地理的には鹿児島県になっているようにも思える場所だけど、ギリギリここはまだ宮崎県となっている。もう少し西の方に行けば、鹿児島県志布志市となっているが。

 

【都井岬】

住所:宮崎県串間市大字大納字御崎42-3
営業時間:8時30分~18時(※10~3月は17時30分まで)
電話番号:0987-76-1686
入場料:車1台400円、バイク1台100円

 

 

 

都井岬で馬を眺める!

前回の話の中でも散々この都井岬に住み着いて野生化した御崎馬の様子をお伝えしましたが、結構ここで動画や写真を撮影したのでもう少しその御崎馬の写真などが続きます。

 

この都井岬にいる馬は日本原産の馬だけど、元からここに住んでいた訳ではなくて、江戸時代になってからこの付近に藩を構えていた高鍋藩が軍馬の育成を目的に、この場所を牧場にして馬を放った。そんな牧場に放たれた馬は明治時代になってもそのまま放置されて、今では観光客向け用の観光資源としても活用されている。

 

ここの御崎馬は約300年近くに渡って住み着き、野生化しているのでここでは餌を与えたり、繁殖を手伝ったりという事は一切していなくて、ここの馬はほぼ自然の中で生きている。またここは急斜面の丘が多いので、この辺りで300年近く住み着いている御崎馬は、そんな急斜面でも登れる程に後肢が発達して筋肉隆々だという。

 

この都井岬では約100頭前後の御崎馬が放牧されているそうだけど、それぞれに群れを作って散らばっているので、その全数を一気に確認する事は難しい。

 

 

御崎馬の様子① 動画

 

 

馬をじ~~っと観察していたら、何だかんだと30分があっという間に過ぎていき、夕陽がいい感じに傾いてきた。そろそろ17時となるのでゲート閉門までは、残り30分となる。暗くなるまでこのまま馬を見守っていたいけど、門限前に出ないと帰れなくなるし・・・。

 

さっきからず~~っと馬の様子を見ていても、彼らがしている事と言えば、このように草をひたすらにモグモグと食べて、たまに排便と排尿を繰り返すだけ。ず~~っとこの行動を繰り返しているだけなので、馬でなければここまで見続ける事は難しかったかもしれないな。。

 

 

御崎馬の様子② 動画

 

 

ここの馬の平均寿命はおよそ15年前後。なお競馬を走るサラブレッドは30歳とかの長寿を全うする馬もいるけど、ここは放し飼いでひたすらに草ばかりを食べている馬なので、寿命もそんなものなのかもしれない。

 

そして宮崎県南端の都井岬から見る夕陽に照らされる御崎馬たち。テレビで見るサラブレッドはこのような牧場を走り回っている印象があるけど、馬は一般的にはひたすらに草を食べ続けているのだろう。

 

 

民家の畑などは手入れしていないとすぐに雑草が生えてきて、その処理に困る事が多い。最近ではそんな雑草を食べるのが大好きなヤギをその畑に出張させて、雑草を食べさせて除去するサービスも生まれている。もし地元のシルバーセンターに頼んでも雑草の撤去はしてくれるけど、ヤギだと刈った雑草を捨てに行く必要がないからエコに繋がる。

 

 

御崎馬の様子③ 動画

 

 

この都井岬のように下界から隔離されたような場所に住んでいれば、あまりストレスも溜まらなくていいかもしれない。ボクも会社員を長い間離れているけど、他人から見ればストレスフリーな生活をしているハズなんだけど、気付けばたまに円形脱毛症の10円ハゲが出来ているのだ。。

今出来ているのは、株の損失ハゲです!

 

夕陽がだんだんと地平線に向かって傾いて行く。あまり遅くならないうちに帰ろうかと思っていたけど、のどかな馬の様子を見ていると不思議と癒されるので、なかなか都井岬を離れる事が出来ない。

 

 

御崎馬の様子④ 動画

 

 

そして馬を見ているとまず女子2人組がやって来た、そしてもう少し後になって、こちらの家族がやって来た。こちらの家族はこのように放し飼いになっていて、近くから見れる馬に興奮して群れの中に入り込んで写真撮影をしていた。あまり褒められた見学マナーではなかったけど、このような人達が今の日本には多いのだろうと思う。

 

しかしこの都井岬の御崎馬は、そんな人間に動じる事無く、ひたすらに草を食べ続けている。ここで育った馬達は外敵からの攻撃が殆どない為に、そのような防御本能が少なくなっているのかもしれない。ただしこういう狭い環境下で外敵の恐れがなく育った種程に、世界が開かれた時に絶滅しやすいのであるが。。

 

日本という国は小さな島国で、在来の固有生物などが他の国に比べても多い。しかし20世紀に入って交通の便が良くなると共に、海外の生命力の強い種がどんどん人手によって国内にもたらされると、それらが暴れ回って弱い日本固有種が消え去っていった。

 

そして絶滅危惧種となった生物などを急に保護するようになったが、その問題の原点にあるのは競争力があまり無い環境下で長年時間を過ごし過ぎた事が逆にリスクとなったのである。そういう意味では今の日本国内に生きる日本人は、いつまでも昔の日本人の理想を胸に抱いて生活しているけど、現代の世界の中では日本は色んなレベルで世界の先進国の最低基準になりつつある国となっている。

日向夏男
日向夏男

日本も堕ちたもんだね・・・

 

さっき来た家族連れは嬉しそうに馬の近くまで行って、撮影をしている。たまに触っているような仕草をしていたり、馬の背面に回って写真を撮っていたりしていた。みんながみんなじゃないけど、所詮日本人のマナーってこんなものである。

馬に蹴られる瞬間を期待していたけど、おっとりした御崎馬は全然動じていなかったですね。。

 

 

調べてみると、このように野生に近い状態で馬が放牧されているのは、青森県の下北半島の北端にも「寒立馬(かんだちめ)」という種類の馬がいる。その寒立馬は冬には豪雪地帯となる青森に生息しているので、雪が降っている中でも元気に走り回っているという。

そんな寒立馬を見たいがために、2ヶ月後青森に行きます!

 

夕焼けが綺麗な色になってくる時間を迎える。なお、奥にかすかに見えている陸地は島ではなくて、鹿児島県の大隅半島。

 

なおその大隅半島の先っちょには九州最南端の佐多岬がある。2019年にトルコ旅行の際に知り合ったお兄ちゃんに、連れていってもらった事がある場所だ。

 

さっきからこのように草を食べ続けている御崎馬だけど、それほどこの草が美味しいのか? この草が美味しいから食べるという訳ではなく、適度な雨が降る環境下では無敵のように生える草を食べ続けておけば、エサが無くなって餓死する可能性がないから進化の過程でこのように草を食べるという本能が植え付けられたのかもしれないな。

 

夕陽と御崎馬のコンビネーションが、なんとも堪らない構図となっている。写真家の人はここまで来て、1日中馬の写真を撮り続けても飽きない場所かもしれない。

 

しかしこれだけ馬に食べられ続けている草も、その伸びる成長スピードよりも速く食べられ続ければ、やがては食べれる草が無くなるのではと思うけど、実際には草の生命力が凄いので食べるには困らない程に生えてくるのだろう。しかしイースター島の歴史じゃないけど、この都井岬に生息する馬の数が爆発的に増えてしまうと、そういった食糧難の問題が出てくるかもしれない。だから現代世界で起きている食糧難問題は、無計画に人口を増やし続けた人類の愚かさが表れているのだ。

 

かなり太陽が傾いてきた為に、そんな太陽に照らされて出来ている影がかなり長くなっている。まるで大きな巨人に変身した大道芸人の姿を思い出すような光景である。

 

これからまた約3時間掛けて宮崎市内まで戻らないといけないけど、この都井岬に来るのであれば日南市や鹿児島県の志布志などのホテルに泊まった方がいいかもしれない。ただ今回の旅程は宮崎市内のホテルで四連泊だったので、このような行ったり来たりは仕方なかったのである。

 

それにしても人間が近くで見ていても、「我関せず」という感じにひたすらに草を食べ続けている御崎馬。ふてぶてしいと言うか、無頓着と言うか、それとも警戒心が無さ過ぎるというか・・・。なお江戸時代に漂流してアメリカの捕鯨船に助けられて、アメリカ大陸に上陸したジョン万次郎は、途中漂流した無人島でアホウドリを捕まえて飢えを凌いだという。そのアホウドリという名前の由来は、近くで仲間が捕まえられて喰われているのに、全然逃げない為にそういった名前が付けられたという。。

日南鶏さん
日南鶏さん

危機感の少ない生物は、遅かれ早かれ絶滅するッコ~!

 

ここに生息している御崎馬の特徴としては、馬よりはポニーに近い体型をしていて、足元の色が黒いのが特徴だという。確かに足元を見てみると、足の下にいく程につれて黒くなっているのが見て分かる。

 

この都井岬はその大半が馬を見るのを目的に来る人が多いのだろうけど、このように都井岬から見る夕陽も素晴らしい。なのでもし都井岬に行くのであれば、夕方まで滞在してこのような綺麗な夕陽を見てから帰った方がいいかとは思う。

 

そろそろゲート閉門時間が迫っているので、車に乗って帰るとする。道路に降りて行くと、このようにボクが「他の車が停めてある場所付近に馬がいるハズ!」作戦を執ったのと同じ考えで、車をここに停めて馬を見に来たようだ。

敷地は広いので馬を探すより、人間を探した方が馬に辿り着きやすいですよ!

 

宮崎県には素晴らしいものが沢山溢れているけど、この綺麗な景色の手前に立ち並んでいる飫肥杉は、今回宮崎旅に来なかったら頭に残る事もなかっただろう。そしてこれらの飫肥杉も勝手に生え揃った訳ではなく、財政難に喘いでいた藩がお金を稼ぐ目的で地道に植林したものであった。

ブッダ君
ブッダ君

旅をすると、色んな事が勉強になるんじゃ!

 

さてもう少し馬を見ていたい気持ちもあったけど、ゲートが閉まる前に出ないとここにお泊りになってしまう。なおこの都井岬内には民宿やキャンプ場もあって宿泊もできるけど、そんな気は毛頭ないので・・・。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

よければ下記ブログ村のボタンをポチッとお願いします!

にほんブログ村 旅行ブログへ にほんブログ村 旅行ブログ 国内旅行へ

↓↓↓↓宮崎県旅行記:初回↓↓

いざ初めて宮崎県の土地を踏みしめて、まずは堀切峠へ【宮崎旅行記①】
2020年10月に訪れた、九州の宮崎県。この宮崎県も人生で初めてやってきた場所で、まずは広々として空港周辺を歩きレンタカー屋さんへ向かい、そこの車でまずは堀切峠へと向かいます。
タイトルとURLをコピーしました