宮崎県旅行記2020年-⑱
旅行期間:2020年10月18日~22日
川を見ながら渓谷を歩く
ここは熊本県と大分県境の宮崎県北西部の高千穂町にある、約7kmに渡って続く渓谷が有名な高千穂峡。この渓谷は自然が長年かけて創り上げた芸術だが、今ここから見える3つの橋”高千穂三橋”は人間が造り出した人類の技術進歩が見て分かる橋である。
高千穂峡遊歩道を進んで行く!
ここはそんな渓谷脇に造られている「高千穂峡遊歩道」だけど、全長7kmに渡る渓谷全部を歩くコースではなくて、この500mほど先に行った場所にある滝まで続いているコース。その目的地の滝近くにも駐車場があるけど、その辺りは高千穂峡でも一番の人気スポットなので、有料の駐車場しかない。なのでケチる人はこのように多少遠くに車を停めて、この遊歩道を歩くのである。
この辺りの地層は約50kmほど離れている熊本県の阿蘇山で、約10年前頃にカルデラ部分が形成されて溶岩が周囲に流れ出た時に、この場所まで到達して固まった溶結凝灰岩となっている。
この遊歩道は宮崎県内でも多くの観光客が訪れる場所なので、しっかりと舗装されており、手摺もきちんと設置されている。ガイドブックや旅行サイトなどを見ると、宮崎県と言えば真っ先にこの高千穂峡が出てくる。実はこの宮崎にやって来るまでは高千穂峡なんて知らなかったけど、これだけ有名とは思わなかったのである。
ここにある渓谷というものは元々は同じ地層で形成されていた場所であるが、わずかに凹んだ場所に雨水や湧き水などが最初に小さい川を作って流れ出し、そこを通る水によって長~~い年月を経て地層が削られて浸食していき、それが何万年と続く事によって今ではこのようにその部分が大きく削られているのである。
だけどこのような渓谷だけを見ていると、この川がある高さから崖が急に隆起して上に伸びていったようにも思ってしまうけど、実際には反対で元々はこの谷川の部分が下に削られて凹んでしまった訳である。
名作映画『インディ・ジョーンズ3:最後の聖戦』でも出てくる、ヨルダンにある世界遺産ペトラ遺跡の入口のようになっているシークという1.2kmも続く渓谷も同じように、長い年月に渡って水が流れて浸食された跡なのである。
高千穂峡の渓谷 景色
このように目の前にはゆっくりと川が流れているけど、これは長い年月を経た上での新しい場所を創造している一環で、その途中のほんの僅かな一瞬だけを我々は見れている訳である。
へ~~水が流れるだけで、これだけ削られるんだね!
緑などの自然が豊かな宮崎県だけに、このように遊歩道にも木々が沢山生い茂っているのが見える。高千穂峡見物ではメインの「真名井の滝」や遊覧ボートを楽しむ為だけに、近くの有料駐車場に車を停めてやって来る人もいるけど、そういった人達にはこの道中の森林浴いっぱいの散策は楽しめないのである。
この辺りは「槍飛び」という名前が付いており、この案内板によると戦国時代に逃げてきた侍達がこの高千穂峡でも最も幅が狭いこの辺りまでやってきて、持っていた槍で棒高跳びのようにしてこの渓谷を渡ったという場所。うまく行った者は渓谷を渡れたけど、失敗した者は渓谷に槍ごと落ちていったという。。
素直に大木を斬って、橋にした方が良かったのでは?!
この遊歩道を約500m歩くと、下流にはボート乗り場があってこの渓谷に流れる五ヶ瀬川の上で楽しめるようだ。しかしそんな貸しボートは勿論有料で、しかも30分で4,000円程もする”いいお値段”のボートである。
その遊歩道脇には、このような苔と岩に生えた枝が何とも神秘的に見える大きな岩が待ち受けている。このような岩も特になんて事ない岩なんだけど、想像力豊かな人間の能力を持ってすると「この岩は右側に目があって、真ん中には大きな耳が垂れているウサギに見える!」と考えるだけで、この岩がウサギ岩に見えてしまうのである。。
ホンマや、だんだんウサギ岩に見えてきたわ!
遊歩道は多少勾配があって昇り降りする所があるけど、そこまで体力を使って歩かないといけない場所ではない。逆にこれぐらいを歩くだけで「シンドイ!」という人は、全く歩かない観光プランを練らざるを得ないだろう。
そして遊歩道を歩いていると、ゴツゴツとした渓谷に流れる川の先に動く小さな手漕ぎボートが見えてくる。あれが有料の手漕ぎボートだろう。
そしてこの辺りの渓谷は「仙人の屏風岩」と名付けられている場所で、”名勝天然記念物”にも指定されている一帯だそうだ。
高さ約70mの「仙人の屏風岩」がこちらで、屏風のようにギザギザに立っているようなイメージに見えるので、そのように名付けられている。
この屏風岩を平面に置くと”鬼の洗濯岩”とも呼ばれそうなものだけど、これも人工的に作られたものではなくて、長い年月を経て自然の力で作られた芸術作品である。
流れる五ヶ瀬川も綺麗で、夏場に訪れるとここで水遊びするのも気持ちよさそうな場所である。さすがにここで泳いでいいのかは分からないけど、サンダルなどで足元だけでも川に浸かるのもいいかもしれない。
屏風岩を眺める 動画
この「仙人の屏風岩」も大昔はこの辺りを川が流れて岩を削っていただろうけど、この辺りは大昔に削られた部分なので今では緑が表面を覆いかぶさってきて、その屏風のようなギザギザの中腹をあまり見せてくれない・・・。
こういったものをちゃんと見ていくと、日常的には全然変化をしていないような地球だけど、着実と今この時も人間には見えない位に僅かではあるが、確実に変化を続けていっている。だから地球自体が常に変化を続けている媒体なので、その地球上で暮らす生物も常に進化していかないと生き残れないシステムになっている。
だから変化できない会社は、どんどん潰れていくッコ~!
こちらに置かれているように見えるのは「鬼八の力石」という、重量約200トンの大岩。鬼八という鬼がこの辺りに潜伏していて悪さをしていたけど、「三毛入野命(みけいりののみこと)」という神武天皇の兄でもある人物に成敗されたという。ある伝説によると一旦倒された鬼八は次の日に息を吹き返して復活した為に、次は首・胴体・手足をバラバラにして切り刻んだとされている。
それもあって宮崎には「鬼八塚」という、鬼八のお墓があるよ!
そんなバラバラに切り殺されるという悲惨な鬼八は怪力の持主で、この約200トンの大岩を軽々投げていたとか。いくら鬼でもこんな大岩を投げるには、1人ではまず無理だっただろうと思う程に大きな岩であった。。
渓谷って上の方は太い川が流れていた為に幅が広いけど、段々と削られていって地層が下に下がっていく程にその幅は狭ばまってくる。そしてその水の流れも一定ではなく、その時の変化によって削られ方も変わってくるので、全く同じ渓谷ではなくて少しずつ表情が変わってくるのである。
ここは「七ッヶ池」という名前が付いていて、鬼八を退治する事になる三毛入野命がここに差し掛かった時に、鬼八によって連れ去られたという姫の姿がこの水面に浮かんできたという。。
「この水面を見ていると、綺麗な女性が浮かんでくるのか?!」と期待しながら水面をのぞき込むけど、残念ながら邪念を抱えたボクには周囲に伸びている雑草などの葉っぱが反射して見えるだけであった。。
真名井の滝が見えてくる!
そんな渓谷沿いの遊歩道を進んで行くと、このように渓谷内を遊覧する手漕ぎボートの数が増えて見えてくる。コロナ禍だった2020年10月中旬に訪問したけど、この頃はコロナ感染者が減りつつある時期だったので、そろそろ観光客が油断して足を延ばし始めて、この時も予想より多くの観光客が訪れていた。
そんな遊覧ボートでも一番の楽しみは、こちらに見える日本の滝百選にも選ばれる「真名井(まない)の滝」を、近くから眺める事である。
ただし30分の利用で4,000円ぐらい必要になるけど・・・
この遊覧ボートが泳ぐ川はさっきの駐車場側が上流となっていて、この奥の方に向かって流れていっている。なおその水が流れる五ヶ瀬川は、延岡市まで向かって最終的には太平洋に流れ出ていく。
ただこの遊覧ボートもあまり広い場所を行き来できる訳ではなくて、この真名井の滝周辺のみ。だから利用時間が30分単位となっており、あくまでもこの滝を近くで見る為の遊覧ボートという役割のようだ。
こんな旅はまた次回に続きます!
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