宮崎県旅行記2020年-⑰
旅行期間:2020年10月18日~22日
歩く方を優先!
ここは宮崎県高千穂町で高さ80m程の渓谷が約7kmに渡って続き、途中一部熊本県を通過して流れて来る五ヶ瀬川がその渓谷に沿って流れる景観地となっている「高千穂峡」。なおこの高千穂峡は宮崎県でも北西側の県境にあるけど、宮崎県内でも一番有名な観光地となっていて観光客が多く訪れる場所なので、便利な場所に造られている駐車場はほぼ有料となっている。
住所:宮崎県西臼杵郡高千穂町押方1248-4
営業時間:24時間営業(公衆トイレあり)
※この駐車場料金は、無料
高千穂峡付近にて
まずは高千穂峡の様子見という事でこの周辺を行ったり来たりして、無料かつ遠くない場所にある駐車場を探し回る。地図だけ見ているとこの地域のイメージが分からないけど、実際に来てみると渓谷の起伏がある場所となっているので、上り下りの為に曲がりくねった道が多い。そしてやっと駐車したのは、こちらの「第3大橋駐車場」で勿論駐車代金は無料の場所。
これよりボート乗り場に近い駐車場は、全て有料でした・・・
高千穂峡は渓谷が長く続く場所で、その渓谷には五ヶ瀬川という川が流れ込んでいるので「五箇瀬川峡谷」とも呼ばれるという。こちらはご当地自動販売機で外観は高千穂峡デザインになっているけど、陳列されているドリンク類は普通に見れる内容となっていた。
有料と無料の駐車場が用意されているという事は、それだけ有料の駐車場にはそのお金を払ってまで停めるメリットがあるという事。この高千穂峡は渓谷が続く場所だけど、一番人気のスポットは日本百選の滝にも選ばれている「真名井の滝」が流れ落ちる場所で、そこの下を有料手漕ぎボートで遊覧する事が出来る。なのでそのスポットに近い程に駐車場の価値が高いという訳。
この高千穂峡は渓谷のある町なので、このような渓谷に架かる橋が多く見られる。平面図の地図を見ているだけだとこのような橋をイメージ出来ないけど、こうやって実際にやって来て見ると地図の橋の位置が理解できる。なおこちらの橋は宮崎県延岡市から西の熊本県中央区を結ぶ国道218号線が走る神都高千穂大橋で、2003年に完成した”コンクリート逆ランガーアーチ橋”である。
高千穂渓谷に向かって進む!
観光に訪れた年配の方々からすれば「なるべく目的地に近い駐車場であれば多少のお金を払ってもいい」という考えがあるかもしれないけど、個人的には離れた無料駐車場の方が節約&運動(散歩)という2つのメリットを感じる。
観光は肌で楽しむものです!
宮崎県は日本神話に出てくる場所が多いけど、逆に言えばそれだけしか売りがないのかもしれない。神話の世界なんて日本書紀か古事記ぐらいの話で、キリストや仏陀の話レベルであれば実在した可能性を感じるけど、日本神話レベルの場合は単なる空想話にしか思えないのであるが。。
神話って言う位だから、思いっ切り人間の想像じゃよ!
という事で高千穂峡へと続く階段を降りて行きます。観光の時に歩くのが苦痛ではなくて、逆に歩ける方が好きな人間からしたら、このような階段に差し掛かるとテンションが上がって来る。
特にこういった緑が多い場所はマイナスイオンが溢れているイメージで、普段は都会で生活している人間からすると、このような場所を散策しているだけで癒される感じがするのである。
この高千穂峡周辺の地質は約10万年前後に起こった2回の阿蘇山カルデラ形成の火山活動で、吐き出された溶岩が流れてきて固まり溶結凝灰岩となった。そして溶岩が固まってできた溶結凝灰岩は比較的柔らかい為に、長年に掛けて雨水が流れて浸食されて、今のような大きな渓谷になっている。
そして階段を降りて下に向かうと、更に古そうな橋が見えてきた。こちらの橋は「神橋(しんばし)」という、この場所に架かっている高千穂三橋の中でも最も古い石橋。元々は木造の橋だったが1947年(昭和22年)に現在見られる石橋として建造されたもので、昔はこの渓谷の高い場所に長い橋を架けれる技術がなかった為に、渓谷の幅が短い下の方に橋が造られた。だから昔はこの辺りは急な坂を下ってこの橋を渡り、また急坂を登らないといけなかった高千穂峡。
この神橋は高千穂町の市街地までは約2km、そして先程訪れた高千穂町の景色を見渡せる事が出来る国見ヶ丘は約4km離れている。戦後すぐの頃は神橋しかなかったが、その後に橋を架ける技術が上がってきた為に今ではこの周囲に更に2つの橋が造られて、高千穂町の住民たちの利便性はすっかり向上している。
一級河川である五ヶ瀬川は宮崎県の向坂山を水源としており、途中少しだけ熊本県を通過するけど、最終的には東へ流れていき太平洋へ流れ出す川。
こちらは神橋の袂から渓谷沿いに真名井の滝へと向かう散策ルート。個人的には渓谷沿いをのんびりと歩いて川なども見ながら進む方が楽しいとは思うけど、近くにいた年配のご夫婦は「見ただけで進むのが嫌になる・・・」と歩くのを嫌がっている姿が見られた。。
昔はこの古い石造りの神橋しかなかったけど、この真上に見える全長約96mの「高千穂大橋」が開通し、その後には中央奥に見える全長約300mの「神都高千穂大橋」が今ではこのように見られる。このように近くの場所で3本もの橋が架けられたのも、この高千穂峡が日本では一番最初だという。
この渓谷の岩には苔が生えているのが見えて、なかなかの年代物のように見られる。これらは阿蘇山カルデラが形成された約10万年前頃の作品なので、かなりのお値打ち物である。
神橋から見える景色 動画
この辺りは「鬼の岩屋と八峰九谷」と言われる場所で、ゴツゴツとした岩や隆起しているように見える崖とその脇にある谷が目立つ。こちらの案内板によると、大昔(神話の世界)に荒ぶる神が住み着いて悪事を行っていた場所だという。神様というと悪事をしないように思うけど、色んな神様がいるようだ。
高千穂峡遊歩道を歩く!
という事でマイナスイオンが溢れているイメージがする、渓谷に沿って作られている「高千穂峡遊歩道」を進んで行く事にします。初めて訪れる高千穂峡だったけど、その内容を詳しくガイドブックなどで勉強していなかったので、とりあえず人が行き交うこの道を進んでみる。
神話の世界が出てくる高千穂町だけに、昔から多くの人達がやって来ていたのであろう。しかし昔は交通の便が発達していなかったので、このような県境の山奥までやって来るだけで数日は掛かったと思われる。
こちらには丁寧にこの高千穂峡周辺の図が掲示されている。この図はとても分かり易く立体の橋なども見やすい。これを見ているとこの高千穂峡周辺は、渓谷に沿って昇り降りする為の湾曲している道も分かり易い。なおこの遊歩道は500mほどあるようだ。
こちらは先程見た神橋という、戦後に石橋として造り替えられた橋。隣の熊本県には江戸時代の石大工集団が拠点を抱えていた為に、今でも江戸時代に造られた石橋が残っている場所もあるけど、こちらはさすがに昭和時代に造られた為に今では苔などが生えて少し汚れた外観にはなっているものの造りとしては綺麗である。
この辺りはこのように緑が溢れているけど、手前の渓谷側には阿蘇山カルデラから流れ出して来た溶岩流が固まったゴツゴツとした岩場が見えている。これを見て昔の人達は「鬼の岩場」と呼んだのであろう。
ワシの頭もゴツゴツしとるから、「仏陀の岩場」と名付けてくれてもいいんじゃが。。
昔はこの遊歩道も木造の橋とかだったのだろうけど、今ではコンクリート造りの橋が架けられているし、道の脇には手すりが設置されているので快適に進んで行く事が出来る。
この渓谷には水が流れていて、緑&川で見えはしないけどマイナスイオンが溢れているイメージが脳内で増幅される。しかし実際にはマイナスイオンがどれほど人体にとって効果があるのかは不透明で、通販などでマイナスイオンを謳う製品が多いけど、その効果はあくまでも体験者の声として説明されているだけで効果を実証するものではないので注意である。
高千穂峡遊歩道の景色 動画
そしてこの高千穂峡遊歩道沿いには色んな見所があり、まず見えてきたのは「神硯の岩」と呼ばれる場所。江戸時代後期に九州へとやって来た高山彦九朗という人物が、残した日記(紀行文)でここを訪れた際に「硯のような岩」を発見したようだ。なおこの高山彦九朗という人物は第二次世界大戦前の日本内で、二宮金次郎や楠木正成と共に優れた人物として教えられていたようだ。
そんな硯の岩には、今では雑草と小さな水溜りが出来ている。昔の時代には文字を書くには筆と墨と硯が無ければいけなかったけど、今の時代には文字を書くという行為すら無くなりつつあるので、これからは「硯」という言葉が通じない世代が出てくる事だろう。。
こちらは「甌穴(おうけつ)」という、自然に出来た窪みに川の水が流れ込み、更にその流れ込む水が渦となって削っていき、大きな穴になったものだという。
火山から流れ出した溶岩流で出来た岩場の地層も、50~100年経過すると段々と植物が生えてきて、数百年すると大きな木が生えて陰樹が育って大きな森と化していく。こんな固い岩場の上にどうやってこれだけの緑が増えていくのかといつも疑問に思うけど、それは地球マジックなのかもしれない。
この遊歩道に架かる橋も良い感じに苔が生えているので、この渓谷に違和感を感じる事無く、風景に溶け込んでいるように見える。もしこの橋が出来たばかりの綺麗な橋だったら、それだけでこの渓谷の景観を壊す事になるのであろう。
豊富な水量の五ヶ瀬川が目の前を流れ落ちていく。この水に乗れば、やがて太平洋側まで連れて行ってくれるハズだけど、海に到達する頃には傷だらけになっていると思う。。
そして振り返ると、この高千穂峡でよく掲載される写真の目玉でもある”高千穂三橋”が見えている。別名「高千穂峡3代橋」とも呼ばれて、祖父・父・息子と三世代に渡って架けられた橋を連想させる景色が広がっているのである。
こんな旅はまた次回に続きます!
よければ下記ブログ村のボタンをポチッとお願いします!
↓↓↓↓宮崎県旅行記:初回↓↓