「海洋堂スペースファクトリーなんこく」見学①:エントランスに並ぶフィギュアの数々【高知県旅行記38】

高知県旅行記2021年3月-38

旅行期間:2021年3月某日(2泊3日旅)

フィギュアの新しい聖地!

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 外観 建物

高知県香南市でアイスバーを味わってから再び車に乗り込み、南国市に2021年3月にオープンしたばかりだった「海洋堂スペースファクトリーなんこく」を訪れた。

 

 

 

「海洋堂スペースファクトリーなんこく」の見学!

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 外 旗

この「海洋堂スペースファクトリーなんこく」は大阪府門真市に本社を置く、世界的に有名な模型製作会社「海洋堂」が、南国市への観光誘客の促進、国内の人材育成などを目的に造った施設。この施設がオープンしたのは2021年3月21日の事で、ここを訪れたのは3月25日だったので、まだオープンして間もない直後だった。

 

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 外観

「海洋堂スペースファクトリーなんこく」という名前が付けられている事もあって、このように建物は近未来的な外観となっていた。模型やフィギュアの世界は近未来SF物から発展してきた事もあって、そのイメージに合わすかのように造られていた。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 外観 駐車場

まだオープンして数日しか経っていないので、”新しい物好き民族の日本人”が続々と押しかけていた。なお、この施設には約50台も車を無料で停めるスペースが設けられているので、車でやって来る人も安心できる場所となっている。

坂本の猟犬
坂本の猟犬

近くに「JR御免駅」があるけど、車の方が便利ぜよ!

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 入口

この施設の有難い所が、何と”無料”で内部を見学できる事である。観光客誘致で苦しむ南国市が海洋堂と手を組んで、新しい観光名所を造る目的もあるようだ。

オカン
オカン

私はこんなの興味ないけど、結構人が来てたな!

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 入口に飾られていた花

まだオープンして間もなかったので、入口のエントランスには色んな所から贈られてきた豪華な花が所狭しと飾られていた。こちらの花は現代アート界で多彩な才能を発揮して活躍している「村上隆」から贈られていた。

 

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 入口に飾られていた花 アップ

造花ではなく本物の花が飾られていて、このようにとても鮮やかな花が飾られていた。ただこのような見た目にも綺麗な花も、そのまま置いておくと朽ちていくだけなので、この訪問時には「好きな花は持ち帰りOKです!」と太っ腹な対応をしていた。

坂本の猟犬
坂本の猟犬

枯れた花の片づけ手間を考えれば、持ち帰ってもらう方が合理的ぜよ!

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 入口に飾られていた動物タワーの模型

こちらは岡本太郎が設計した太陽の塔の中に造られていた、”生命の樹”っぽい感じにも見える「生命の塔」。弱肉強食で強いメンバーが下を支えており、体が大きいはずのマンモス象が上の方に乗っかっていたが。。

 

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 入口に飾られていた『宇宙の戦士』Starship Troopersの模型

こちらは宇宙服を着た飛行士のようにも見えるけど、アメリカのSF作家ロバート・ハインライン(Robert Anson Heinlein)が1969年に発表したSF小説宇宙の戦士(Starship Troopers)をアニメ化した作品から作られた等身大フィギュアである。

 

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく スターウォーズ ミレニアム・ファルコンの模型

そしてこちらは世界的な映画作品として歴史に残る『スターウォーズ』シリーズで、主人公たちが乗る「ミレニアム・ファルコン号(Millennium Falcon)の模型である。海洋堂の模型製造技術はハリウッド映画の世界まで知られており、映画撮影のモデルに海洋堂が製作した模型が使われている事もあったという。

 

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく ケンシロウ胸像

こちらは伝説的な漫画の『北斗の拳』で、もはや知らない者が居ない程の存在となってしまった「ケンシロウ」の胸像となっている。

坂本の猟犬
坂本の猟犬

オマエはもう「南国市」に入っているぜよ!(笑)

 

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく シンゴジラの模型

こちらは日本人にはお馴染みのゴジラであるが、ゴジラはゴジラでも、ヱヴァンゲリヲンを製作した庵野秀明が総監督・脚本を務めて2016年に一般公開された『シン・ゴジラ』である。

 

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく シンゴジラの模型2

庵野秀明が総監督/脚本を務めているだけあって、今までのゴジラシリーズとは一味違った内容になっていたシンゴジラ。ゴジラ映画シリーズが始まった当初に比べて、愛嬌があるように見えたゴジラの顔や体も、時代を経るとゴツゴツとキツイ外見になってきていた。

坂本の猟犬
坂本の猟犬

ゴジラというより、バケモノやな!

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 入口のロゴ

この高知県の南国市は「なんごく」ではなく「なんこく」と読む。知らない人からすれば、恐らく「なんごくし」と発音してしまうだろう。ちなみに南国市は高知県内で高知市に次いで、2番目に人口が多い市となっている。

 

 

館内の見学!

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 館内の景色

ちょっと混んでいた入口を入っていくと、館内は無料になっていて、しかもオープンしたばかりだったのでそこそこに見学客が見られた。海洋堂のフィギュアでは、ヱヴァンゲリヲンを2体ほど所有しているので、個人的に興味があったのだ。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 展示されているプラモの箱

海洋堂は元々高知県出身の「宮脇修」氏が、1964年に大阪で営んでいた貸本屋から模型屋さんに変更したのが始まりとされている。しかし模型屋経営は上手くいかずにどんどん借金が増えてきたが、お店に設置したテーブル型の「インベーダーゲーム」がブームとなり、そのゲームに吊られた子供達がやってきてゲームにお金を突っ込み、それが意外と儲かって借金を返済できたという。

 

なお、現在の海洋堂はその創業者:宮脇修さんの息子である宮脇修一氏が経営を引き継ぎ社長を務めていたが、2020年に投資会社と手を組み社長の座を譲って専務となっている。ちなみにこの宮脇修一氏は社長になるまでず~~っと専務だったので、あだ名が「センム」となっている。

 

そしてその宮脇修一氏は、現在「宮脇センム」という名前で2021年から吉本興業にも所属している。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 展示されている模型の原型

そして海洋堂という会社が大きく売り上げを伸ばす事になったのは、製造工程を中国に移管した事である。昔は中国での製造コストが日本に比べると圧倒的に安くて、アクションフィギュアの『北斗の拳シリーズ』や、フルタ製菓の『チョコエッグ』などが大当たりして海洋堂の名前が世界に轟いて行くのであった。

 


【海洋堂50年史(1964~2018)】動画

坂本の猟犬
坂本の猟犬

会社経営は苦難の連続ぜよ!


 

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 展示されている模型サンプル商品

そして2000年代に入ると、多様なキャラクターの版権を取得して、多くのフィギュアが生み出されていく。今までであればアニメや映画のキャラクターフィギュアしか見かけなかったのだが、ここにある「ツチノコ」「ダンボー」など遊び心が含まれた商品展開が拡がっていくのである。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 作業現場

そしてこの「海洋堂スペースファクトリーなんこく」では、このように1階部分に中が見える工房が設置されていて、フィギュアを作成している工程中の職人さんを眺める事が出来るようになっている。

坂本の猟犬
坂本の猟犬

動物と一緒で、フラッシュ撮影はNGぜよ!

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 模型製作図案 猫

そして海洋堂のフィギュア技術の素晴らしい所が、フィギュアのキャラクターの動きに合わせて、可動域やデザインを設計している所でもある。それまでは人間や動物の体と同じ可動域が動く設計が一般的であったが、アニメなどのキャラクターは”決めポーズ”があって、その”決めポーズ”になる形を最初に設計してから、次にその動きになる可動域を設計していったのである。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 模型製作図案 猫 松村しのぶ

海洋堂で動物系フィギュアを手掛けたのが、元々動物愛護団体に所属していた「松村しのぶ」という、動物イラストレーター。その後海洋堂に入り、チョコエッグの動物シリーズなどでは造型から監修まで一手に引き受け、大ヒット作品を生み出した張本人である。

 

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 名言 壁 

壁には名言の文章が貼られていたが、創造(クリエイト)の世界では限界はなく、自分の理想を強く諦めずに追い続けた人間が、考えられないような傑作を生み出す。

 

大勢で群れを作って暮らす人類は、人と違う事をしていると”群れの力”によって矯正されやすい。しかし、地球上の生き物が進化してきたのは、変化を拒んだからではなく、変化を受け入れてきたから進化して来れたのだ。

坂本の猟犬
坂本の猟犬

生き物は欠陥を持って生きる可能性があるが、その生き残りが”突然変異”となって進化していくぜよ!

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 展示品 マジンガーZの模型

こちらには『マジンガーZ』のソフビ人形(ソフト塩化ビニール製)が置かれている。フィギュアを製作する人達に”遊び心”が無ければ、このようにただ立っているだけの人形ばかりが並ぶ事になっていただろう。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 展示品 ヱヴァンゲリヲンの模型

こちらは『新世紀エヴァンゲリオン』のアニメが大ヒットした事を受けて、アニメのファンがヱヴァンゲリヲンの登場キャラクターのフィギュアを次々と買い求めていった。このように漫画やアニメが一本大当たりすると、このようなフィギュアなどの商品展開が次々と行われて、クリエイター達が大きなお金を手にする事になっていくのである。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 展示品 ゴジラの模型

こちらのゴジラは1900年代に造られた物なので、まだ愛嬌ある顔をしていた。2016年に庵野秀明氏が総監督して作り直された『シン・ゴジラ』は、旧来のシリーズから大きく路線変更しないとインパクトがない為に、ゴジラとは思えないようなゴジラが生み出されてしまったが。。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく ソフビフィギュア製作過程の説明

こちらではそんな「ソフビ人形」が制作されていく過程について紹介されていたので、それを見ていく事にする。最初は発売する事になる商品の企画となるが、今までなかったような、そして欲しくなるような商品を生み出すアイデアと共に、その商品開発・製造に掛かる日程及びコストなどから発売価格まで検討していく。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく ソフビフィギュア製作過程の説明2

そういった企画がまとまって「GOサイン」が出されると、造形師に原型制作を依頼し、造形師はアナログ造形か、それともデジタルでの造形かで形を作っていく。

坂本の猟犬
坂本の猟犬

なんかデジタル造形だと、味気がないぜよ・・・

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく ソフビフィギュア製作過程の説明3

こちらは昔から行われてきた「アナログ造形」で使われていた道具が展示されている。昔は「石粉粘土」が一般的な造形用素材として用いられていた。そして粘土で固めて形を作ってから、ヘラやナイフで削って自分好みの形にしていった。

しかし近年はデジタル技術の発展により「デジタル造形」をする人が増えており、動物造形のスペシャリストでもある松村しのぶ氏も、今ではデジタル造形がメインになっているようだ。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく ソフビフィギュア製作過程の説明5

そして造形師による原型が仕上がると、まず複製品を製作して彩色見本や組み立て見本などを仕上げる。それから量産準備が行われて、工場での説明用の資料などを手配していく。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 見学できる作業場

窓ガラスの向こう側では、動物園のように海洋堂のスタッフさんが働いている姿が見える。人は周りからの視線を感じると緊張感を持って生きるので、こういったガラス張りの仕事場は経営者側からすれば、見学客を楽しませる事と共に従業員の生産性を上げる効果も見込まれるのだろう。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 命の大地

こういったフィギュアなどにあまり関心を持たない人からすれば、このような大きなフィギュアを制作するのに、どれだけの労力が注ぎ込まれているか理解できない事だろう。というボクも”プラモ作り”には全く興味が無い人間で、手間を掛けて作って下手に失敗するよりは、完全形に仕上がった商品を購入した方がいいと思うタイプであるが。。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく ソフビフィギュア製作過程の説明6 金型

原型の複製品制作には、このような型を作ってそこに「レジン(樹脂)」「シリコン」を流し込む。ただこのような成型過程では、レジンやシリコンという素材の特性を理解して、またその素材の流れ込み方なども理解していないと、気泡が出来てしまったりするので技術が必要になる。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく ソフビフィギュア製作過程の説明7 金型

そしてそういった調整を行って、複製品が仕上がってくる。物を製造するにはまずサンプルは必要で、それも1個だけではなく、本社側の控えや製造工程用サンプルとして、数体作る必要がある。そしてそのサンプルを作る時に、量産時にトラブルが起きる箇所が無いかの確認も兼ねており、欠かせない工程となっているのである。

坂本の猟犬
坂本の猟犬

確認で手を抜いてはイカンぜよ!

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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