龍の目「かがんばなトンネル」と蘇鉄だらけの山【奄美大島旅行記㊷】

奄美大島旅行記2020年-㊷

 旅行期間:2020年10月1日~5日

(Dragon’s eye “Kaganbana Tunnel” and mountains full of sotetsu [Amami Oshima Travelogue㊷].)

龍の目の夕焼けは見ていません!

さて奄美大島旅の最終日は龍郷町秋名集落に来ています。海沿いの岩の上で行う祭「秋名アラセツ行事」が、実際に行われる場所を確認した後はついでに秋名集落をブラブラと散歩する事にします。

 

秋名集落を散歩!

奄美大島ではかつて琉球王国(昔の沖縄)の属国だった事もあって、沖縄のシーサーなどがこの集落では玄関でよく見られます。ただ奄美大島もそこまで沖縄と似ている感じはしないのは、江戸時代になって琉球王国から薩摩藩に支配権が移り変わったのが大きな影響を及ぼしているのかもしれない。

 

この辺りでは海に近いのもあって、玄関にはシーサーと共にこのような貝殻が置かれているのが見える。実はこの貝「スイジガイ(水字貝)」という6本足のような突起を持っており、大昔から装飾品として使われたり、火除け/魔除けとしてこの辺りで重宝されていたもの。

 

ただ集落といっても昔ならがの茅葺屋根の建物などは見当たらずに、このような一見には普通の家に見える建物が並んでいる。

 

ここにもシーサーが置かれていたけど、脇に置かれていた貝殻はさっきの貝とはちょっと違う感じ。ただ今の時代でもこのような集落では昔からの伝統が色々と受け継がれているのだろう。

 

 

龍の目とも呼ばれる「かがんばなトンネル」にて

そして車に乗り込み、海沿いの県道を北に向かって車を走らせていると、見た感じが特徴的なトンネルが目に入ってきたのでここで車を停めて、少し見学してみる事にする。

 

【かがんばなトンネル】

住所:鹿児島県大島郡龍郷町円

 

 

ここは海沿いの道にあるトンネルで、このように道路脇は目の前に東シナ海が広がる場所。この東シナ海側には珊瑚礁が少ないので、日本海のような荒々しい波が打ち寄せる光景となっている。

 

こちら側は「かがんばなトンネル」のすぐ南側から見た景色。この時は全然知らなかったけど、この「かがんばなトンネル」は奄美大島でも意外な人気スポットとなっていて、テレビの撮影もチョコチョコ訪れる場所だった。

 

というのも春分の日/秋分の日前後にこのトンネルの南側に夕陽が沈むシーズンがあって、この写真の奥側の方にある撮影スポットから、沈む夕陽がちょうどこのトンネルに掛かって”龍の目(ドラゴンアイ)”と呼ばれる現象が見られるという。

 

 

なおこの「かがんばなトンネル」は1998年に造られたもので、そんな大昔からあった訳ではないようだ。長さはこのように29mと短く、トンネルというよりは穴のように思える場所。

 

ここを訪れた時は春分の日や秋分の日ではなく、勿論夕陽の見れる時間でもなかったので、このトンネル付近にはボクだけしか立ち寄る人間はいなかった。帰ってから見た「出川哲朗の充電させてもらえませんか?絶景の奄美大島縦断!(2018年)」のゴール地点が、このかがんばなトンネルから夕陽を見れる場所だった。

 

ただ出川哲郎氏とゲストの井森美幸さんがここを訪れた時は曇っていて雨が降ったりしていたので、この”龍の目”現象は残念ながら見れなかったという。こちらはその龍の目現象をVTRで見ている場面。

 

この時は全然そんな夕陽を見てる場所なんて知らなかったのだが、何とも印象的なトンネルに思えたから寄り道した。だからこのトンネルを見にやって来る人は反対の北東側から写真を撮ったものばかりのようだけど、ボクは逆に南西側からの写真ばかり。

 

そんな「かがんばなトンネル」の上には、このように蘇鉄がいっぱい生えているのが見える。奄美大島ではこの蘇鉄をあまりに一般的に見られるので何とも思わないかもしれないけど、ボクの中ではこの蘇鉄がマイブーム的な感じになっているので、今でも街中を歩いている時に蘇鉄を見かけると「あっ、蘇鉄や!」と思ってしまうのである。

 

ボクとしてはこの海岸にせり出した岩場の岬を貫通して造っていたという構造が目に留まった。夕陽は見れなくても充分に見所のあるトンネルだと個人的には思う。

 

この奄美大島でやっと名前を知った蘇鉄が、ここに来てから急に好きになってしまった。放射線状に伸びる葉っぱがツヤツヤとしている綺麗さと、この奄美大島で飢餓に苦しんだ島民達の命を救ってきた植物という歴史もあったからかもしれないな。

 

奄美大島に来てから晴れ続きだったけど、最終日もこのように雲が多めだけど晴れ。天候の変わりやすい奄美大島だけど、滞在中の5日間は晴ればかり。少しだけ夕方に雨が降ったりしたけど、基本的には晴ればかりだったのでとても満喫できた旅であった。

 

 

安木屋場集落の海岸 動画

 

 

安木屋場集落にて

そしてかがんばなトンネルの近くには「安木屋場(あんきゃば)」という集落があって、その近くに「蘇鉄群生地」という蘇鉄だらけの場所があるという事なので、ここでもまた寄り道してみる。すると集落の入口にこちらの記念碑が置かれていたので、少し見学してみる。

 

こちらは「島唄の先人:阿世知牧直」という人物の記念碑だった。今でも歌い継がれている島唄の歌い手として奄美大島では有名人のようだけど、江戸時代後半にこの安木屋場で生まれた偉人だった。

 

こちらに設置されていた案内板では”島唄の神様”とまで書かれているのが見える。そんな島唄の神様であった阿世知牧直のお墓はこの近くにあり、島唄の修行をする人達が彼の墓を訪れて腰掛けて島唄を演奏すると、不思議と上達が早くなったという。。

 

こちらはそんな島唄の神様である阿世知牧直が、歌った代表的な島唄の歌詞が彫られているのが見える。今回の奄美大島訪問時には島唄を聞く機会が殆ど無かったので、もし次来る機会があれば島唄を是非聞くのを目的にやって来たいと思う。

 

そしてこの安木屋場集落はそんなには人口が多くないようだけど、このようにカトリック教会の建物が見える。このように奄美大島では意外とよく目にするのが、このカトリック教会なのである。

 

何とも質素な「カトリック安木屋場教会」の入口。海外だったらあまり違和感なく中に入れるけど、日本の教会の場合は建物内に入ると「キリスト教に興味があるのかな?」と思われて勧誘されたら困るので、意外と入り辛い。。

 

そんな教会が多い奄美大島ではその殆どがカトリック教会。というのも江戸時代に日本に伝来したカトリックが、そのまま奄美大島に輸入されたからだという。

 

 

安木屋場展望所/蘇鉄の群生地にて

そしてあまり観光が出来ない最終日に一番ボクが楽しみにしていたのが、こちらの「蘇鉄群生地」という、まさに蘇鉄だらけの場所。すっかり蘇鉄が好きになってしまったボクだけに、そんな蘇鉄が奄美大島で一番密集している場所なんて興奮してしまう。。

エロ坊主オジサン
エロ坊主
オジサン

遂に変態のレベルが1つ上がったな・・・

 

 

ここはそんな蘇鉄群生地を正面に眺められる「安木屋場展望所」だけど、このように道路沿いに設置されている看板は周囲に生い茂った木々の葉っぱに包み込まれて見えなくなっていた。。

 

展望所と言っても、道路の脇にこのような少しだけの駐車スペースがある場所で、とっても地味な場所。人口も少ない安木屋場集落だけにこの地域自体が地味な雰囲気を出しているけど、さっき見たかがんばなトンネルが近くにあるので、そのついでに立ち寄るスポットとしてはいいかもしれない。

 

そして驚いたのがこの蘇鉄群生地は自然に出来たものではなくて、人為的に植えられたものだという。というのも名瀬から西にいった大和村からこの地域に移植されたという伝承が残っているそうで、元々は中国大陸原産の蘇鉄だけに、最初からこの辺りに生えていた訳ではないそうだ。

 

 

蘇鉄群生地の景観 動画

 

 

今では寺や街中で観葉植物としてたまに見かける蘇鉄であるが、沖縄や奄美大島では琉球王国時代に食糧難になった際に食糧代わりとなる事からこの蘇鉄の栽培が奨励されたという。この小さい島だと干ばつや不作などが起きると餓死者を出すほどに苦しくなる場面があり、蘇鉄の茎や実から澱粉を取ったりしてそれを食用にしていた。

 

ただし蘇鉄には毒性があるので、そのまま蘇鉄を食べると中毒死する事もあるという。なので食べる前に茎や実などを水に漬けて、まずは毒抜き処理をしてからでしか食べてはいけない。しかし奄美大島で干ばつなどが起こって食糧が無くなった時に、腹をあまりにも減らし過ぎた島民が毒抜きしてない蘇鉄を食べてしまい、それで中毒死する人も沢山出たという。なので奄美大島では”蘇鉄地獄”という言葉まである。

 

この奄美大島ではかつて”砂糖地獄”やこの”蘇鉄地獄”など、文字通り地獄を見てきた島民達。 しかし今では島民の人達は優しい人ばかりだし、食糧も船で鹿児島などから定期的に運ばれてくるので、地獄と呼ばれていた光景が見られない。しかしそんな過去の苦しい歴史が垣間見られる「蘇鉄群生地」であった。。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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