意外と北部に多いカトリック教会に立ち寄る【奄美大島旅行記③】

奄美大島旅行記2020年-③

 旅行期間:2020年10月1日~5日

(Stop by Catholic churches, which are surprisingly common in the north [Amami Oshima travelogue 3].)

歴史ある教会群

晴天に恵まれた奄美大島旅。最高の天気の中で島を回れる事程の幸せは無いと感じながら、奄美大島の散策を続けます。ただ奄美大島内の移動手段は主に車が無いと不便なので、必然的に車で移動する時間が多いのでいつもの徒歩での散策があまり出来ないのがちょっと残念ではあったが。

 

用海岸にて休憩!

この奄美大島北部でも灯台へと続く道にはあまり公衆トイレがない。だけどこの「用海岸」と呼ばれる場所には公衆トイレが設置されているので、ちょっと休憩がてらに立ち寄る事にする。

 

ここにはこのような公衆トイレが設置されていて、車は数台停めれるようになっている。今回の奄美大島旅行で事前に予約していたアクティビティー3つ以外は全然何をするか考えていなかったので、とりあえず1人旅らしくのんびりと海岸を楽しめそうなスポットでそれぞれ休憩していく事にする。

 

そしてトイレを済ませてただ帰るだけでは味気が無いので、とりあえず海岸の方に向かっていく。すると綺麗な海岸線と砂浜が広がっている景色が見える。

 

この時は10月1日だったけど、砂浜で1人水浴びをしているオジサンが居る位で、他には海で泳ぐ人は皆無。勿論こんな綺麗な砂浜で遊ぶ人も他には見かけなかった。

 

この海岸線では綺麗な海や砂浜などに目が行きガチだけど、ボクはこういった独特の形と、そこに生命力豊かに張り付いて生き抜く緑の姿に目が行ってしまう。こんな岩なのに上の方には、奄美大島らしく蘇鉄まで生えているのが見える。

 

そんな蘇鉄が生えた岩を見ながら、1人海岸をリラックスしてのんびり雰囲気を満喫する。奄美大島は沖縄と比べると島の面積が小さくて人口も少なくて、かつ観光客も少ない。だからこそこのようにのんびりとした雰囲気が漂っているので、忙しく無機質な景色が広がる都会で暮らす人間からすると、とても気持ちいい時間を過ごせる場所となっている。

まだ初日なんだけど、すっかり奄美大島が大好きになりました!

 

 

カトリック大笠利教会にて

そして道の途中に見えていた、こちらの大きな教会が気になっていたので、ちょっと寄り道をしてみる。奄美大島では昔は琉球王国の宗教観があったけど、その後は鹿児島を支配していた薩摩藩の影響が大きくなったし、この笠利町がある北部ではカトリック教会が多いんだとか。

 

 

入口には「大笠利聖ミカエル カトリック教会」という文字が見える。カトリック教会というとヨーロッパが発祥だけど、プロテスタント教会が勢力を強めて窮地に立たされていたカトリックは、大航海時代のポルトガルに助けを求めてインドやアジア地方などに勢力を拡大していった。

 

大航海時代の進出に同行したカトリック教会の宣教師達の活躍で、世界で一番大きな宗教となったキリスト教。ただしキリスト教と言っても、それぞれにカトリックとプロテスタントという大きな違いがあり、更にそれを源流して色々と派生していくので、キリスト教内でも宗派が違うものが多い。仏教と同じで流派が違うだけで、慣習や考え方も違ってまるで違う宗教のようにも思える。

 

今では約30個ものカトリック教会が存在する奄美大島だが、大日本帝国が1930年代にキリスト教会を弾圧目的で焼き討ちにした為に、この大笠利教会も1937年に放火されて焼け落ちてしまったという。ただその際にこの教会内に設置されていた『アンジェラスの鐘』の紛失を防ぐ為に、宮崎県内に移動し保管される。そして戦後に再建された大笠利教会に1984年に数十年振りにアンジェラスの鐘が戻ってきたという。

 

こちらの岩場には上部の窪み穴の中に、白い聖母マリア像が置かれているのが見える。この奄美大島にカトリック教が入ってきたのは1891年頃で、鹿児島でカトリック教を布教していたフェリエ神父が明治時代になっても江戸時代から続く搾取や貧困で苦しむ島に救いを与える為に来島したのが始まりとされている。

 

このように日本でカトリック教が普及した裏には、それだけ貧しい生活を送っていて一筋の希望が欲しかった農民などの貧困層が宗教に救いを求めた背景がある。「信じる者は救われる!」という救世主を信じる宗教は、毎日望みなく働かされる労働者に憩いのひと時を提供したのであろう。

 

そして教会の聖堂内に進むと、特に奄美大島らしさがある訳でもなくて、普通の教会の内装となっている。それにしても天気がいいので、その太陽光のおかげで教会内がとても明るくていい景色となっている。

 

壁沿いには何台もの扇風機が並べられているのが見える。これは冷房設備がない為なのか、それとも新型コロナウイルスの感染防止対策の為だったのだろうか?

 

キリスト教は神様であるキリストのみを信じる一神教であるが、そのキリストを産んだ母親も神に昇華し、更には列聖された聖人も多く存在している。そういう意味では一神教ではありながらも、色んな聖人を産み出して宗教を広めたカトリック教。

 

特に教会内では特別なものはなさそうで、普通に定期的にミサなどが行われていそうな雰囲気だった。ただ2020年は新型コロナウイルスの影響で神様に祈っても関係なしにコロナウイルスは人に感染するので、このような教会でのミサの開催数なども大幅に減った事だろう。

 

 

奄美市立歴史民俗資料館にて

そして最初に前を通った時は閉まっていた「奄美市立歴史民俗資料館」に、昼が過ぎたので再び訪れる。やっぱりオジサンになるとまずはその土地の歴史や文化などを、こういった資料館や博物館で勉強したくなってしまう。

やっぱり年には勝てませんね・・・

 

 

このように「OPEN」となっている看板の下に小さく「12~13時は閉館」とあるので、見逃しやすい。地方の島なので、昼時は職員さんの休憩時間なんだろう。ここは文句は言わずに地元民の日常に合わせるしかない。

 

こちらが奄美市立歴史民俗資料館の建物で、1981年に完成してはや約40年となる。中には大昔にこの島で暮らしていた人類が使っていた道具や、戦前に暮らしていた人達の生活用具などが見られる資料館となっている。

 

こちらの資料館はこのように大人200円、高校生以上100円、小中学生50円という入館料になっている。このようにお金を払う資料館には、そのお金を払う価値が基本的にはあるのでなるべく入場料を払って入るクセを付けておいた方が後々勉強になると思う。

 

まずはそんな資料館内に足を踏み入れる前に、資料館周辺を少し散策する事にする。奄美大島は珊瑚礁に囲まれた島でもあるので、島民たちはそんな珊瑚などを上手く活用して道具として使って来ていた。こちらは「サンゴ臼」で芋などを洗う為に使われていたという。

 

奄美大島は元々沖縄にあった琉球王国の属国であったので、その琉球文化が大きく根付いている地域。なのでお墓なども昔は「トフル墓」という、琉球王国でよく見られたお墓が沢山あったけど、今ではそんなお墓はとても少なくなっているそうだ。ちなみにトフルという言葉は、”天国に通ずる道”という意味合いだとか。

 

この資料館はあやまる岬の近くに造られており、横にある芝生の先からは綺麗な海岸線が広がっているのが見える。

 

という事で綺麗な景色に惹かれるように、こちらの中庭にやって来る。ここでも一応「ハブに注意!」と書かれているけど、本当に出るかは不明。万が一の危険性を兼ねて、どこでも啓発の為に書かれているだけかもしれない。

ハブ男
ハブ男

我々が出てくるんじゃなくて、人間側がハブの居る方に入ってくるだけブ~~!(怒)

 

念ずれば 花ひらく

by  坂村真民(仏教詩人)

前回の愛媛県松山旅行では現地で多く見かけた俳句の入った記念碑だけど、ここでもこのような記念碑を見る事が出来た。この坂村真民という人物は一遍上人の生き方に感銘を受けて、主に教師をして過ごし、常に午前零時に起床して近くの川で祈りを捧げたという。なおこの「念ずれば 花ひらく」という言葉は有名で、日本全国や海外にも同じ言葉が刻まれた記念碑が設置されているという。

 

 

 

砂白く 湖は青く 千鳥啼く

by  田中一村

こちらは田中一村(たなか いっそん)という、50歳になって奄美大島に移住した画家の記念碑。この田中一村は栃木県生まれの東京育ちであるが、晩年は奄美大島で過ごした為に記念館も造られている。

 

子供の頃は写生の時間とかあって風景の絵を描いたけど、今では風景は写真に撮るものという考えで、まず自分で絵を描くという行為をしなくなった。

 

そしてこのあやまる岬近くに立っていると、遠くの方から「ブ~~~~ン!」というエンジン音が聞こえてくる。陸の方からではなくて、どうやら海の方向から聞こえてくる。

 

そして目を凝らすと、海の上をパラシュートを付けた人が飛んでいるのが見えた。実はこのパラシュートを付けて浮遊しているのは、ボクが明後日の午前中に予約している【奄美パラグライダー:ハッピースカイ】だった。二人一組でインストラクターのオジサンがプロペラを背負って、約15分間に渡って空中を動き回るアクティビティー。

 

 

海岸を飛ぶパラグライダーを眺める 動画

 

 

この時はそんなパラグライダー飛行を遠くから見ていただけだが、後日実際に飛行してみたら最高に気持ちいいフライトだった。だから奄美大島で思う存分に楽しみたい人には、このパラグライダー飛行をオススメする。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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最初に向かうのは、目の前に綺麗な海が広がる「あやまる岬」【奄美大島旅行記①】
2020年10月に訪れた、鹿児島県の奄美大島。初上陸した奄美大島でレンタカーを借りてからまず向かったのは、奄美空港から北側にある「あやまる岬」でまずは奄美大島の綺麗な海に挨拶します!
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