神奈川県&東京旅(2022年12月中旬)-52
訪問:2022年12月中旬(2泊3日)
上野らしい!
こちらは東京の上野公園にある東京国立博物館の1施設である、明治期の洋画家を代表する黒田清輝の遺言で造られた「黒田記念館」。
元々は絵画研究施設として造られたが、今ではお役目御免として、黒田清輝の作品を展示する美術館として一般開放されている。
「黒田記念館」の見学!
こちらは黒田清輝が1915年に描いた、黒田と同じく薩摩藩出身の先輩にあたる『松方 正義肖像画の下絵』である。
この「松方 正義(まつかた まさよし)」は”第4代&第6代の内閣総理大臣”を務めた人物であり、それ以外にも大蔵大臣や内務大臣も歴任している。
また松方正義は多くの女性を囲い、総勢26人の子供を儲けたとされる。その中には後に国立西洋美術館や東京国立博物館で展示される事になる、”松方コレクション”を収集した「松方幸次郎」(3男)も含まれている。

だから松方正義の子孫は数百人もいるぜい!
こちらは1909年に描いた『寺尾寿博士の肖像』となっている。
ここに描かれている「寺尾 寿(てらお ひさし)」は、明治~大正時代の天文学者・数学者で、フランスに留学して天文学を学び、現在の国立天文台:初代台長になった人物でもある。
黒田清輝はこの寺尾寿から生きたフランス語を学んだ事もあり、特に親しくしていたという。
こちらは1910年に描いた『桂太郎 肖像画』の画稿(※下書き)となっている。
この「桂 太郎(かつら たろう)」は長州藩出身で、明治時代にはドイツに留学し、帰国後は”第11代&第13代&第15代:内閣総理大臣”を務め、それ以外にも 大蔵大臣・文部大臣・内務大臣・陸軍大臣・台湾総督などの要職を歴任している。
ちなみに3期に渡る内閣総理大臣の在任通算期間は”2,886日”に及び、この記録は後に4期に渡って総理大臣を務める事になる安倍晋三が破るまで最長記録だったのである。

長期政権も良い事と悪い事があるぜい!
こちらには黒田清輝が使っていた遺品の1つだという「イーゼル」が置かれている。
イーゼルというと三角形の形をしている物をイメージしてしまうけど、こちらは「H型イーゼル」という四角形タイプとなっている。
こちらも同じく黒田清輝が使っていたとされる「絵具箱」で、三脚の足が取り付けられている事から、野外でも使っていたと考えられている。
こちらも同じく黒田清輝が使っていたとされる椅子だが、そう言われないと”普通の椅子”にしか見えない気がするが。。

疲れてもこの椅子に座ってはいかんぜい!
こちらは黒田清輝が1915年頃に自らを描いた『自画像』で、50歳頃の自分を描いた作品だという。

こんなオジサン、その辺にいっぱい居るよ~!(笑)
この黒田記念館は入場無料だったので立ち寄ったが、意外とあまり知られていない施設のようで、滞在中に他の見学者は1人しか見かけなかった・・・。

貸し切り状態で贅沢な時間でした♪
上野公園にて
黒田記念館の見学を終えて上野公園の入口付近にやって来る。
とにかく上野周辺には博物館や美術館が大挙しているエリアなので、そういったものが好きな人には堪らない場所となっている。
そんな上野公園の北西側に「滝廉太郎」の銅像が置かれていると情報を得ていたが、その銅像が見当たらなかったので周囲を探し回っていると、こちらの建物が「旧東京音楽学校奏楽堂」と”音楽繋がり”で怪しい場所に感じた。
「旧東京音楽学校奏楽堂」の敷地内に入ってみると、思った通り、こちらの滝廉太郎像が見えてきた。
「瀧 廉太郎(たき れんたろう)」というと、学校で習う『荒城の月』などの作曲家として有名だが、意外と”それ以外に作曲した曲”と言われても頭に浮かんでこないのであるが。。
【かちかち山 作曲:滝廉太郎】
【箱根八里 作曲:滝廉太郎】
ここにあった「旧東京音楽学校 奏楽堂」の建物は、明治23年(1890年)に建設された”西洋式音楽ホール”で、今では建物が”国の重要文化財”にも指定されている。
旧東京音楽学校(東京芸術大学音楽学部の前身)の卒業生でもある滝廉太郎の銅像が敷地に設置されていたのだが、この銅像を制作したのは、滝廉太郎と同じ大分県の豊後大野市出身の彫刻家「朝倉 文夫(あさくら ふみお)」である。
※瀧廉太郎は東京都港区生まれ、神奈川県・富山県と父親の転勤を経て、大分県竹田市で育つ
彫刻家:朝倉文夫の作品で思い出すのは、個人的にはやっぱり鹿児島の照国神社に飾られている「島津斉彬公の銅像」である。
それ以外にも東京駅の前に鎮座している、”日本鉄道の父”とも称される「井上 勝」の銅像も朝倉文夫の作品となっている。

前回の東京旅で、この銅像は見たな・・・
それよりも「朝倉文夫」について新しく知って驚いた事が、同じく彫刻家となった実の弟:大塚辰夫の孫が、声優として多くの作品で出演している「大塚 明夫(おおつか あきお)」だったのである。
担当ほぼ強キャラ 声優【大塚明夫】を聴く
アニメや映画の吹き替えで、必ず耳にした事があると言っても過言ではない程に人気作品に出ている大塚明夫。

逆に耳にした事がない人を探せない程に出てるよね~!
俳優別 吹き替え声優 スティーヴン・セガール 編
個人的には映画『沈黙』シリーズでも有名な、「スティーヴン・セガール」の吹き替えとしてのイメージが強い大塚明夫。

俺の吹替えも、頼みたいデ!
そんな人気声優:大塚明夫の父親である「大塚 周夫(おおつか ちかお)」も実は有名な声優でもあり、こちらも有名な映画やアニメ作品で吹替を多く担当している。
待たせたなぁ!の父 声優【大塚周夫】を聴く
実は『ルパン三世 (TV第1シリーズ※初代)』で、石川五ェ門の声も担当していた。
アニメの『ルパン三世』での石川五ェ門の声優というと、2代目を務めた「井上真樹夫」が30年以上に渡って担当していた為に、すっかりそのイメージが強くなっていたけど、初代の石川五ェ門は大塚周夫が担当していたのである。
大塚周夫が声を担当したキャラで個人的には一番思い入れが強いのが、大好きだった『美味しんぼ』のアニメの中で演じていた「海原 雄山」である。
当代随一の芸術家でもあり美食家でもある海原雄山は、気に入らない料理が出てくると、床に投げつけたり、女将や職人を怒鳴りつけるなどの強烈なキャラクターだったのも、大塚周夫の低音ボイスで更に”いい味”が出ていたのである。

声優だけではなく、俳優として大河ドラマにも何回も出演していたタマ!
こちらは「旧東京音楽学校 奏楽堂」の建物脇に置かれていた、あの渋沢栄一が揮毫した『永遠』という文字の石碑も見られた。
上野公園は前に1度だけ来た事があるけど、その時は日本の歴史や芸術に全く興味が無かった時代だったので、単に公園を素通りして通り過ぎるだけだった。
しかし、歴史や芸術に興味を持ってみると、”数えきれない文化財に出会える素晴らしい場所”だったのである。
アニマルトイレにて
そんな上野公園内にあった公衆トイレに立ち寄る事にした。
すると『上野動物園』がある事でも有名な上野公園の公衆トイレだけあって、トイレ内が”動物の雰囲気が溢れる”デザインとなっていた。
トイレを終えて戻ってきたオカンも

見た?! 動物だらけやったデ♪
と喜ぶ程の「アニマルトイレ」だったのである。
本日上野公園にやって来たのは、歴史的な文化財などを見学する為であり、上野動物園の動物達には全く興味が無かったのでパス。。

動物はドコで見ても一緒やデ・・・
それにしても、もっと時間があれば東京国立博物館の展示品をじっくり見れたのだが、ここまで展示品が膨大な数が設置されていると想像していなかっただけに、全く時間が足りなかった。
もし次回に来る機会があれば、またゆっくりと館内を見学したい場所に思えたのである。。
そして上野動物園と共に”上野公園を代表する有名な銅像”に向かって歩いていると、大きな台座の上に載った騎馬像が見えてくる。
ちなみにこの騎馬像の製作者は、”日本初の西洋式銅像”ともされる靖国神社に設置されている大村益次郎像も作った「大熊 氏廣(おおくま うじひろ)」であるが、大きな台座部分の担当はさっき見学した「黒田記念館」を設計した「岡田信一郎」となっている。

西洋式銅像は、特に高い台座が多いよね~!
そしてこちらの騎馬像は、明治時代の皇族で陸軍大将でもあった「小松宮彰仁親王」の銅像となっている。
小松宮彰仁親王は日本赤十字社の総裁も務めた事から、日本赤十字社の初代社長となった「佐野 常民(さの つねたみ)」が中心となって、明治45年に設置された騎馬像となっている。
こんな旅はまた次回に続きます!
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2022年12月中旬に『どこかでマイル』を使って訪れた、2泊3日の神奈川県&東京旅です。