信州松本旅行記2022年3月-25
旅行期間:2022年3月上旬(2泊3日旅)
トロロが美味しい!
こちらは長野市松代町にある、江戸時代にこの地を治めていた松代藩真田家の歴代藩主のお墓が設置されている「長国寺」の境内。その中でも拝観料が必要となる、松代藩第4代藩主:真田信弘の霊廟をこれから見学していきます。
住所:長野県長野市松代町松代1015-1
営業時間:9時~15時頃(※定休日:水曜日)
電話番号:026-278-1270
拝観料:※境内のみの見学は無料
①御霊屋&墓所拝観料 ※要予約
大人500円/小中学生300円
※御霊屋内部の拝観は別途料金発生
②御霊屋特別拝観料 1人500円
長国寺の見学!
この真田家の霊廟のある敷地は、お寺の人に鍵を開けてもらって入れる場所なので、一般開放されていない。またこの霊廟と歴代藩主の墓地は寺の人が案内してくれるので、ホームページには「要予約」と表記されている。
※この訪問時は予約なしで訪れたが、寺の人が手が空いていたからか、特に問題なく案内してくれました。
こちらが1736年頃に建立されたという、松代藩第4代藩主:真田信弘の霊廟である。今では”長野県宝”に指定されている江戸時代中期に建造された木造建築物だけど、このように外観は老朽化が激しくなっているのが分かる。
なお、この訪問時は松代藩初代藩主:真田信之の霊廟改修工事が行われていたが、その工事が終了次第、こちらの霊廟も改修工事が実施される予定なんだとか。江戸時代初期には、尊敬されていた藩主を崇める為にこのような立派な霊廟を建設していたが、次第に財政が厳しくなっていった事もあって、霊廟は殆ど造られなくなっていったようだ。
真田信弘の霊廟も扉を開けて、内部を見学させてくれた。なお、あとでホームページを見たら、この霊廟内部の見学は追加費用500円が必要と記載されていた。この見学時は最初にそういった費用の説明が無かったけど、帰り際に「寄付金代わりに・・・」という申し出だったので、その費用を支払ったのであるが。。
そしてその霊廟と共に、奥にある真田家の歴代藩主が眠る墓地も見学させてくれた。場所によってはこういった場所を無料で見学できる寺もあるけど、近年は檀家も減って収入が減ってきており、更には傷んだ建物なども補修していかないといけないので、拝観料として費用を回収していかないといけないのだろう。
こちらには第10代まで続いた松代藩真田家藩主の墓と、その妻子などの墓石も並べられている。藩主のお墓だけあって、立派な墓石が立ち並んでいる光景が広がっていた。
「真田家」というと現代人からすれば、「真田幸村」の名前が一番有名であるが、この松代藩を治めた真田家は、そんな真田幸村の兄である「真田 信之」からの家系である。
真田信之は関ヶ原の戦いで豊臣家の西側に、弟:真田幸村と、父:真田昌幸が加担した為に、もし東軍が勝利したとしても真田家が残るようにと東軍を選んだのである。
こちらはその藩祖の「真田 信之」の墓である。藩祖という存在は江戸時代末~明治時代には神様に近い存在に崇められたので、この墓だけ前に鳥居が設置されている。
そしてその向かい側には、真田幸村とその息子:大助の供養塔も設置されている。江戸幕府の敵である豊臣家に加担した真田幸村は国賊扱いされていた事もあって、江戸時代ではなく大正時代になってから建立された物だという。
それとこちらは、真田信之の父:真田昌幸、叔父にあたる真田信綱、そして祖父の真田幸隆の3人の供養塔も置かれていた。真田家は武田家の家臣だったが、武田家が滅亡後は主君を次々に変えて、最終的に豊臣家に君従した。
そして徳川家康を嫌っていたらしく、関ヶ原の戦いで西軍に加担したのは当然の事であったようだ。
全国の藩にそれぞれ設けられていた菩提寺も、明治時代の廃仏毀釈によって廃寺になってしまった所もあり、このように綺麗に残されている寺も意外と少ない。ただ、勿論これらは寺の人が管理してくれているから、綺麗に保たれているのである。
建物の壁には、現在改修工事中の「真田信之霊屋」の写真も展示されていた。建物の格式的には、初代藩主だった真田信之霊屋の方が立派だったので、装飾も豪華になっているようだ。
なお、2022年12月にその改修工事が完了したようで、真田信之霊屋の一般公開も再開されているという。

早く改修工事が終わったばかりの霊廟を見たいな!
こちらは松代町の建物の上にあった瓦で、これは「雁金(かりがね)」というカモの一種の鳥を模った『結び雁金紋』となっていた。雁(ガン)という鳥は、昔から”幸せを運ぶ鳥”として重宝されてきた事もあって、雁を結んだ形にした家紋マークを採用している家も多いんだとか。
「食いしん坊 かじや」で昼食!
そして長国寺の見学を終えると、ちょうど12時頃になっていた事もあって、さっき見つけた「食いしん坊 かじや」というお店に入る事にした。いつもなら周辺をもっと物色して飲食店を探すのだが、この辺りにはそんなにお店が無さそうだったので、即決して入る事にしたのであった。
店内はそこそこに広めで、通された部屋はこのように畳が敷かれている部屋にテーブルとイスが置かれていた。
なお、先客は地元の人のような1組だけだった。先客が多くて店内が混雑しているのは好きではないが、逆に先客が少ないとちょっと不安になってしまうが。。
そこそこに年季が入ってそうなお店で、壁には沢山のサインが入った色紙も飾られているのが見えた。やっぱりお店に芸能人などの有名な人が来たら、サイン色紙を貰いたくなってしまうのだろう。
その中でも特に目を惹いたのが、こちらのテレビ東京の人気旅番組『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』の色紙だった。2017年に放送された「草津から“絶景信州”グルっと行くぞ上田城」の中で、地元の人に教えられて立ち寄ったお店だったのである。
配膳などを担当してくれたのが、骨董品のような雰囲気をしていたオバサマだったので、ランチの御膳を頼んだものの、実際に料理が出てくるまではちょっと不安な時間が流れる・・・。
ランチは値段のグレードが違う数種類用意されていたけど、その中で一番安かった「須麿子膳」(1100円程)というのを選んでみた。すると、このように蓋付きの重箱タイプでオバサマが持ってきてくれて、普通の店ではない雰囲気を感じさせてくれた。
フタを開けると、このように4つに区分けされており、どれから写真を撮ればいいのか?、一瞬迷ってしまう。。
一瞬迷ったものの、まずは手前側から攻めていく事にした。右手前にあったのは、「むかご(零余子)」という山芋の葉の付け根にできる球状の芽で、それを”胡麻和え”した物になっている。

ムカデとちゃうで!(笑)
こちらはちょっと写真がブレてしまったけど、”信州サーモン”という長野県水産試験場が約10年の歳月を掛けて開発して生み出した、養殖の人工新種サーモンである。ただ、サーモンの上に野菜が載っていたので、パッと見には刺身に見えないが。。
こちらは「長芋田楽」となっていて、ここ長野県は長芋の生産量が国内第3位(※1位:北海道、2位:青森県)となっている、名産地でもある。やっぱり地方を訪れての現地での食事の醍醐味は、その土地ならではの特産品である。

長芋(ながいも)には巻かれろ!(笑)
こちらは焼き魚となっているが、この時はサバの塩焼きとなっていた。この松代町では近くに千曲川(新潟県では信濃川)が流れているものの内陸で海水魚とは縁遠いので、「何でサバなのか??」と思っていた。
そして後から調べてみると、長野県民は内陸で周囲に海が無かった事もあって、海沿いに暮らす人よりも海水魚を欲しているという。それもあって、長野県では「サバの水煮缶」がとても多く売れる人気商品となっているそうだ。

人間は自分に無い物を、より欲するように造られているからな!
まず味わったのが「むかごの胡麻和え」で、想像以上に美味しくてビックリしてしまった。30代中頃から野菜好きになってきたけど、そのおかげでこのような野菜だけの料理がとても嬉しく感じるようになってきた。

昔は野菜、キライやったのにな。。
こちらは野菜の下から姿を披露した「信州サーモン」で、本来は「ニジマス」を養殖して食べていたのだが、ニジマスは伝染病に弱いのでそれが弱点でもあった。そこで伝染病に強い西洋の「ブラウントラウト(Salmo trutta)」に目を付けたが、普通にニジマスとブラウントラウトを交配させてもその子供は殆ど成長せずに死んでしまった。
そこで研究者はニジマスの受精卵に高い水圧を掛けて染色体を増やし、”四倍体”となったニジマスのメスから採れた卵子にブラウントラウトの精子を配合して、ブラウントラウトの”三倍体”を作った。
そのブラウントラウトの”三倍体”は卵子を持たない為に子供を産めないが、その代わりにメスは卵子を育てるハズだった栄養を使って体を大きく成長させる。
その大きくなったメスに対して、”雄性ホルモンで性転換”をさせて、性転換でオスとなったブラウントラウト”三倍体”の精子(※メスにしかならない精子)を集めて、”四倍体”のニジマスの卵子と配合させる。
すると、体の大きな雌の”三倍体”の『信州サーモン』が産まれるという仕組みらしい。

要は人為的に性転換させたサーモンの子供を食べている訳か・・・

人間って、魚を性転換までさせる変態だな・・・
そのように知らず知らずのうちに、魚を性転換させて作った『信州サーモン』を食べる人間は、既に自分達人間の体も自由に性転換させる事が出来る時代となってきている。このままいくと将来的には成人する際に、性別まで自由に選べる時代が来るのかもしれない。。
そして重箱にご飯が見当たらないなと思っていたら、後から別に山芋のトロロとお味噌汁が運ばれてきた。重箱と同時ではなく、後から運ばれてくる所がちょっと憎らしさを感じさせてくれるが、その方がより重箱に入っている料理を美味しく引き立ててくれる気がした。

人間はジラされる方が興奮するからな!
トロロご飯はたまに食べれる機会があるけど、このように濃厚な雰囲気のトロロにはなかなかお目に掛かれないと思う。それと最初からご飯に掛かった状態ではなく、このように別の器で運ばれてきて、自分で掛けて食べるというのがまた良いのである。
そして肝心のご飯が、普通の茶碗ではなく、このようなフタ付きのお櫃で運ばれてきた。
この「食いしん坊 かじや」のランチではこの約1100円の須磨御膳以外に、約1600円、約2100円、約2600円、約3200円の御膳も用意されているだけに、予算があればもっと楽しめる内容になっている。
そしてお櫃のフタを開けると、またご飯の上に信州サーモンが鎮座していた。こちらは先程の重箱に入っていたように刺身として食べるのではなく、「茶碗に掬ってからトロロを掛けて召し上がれ!」との事。
という事で茶碗に、敷かれていたシソの葉と共に信州サーモンをご飯と一緒に掬い、そこに長野の名産でもある山芋のトロロを豪快にぶっかけていく。
そして食べてみると、こちらも想像以上に濃厚な山芋の味が、口の中に拡がってきたのである。

人生で一番美味しい、山芋とろろご飯でした♪
こんな旅はまた次回に続きます!
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