スリランカ旅行記:2日目
クラブツーリズムツアー「お1人様参加限定:スリランカ6日間」-2020年2月6~11日
樹齢2300年?!
さてスリランカで古都だったアヌラーダプラ(Anuradhapura)に来ています。まずは仏舎利や”ブッダの菩提樹”が置かれていたというイスルムニヤ精舎を見学した後は、近くにあるその”ブッダの菩提樹”の挿し木が現存するという場所にやって来ました。
そんな駐車場にはこちらスリランカ国内ではよく見かける、庶民の足ともなっているトゥクトゥク。お客さんを乗せるライセンスは25歳になったら取得できるんだとか。
昔の首都アヌラーダプラにて
スリランカの宗教は約70%が仏教徒で、それ以外には約10%前後の割合でヒンズー教徒・イスラム教徒・キリスト教徒が存在するという。ヒンドゥー教徒は南インドからのタミル人に多く、キリスト教徒はポルトガル占領時代に改宗したタミル人がここでも多いんだとか。
こちらにはサギのような鳥が、用水路脇でのんびりとしている景色が見える。
入口周辺にはこのように仏教の旗である”六色仏旗”が何枚も設置されている。この仏旗は1885年に当時のスリランカでデザインされた旗で、当時は五色(緑・黄・ 赤・白・紫)であった。
国際的には1950年にスリランカで行われた第1回世界仏教徒会議という大会で、正式にこの仏旗に認定されたそうだ。この仏旗六色は青(仏陀の頭髪)・黄(仏陀の身体)・赤(仏陀の血液)・白(仏陀の歯)・橙(仏陀の袈裟)という旗にある五色と、もう一色は”輝き”でこの色は旗には反映されていない。
スリー・マハー菩提樹へ進む
そしてこれから入って行く中に、インドから実際にお釈迦様がその木の下に座って悟りを開いたとされる菩提樹からの挿し木が今でも植えられているという、仏教徒にとっては聖母マリア様を拝めるような聖地なのである。
敷地内は緑が広がっていて、”スリー・マハー菩提樹”(Sri Maha Bodhi)の看板が見える。実際にこの木が元々植えられていたインドでは仏教に対しての迫害が起きた為に、その菩提樹は無くなってしまったという。
本当に酷い事をされたんじゃ、ワシの思い出の菩提樹が・・・
ただインドの世界遺産にも認定されている、お釈迦様が悟りを開いた場所であるブッダガヤ(Buddha-gayā)では菩提樹が植えられているが、その菩提樹はここの”スリー・マハー菩提樹”から挿し木として送られたものだという。
そして入口脇でトカゲのようなものを発見する。
こちらはインドリクオオトカゲというオオトカゲ科の一種で、昆虫や草などを食べる草食系のトカゲのようだ。成長すればもう少し大きくなるようだけど、このように自然溢れるスリランカ。
仏教の寺院などを参拝する時には、服装などの制限があります。あまり肌を露出する服装だと入れないのは、他の宗教にもあるように共通的な考えのようです。
こちらの排水溝には猫ちゃんを発見します。ただしあまり人懐っこい訳ではなく、走り去って行きましたが。。
そしてこちらの仏教施設での決まり事である、靴を預ける所です。
ここは無料ではなく有料ですが、チップ程度の料金を支払うだけで使えます。ただ引換券などを貰えるようなシステムは無いので、預ける際に「ジャパニーズ!」とか言って他の靴と分けて保管してもらうようにしないと、誤って他人に靴を渡しかねない場所でもあります。
そして気温が温かい南国の国なので、皆さん靴を脱ぐと結構その足の”香ばしい香り”がこの付近には充満しているのである。。
そして”スリー・マハー菩提樹”が祀られている寺院の西門へと進みます。こちらでは先程訪問したイスルムニヤ精舎とは違い、門の前には兵士のような警備員がしっかりと入場者を見張っていました。
最近はヨーロッパの旅行が多かったけど、今年2020年は前回のタイに続いてまた仏教国の観光。キリスト教に比べると少しは仏教の方が知識があるんじゃないかと勝手に思い込んでいたけど、”温故知新”の言葉にもあるように何事も勉強である。
そして西門を入った先では男女に分かれての保安検査場が設置されていた。ここが思っていた以上に厳しくて、ボクのポケットに入っていた寿司キーホルダーまで見つけられてしまいました。
インドにある、お釈迦様が悟りを開いた場所であるブッダガヤの大菩提寺では2013年に爆弾テロ事件が起こった。無宗教の人間からするとあまり気にならないけど、宗教ってのは色んな迫害や対立があり、常に狙われているものでもある。
だから”ブッダの菩提樹”(Bodhi tree)のDNAを持った、この”スリー・マハー菩提樹”を守る為にこれだけ厳重に警備がされているのだろう。
信仰心の先には本来争いは無いハズなんだが、人類はすぐに争いたくなる性質があるようじゃ!
そして中に入ってまずはチケットの購入。ここは現地ガイドさんが代行してチケットを購入してくれます。
”スリー・マハー菩提樹”とご対面
そして敷地中央を見ると、真ん中には大きな菩提樹が生えているのが見える。
キリストでも約2000年前だけど、それより更に500年も前に存在したというお釈迦様。そんなお釈迦様が生きていた時代に生えていた菩提樹からの挿し木が、未だに目の前でこのように青々として存在しているのである。
ここに来ると、昔おった彼女の子供を見ているかのような感覚になるんじゃ!
樹木の長い樹齢を見ていると、人間の人生なんて短すぎる。ちなみにここに見える菩提樹だけど、”ブッダの菩提樹”としてインドから渡ってきた挿し木から育って、現在までも残っているのは全部ではない。実は左側に見える金色の梯子で、補強されている部分だけなのである。
紀元前3世紀に植樹されたというだけあって、かなりの高齢な木なのでやっぱり支えが必要のようだ。他の部分はそんな菩提樹の2代目・3代目だという。
お釈迦様が軒下で悟りを開いた菩提樹の木は、仏教の象徴としてアジア諸国に拡がっていった。ただインドでも地方によっては、菩提樹はヒンズー教のシヴァ神の象徴となっていて、代わりにガジュマルの木が仏教を象徴する木とされている場所もあるという。
勿論敷地内は裸足なのだが、現地民は皆さんは裸足で境内を歩いている。ボク達には裸足だと熱すぎる地面だけど、地元民達の足の裏は皮が厚いようだ。
スリランカの仏教寺院の階段の入口脇には必ずこのような彫刻が設置されている。これは「ガードストーン」と呼ばれるもので、ここを訪れる人達の魔除け的な意味合いの物。真ん中で「吉祥の壺(プンカラサ)」と呼ばれる壺を手にしているのが蛇王(ナーガラジャ)である。
そして足元には小人が見られる。スリランカの寺院を意識して見ていると、このガードストーンとムーンストーンと「マカラ」という怪魚が装飾された手すりの3点セットが必ず入口の階段脇に設置されているのが見て取れる。
もしスリランカへ行ったら、仏教寺院にあるこれらのアイテムをしっかり確認するんじゃ!
こちらの文字がスリランカでしか見れない、シンハラ語の文字。
”スリー・マハー菩提樹”をちょっと横から見ると、枝が支えられているのがよく見える。逆にこういった光景を見ていると、それだけの長期間の年月を生きてきた木の感じがとてもするのである。
またそんな枝を支えているのが、お釈迦様のイメージカラーでもある黄金色に塗られた梯子。黄金色というよりかは光り輝く色といったイメージだろうけど。
長寿の菩提樹も今や自力では立っていられない状態になっとるんじゃ!
”スリー・マハー菩提樹”の脇にある本堂内では、このお釈迦様の形見のような菩提樹に祈りを捧げる場所となっている。
ツアー参加者さんの中でも仏教に興味があって祈りを捧げる人もいれば、全然拝むつもりもない人もいて、色んな人が参加しているツアーなのでそんな様子を観察しているだけでも楽しめるのである。
これぐらい補強をしておかないと簡単に枝が折れてしまうのであろう。こういう光景を見ると、木も確実に年を重ねている事を実感できる。
下の方でもこの菩提樹に祈りを捧げている人達の姿が見えます。
このインドから渡ってきた”ブッダの菩提樹”の挿し木だが、人類が最初に行ったクローン移植とも言われている。それは逆に植物の生命力の凄さがあるからこそ、出来る事なんだけど。。
ワシなんて全然偉くないけど、この菩提樹の生命力は感嘆するに値するんじゃ!
この地で約2000年以上も土に根を張り、色んな雨風を経験してきた菩提樹。もしそんな超高齢の菩提樹に話を聞けたら「約2000年の樹齢の中で一番印象に残っている事といえば??」と聞いてみたい。
本来なら倒れて朽ち果てるのが老木の運命。しかしそれをこのように延命しているのは、この菩提樹にとっては幸せな事ではなく、人類にとって幸せなだけ。
ただ仏教徒ではない人間からすると、「お釈迦様が悟りを開いた木の挿し木が、成長した木」と言われてもず~~っと見ていると疲れてくる。という事で下にあったお堂に入る事に。
こちらには大小、色んな大きさの異なる仏像が置かれている。ただ綺麗にカラーリングされている仏像さんは、何かあまり威厳が感じないように見えてしまうけども。。
お釈迦様の考えにもある”諸行無常”の考えは、今年のコロナウイルス騒動を見ていると、改めて常に変化する世の中に合わせて生きる必要がある事を思い出させてくれる。
変わらないものなんてないんじゃ。そして時代に対応できたものが残っていくだけじゃ!
この本堂内では現地の仏教徒の人達が、座り込むようにして祈りを捧げている姿も見える。それの邪魔にならないように、仏像を拝むツアー参加者さん達。
中には床に這いつくばった状態で、祈りを捧げる人の姿も見える。果たしてそれが効果があるのかは、分からないけども。。
それにしてもマトリョーシカじゃないけど、色んなサイズで色んなカラーリングのされている仏像が沢山置かれている。さっきお祈りをしていた人はどの仏像に対して、祈りを捧げているのだろうか?
ワシは「偶像崇拝するな!」と弟子達に言っておいたんじゃがな・・・
こうやって見ると、一番後ろにある大きな仏像一個だけで充分で、他の小さな仏像は置く必要がないんじゃないかと思ってしまう。もしかしたら誰かが勝手に持ち込んで置いて行ったので、捨てるに捨てれずにこうやって置かれているだけかもしれない。
仏像に花を捧げるのも、こちらではよく見かける光景。右で祈っているお兄さんは仏教に興味があり、ミャンマーにも行った事があるので、今回のスリランカも楽しみにしていたんだとか。
菩提樹の周辺にはこのように一部がガラス張りになっている部分があって、ここでは”スリー・マハー菩提樹”の根っこも拝める事が出来るようだ。
ここで現地ガイドのパリタさんより、シンハラ語の簡単な説明があります。スリランカではこのシンハラ語とタミル語が公用語になっているので、勿論現地ガイドのパリタは読めます。
ただスラブ文字のような変形文字を見るだけでも頭が混乱するので、このような文字の勉強は全然頭が受け付けない・・・。
元々は古代インドの世界観が取り入れられた思想の仏教だが、インド国内では全然拡がる事が無かった。というのも他に古代インドの宗教であったバラモン教が他の宗教の神様を取り入れて、ヒンズー教として勢力を強めたからである。
その為に現在のインド国内の宗教割合は約80%がヒンズー教徒で、仏教徒は約2%前後しか居ないという。インドで生まれたオリジナルの仏教はシンプル過ぎて、信者が希望にすがる要素が無かった為に廃れたとされている。仏陀の唱えた仏教は神に祈ればいいものではなく、ひたすら自分と向き合い、鍛錬を努めていくものであった。だから単に神様に祈るだけで願いを叶えてくれるという簡単な宗教の方に人々は流れていったのだろう。。
そうなんじゃ、仏教の発祥地であるインドでは意外とワシの教えが理解されなかったのじゃ!
そしてこちらの「ムーンストーン」と呼ばれる、仏教寺院の階段の前にある半円形の、地面に彫られた彫刻。スリランカの寺院には先程出てきたガードストーンと共に、必ず見られる装飾である。こちらの装飾には象・馬・ライオン・牛が彫られていて、これは人間一生の人生での重要な4場面を表している。象:誕生、馬:老化、ライオン:病気、馬:死という意味があるそうだ。それとその内側には花びらの無い”花心”を表しているという。
こんな旅はまた次回に続きます!
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