スリランカ旅行記:4日目
クラブツーリズムツアー「お1人様参加限定:スリランカ6日間」-2020年2月6~11日
水が大好きなゾウさん
バスに乗ってキャンディの街からやって来た場所はピンナワラ(Pinnawala)という街で、ここで名物の「ゾウの孤児園」を見学します。
ピンナワラの街にて
駐車場でバスを降りて、道を挟んだ向かいの建物がゾウの孤児園(Elephant Orphanage)である。
ゾウの孤児園にて
建物の前には「ゾウの孤児院」と看板が立てられている。スリランカでは元々インドと陸続きだったとされていて、大陸を渡ってきたゾウが野生となって今でもスリランカに住み着いている。
(Elephant Orphanage)
住所:B199, Rambukkana 71100
スリランカでは約100年前には10,000頭ほどいたスリランカ・ゾウが、今では約3,000頭しか居なくなっており、絶滅危惧種に登録されている。経済発展の影響もあり、自然環境と共にゾウも乱獲されてしまったのである。
ここではゾウの孤児院とあるように、親を無くして彷徨っている象などを主に保護している所だそうだ。こちらのレリーフのゾウはとてもリアリティーがあった。
そろそろ11時頃とあって、だいぶ日差しも強くなってきた。このゾウの孤児院内はあまり日陰がないので、帽子を被って行った方がベターである。
営業時間は8:30~18:00までで、1日2回の水浴びタイムがあるそうだ。一応そんな水浴びタイム鑑賞も考慮して、昼前にここを訪れているみたい。
スリランカ国内の観光施設では外国人観光客とスリランカ人とで、チケット料金が全然違うのである。まあスリランカは物価が安く平均賃金も日本に比べるとだいぶ安いので、チケット料金は当然下げないとスリランカ人が施設を見学する事が難しくなってしまうからである。
ここが外国人観光客向けのチケット販売所。勿論ここでも現地ガイドのパリタさんが代行してチケットを購入してくれます。
ゾウの孤児院に入る
さて孤児院内に足を踏み入れると、まずは沢山のゾウさんが1つの岩に刻まれているのが見えてきます。日本では動物園以外でゾウさんを見れないので、久々にゾウさんを生で見るような気がする。
園内は動物園のような設備になっていて、緑と土が広がっている。
そして炎天下の中で進んで行くと、柵が見えてきてその先に小さいながらもゾウさんが数頭見えてきました。
孤児院のゾウに近づく 動画
最近動物園に行った記憶が無いので、数十年ぶりに見たゾウだと思う。
今日世界に生息するゾウはアフリカゾウとアジアゾウに分類が分かれている。体が大きく、オスの牙が大きいのがアフリカゾウで、主に象牙で密猟のターゲットになったのがアフリカゾウである。
アフリカゾウに比べてアジアゾウは大人しく従順であった為に、昔から人類に使われて戦争の道具にもされてきた。ゾウの目は殆ど見えなく、かつ色覚は殆ど無いそうだ。その代わりに発達した鼻を使った嗅覚と聴覚で周囲の様子を把握しているという。
ゾウは今までの長い年月の間に、人類に利用され続けてきたんじゃ!
そしてゾウは陸に生きる哺乳生物としては最大の哺乳類である。ゾウの平均寿命は60~70歳と結構長く、子供の妊娠期間は約22ヵ月と哺乳類では最も長いのである。
ここでは棒を持った飼育員が居て、積極的にゾウさんを触らそうとしてくる。この飼育員はチップは基本的には要らないそうだけど、人によってはチップを求めてきたりするという。だから絶対チップが必要という訳ではなく、その人の気持ちで渡したければ渡せばいいという。
ゾウさんを眺める 動画
ここで飼育されているだけあって、とても人に慣れているゾウさん達。日本の動物園だとこんな近くで触る事が出来ないので、本物のゾウさんと触れ合う事が出来るいい機会かもしれない。
ゾウさんの特徴と言えば、発達した長い鼻と大きな耳。しかしそれと共に優れているのが足の裏だそうだ。この足の裏を通して、振動や低周波音域を感じ取り、数キロ離れた動物の居所を探知できるとか。
大昔のユーラシア大陸と陸続きだった、その頃の日本大陸にはゾウが生息していたという。日本国としては1408年に中国からの献上品としてゾウが運ばれてきたのが、書物に記されている最古の記録だという。そしてその後度々中国大陸からの献上品としてゾウが日本に運ばれてきたという。
孤児院のゾウを眺める 動画
ゾウさんはゆっくりと動くイメージがあるけど、その気になれば時速40kmで歩く事が出来るという。だから怒ったゾウにもし追いかけられる事態になれば、全速力で人間が走って振り切れるかどうかというスピードである。。
ムシャムシャと餌を食べるゾウさん 動画
こちらには伝統的な象使いの装備品が展示されている。
古くから人類は象を戦争の道具として使ってきた。古代ローマ帝国と闘った、カルタゴ人の闘将であるハンニバル将軍は、アルプス山脈で象軍を使って侵攻したという。
このゾウの孤児院には100頭近くのゾウが飼育されているけど、今は近くの水浴び場へ移動して行っているのでこのエリアには居ないみたい。
ゾウの糞はとても大きい。ゾウは草食動物で1日に150kgの植物と100Lの水を飲み、1日に約100kgもの糞をするという。
そして一旦ゾウの孤児院の施設を後にします。そんな施設の入口付近では物売りのオバサン達が、何か怪しげなものを売っていました。
こちらの道端ではこんな場所に関わらず、宝くじが販売されているという。
こんなテーブルの上に置かれているのがスリランカの宝くじらしく、1枚20ルピーで最大約8000万円が当選するという夢の宝くじだそうだ。しかし一獲千金のある宝くじだけど、日本の公営ギャンブルの中では一番還元率が悪いギャンブルである。宝くじは還元率が50%で、中央競馬は75%である。
つまり宝くじで集められた100億円(ここでは仮に100億円とする)の内、当選者に分配される総額はその100億円の還元率50%である50億円だけど、残りの50億円は国庫に入れられてしまうのである。
ゾウの水浴び場へ移動する
残念ながらゾウの孤児院にいるハズのゾウさん達は、水浴びの時間だったので移動していた。そしてゾウさん達が今いるという、近くにある水浴び場へと向かいます。
こちらにはそんなゾウの水浴び場の、可愛らしい看板が設置されています。なお孤児院内へは入場料が必要ですが、この先にある水浴び場は入場料が要らないようでした。
このゾウの水浴び場へと向かう道はこのピンナワラの街でも、一番の人気ストリートとなっていて、道の両脇には色んなお店が並んでいた。そんな一角にこのような後ろ向いて、糞をするゾウさんの像が置かれていた。大量に糞をするゾウさんの糞を使ったリサイクルで、スリランカは世界で初めてゾウさんの糞から再生紙を造ったという。草食動物でその繊維質を沢山含んだゾウの糞は、利用価値があるようだ。
糞だけではなく、この地球上にあるものは何でも再利用できるんじゃ!
そんなゾウさんが便器に座っている、可愛らしいイラストが描かれている。ゾウの糞から造った紙だけに匂いがしそうだけど、一切糞の匂いはしないという。
1729年に当時の将軍徳川吉宗の時代にベトナムから2匹のゾウが連れて来られた。この時に雄と雌のゾウがそれぞれ1匹ずつ日本に足を踏み入れたが、雌は環境が合わなかったのか直ぐに死んでしまったそうだ。残りの雄はまず着いた長崎で冬を越し、将軍のいる江戸へと連れて行かれる事になる。しかし当時はゾウを運ぶような船が無かったので、このゾウは陸路で長崎から江戸へと歩きで連れて行かれたという。
そしてこのゾウは京都へ入る際に「広南従四位」という官位を付けられた、初めてのゾウでもあった。当時天皇の居た御所へ入って接見するのに、無位無官の者は参拝出来ないとなっていた為である。
そしてその後江戸へと渡り、徳川吉宗とも接見して江戸で飼われる事になったこのゾウさん。しかしその後飼育費用が掛かり過ぎるからと、民間へと払い下げられて見世物として使われる事になるのであった。そしてその時にゾウの糞を丸めて乾燥させた物を薬として売り出したら、とても人気で直ぐに売り切れとなったそうだ。その約1年後には日本国内に数軒のゾウの糞を売るお店が出来たという。。
さて目の前の川には、沢山の観光客が集まっている景色が見えてきました。
ゾウの水浴び場の景色 動画
下に降りると左側に川が延びており、その先に沢山のゾウさん達が水浴びをしているようです。
そこから先に目をやると20頭ほどのゾウさんが、川を気持ち良さそうに横切っている様子が見えてきます。
川をバシャバシャ歩くゾウさん 動画
ゾウさんで有名な神様である、ヒンズー教の”ガネーシャ”は元々人間だったけど父親に首を切り落とされてしまい、母親が見つけたゾウの首を取り付けた為に首から上がゾウになってしまったという。
ちなみにタイでは“ブラック・アイボリー・コーヒー(Black Ivory)”という、ゾウが食べた未消化のコーヒー豆を糞から採取した高級なコーヒーがあるそうだ。そのコーヒーは「コピ・ルアク」で有名なジャコウネコの糞から採れるコーヒー豆と、同じ希少価値があるそうだ。
目の前をゆっくりと歩くゾウ達 動画
目の前を元気に歩いて行くゾウさん達と、そんなゾウさん達に目掛けて放水される水飛沫がこの辺りに蔓延している。。
そんな水浴びを楽しそうにしているゾウさん達を見ながら、”ゾウさんポーズ?!”をする男。。
まだこの辺りで水浴びしているゾウさん達は、元気溢れる年代のゾウだったのかもしれない。
気持ち良さそうに水浴びするゾウさん 動画
こんな至近距離に近寄っても人間には微動だにしないゾウさん。雄大な体格ならではのオットリとした性格なのかもしれない。
こんな旅はまた次回に続きます!
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