ロシア旅行記:2日目
阪急交通社ツアー「お1人様参加限定:ロシア7日間」
-2020年3月12~18日
モスクワ川からの夜景
ここはモスクワ市内中心部でモスクワの街を眺めるモスクワ川沿いにある、2017年に約500億円の工事費を掛けて造った「ザリャジエ公園(Зарядье)」付近に来ています。
夜のモスクワ市内にて
そんな新しいザリャジエ公園でも観光客に一番人気のスポットが、こちらのパリャシー橋(Парящий мост)というモスクワ川に突き出た形になっている展望台である。
住所:Moskvoretskaya Embankment, Moscow, 109012
パリャシー橋からの夜景
モスクワ中心部でもモスクワ川沿いにある建造物は、このように夜はとても綺麗にライトアップされています。この夜景を見る為にもモスクワ市内に戻ってきました。
高さ約15mのパリャシー橋へと進んでみます。ここは特に料金とかも不要な展望台ともなっている橋で、24時間自由に立ち入り可能な場所となっています。
パリャシー橋を歩いてみる 動画
この橋を訪れた時は22時過ぎだったけど、それなりに観光客達が集まって来ていて、ここから見える夜景を楽しんでいた。
今ではすっかりモスクワ夜景を楽しめる人気スポットとなっているのよ!
橋には落下防止の為にガラス板の手すりが付けられていた。そしてここから眺めると奥には1950年代に流行った”スターリン・クラシック様式”でも有名な7つの建造物の内、「芸術家アパート」と呼ばれる建物が見えている。夜はこのようにライトアップされているので、昼間よりもより際立って見えている。
反対側にはクレムリンなどがライトアップされている景色も見えるので、モスクワ市内でも出来て直ぐに有数の展望スポットになっているようだ。
モスクワ川からの夜景 動画
西側諸国に対抗して1950年代に造られたスターリン様式建築は、このような高層ビルや豪華な内装の地下鉄駅など幅広く造られている。しかしスターリンは死後にフルシチョフにより、1万人を超える人々を粛正した事などが暴露されて、現代人にとってはイメージが悪くなってしまっている。
今上に乗って見学していたパリャシー橋だけど、このようにモスクワ川に架かっている訳ではなくて、川の上にちょっとせり出しているだけ。
このモスクワ市内を流れるモスクワ川も冬場には凍結するらしい。しかし最近はあまり凍結する事が少なくなってきているそうで、この時も全然凍りそうな感じにすら思えなかった。
毎年凍ってた川が凍らないのを見ると、地球温暖化が進んでいるという事を実感するわ!
こちらは先程真ん中から周辺の景色を眺めていたボリショイ・モスクヴォレツキー橋(Большой Москворецкий мост)である。1930年代に架けられた橋で、赤の広場などへ向かうのに最も便利な橋である。
大きな都市にはこのように川が流れている事が多い。というよりも川沿いに造られた都市が大きく発展し易いという事かもしれない。モスクワ川ではクルーズ船も運航しているが、冬場は川が凍結するからか、夏場だけの運航のようだ。
もうちょっと夜の街を散策したいので、独り歩きは続行。モスクワ川沿いをもう少し歩いてみる事にする。
22時半頃だったけどこのモスクワ川沿いの道は、全然ひと気がなくボク以外に歩いている人は皆無だった。こんな夜景が綺麗な場所なんだけど、コロナウイルスの影響で観光客が少なかった事もあったのかも。
夜のクレムリン前にて
モスクワ川沿いを歩いていると、城壁に囲まれたクレムリンが近くに迫って来る。
クレムリン内部には多くのロシア正教の建物が設置されており、中央に見えるのはイワン雷帝が造らせたアルハンゲルスキー大聖堂。
こちらの建物は大クレムリン宮殿という1849年に造られた、迎賓館的な来客を持て成す為の建物。
クレムリン内のロシア正教の建物群の中央に見えるのが、ウスペンスキー大聖堂で1400年代後半に建てられた歴史的建造物。イヴァン雷帝も皇帝になる際の戴冠式が、このウスペンスキー大聖堂で執り行われたという。
「クレムリン」って聞くと勝手に”悪の枢軸”みたいなイメージがあったけど、それはアメリカ映画の見過ぎで誤ったイメージを植え付けられていただけかもしれない。。
アメリカの映画では敵対する国のイメージを悪く設定して、自国が最高の国であるように描く作品が多いのよ!
実際モスクワのクレムリン内には、歴史的な建造物が並ぶロシア王宮の跡地なのである。
クレムリン城壁の要所要所にはこのような望楼が20箇所も設置されており、またクレムリンを囲む城壁は約2.2kmに渡る。
このように塔自体もそれぞれに綺麗な装飾が施されていて、単なる塔ではなく、見所のある塔となっている。
こちらはモスクワ川沿いにあったバスの停留所。この時は時間帯が遅かったからか、全然人の姿は見えなかったけども。
そしてバスの停留所にも関わらず、内側にはなんとUSB充電口と無料Wi-Fiが用意されていた。思った以上に近代化されているモスクワの街だった。
次に見えてきた橋はボリショイ・カメンニ橋(Большой Каменный мост)で、クレムリンの西側に位置する橋。
今ある橋は1938年に造り替えられた橋ですが、こちらは19世紀当時の橋の様子。奥には初代の救世主ハリストス大聖堂が見えています。
モスクワ川の反対に見えるこちらの建物は、1930年頃に造られた当時最もモスクワで高い建物住宅で、主にソビエト連邦のエリートたちが住んでいたそうだ。今では一部が博物館となっていて、モスクワの文化遺産の対象となっている。
さてここからちょっと北よりの道へと入ってみる。というのもさっきからよく見えている大きなロシア正教の建物である、救世主ハリストス大聖堂に向かう為だ。
すると正面には現代アートの作品を展示する美術館が見えてくる。意外とロシアは芸術大国でもあり、数多くの世界中から集められた絵画などが展示されている。サンクトペテルブルクには”世界三大美術館”とも呼ばれる、エルミタージュ美術館もあるし。
ロシアは美術大国でもあるのよね!
そのお隣には「プーシキン美術館:本館」(Отдел личных коллекций)が見えてくる。この美術館は元々大学付属の美術館だったが、ロシア革命後にその収容作品はエルミタージュ美術館に移された。そしてその後にイワン モロゾフ(Ivan Morozov)とセルゲイ・シチューキン(Sergei Shchukin)というロシアの実業家達がコレクションしていたヨーロッパ絵画の作品が移管されて保存している。
そんなロシア帝国時代の実業家たちが集めたコレクションなどを含めて、約10万点を超えるという貴重な作品が保管されているプーシキン美術館。美術作品好きには是非訪れたい場所だろう。
美術館好きにはたまらない一角だけど、正直な所あまり絵心がないボクはさっさと通り過ぎてしまう場所だった。。
救世主キリスト大聖堂にて
そしてやっと間近に見えてきたのが、こちらの大きなロシア正教の大聖堂である「救世主キリスト(ハリストス)大聖堂」(Храм Христа Спасителя)である。
こちらは元々アレクサンドル3世治世時代に約40年に渡って造られた、世界でも最大級の正教会である。ナポレオンがロシアに侵攻してきた時の祖国戦争に勝利した記念として建てられた。
しかしそんな労力を掛けて造った大聖堂だけど、例によって共産主義時代の1931年に無宗教を理想とするスターリンの命により破壊されてしまう。
共産主義時代にはそれまでの価値観が180度変わって、激動の時代だったみたいよ!
そしてその跡地は「ソビエト宮殿」なるものが建てられる予定だったが、第二次世界大戦などの影響により建設計画はとん挫する。ちなみにソビエト宮殿の建設予定では、建物の一番上に高さ100mという巨大なレーニン像が造られる予定でそれも含めた建物の高さは415mだったという。
もしこの高層ビルが造られていたら、その当時は世界一の高さだったのよ!
造る時は時間や手間が掛かるけど、破壊する時は一瞬。こちらはこの救世主キリスト大聖堂が1931年に爆弾によって破壊された時の写真。
そして戦後のフルシチョフ時代にその大聖堂跡地は、このような大きな市営の温水プールが造られた。川が凍る位の真冬のモスクワでも、屋外で温水プールに入れるという事で当時のモスクワっ子には大人気だったようだ。
そしてソビエト連邦が崩壊した後に、ロシア正教会が政府に再建を打診し2000年に以前と同じ高さ103mのこの大聖堂が復活したのである。
普段大聖堂が開いている時間帯は、内部見学は無料で行えるそうだ。ただし大聖堂内部は写真撮影が禁止されている。
教会の扉の上には、そのアーチの上に腰掛けているキリスト教の聖人達の像が見える。
ソビエト連邦時代の宗教弾圧にも負けなかったロシア正教は、ロシア連邦となった後にこの大聖堂のようにロシアの国中で復活するのである。
103mという高さでモスクワ市内からは、よく見える救世主キリスト大聖堂。ロシア正教徒からすると、モスクワのシンボルのような存在である。そしてキリストのように復活を成し遂げた大聖堂でもあった。
さてそろそろ23時手前となったので、地下鉄が走っている内に帰るとする。
こちらの壁には赤の広場にある聖ワシリー大聖堂の前に像が置かれていた、1612年にポーランド軍と闘った英雄クジマー・ミーニンとドミートリー・ポジャールスキーの絵が大きく描かれていた。
彼らミーニンとポジャールスキーの英雄としての評価は、共産主義時代でも変わらなかったのよ!
ロシア革命の後に成立したソビエト連邦時代に宗教弾圧されて、勿論ロシア正教までもが崇拝禁止にされていたとは想像できないような街中にある、ロシア正教の建物。
こちらの神殿のような建物は、ロシア国立図書館の一部のようだ。ただ外観からすると図書館には全然見えない建物であるが。
こんな旅はまた次回に続きます!
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