セルギエフ・ポサドにある世界遺産トロイツェ・セルギエフ大修道院
ロシア旅行記:2日目
阪急交通社ツアー「お1人様参加限定:ロシア7日間」
-2020年3月12~18日
ロシア正教の教会群
モスクワで迎えた2日目の朝、外はちょっと雨模様のようだけど雪にはならないようだ。モスクワというと雪のイメージがあったけど、今の21世紀は温暖化の影響もあり、そんなに雪は降らないようだ。
モスクワの朝
そしてゆったりと朝支度をしてから、朝食レストラン会場へと足を進める。
このロシアを訪れた3月中旬は中国からは団体の観光客が出国規制の為に全然居なくて、かつ西ヨーロッパの国からもロシアは入国制限を課していた為に、とても海外からの観光客が少なかった時期。
適当に朝食を取って食べようと思っていたら、レストラン会場にボクらの団体とは違う日本人のオジサンを発見したので相席して、一緒にテーブルを囲んでみた。そして話を伺うとそのオジサンは読売旅行の「五日間モスクワ旅」でやって来たらしく、モスクワのこのミランホテル3連泊で旅費はたった10万円だという。
そんなオジサンにいきなりボクが喋りかけたので最初はちょっと戸惑った感じだったけど、結構喋るのが好きなオジサンで段々と喋りのギアが上がって行き、途中からは色々なお話を教えてくれました。
こちらは両替したロシアルーブルのお札と、昨日地下鉄に乗ったメトロの乗車券。2回分の乗車をしてチャージが無くなっているので、再びチャージすればまた使えるそうだ。
セルギエフ・ポサドに向かう
さて朝は9時出発だったけど、7人と少ない今回の団体は皆さん準備も早い人達ばかりで、出発時間前に全員揃ったのを見てバスも早めに出発する。
モスクワの道路 動画
モスクワは地下鉄網が発達しているけど、それでも多くの人達が車を活用しているので朝早くから渋滞が発生したりしている。約2分に1本来るモスクワのメトロはとても便利だけど、モスクワ郊外に暮らしている人はモスクワ市内へは車で行かざるを得ないようだ。
モスクワ市内を流れるモスクワ川(Moskva River)は、全長500kmに渡る。冬場は凍結するらしいがこの3月中旬には、その凍っている様子は見る事が出来なかったが。。
混み合うモスクワの外環状線道路 動画
モスクワの郊外にはソビエト連邦のスターリンが書記長をしていた時代に建てられた5~6階建ての無機質な外見のアパートメントが多いが、最近ではこのような新しい高層アパートも建ち始めているという。
これから向かうのはモスクワより約70km離れた場所にある、1993年に文化遺産として世界遺産となった『セルギエフ・ポサドのトロイツェ・セルギエフ大修道院の建造物群』である。
モスクワの外環状線道路は反対車線は混み合っていたけど、ボクらの車線は混んでいなかった事もあり、すんなりセルギエフ・ポサド周辺へと辿り着く。
セルギエフ・ポサドの街に着くと、いきなり大きなロシア正教の建物が見えてくる。このロシア正教の独特な丸い屋根は、ヨーロッパの他国でもあまり見れないので最初はとても珍しく見える。
ロシア正教の教会は他の国ではあまり見る機会がないので、今回のロシア滞在中はしっかり見ていってね!
セルギエフ・ポサドにて
セルギエフ・ポサード(Се́ргиев Поса́д)の街に辿り着き、駐車場でバスを降りて教会群の入口へと向かう。
そして道を歩いていると鳩のような鳥がたくさん道にいるのが見える。すると「これは西黒丸鴉(ニシコクマルガラス)ですね!」という添乗員さんの言葉が聞こえる。今回のベテラン男性添乗員さんは野鳥の会に入っており、プライベートで野鳥を見に海外まで行くそうだ。最近ではスリランカまで野鳥を見に行ったりと、凄く野鳥に関しては詳しかった。
そんな入口近くに建てられていた銅像は、この場所に教会を造った「聖セルギイ(Сергий Радонежский)」という人物。中世のロシア正教では特に尊敬されている人物で、ロシア正教の基盤を造ったと言っても過言ではないようだ。
通りを挟んだ反対側には宮殿っぽく見える建物があり、こちらでは入場券を販売していたりカフェとなっている建物がある。
まずは現地ガイドさんがその建物に入ってチケットを代わりに購入してくれている間に、少し肌寒かったので一緒に建物内に入って待つ事に。
トロイツェ・セルギエフ大修道院群にて
まだ教会群の敷地内には入っていないけど、外から見ているだけでその特徴的な金色に輝く丸い屋根が見えている。
(Троице-Сергиева Лавра)
住所:Sergiyev Posad, Moscow Oblast,141300
そしてこちらがトロイツェ・セルギエフ大修道院群(Троице-Сергиева Лавра)の入口だけど、「こんなに入口前が空いているのは見た事が無い!」と現地ガイドさんが言う。今回の現地ガイドさんは少々日本語が喋れるオバサンだったけど、お世辞にも日本語は上手く喋れはしなかったと思う。
まずは入口の脇にあった、こちらの公衆トイレへと向かいます。こちらは思ったよりも綺麗なトイレでした。
いつもならこの入口前には中国人観光客の団体などで行列が出来ているらしいのですが、今回はコロナウイルス騒動で海外からの観光客が激減し出した頃だったので全然並ぶ事なく入れるようだ。
普段は常に混雑しているんだけど、この時はビックリする位に空いていたよね!
ロシアではロシア正教を信仰する割合が多いけど、ロシア人と一口に言っても色んな人種や民族が混合しているので勿論民族によって宗教の偏りなどは強かったりする。
こちらがこのトロイツェ・セルギエフ大修道院の入場チケットです。さてロシア正教の建物はタリンの旧市街地で少し見た位で、今までにしっかりと見学した事がないので見れるのが楽しみです。
まずは城壁の入口を進んで行くと、その壁にはこのような絵が壁中に描かれているのが見えます。ロシア正教と言っても、元々はギリシャ正教から派生したもの。ローマ帝国から分裂したビザンチン帝国の国教だったギリシャ正教を、ロシアは受け入れるのであった。
そしてその後ビザンチン帝国は弱体化していき、15世紀中頃にはオスマン帝国からの攻勢を受けて、西のカトリック側に助けを求める事になる。宗教としての意義よりも自分達の生き残りを優先して、敵対するカトリックに吸収されようとしたビザンチン帝国及びコンスタンティノープル教会側から、ロシアは距離を置くのであった。
そして1448年にモスクワではロシア人を府主教に任命し、実質的にロシア正教が独立する事になる。
その直ぐ後の1453年にはビザンチン帝国が滅亡し、ロシア人達は「神がギリシャ人達にバツを与えたのだ!」と考えていたそうな。
このロシア正教は東方教会(ギリシャ正教)から派生した宗教なので、壁などに描かれている絵も東方教会と同じような構成になっている。
壁に描かれているイコンで、頭周辺に金色の円がある人物は聖人である証。仏教の開祖:仏陀もそうだったけど、尊敬される人は黄金のオーラを放っていると思われているらしく、その様子がこのように描かれているのだ。
このロシア正教というのも元々はカトリックともに、同じ主イエスを崇拝するキリスト教である。でもカトリックの教会にあるキリストの絵とは、また違った感じのキリストのようにも見える。
中世の頃は識字率が低かった時代なので、このように教会などの壁中にキリストの伝説や偉大な聖人を描いて、そのストーリーを伝授していたのだろう。
トロイツェ・セルギエフ大修道院群に入る 動画
この場所は教会群と呼ばれるだけあって、沢山のロシア正教に関する建物が建てられているが、それぞれに後から増築された物もあり、造られた年代はバラバラのようだ。
こちらは16世紀にイヴァン(4世)雷帝が造らせた「ウスペンスキー大聖堂」である。モスクワのクレムリンにも同じ名前の大聖堂があるが、それをモデルにほぼ同じ建物をここに造らせたそうだ。
このイヴァン雷帝は皇帝というビザンチン帝国時代の呼び名である「ツァーリ」を、内外に向けて公に使い出したという。それ以降、主にロシアでは皇帝の事をツァーリと呼ぶ事が一般的になった。
こちらはトロイツェ・セルギエフ大修道院群の中でも、敷地の中心部にある「ドゥホフスカヤ・ツェルカフィ
(Духовская церковь)」という2番目に造られた石造りの教会。今見られる建物は再建された物で、建設当時の物ではないようだ。
教会脇に立っているこちらの建物内は礼拝堂のようになっていて、噴水のように水が噴き出ていて、それを飲料水として持ち帰る人もいるんだとか。
こちらの建物は高さ88m、5階建ての鐘楼。1770年に建てられたこの鐘楼は当時のロシアの中では、最も高い建造物だったという。
昔のトロイツェ・セルギエフ大修道院(Троице-Сергиева Лавра)を描いた絵にも、他の建物より頭一つ鐘楼が飛びぬけているのが分かる。
そしてこちらの屋根が金で装飾されているのが15世紀に造られた「トロイツキー大聖堂」(Троицкий собор)で、”三位一体の神様”を祀る教会である。三位一体の神とは父と子と聖霊である。
「三位一体」はロシア正教の基本でもあるので、是非覚えて帰ってね!
ただ天気は悪く、雨が降り出して空色は良くなかったので写真写りがあまり良くなかった。しかもそこそこに風もあったりで観光日和ではなかった、世界遺産の見学である。
ロシア正教の司教はカトリックの司教とは違い、ちょっと物々しいような恰好に見える。どちらかと言うとロシア的な衣装に身を包んでいるのだろうか?!
こちらは約120年前程に撮られた写真だそうだ。
ロシア正教の建物の屋根が「丸玉型」となっているのは、雪が多い地域なので雪が屋根に積もりにくい形状にしたという話や、ロウソクで燃える炎をイメージしたと言われている。
ロシア正教の建物群 動画
こんな旅はまた次回に続きます!
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