ロシア旅行記:5日目
阪急交通社ツアー「お1人様参加限定:ロシア7日間」
-2020年3月12~18日
絵画もあるファベルジェ博物館
ロシアの元首都だったサンクトペテルブルクの街で、ロシア皇帝達のお宝を造っていたファベルジェ工房の作品などが数多く展示されているファベルジェ博物館を見学中です。なお、この博物館見学を終えるとほぼロシア旅行での見学予定は終了してしまいます。
ファベルジェ博物館にて
ここはファベルジェ博物館という名前だけど、ファベルジェ工房の作品ばかりが所蔵されている訳ではなく、他の工房で作られた物も数多く展示されています。
この博物館が造られたきっかけはロシア人の富豪実業家であるヴィクトル・ヴェクセルベルク氏(Viktor Vekselberg)が、アメリカのフォーブス家が所有していたファベルジェ工房製作のインペリアル・イースターエッグ9個を1億ドル以上で購入し、それをロシア国内で展示すると表明した為である。
確かにファベルジェ工房製作のインペリアル・イースターエッグはとても精巧に出来ていて、金銀財宝が散りばめられており、更に驚かせるギミックも仕掛けられている(展示品は動きません・・・)のでここの目玉展示品である。しかしそれ以外にもこのような工芸品の数々がそこら中に展示されているので、この博物館の見学を迷っている人は行っておいた方がいいとアドバイスできる位の品揃えだと思う。
こういう工芸品に関わる芸術家の人であれば、このような物を見て評価できるかもしれないけど、ボクのような素人からすると「よくこんな手間の込んだ物を作るな~~!」としか感想が出てこないのである・・・。
こんなスプーンも有難すぎて普段の食事時には絶対使えないだろう・・・というか食事に使う為のスプーンではなく、最初から展示品としてプレゼントする為のスプーンだろうけど。。
せっかくウォッカ大国のロシアに来たから、こういった豪快なカゴに入ったウォッカをがぶ飲みしてみたかったけど、全然飲む機会が無かったし、ウォッカはアルコール度数が高いのでがぶ飲みすると胃を壊すだけ。。
こちらの箱にはイリヤー・レーピン(Ilya Repin)が1880年から約10年掛かって描いた『トルコのスルタンへ手紙を書くザポロージェ・コサック』(Reply of the Zaporozhian Cossacks)の絵が、蓋に描かれていた。なお、こちらの作品原画はサンクトペテルブルグにある、国立ロシア美術館に納められている。
これらの時の皇帝達や貴族が造らせたり愛用していた作品を見ていると、大国ロシアが繁栄していたという過去を垣間見れる感じがする。工芸品と言えば中国が思い浮かぶけど、それに勝るとも劣らないロシアの工芸品の数々。
ロシアの偉大さが現れている芸術作品の数々よ!
こちらの作品はもっと大きかったら棺に見えてしまうボックスである。
こちらの部屋はちょっと暗くなっていて、壁には絵画も展示されているようです。
このファベルジェ博物館の絵画ゾーンの演出の仕方が、結構いい感じだったので気に入った。というのも部屋自体は照明を落として、その分絵画の部分に上手い事ライトを当てて、あたかも電飾によって光っている絵のように見せてくれているのである。
by コンスタンチン・マコフスキー(Константи́н Мако́вский)
1889年頃の作品。モスクワで生まれたロシア人画家コンスタンチン・マコフスキーは、1889年にパリで行われた万国博覧会でこの絵を含む3枚を展示し、そこで金メダルを受賞しロシア人として最も有名な芸術家として評された。
こちらの絵は古代ギリシャ神話で3人の女神(ヘラ・アテナ・アフロディーテ)が、”誰が最も美しい女神か?!”を争ったお話。神話の時代から美を競う気持ちと、嫉妬心溢れる女性がモチーフになっている。美しさを求めるよりも、誰が自分にとって大事なのかを求めた方が幸せになれるだろうと思うけど・・・。
by ヘンリク・シェミラツキ(Henryk Siemiradzki)
こちらは1898年頃の作品で、ローマを拠点としたポーランド人画家のもの。古代ギリシャや古代ローマや新約聖書の内容を描いた作品が多いという。
その壁に掛かっている絵画に見惚れていると、部屋の中央に置かれている物を見過ごしてしまうので、結構忙しい・・・。
このように四角い絵に四角いライトで当たるように、上手く調整されている。エルミタージュ美術館もこういう風な演出の仕方をしてくれれば、もっと絵画の写真写りが綺麗になったのに。。
このように暗闇で照明を当てる事により、このような彫刻も明暗がハッキリと出て、より立体感や躍動感を感じれるようになると思う。
こちらの絵はネットで調べても出てこなかったので正解かは分からないけど、恐らくロシアが誇る有名な画家であるイヴァン・アイヴァゾフスキーが描いた作品のハズ。旧約聖書で海を割ったモーセの後を追いかけてきたエジプト軍兵士達が、元に戻ってきた海に飲み込まれてしまうシーンである。
こちらも多分イヴァン・アイヴァゾフスキーの作品。彼は生涯で6,000枚以上もの作品を残してきたので、中々ネットで彼の作品をズバリ見つけるという事が難しい。。ただ色々とネットで調べていると、同じような構図で描かれた絵が多く、空や天気が違っていたりという絵が多かった。
こちらはアレクセイ・ハラモフ(Alexei Harlamoff)というロシア人画家の作品で、このような少女の肖像画の作品を多く描いているようだ。しかしライトを上手く当てるだけど、より絵画が鮮やかに見えるようだ。
この辺りもイヴァン・アイヴァゾフスキーの海洋絵が展示されているようだ。ただ生涯に残した作品が多い代わりに、贋作も多かったそうだ。
by イヴァン・アイヴァゾフスキー(Иван Айвазовский)
1869年頃の作品で、ウクライナ生まれのロシア人画家イヴァン・アイヴァゾフスキーは、主に海洋絵を得意としており生涯にわたって6,000枚以上の作品を残したとされている。こちらのセバン湖はアルメニア地方にある、標高約1900mにある湖である。
こちらも多分イヴァン・アイヴァゾフスキーの作品。荒れ狂う嵐から避難する人達を描いているのだろうか?! ただ遠くの空には太陽が輝いていて、嵐は収まりそうな感じにも見えるし、逆に左奥から黒い雲が迫って更に大きな嵐が来そうにも見えるし。。
こちらはサンクトペテルブルクの街並みを描いた風景画。こうやって見比べると、人によって画風が変わっているのがよく分かる。
ここファベルジェ博物館はファベルジェ工房のイースターエッグが一番目玉の展示物なんだけど、個人的にはこのようにライトアップして展示されていた絵画がとても印象に残った。この展示の仕方は是非、他の美術館も真似て欲しいと思う。
さて一旦絵画ゾーンを抜けて、お次に見えてきたのはロシア正教ならではのイコンの部屋。
イコンには基本的にキリストや聖母マリアなどが表現されている。
ただしここに置かれているのは庶民用のイコンではなく、貴族や王族向けのイコンなので、金銀などの装飾が贅沢にされているイコンである。
確かに単に金箔を貼られただけの絵とは違い、細かい彫刻が為されているので今まで見てきたイコンに比べると段違いの荘厳さを感じてしまう。
皇帝の立場になると支配される側ではなく支配する側になるので、宗教の信仰心はあまり無さそうに思う。だからこれらのイコンも単なる飾りとして、置かれていただけなのかもしれないな。
こちらのイコンはナント数えられない位に無数の大小の真珠が、埋め込まれているではないか・・・。もうこの状態だと聖なるマリアではなく、”真珠のマリアと幼子”状態である。。
最後の晩餐の絵もこういった感じでギラギラになっている。頭の上に金色の発色が付いているのは、死後に聖人として列聖された人を表す。なおキリストの弟子である12使徒はその殆どが聖人化しているので、裏切り者のユダは頭上に金色のオーラが付いていない人物かもしれない。
こちらもまた別口の”真珠のマリアと幼子”が登場。こちらは先程のイコンに比べると、より細かい真珠が更に沢山取り付けられているようだ。
この「マリアと幼子」構図のイコンが、とても多いのよ!
ここまで金キラだと神秘的な感じがしない気がするけど、宗教的には仏陀やキリストなどは神様のオーラを表す為に金色の装飾が施されている物が多い。黄金は神様のオーラではなく、太陽の輝く光を一番綺麗に受け止める色である。
絵画ゾーンの暗闇にて 動画
再び暗闇になっている、別の絵画ゾーンに突入します。こちらの部屋にもシャンデリアは設置されているようですが、消されていましたね。
コロナウイルスの影響で2020年の夏は海外旅行できずに終わってしまった。だた各地の天気自体はウイルスの影響は受けておらずに、このように天気のいい日は景色がキレイだっただろうな。。
by コンスタンチン・コローヴィン(Константи́н Коро́вин)
1917年頃の作品。ロシア人芸術家コンスタンチン・コローヴィンは、ロシアの印象派の画家の中で最も有名であった。クリミア半島の南海岸にあるグルズフの村は彼のお気に入りで、何枚もの作品を描いた場所でもある。
by アンリ・マルタン(Henri Martin)
1930年頃の作品。新印象派のフランス人画家アンリ・マルタンは点描で主に絵を描いていた。こちらはフランス南西部の街であるサン・シルク・ラポピーを描いた物。
こちらも同じような点描で描かれているような作品に見える。ちなみに雑誌や印刷物の多くは細かい目には見えない網点を4色(CMYK)重ねて、カラー写真などを表現している。25倍以上の拡大鏡で印刷物を見れば、その細かい網点をチェックする事が出来る。
by ピエール・オーギュスト・ルノワール(Pierre-Auguste Renoir)
1893年頃の作品で、印象派を代表する有名な画家であるルノワールが描いたもの。ルノワールの名前だけはさすがに聞いた事がある程に日本でも有名な画家である。
そう言えば2019年秋に鹿児島旅行をした時に、仙巌園の元島津家御殿に置いてあったロマノフ王朝にプレゼントした壺の複製を見たのを今頃になって思い出した。ただそのプレゼントした壺はエルミタージュ美術館にて置かれているらしいので、今頃思い出しても遅いのであったが。。
さてそろそろサンクトペテルブルクでの美術館や博物館などの見学も、そろそろ最終章となってきました。
こちらはモスクワ中心部のクレムリンを描いた絵ですが、つい2日前までモスクワに居たのに、この絵を見ているとモスクワの街が懐かしくも思えてしまいます。。
これはこの博物館で以前行った「サルバドール・ダリ(Salvador Dalí)展」の時のパネル。しかし蝋人形という物は何とも不気味な人形である。。
さて約1時間でファベルジェ博物館の見学は終了となります。出口付近にはバーカウンターや本の売店などがありましたが、日本語での本は無かったので書籍の購入は断念。
お洒落な内装のカフェのように見えたけど、ドリンクの値段がいい値段し過ぎていたので、全然座っているお客さんの姿が見られなかった。。
さて外に出て再びバスに乗り込んで移動していきます。まだサンクトペテルブルクの天気は回復しておらず、相変わらずの雨が降り続けています。ちなみに正面に見えるクリーム色の建物は、「ボリショイ・サンクトペテルブルク国立サーカス」(Большо́й Санкт-Петербу́ргский госуда́рственный цирк)で1870年代に創設された国立サーカスだそうだ。
雨が降るサンクトペテルブルクの街 動画
こんな旅はまた次回に続きます!
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