鎌倉の明月院では「悟りの窓」や岩の上に生えるモミジなど見所たっぷり【神奈川旅行記⑳】

神奈川旅行記2020年秋-⑳

 旅行期間:2020年11月24日~27日(3泊4日)
(At Meigetsuin Temple in Kamakura, there is plenty to see, including the “Window of Enlightenment” and the maple trees growing on the rocks. [Kanagawa Travelogue 20])

紫陽花無しでも満足!

ここは神奈川県鎌倉市にある、”アジサイ寺”としても長谷寺に匹敵する程に人気の「明月院」。アジサイが綺麗に咲くベストシーズンは6月頃らしいけど、今は11月下旬なのでアジサイの花は見れずで、紅葉したモミジが辛うじて見られるかという頃合い。

 

【臨済宗:明月院】

住所:神奈川県鎌倉市山ノ内189
営業時間:9時~16時頃
電話番号:0467-24-3437
拝観料:高校生以上500円/小中学生300円
※本堂後庭園の特別公開は6月頃と11月頃のみ
※6/1〜6/30は平日のみ開門(土日は終日閉門)

 

 

 

明月院にて

近くにある長谷寺と同じく、ここ明月院も”アジサイ寺”として有名らしいけど、逆にアジサイが咲いていないシーズンに訪れた方が明月院らしさを感じれるのではないかと思う。アジサイが咲くシーズンだと、見学客の目には綺麗なアジサイの花にしか目が行かないけど、アジサイの花が無いシーズンだとそれ以外の物をじっくりと見学できる利点があると感じる。

 

明月院の敷地は緑が溢れていて、それもほったらかしにされている訳ではなく、綺麗に管理されている様子が伺える。あちらこちらに木々や植物が生えられているので、それらを管理するだけでも結構手間が掛かりそうに思える程である。

 

そして見つけたこちらは、なんと”石の上に生えるモミジ”である。植物というのは地中に根を張って、そこから水分を摂取して生存していると思っていたけど、このように石の上で生きている植物なんて奇想天外な光景である。。

ブッダ君
ブッダ君

植物の世界にも、ヘンコな種が存在するんじゃ!

 

手前にはこちらの張り札が置かれていて、何年にも渡って生息しているという内容が書かれている。たぶん人工的にこの石の上で成長するかの実験をした訳ではなく、たまたま自然にこうなったようだ。

 

まあ不毛の大地となっている溶岩灰が降り積もった土地でも、50年程経過すると知らぬうちに雑草が生息しだすのは桜島に行った時に勉強した。しかし、雑草レベルであれば石の上に積もった土の部分に生えるのは考えられるけど、このように思いっ切り石の上で生息するモミジの木は想像を超えている。。

 

こちらはそのモミジの木を反対側から眺めた写真であるが、まるでタコのように石から根っこが下に降りて、その先の地面に向かって伸びているのが見える。こうやって見ると岩の上に降り立った種から生まれた命が、その生存本能を極限まで発揮して生きている姿に改めて驚くのである。。

鎌大仏君
鎌大仏君

生存本能が凄いのは、人間だけと違うよ!

 

こちらは扁額に「宗猷堂」と文字が彫られている、歴代住職の位牌などが並べられている茅葺の建物。1380年頃に上杉憲方が禅興寺の塔頭として明月院を建立した頃に造られたとされている建物で、その後に「開山堂」という名前になって今に至っている。鎌倉幕府5代執権:北条時頼の建立した最明寺時代からの住職達の位牌が、置かれているとか。

 

 

鎌倉十井の一つ「瓶の井」にて

その開山堂の脇には、こちらに”鎌倉十井”という鎌倉でも有名な井戸の一つである「瓶ノ井(つるべのい)という、屋根付きの井戸が見られる。水瓶のような内部の形をしている井戸なので、この「瓶ノ井」という名前が付けられているとか。

 

一応今でも使える井戸となっているらしいけど、見学客は立ち入り禁止となっている。そんな「瓶ノ井」には井戸の中が見れない代わりに、このように花が活けられているのが見える。

 

こちらの案内板を見ると、”鎌倉十井”として知られる鎌倉に存在する10個の有名な井戸の中でも、現在も使用できる井戸としては貴重な物だそうだ。ただこの鎌倉地方は昔からあまり良質な水が井戸から出なかったらしいけど、この「瓶ノ井」はとても綺麗な水が湧き出たという伝承が残っているとか。

 

その近くにはこちらのホウキが吊るされており、その脇には「木々の贈り物」と書かれた文字が見える。落ち葉を掃くのは意外と大変な労働となるけど、そういった事も「自然からの命の贈り物」と捉えて、感謝する気持ちを持ちながら行う事を明月院庭園部はポリシーにしているようだ。

 

「明月院やぐら」にて

そしてその周辺の崖にはこのような岩を掘りぬいた空間が造られていて、「明月院やぐら(羅漢洞)」と呼ばれる鎌倉時代の洞窟墳墓となっている。そして中央に見えている宝篋印塔は、明月院の開祖でもある上杉憲方のお墓になっているという。

 

この「明月院やぐら」内部は立ち入り禁止となっていて、遠くから眺めるだけしか出来ない。こちらの案内板によると、洞窟内には釈迦如来や十六羅漢などが彫られているという。ただ凝灰岩質の為に風化が激しくて、彫られた年代とかは詳しく判明していないという。

 

昔の人類からしたら、お墓は大きな物を作るよりも、このような岩をくり抜いた方がまだ比較的造り易かったのかもしれない。それと内側の壁に彫刻を施せば仏像なども合わせて製作できるしと、昔から人類が洞窟に住み着くのも自然な事だったのかもしれない。

 

この明月院は普通のお寺という感じではなく、色んな遊び心というか、「見学客をホッコリさせてくれる気分にしよう!」という寺側の気持ちが垣間見えるような場所だった。こちらの地蔵には器部分があり、そこには美味しそうな柿や林檎が置かれていて、「良かったら食べてね!」という感じの地蔵みたいに見えたのである。

鎌大仏君
鎌大仏君

アジサイのシーズンは、アジサイが入れられている事もあるよ!

 

こちらの地蔵は「花想い地蔵」と名付けられているようだが、この11月下旬には残念ながら良い花が無かったようで、仕方なしに柿や林檎を持たされたのであろう。。

 

他にもこのような小さな地蔵が安置されている祠のような物もあったけど、まるで最近の過剰なペットブームのように、地蔵それぞれに特別に造った被せ服が着せられていたが。。

 

この左手前に見えている植物がアジサイなので、綺麗に咲く6月頃に来ればここからの景色も全然違ったものに見えるのだろう。しかし、今は11月下旬で、しかも雨がパラパラと降っているので、そんな景色ではなく、ちょっと寂しくなるような景色になっているのだが。。

 

 

明月院の本堂「方丈」にて

そして奥に進んで行くと見えてきた大きな建物が、この明月院の本堂である「方丈(紫陽殿)。この建物内に明月院の本尊である聖観音菩薩坐像などが祀られている。

 

その方丈の手前にはこのような枯山水庭園も造られていて、とても見所のある場所となっている。綺麗に掃かれた砂と、キチンと管理されている植物が調和している姿は何とも言い難い程に素晴らしい景色となっている。

 

このような岩に苔が生えている姿を見ているだけでも、充分に風情を感じてしまう明月院。それと共に手前に見えているウサギの形をした置物に花を持たせていたりと、普通の寺にはあまり見られない遊び心的な配置も意外と面白い。

 

そんな本堂の建物前では雨が降っているにも関わらず、何故かこのような行列が出来ていた。江の島でも長蛇の行列が出来ていた場所があったけど、ここ明月院にもテレビで紹介されるようなパワースポットがあるのかな?!

 

とりあえずあまり長い行列では無かったので、その列に並んでみる。そして前に並んでいる人達の様子を伺ってると、どうやら奥にある丸い窓のある部屋の写真を撮影する為に、ここにみんな並んでいるようだ。

 

こちらが明月院を訪れる見学客の多くが写真を撮りたくなってしまう、通称”悟りの窓”と呼ばれている風景である。それとこの本堂の裏手には普段は非公開となっている「本堂後庭園」という、約3,000本も植えられているハナショウブやモミジが植えられている庭が見られる窓ともなっているようだ。

 

このような写真を撮影したいがために、みんな並んで待っていたようだ。ちなみに窓の奥の庭園側に人が入っているのが見えるけど、この本堂後庭園は①ハナショウブが開花する5月末~6月上旬頃と、②紅葉シーズンの11月末~12月上旬にかけてのみ、特別に公開されるという。(※本堂後庭園は別途500円の入場料が必要です)

そんな事も知らずに、たまたまやって来てました・・・

鎌大仏君
鎌大仏君

紅葉のシーズンにたまたま来てラッキーだったね!

①コロナ禍では混雑するアジサイのシーズンは、密を避ける為に残念ながら悟りの窓は閉められているようです・・・。
②6/1〜6/30は平日のみ開門(土日は終日閉門)なので、注意!
③アジサイの開花シーズンは5月下旬~7月上旬頃で、見頃は6月上旬~下旬の中でも6月2週頃から見頃となり、ピークとなるのは6月中旬から下旬だとか。

 


明月院の「悟りの窓」と、奥に紅葉したモミジ

明月院の「悟りの窓」と、奥に紅葉したモミジ

このように写真に凝っている人がそれなりのカメラで撮影すると、とても綺麗な写真が撮れるようだ。近年にドンドン性能が良くなってきているスマホのカメラでも、さすがにこれほどの写真はまだ撮る事が出来ないが。。

 


 

こちらにはそれぞれに大きさの違う6体の地蔵が置かれている。同じ大きさの地蔵が並べられているのはよく見かけるけど、このように大きさをわざと変えて置いているのは、何やら意味深な匂いがプンプンしているように感じる。

 

こちらの像は「六地蔵様」と呼ばれている、仏教での輪廻転生において何度も巡る”六道”(天上道/人間道/修羅道/畜生道/餓鬼道/地獄道)を表す地蔵様だった。ちなみにこの輪廻転生という概念は仏教独自の考えではなく、その仏教の元となったバラモン教から派生している考えである。

ブッダ君
ブッダ君

ワシの教えも実はバラモン教から良い所を導入しておるんじゃ!

朋ちゃん
朋ちゃん

それをパクリとも言うけどね!(笑)

ブッダ君
ブッダ君

パクリじゃないんじゃ!(怒)

エッセンスの融合じゃ!

 

特別公開中の本堂後庭園へ

そんな名物の悟りの窓の撮影を済ませてから、特別に公開されている「本堂後庭園」の見学をするのか、少し検討タイムに入る。この明月院に入る際に既に拝観料として500円を支払っており、ここから先の本堂後庭園にはまた追加で500円も必要だからだ。

エロ坊主オジサン
エロ坊主
オジサン

王子もなかなかケチくさいけ!(笑)

 

少々悩んだものの、500円の追加費用を支払ってまで見る価値があるハズだと思って、入園料500円を払って入場する事にした。この時はこの本堂後庭園は普段は一般公開されておらず、訪れたタイミングでたまたま入れたのは知らなかったけど、もしこの時にそれを知っていたら迷わず入場していた事だろう。

 

という事でたった500円を支払うかで迷ってしまった自分が今思うと情けないように感じてしまいそうになったけど、気を取り直して、その支払った500円分の価値を見出す為にしっかり本堂後庭園を見学していきたいと思います!!

500円分の元、取るぞ~~!

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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