横須賀港からすぐの無人島:猿島に上陸し、日本軍の要塞となっていた島を探索【神奈川旅行記㊵】

神奈川旅行記2020年秋-㊵

 旅行期間:2020年11月24日~27日(3泊4日)
(Land on Sarushima, an uninhabited island just outside Yokosuka Port, and explore the island that was once a fortress for the Japanese military. [Kanagawa Travelogue 40)

日本軍の要塞跡

ここは神奈川県横須賀市の新港:三笠桟橋付近。ここから奥に見えている無人島「猿島」まで、これからフェリーに乗って見学に行きます。この猿島という島は東京湾の中では唯一の自然島で、位置的に東京湾の入口にも当たるので防御的な要塞として日本軍が使っていた島でもある。

 

 

横須賀から猿島へ渡る!

この猿島まで行く唯一の方法は、この記念艦:三笠が係留されている横須賀新港の三笠桟橋から出るフェリーに乗っていく方法である。昔は一般開放されていなかった猿島も今では島が横須賀市に無償譲与された事もあって、今では観光資源として活用されており、年間10万人を超える観光客がやって来る隠れた人気スポットになっているようだ。

 

こちらの三笠桟橋からの観光フェリーは猿島以外にも、この横須賀の軍港に停泊している日米軍の軍艦などを観覧できる『YOKOSUKA軍港めぐり』(大人1600円/1日6便)も運航されている。

 

それとこちらはこのターミナルから当日にチケット購入は出来ずに事前にツアーを申し込まないといけないが、東京湾の入口にある明治時代に造成された海上要塞「第二海堡」に行くフェリーも出ている。

 

そしてこれから猿島に向かう14時30分発のフェリーに乗り込んで行きます。猿島に向かうフェリーはこの14時30分発を逃すと、次は1時間後の15時30分発となるが、その便だと猿島に着いて10分程で帰りの最終便フェリーに乗らないといけない事になる。

 

だから遅くともこの14時30分発までのフェリーには、間に合わせて乗らないといけない。この14時30分発だと約1時間ほどは猿島に滞在できるので、それだけあれば充分に猿島を一周見学して回れる時間がある。ただ猿島に行くには少し遅めの時間だったけど、それなりの乗客が乗っていて、意外とこれから行く猿島の人気が垣間見れるような雰囲気だった。

 

このフェリーが出発する三笠桟橋は、名前の通りに隣には約100年前に引退した戦艦:三笠が鎮座しているのが見える。日露戦争でも名を馳せた三笠であるが、意外と実働期間は短くてここに置かれるようになった期間の方が圧倒的に長いのであるが。

 

そして14時30分を迎えて、いざ猿島に向けてフェリーが動き出す。この猿島は外周は約1.6kmほどしかない小さな島であるが、そこまでフェリーで向かうには約15分ほどの時間が必要である。見た目にはもっと早く行けそうな感じがするのだが、フェリーって乗ってみると意外と時間がかかる事が多いのである。

 

 

猿島に向かうフェリーからの景色① 動画

 

 

この東京湾の奥に工場の煙突などが見えていて煙を上げている場所が、川崎市の工業地帯である。昔は公害を巻き散らかす工場群としてあまり一般人が近寄る場所ではなかったが、最近はその工場群が織りなすライトに引き寄せられて夜景クルーズなども行われる程に人気の夜景スポットになっているようだ。

朋ちゃん
朋ちゃん

川崎もいい所だよ、だって私が住んでいる街だからさ~!

 

 

 

猿島に向かうフェリーからの景色② 動画

 

 

この猿島は東京湾を挟んだ反対側である千葉県側から突き出た岬:富津岬と共に、幕末頃より海外から押し寄せる外国船の脅威を感じて、東京湾を警備する要塞が築かれた場所となっている。明治維新が起きた後も首都の東京を警備する為に、砲台などが設置されていったが、最終的に実戦が行われる事なく日本は敗戦して見放されてしまった場所でもある。

 

さて猿島の桟橋に近づいて行くと、既に猿島観光を済ませて帰りたい観光客が詰めかけているのが見える。この人達が乗ろうとしている15時発の便はいいけど、その後の最終便である16時発の便を逃してしまうと、本土側に帰る便が無くなってしまうので猿島内の見学をしている時は時間だけは確認しておこう。

最終便の出る時間前になれば、島内にアナウンス放送がされるので、それを聞いたら船乗り場に戻りましょう!

 

さて猿島に到着するまで何の知識もなかったが、後で調べてみると、ここで『仮面ライダー』の撮影が行われた事もあって、ショッカーの秘密基地がこの島にあるという設定だったそうだ。また人類に見放されて自然が広がった島の雰囲気が、あの宮崎駿監督作品『天空の城ラピュタ』のモデルにもなっているという説もあるとか、ないとか・・・。

 

 

要塞跡の猿島に上陸!

そして三笠桟橋を出航して、およそ13分で猿島の桟橋に到着する。まずは混雑を避ける為にフェリーから下船する人が優先して、桟橋を通っていく。反対側には猿島見学を終えて、ちょっと疲れたような、終わって満足したかのような顔をした人達が待ち受けていたような。。

 

 

 

この「猿島」の由来は、13世紀に日蓮(日蓮宗の宗祖)が千葉から鎌倉まで移動する際に船に乗った所、嵐に遭ってこの島にたまたま漂着した。そして島に上陸すると1匹の白い猿が現れて、陸地の方を指さした。日蓮はこの白い猿が陸地の方へ行け(去れ!)と示したと認識し、この島が「猿島/去る島」となったのだとか。。

鎌大仏君
鎌大仏君

もう少し面白い話の方が、観光客は喜ぶと思うけどね・・・

 

猿島は第二次世界大戦で勝利し、日本を占領したアメリカ軍の支配下にあったが、戦後に返還されて一旦は海水浴場などとして観光客がやって来ていたが1993年に海水浴場は閉鎖されて、航路も廃止となる。しかし1995年に国から横須賀市に島の管理が任されて、再び観光客が訪れる事が出来るようになり、海水浴場も再開された。そして2015年には明治時代の歴史的なレンガ造りの遺構跡など貴重的な歴史遺産が認められて、国の史跡にも指定されている。

 

基本的には無人島の猿島には一応レストランがあって、更には事前の予約が必要だけどバーベキューなども出来るそうだ。夏場には海水浴ついでにバーベキューをするのも楽しそうだが、基本的には本土側から送られてくる物ばかりなので、他でバーベキューをするよりは高くつきそうだが。。

 

 

こちらはボクが申し込んでいる「猿島:探検ツアー」の案内板。1人600円で受け付けているが、案内人のお姉さん曰く、ボクが参加する最終回のツアーはボクを含めて今の所2人しか参加者がいないという。。

 

だから案内人のお姉さんは船から降りて猿島にやって来る観光客に、一応ガイドツアーの参加者希望を呼び掛けてはいたものの、船でしか来れない島なのである程度の人に声を掛けたら、それで追加の参加者は来ないだろうと諦めムードだった。

 

鎖国していた江戸時代の中頃までも度々外国船が日本に近づいて来ていたが、それまで大事になる事はなかった。しかしヨーロッパ勢のアジア地方の植民地化に拍車が掛かり出した江戸時代後半から、アジアの要所ともなっていた日本に諸外国勢が競って通商を求める為に押し寄せてきた。しかしそんな諸外国勢が迫って来る中でも、のらりくらりとそれらの要求を交わしていた江戸幕府であったが、黒船に乗ってきた剛腕のペリーの凄みの前にはひとたまりもなかったのである。

 

無人の猿島では、食べる物などは全て横須賀側から持ち込む必要があり、またゴミはこちらのゴミ物処理場にキチンと捨てる必要がある。ここからゴミは横須賀側に移動されて、適切に処分される事になる。

 

 

猿島ガイドツアーの開始!

そして結局人数が増えないままに、猿島のガイドツアーが始まる。ガイドさんも無料だったらそれなりに参加する人がいると思うけど、やっぱりガイドさんを拘束する時間を考えると、ある程度の費用は対価として必要だと思う。

 

さてまず猿島の島内へと向かって進んで行く前に見えてきた、こちらのレンガ造りの建物は「発電所」である。この発電所は1895年(明治28年)に建造された蒸気機関による発電設備で、この島は本土から電線を引いていないので、島内で消費する電力は島内で作る必要性があったからだ。なお現在も現役の発電所として稼働しており、さすがに今は蒸気機関ではなくディーゼルで動いているようだ。

 

一応発電所跡の前にはこのような説明板が設置されていて、これを見ていればわざわざ600円も払ってガイドさんを雇う必要性もないかと感じる人もいるかもしれないけど、需要と供給の法則ではないが、そこまで有料ガイドが必要とされないのであれば、もうとっくにこのガイドさんは居なくなっているハズである。だからこのガイドツアーが生き残っているという事は、それなりに需要があって、価値があると考える必要があると思う。

偉そうに言っているけど、「知らんけどな・・・」です!(笑)

 

明治時代初期にはヨーロッパから入ってきた建築様式のレンガ造りの建物が、国内の要所に沢山導入された。基本的にレンガ造りの建物はそれまで日本国内で悩まされていた木造建物の火災に弱かった弱点をカバーし、倉庫や銀行などの強固な造りが求められる建造物に用いられる事が多かった。ただレンガ造りの建物は地震には弱く、鉄筋を含めたレンガの建物も造られたが、小型建造物を覗いて関東大震災以降はレンガ造りの建造物が少なくなっていく。

 

またこの猿島が国の史跡に登録されているのに、明治時代に造られたレンガ造りの建物の中でも、明治20年以前に造られたフランス式の積み方の建物が現存しているからだ。明治時代になって国内にレンガ造りの建物がどんどん造られていったが、当初はフランス式というレンガの積み方が、その後に導入されたイギリス式という積み方に移り変わっていった。なので国内に現存しているフランス式のレンガ造りの建物が少ない為に、希少価値があるという訳である。

 

この猿島ガイドツアーも多い時には20人近くの相手をする事もあるようだけど、今回はボクと手前にいるオジサンの2人のみ。このように参加者が少ない程に、よりマンツーマンでガイドをしてくれるので、参加者が多い時に比べると今回のように少ない方がよりガイド代として支払った金額に価値があるように思える。

 

この猿島は基本的には無人島で、一定期間放置されていた事もあって、このように島の至る場所は自然に囲まれた島となっている。この雰囲気が『天空の城ラピュタ』のイメージに似ているように感じる人もいて、それを目当てにやって来る観光客も居るとか。

 

そしてこれから写真スポットともなっている島内の通路に差し掛かる前に、ガイドさんがこちらの道の脇にあった穴の説明をしてくれる。この猿島では水は貴重品だったので、島内の要所に配水管を整備して、くまなく水を送っていたという。

 

都会に生きる現代人は水道局と契約さえしていれば、蛇口を捻れば簡単に水を得る事が出来るので、水が簡単に手に入る事の有難みを知らない人が多い。しかし、砂漠やこのような離島に行くと、水ほど大事な物はなく、それをただ垂れ流すという事は自殺行為でもある。

 

簡単にミネラルウォーターに入っている水を手にする事が出来る時代だけど、時代や場所によってはその水一滴が命を分ける事に繋がる事もある。個人的にはヨルダンの世界遺産【ペトラ遺跡】に行った際に、自由時間の最後に見つけた崖の上に1人で登った際に、脱水症状に近い状態に追い込まれたのを思い出す。

 

その時に喉がカラカラな状態で何とか体を動かして崖を登っていくと、そこにテントが設営されていて、地元の人が熱いお茶だったけど振舞ってくれた。そしてついでにミネラルウォーターも購入して飲んだのであるが、その時に水の有難みを思い知った・・・というお話です。。

あの時は足が痙攣して、さすがに困りましたね・・・

オカン
オカン

あまり無茶したら、アカンで!

 

この猿島も水道施設は無いので、飲み水はレストラン等で販売している水を買わないといけない。またトイレや手洗い場で使われている水は水道水ではなく、雨水を再利用して使われているので、水の大事さを改めて考えさせられる猿島でもあった。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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