和歌山城内の内堀に架かる、藩主などの要人しか通れなかった屋根付きの「御橋廊下」【和歌山市旅行記②】

和歌山市旅行記2021年1月-②

旅行期間:2021年1月某日(0泊1日当日旅)

足が痛い廊下?!

ここは和歌山市内中心部にある、かつて紀州徳川家が治めていた「和歌山城跡」。今見られる天守閣は1945年の和歌山大空襲で焼失してしまった後に、再建された物。戦争中に燃えるまで存在していた天守閣は江戸時代に建造されて、国宝にも指定されていただけに、戦争で焼失してしまった事をとても残念に思う。。

 

 

 

「西の丸庭園」にて

和歌山城の西の丸跡には、こちらの名勝:「西之丸庭園(紅葉渓庭園)」がある。この西の丸は藩主が隠居した後に住む御殿があった場所で、全国の城でもよく見られるように綺麗な日本庭園が造られていた場所でもあった。

 

この「西之丸庭園」自体に入場料などはなく無料で見学できるけど、犬などのペットの連れ込みや喫煙・飲食行為は禁止されている。最近はペットを連れて散歩する人を多く見かけるけど、このように禁止行為として張り出していないと、このような場所にも平気でペットを連れ込む人も多いのかもしれない。

 

この庭園内には看板にもあるように「紅松庵」という茶室が造られていて、そこでは有料で抹茶と和菓子を楽しめるようだ。観光客の女性達からすれば、このような茶室でゆっくりと抹茶を楽しんだりするのが楽しいのだろうけど、お茶をゆっくり飲む時間があればそれだけ動き回りたいボクみたいなタイプが行く場所では無さそうだが。。

徳川ヨシオ
徳川ヨシオ

この茶室「紅松庵」は、松下幸之助氏から寄贈されたぜよ!

 

ここを訪れたのは1月という冷えている時期という事もあって、春や秋の景色とは違って、冷たい感じしかしない。まあ寒いという事は元から分かっているので着込んできているが、個人的には11月後半という冬生まれだけあって、寒さに関してはあまり抵抗がない。

 

寒いのが嫌いな人からすれば、「このような1月に何で観光に行くの?!」と思うかもしれない。しかし、寒い1月に観光をする人間からすれば、「行った時期がたまたま寒かっただけ!」という感覚にしか過ぎないが。。

 

ただ寒い1月といっても関西地方でも最も南に位置する和歌山県は、雪が積もっているような景色は見られない。雪が沢山積もる場所だと冬場に観光に行きにくいけど、寒いだけで特に雪が積もらない場所だと、冬場の方が人が少なくて快適に観光しやすいというメリットがある。

 

 

西之丸庭園の景色! 動画

 

 

このような日本庭園もただ訪れる人からすれば判りにくいけど、管理する側からすれば、結構に手間が掛かる場所でもある。毎日ホウキで掃除したり、夏場は熱い中で定期的に水やりしたり、また植木の刈り込みなども定期的にしないといけない。

 

だからそれなりに大きな日本庭園を維持しようと思えば、大名の御殿とか財力がある人でしか持てなかったのだろう。ただ単に日本庭園を造るよりも、その日本庭園を綺麗なまま維持する方が費用が掛かって大変だという事が分かる。

 

だから日本庭園の見学に見学料が掛かる場所もあるけど、そういう観点から見れば入場料金を徴収する事は不思議でもなく、極めて当然の事でもある。この西の丸庭園は入場料が無料だっただけに、普段から庭園を管理してくれている人に感謝して見学する必要性を感じた。

徳川ヨシオ
徳川ヨシオ

入場料代わりに茶室で抹茶でも飲みなさいや!

 

そして過去にこの和歌山城に来た際には、その存在を全く知らなかった木造の橋が実は内堀に架けられていた。前回和歌山城に来た時には天守閣からの景色しか楽しみにしておらず、このように城内をくまなく歩き回るという事すら考えもしなかった10年前・・。

 

こちらが「御橋廊下」という、西の丸と二ノ丸を繋ぐ要人しか通れなかったという木造橋の廊下。このように屋根付きの橋を見ると、イタリアのフィレンツェの川に架かる「ポンテ・ヴェッキオ橋」を思い出したが、こちらは商売する橋ではなく、偉いさん専用の橋。

 

西之丸庭園の真ん中には大きな池があって、そのほとりにはこちらの「鳶魚閣(えんぎょかく)という建物が見られる。この日本庭園は紀州徳川家の祖である徳川頼宣が隠居した際に大掛かりな工事が行われて造られたものだが、明治維新以降は荒廃してしまった。しかし江戸時代には全国的にも有名だった日本庭園を甦らそうと、昭和後半に復興の取り組みが行われて、この鳶魚閣なども再建されたようだ。

 

木造の「御橋廊下」も、2006年になってから復元された物。残されている史料や発掘調査を基に、江戸時代にあったであろう形を留める形で再現されている。そしてそんな橋は無料で通行する事が出来るだけに、和歌山城を訪れた際には天守閣を見学するだけではなく、この御橋廊下の通行体験も欠かせない。

 

 

「御橋廊下」に足を踏み入れる!

観光シーズンや大型連休だと人だらけになっているのかもしれないが、この時は全然「御橋廊下」には人影がなかった。全国的に沢山造られた城の中でも、このように屋根付きの要人しか通れなかった橋があるのは珍しい。

 

この場所に造られていた「御橋廊下」の、昔に書かれた図面なども残っていて、それらの資料を基に再現されている。しかも屋根や壁に覆われていて、藩主の行動を追跡できないような構造の橋にしていた事からも、紀州徳川家ではありながらも周辺に警戒していた様子が伺える。

 

こちらが西の丸側からの入口で、特に係員なども居なくて無人の橋。通行料として100円位徴収してもいいように思える木造の橋だけど、ここ和歌山市では日本庭園の見学や「御橋廊下」の通行も無料。

徳川ヨシオ
徳川ヨシオ

和歌山にもっと感謝しなさい!

 

こちらは北側から眺めた「御橋廊下」で、長さは約27mで幅3mほどの立派な橋というよりも”廊下”である。昔に描かれた橋の図でも窓が見られたけど、復元された廊下にはそれ以上に多くの窓が設置されているようにも見える。

 

 

「御橋廊下」の景色! 動画

 

 

そして入口に進むと、このように靴脱ぎ場が用意されている。この「御橋廊下」”土足禁止”となっているので、必ず靴を脱いで通行しよう。また靴置き場はなく、また靴を入れる袋も用意されていないので、自分で靴を持って廊下を歩く事になる。

 

幅3mもあると結構に広い廊下にも感じる。観光客の多いシーズンだと、すれ違う時にこれぐらいの幅があれば余裕を持って通行できるのだろうが、このように誰も居ない時だと、広く感じてしまう。。

 

なおこの「御橋廊下」は平らな通路ではなく、傾斜が緩やか以上にも感じるような斜めに架かっている橋でもある。だから普通に木の板が敷き詰められている床は、ただでさえ滑りやすく思えるが、この廊下には滑りにくい”ある仕掛け”が実は施されているのだ。

 

 

「御橋廊下」を渡ってみた! 動画

 

 

その滑りにくい仕掛けはこの写真ではちょっと分かりにくいので、下の写真で説明するが、その仕掛けが施されている床を靴を履かない足で進むと、足の裏が痛くなる・・・。だから、この廊下を渡った人の感想を聞くと、まず第一声に「足の裏が痛かった・・・」という声が多い事だろう。

 

 

こちらはその「御橋廊下」を二ノ丸の上側から見下ろした光景で、この廊下に施されている仕掛けがよく分かる。実はこのように床の板がギザギザに組み込まれている為に、傾斜の付いた廊下でありながら、滑り止めの役割を担っているのである。

 

これ程傾斜の付いた道にはよく手摺が設置されているけど、この「御橋廊下」に手摺を付けるとその雰囲気が台無しになってしまうので、このような工夫がされていたのかもしれない。そして昔は藩主やその付き人位しか通れなかったという廊下を、独占して楽しむ男の2021年がここ和歌山からスタートしたのであった。

 

このように外から眺めているだけでも充分な味わいを放っている「御橋廊下」だけど、中を通行してみると更に楽しめる箇所でもある。だから和歌山城に見学しに来た人は、城らしい天守閣の見学だけで帰ってしまうのではなく、この「御橋廊下」も忘れずに見学して帰ろう。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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