明治時代の文明破壊から、歴史的な文化財を守った町田久成の肖像彫刻に感激!【神奈川&東京旅41】

神奈川県&東京旅(2022年12月中旬)-41

訪問:2022年12月中旬(2泊3日)

偉人達!

上野 国立博物館本館 館内 

東京の上野にある「東京国立博物館」は、日本国内の歴史に興味を持っている人にとっては、聖地的な存在の場所でもある。

 

【東京国立博物館】

住所:東京都台東区上野公園13番9号
営業時間:9時30分~17時頃(※定休日:月曜日他)
電話番号:050-5541-8600
総合文化展観覧料:大人1000円/大学生500円/満18歳未満&満70歳以上は無料

 

 

 

館内の見学!

上野 国立博物館本館 『山姥』 

こちらの絵は幕末から明治時代初期にかけて活躍した、浮世絵師で日本画家でもあった「河鍋 暁斎(かわなべ きょうさい)」『山姥(やまんば)

 

河鍋暁斎は、浮世絵師:歌川国芳や、狩野派の絵師に師事し、奇才の持ち主として多くの門下生を抱える絵師になった人物である。

 

河鍋暁斎記念美術館 企画展「逢魔が時―暁斎が描いた妖怪変化―」展

江戸春男
江戸春男

河鍋暁斎の描く妖怪は、迫力満点だぜい!

 

上野 国立博物館本館 『説法』 絵画 

こちらは明治43年に描かれた、明治時代に活躍した日本画家「今村 紫紅(いまむら しこう)」の『達磨 説法』である。

今村 紫紅は岡倉天心などの指導を受け、単身インドにも渡って修行し、従来の日本画の風習を壊す作品を目指していたようだ。

エロ坊主オジサン
エロ坊主
オジサン

またオレの肖像画があるけ!(笑)

 

上野 国立博物館本館 『老猿』 高村光雲作 

次には明治26年に高村光雲が「シカゴ万国博覧会」に出品する為に制作した、『老猿』という木彫りの木像が見えてくる。

※国の重要文化財

高村光雲は仏師の高村東雲に指示して仏像を作っていたが、明治時代に入り廃仏毀釈の波で仏像制作の仕事が少なくなったが、それでも木彫り彫刻を続けて、更には西洋美術も学び、木彫り彫刻を芸術作品の域にまで仕上げていった。

 

上野 国立博物館本館 『老猿』 高村光雲作 2

そんな高村光雲の元には、後に日本を代表する彫刻家が多く生まれ、光雲自身も皇居外苑の楠木正成像や、上野にある西郷隆盛像なども製作している日本を代表する彫刻家でもある。

江戸春男
江戸春男

日本の伝統と西洋美術の融合だぜい!

 

上野 国立博物館本館 『唐獅子』屏風 前田青邨 

こちらは大正時代に日本画家の「前田 青邨(まえだ せいそん)が描いた『唐獅子』の屏風である。

 

上野 国立博物館本館 『唐獅子』屏風 前田青邨 2

ここで描かれている「唐獅子」とは、元々は仏教発祥の地:インド地方で釈迦一族を守る”インドライオン”がモチーフとなっており、その流れで現代の寺や神社にも獅子の姿である”狛犬”が入口脇に設置されているのである。

 

寝起きでも迫力あります♡インドライオン よこはま動物園ズーラシア

黒玉親父
黒玉親父

動物園のライオンも暇そうタマ!

 

上野 国立博物館本館 『獅子』屏風 前田青邨 

元々日本国内にはライオンが存在しなかったので、国内で描かれた獅子の絵や像などは、あくまで中国から伝来した絵などを見て、そこから創造した獅子像が作られていた。

 

上野 国立博物館本館 『獅子』屏風 前田青邨 2

前田 青邨はそんな獅子の体をこのような青色で表現し、今まで人々が見た事のないような獅子像を作り上げたようだ。

 

 

東京国立博物館:初代館長 町田久成の肖像彫刻!

上野 国立博物館本館 『町田久成』肖像彫刻 竹内久一作

そんな作品が並ぶ中に、頭がツルツルとした、どこかの寺の住職のようなオジサンの座像が見られた。

 

上野 国立博物館本館 『町田久成』肖像彫刻 竹内久一作2

実はこの頭がツルツル像の正体は、この東京国立博物館を創設した「町田 久成(まちだ ひさなり)の肖像彫刻であった。

 

この町田 久成は薩摩藩でも幕末に江戸幕府に隠れてヨーロッパに密留学した、『薩摩藩遣英使節団』のメンバーの1人としても知られている人物でもある。

この”薩摩藩第一次英国留学生”の中では「五代友厚」が最も有名だけど、町田 久成も帰国後に外務省や内務省にて要職を歴任した逸材である。

黒玉親父
黒玉親父

ちなみにこの密留学で、町田久成の弟3人も一緒に同行したタマ!

 

上野 国立博物館本館 『町田久成』肖像彫刻 竹内久一作3

幕末に海外留学した人間が帰国後に日本にもたらした社会的貢献は計り知れない程に大きかったが、町田 久成はヨーロッパに滞在中に過去の歴史的な文化財を保護する博物館の役割を自分で目にしていた為に、帰国後に廃仏毀釈で無下に廃棄される日本の文化財を見て、それらを保護する為に”日本国内初の博物館創設”に尽力したのだ。

江戸春男
江戸春男

町田久成が居なかったら、日本の文化財はもっと減ってたぜい!

 

なお、町田久成は”日本国内初の博物館”の館長の座を約半年で辞任し、1889年には幕末の薩摩藩で実権を握っていた「島津久光」の3回忌供養に合わせて剃髪し、1890年には園城寺子院(滋賀県大津市)の住職となった経歴の持ち主でもある。

朋ちゃん
朋ちゃん

出家したから、頭がツルツルだったのね~!

ブッダ君
ブッダ君

ちなみにこの作品は、町田久成が亡くなった後に作られた物じゃよ!

 

上野 国立博物館本館 『埃及猫置物』海野清

次に見える作品は、前にエジプト旅行時に買ってきたお土産の猫ちゃんの木彫り像のような印象を受けたけど、タイトルは『埃及(エジプト)猫置物』とそのままの内容となっていた。。

 

上野 国立博物館本館 『埃及猫置物』海野清2

この作品は昭和10年(1935年)頃に「海野 清(うんの きよし)という、彫金工芸家で『人間国宝』にまでなった人物が制作した物となっている。

 

ちなみに『埃及』で「エジプト」と読むのもちょっと無理があるけど、ギリシャ神話に出てくる「アイギュプトス」の名前を当て字にしたと説明されても「???」となるのだが。。

江戸春男
江戸春男

「ほこりきゅう」ではないのだけは、理解できたぜい!

 

 

上野 国立博物館本館 『岩倉具視:肖像画』 安藤仲太郎作

こちらは明治時代に近代日本洋画家の「安藤 仲太郎(あんどう なかたろう)が描いた、『岩倉具視:肖像画』

 

安藤 仲太郎は”日本で最初の洋画家”としても知られる「高橋 由一(たかはし ゆいち)の甥で、叔父の高橋 由一に洋画を学んで肖像画を得意にしていたという。

黒玉親父
黒玉親父

高橋 由一は、吊るされた『鮭』の絵の作者として有名タマ!

 

上野 国立博物館本館 『大久保利通:肖像画』 安藤仲太郎作

こちらも安藤 仲太郎が描いた、明治新政府の重役であった『大久保利通:肖像画』である。

この肖像画の写真はガラス面の反射のせいでちょっと見にくいけど、大久保利通と言えば、”長いワシャワシャと生えた髭”が印象的な人物でもある。

 

上野 国立博物館本館 『吉井友実:肖像画』 松岡寿作

こちらは明治時代にローマに留学経験がある、洋画家の「松岡 寿(まつおか ひさし)が描いた『吉井友実:肖像画』である。

吉井友実は薩摩藩出身で、鹿児島市の加治屋町で生まれた為に、西郷隆盛や大久保利通らと幼少時代からの親友だったという。

 

上野 国立博物館本館 『西村茂樹:肖像画』 高橋源吉作

こちらは高橋由一の長男だった「高橋 源吉(たかはし げんきち)が描いた、『西村茂樹:肖像画』である。

 

「西村 茂樹(にしむら しげき)は佐野藩に仕える側用人の家に生まれ、藩校で儒学を学び、また佐久間象山の元で砲術修業も行っている。

また明治時代に入ると、福澤諭吉らと共に『明六社を結成するなど、日本の道徳教育の礎を築いた人物でもある。

 

上野 国立博物館本館 館内 2

ここに展示されている芸術作品を勉強していくと、その作者と共に、作品自体の背景についても学べるので、復習が必須な東京国立博物館:鑑賞であると感じたのである。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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神奈川&東京旅(2022)

2022年12月中旬に『どこかでマイル』を使って訪れた、2泊3日の神奈川県&東京旅です。

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