「海洋堂スペースファクトリーなんこく」見学③:海洋堂の歴史と松本幸四郎の等身大フィギュア【高知県旅行記40】

高知県旅行記2021年3月-40

旅行期間:2021年3月某日(2泊3日旅)

成功は失敗の連続!

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 組み立て場 オブジェ

高知県南国市に2021年3月にオープンした、日本が世界に誇るフィギュアなどの模型製造メーカー:海洋堂の「海洋堂スペースファクトリーなんこく」見学はまだまだ続きます。

 

 

 

「海洋堂スペースファクトリーなんこく」見学!

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 組み立て説明パネル

これまでソフビ人形が制作されていく過程の説明がされてきたが、ここからは最終段階の「組み立て&梱包」の説明となっている。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 組み立て説明パネル2

このような小さな猫のソフビ人形も、1つだけのパーツではなく、複数のパーツから成り立っている。ソフビ人形には接着剤を使わなくても「嵌着(かんちゃく)と呼ばれる、パーツを嵌め込む事で固定される方式を採用しているので、全てが接着剤によってくっ付けられている訳でもない。ただパーツによっては接着剤で接着されている所もあるが。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 組み立て説明パネル3

そして検品と組み立てが完了したソフビ人形は、最終的に袋や箱に詰められて梱包も終了し、完成品となる。販売単価の安価な商品はこのようなフックに吊るせる袋入りになったりするが、比較的値段が高めの商品はしっかりと箱に詰められる。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 組み立て説明パネル 完成品

このように見た目には考えらないような手間が、意外とかかっているフィギュア。世の中で販売されている物を買うのは楽だけど、それを製造する過程では目に見えない苦労が詰まっているのでもある。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 組み立て説明 作業場

こちらは海洋堂の作業場となっていて、真ん中付近には3Dプリンターのような機器も見られる。働く側の人間からすると、最初は多くの見学客に見られる事で嫌がったかもしれないが、見られ続ける内にそんな目線も気にならなくなっていく事だろう。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 組み立て説明パネル サンプル

このようなソフビ人形を成型する金型も、これだけ多種多様な商品を作っていれば、山の数ほどに在庫として持つ必要がある。ただ金型置き場にも限度がある為に、商品化から一定期間を過ぎれば、廃棄するようにしている事だろう。その為に同じ形の人形が長く発売されず、次々に新しい形へと生まれ変わっていく循環にもなっている。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく サンプル品

このような模型は人類が触れ合う物、全てを再現できる。ただそのフィギュアを作るとなった場合には、採算性や斬新さなども考慮され、そういった検討を踏まえて生産に踏み切られたりボツになったりするのである。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 名言 創造

『遊び』という言葉は勤勉さを尊く日本人コミュニティの中では、悪いイメージが勝手に植え付けられている言葉でもある。しかし、遊びを通して人は創造力や色んな経験をし、新しい気付きを発見していくのである。

坂本の猟犬
坂本の猟犬

龍馬殿も『江戸遊学』として江戸に学びに行ったから、あれだけの功績を残せたぜよ!

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく ヱヴァンゲリヲン 女性キャラ フィギュア

こちらは『新世紀エヴァンゲリオン』の女性キャラが、エヴァンゲリオン搭乗時に着る「プラグスーツ」を着た状態のフィギュアが並んでいる。このヱヴァンゲリヲンのアニメ自体は、そこまで女性の色気を強調している内容ではないけど、買う側の購買者達がこのような”ボン・キュッ”というスタイルを欲しがっているのだろう。

 

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく ヱヴァンゲリヲン 女性キャラ フィギュア2

ボクにとって『新世紀エヴァンゲリオン』に全く興味がない時代は、夜中のテレビ番組で放送されていた時にチラっと見た印象では”女性恋愛向け”のようなイメージしかなかった。しかしそれから10年以上も経って、パチンコ台経由でエヴァンゲリオンに興味を持って、アニメや映画まで見まくる事になるとは想像もつかなかったが。。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく ヱヴァンゲリヲン アクション フィギュア

このヱヴァンゲリヲンの作品は、今までにない映像クオリティなどが評価されている声が多いが、個人的にはアニメの中で流れているBGMが特に気に入っているのである。

 

アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の楽曲を担当しているのは、作曲家で音楽プロデューサーでもある「鷺巣 詩郎(さぎす しろう)である。鷺巣詩郎は日本だけではなくパリなどでも音楽活動を行っており、庵野秀明もお気に入りで映画『シン・ゴジラ』でも鷺巣詩郎が楽曲を担当している。

 

『劇場版シンエヴァンゲリオン サントラメドレー』

 

『シン・ゴジラ (Soundtrack)』

坂本の猟犬
坂本の猟犬

2022年に公開された映画『シン・ウルトラマン』も、鷺巣詩郎が音楽を担当しているぜよ!

 

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく ヱヴァンゲリヲン 動物 フィギュア

こういったフィギュアは精巧に作られているので思わず欲しくなってしまうけど、実際に買ったらその時は大満足するが、時間が経過すると埃を被って部屋の隅で佇むだけの置物と化してしまう事が多い。。

オカン
オカン

アンタの部屋のルパン人形も、埃被ってるで!

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 名言

人類は『夢』という理想を追い続けたからこそ、ここまで技術を発展させる事が出来てきた。その中には「そんなバカげた夢なんて、絶対に叶うハズがない!」と言われ続けながらも、夢を追い続けて失敗しても努力を続けてきた人達の功績があって、今のこの快適な世の中が模られているのである。

坂本の猟犬
坂本の猟犬

理想を追い求めて生きなければ、生きている価値はないぜよ!

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 歴史

ソフビ人形はかつては東京周辺の町工場などで手作業で作られてきたが、そのスタッフの高齢化などもあってその業者らもどんどんと廃業してきて、生産環境が大きく変化している。日本でモノづくりを守り続けていきたい海洋堂としては、この高知県南国市で新しくソフビ人形制作の技術力をアップさせて人材を育成する為に、ここにこのような施設を造ったようだ。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 南国市を攻撃するゴジラ模型2

奥に進むと南国市の街模型の中で、暴れ回っているゴジラ模型が展示されていた。ゴジラが最初に映画に登場した頃と比べると、日本の街中の景色が大きく変化している。特に地方では最近ソーラー発電用のパネルが乱造されており、これからのゴジラ映画では街のビルを破壊する光景よりも、ソーラーパネルを破壊する光景の方が多く見られるようになるかもしれない。

坂本の猟犬
坂本の猟犬

ゴジラは自然環境を破壊する人類を攻撃するという設定ぜよ!

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 南国市を攻撃するゴジラ模型

このような怪獣キャラクターも昔の時代だったから多く生まれたけど、現代のように科学が発展した時代に育った子供達は、このような怪獣キャラクターを生み出す発想力は無くなって、「メタバース」という仮想空間内で2D架空キャラを生み出す方向にシフトしていきそうだ。

坂本の猟犬
坂本の猟犬

映画『マトリックス』みたいに、仮想空間の中で生活する時代が来るぜよ!

 

 

 

海洋堂の歴史!

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 海洋堂の歴史説明パネル

今でこそ世界的なフィギュア制作会社として有名な「海洋堂」も、順風満帆な歴史ではなかった。1964年に創業者の宮脇修一氏が貸本屋から模型屋に業種替えし、店内に水槽を設置してプラモの船を走らせたり、店内に広いサーキット場を作ったりして色んな試みが行われてきた。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 海洋堂の歴史説明パネル2

一時は全長180mもある巨大な屋内サーキット場を作るまでなったが、広い場所でリモコンカーを走らせるのはいいけど、操縦する側が遠くまで行ったリモコンカーを見失う事が多くて失敗に終わった。斬新的なアイデアを進める経営者は思いつきをドンドン推進していくが、その代わりに多くの失敗を経験するのである。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 海洋堂の歴史説明パネル3

そして借金だらけとなった海洋堂を救ったのが、当時大流行りした「インベーダーゲーム」だった。

 

この卓上ゲーム機は人の手が殆ど掛からないので、24時間営業し続ければドンドンお金を稼ぐキャッシュマシーンになっていった。今の子供達からすれば家でスマホなどで手軽にゲームで遊べる時代だが、昔はこのようなゲーム機が置いてある場所に行かないと、コンピューターゲームが出来なかった時代があったのだ。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 海洋堂の歴史説明パネル4

そして何とか会社経営が持ちこたえ、1990年代に入ると大ヒットした『チョコエッグ』『北斗の拳・アクションフィギュア』などで波に乗って行く。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 海洋堂の歴史説明パネル5

そして色んなアニメや映画の版権を入手してドンドンとフィギュアを生産していき、また”リボルテック”という顔や手足のパーツを付け替え出来る斬新なフィギュアの開発にも成功して、シェアを拡大していった海洋堂。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 海洋堂の歴史説明パネル6

2010年代になると海洋堂の勢いが更に増していき、日本各地に海洋堂の関連施設を続々と出店していく。ただ昔は日本に比べると製造原価が圧倒的に安かった中国でフィギュアを大量に製造していたが、近年の中国の物価や賃金が上がっている事を受けて、他の展開も視野に入れて動いている事だろう。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 海洋堂の歴史説明パネル7

そして2020年に入ると、ある投資ファンドと資本提携を行い、その投資ファンド側から出向の社長を迎え入れる。これからの多角的経営スタイルを目指す海洋堂としては、個性溢れる創業者の息子で”センム”の愛称でも親しまれる宮脇修氏の個人的な経営センスに頼るのではなく、経営に慣れたプロに任せていく方針のようだ。

坂本の猟犬
坂本の猟犬

町工場の創業者が優れた経営者になるとは限らんぜよ!

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 十代目松本幸四郎 襲名記念 等身大フィギュア

そして1階フロアの奥には、このような等身大の歌舞伎人形が置かれていた。

 

こちらは2018年に『十代目:松本幸四郎』を襲名した、旧:市川染五郎を記念して作られたフィギュアだった。

オカン
オカン

歌舞伎役者も次々に名前替わるから、ややこしいわ!

 

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 十代目松本幸四郎 襲名記念 等身大フィギュア 斜め

今まではこのような等身大人形は銅像などでよく見られたが、これからの時代は銅像ではなく、このような色付きのフィギュアの割合が増えていくのかもしれない。ただこのように色が塗装されているフィギュアを屋外に設置しておくと、日々照り付ける太陽光で塗装されたペンキが退光してしまうので、屋内にしか飾られないだろうが。

 

高知県南国市 海洋堂SpaceFactoryなんこく 十代目松本幸四郎 襲名記念 等身大フィギュア 顔

なかなかにリアルな顔つきで、これで目が動いたら驚いてしまいそうなクオリティーとなっている。観光客向け施設などで蝋人形や安易な造りの人形が見られたけど、これからはこのような着色されたフィギュアを見る機会が多くなるのかもしれない。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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