スリランカ旅行記:5日目
クラブツーリズムツアー「お1人様参加限定:スリランカ6日間」-2020年2月6~11日
大津波の記憶
さてスリランカ旅5日目の最初の目的地は、コロンボに向かう湾岸線沿いの途中にある場所。
ヒッカドゥワの津波本願寺仏舎
まずはここヒッカドゥワ(Hikkaduwa)にあるこちらの仏像は、「津波本願寺仏舎」(Tsunami Honganji Viharaya)と呼ばれていて日本の本願寺が建立に参加したものだそうだ。
ここは寺院じゃないけど、仏教の神聖なる場所と同じように短パンや露出の多い服装は避けるよう書かれている。
池の中に高さ18.5mの仏像が造られている。この辺りで見かける仏像にしてはサイズが大きいものである。
そして横には「Tsunami Honganji Viharaya」と、日本の国旗が入った記念碑が建てられている。
大津波がスリランカを襲った翌年にスリランカを訪れた、明仁上皇の従兄弟にあたる浄土真宗大谷本願寺派本山:本願寺第二十五世法主「大谷暢順」が日本外務省の後押しもあって、スリランカ政府と共同でこの地に仏舎を建てる事になった。
その経緯がこちらに彫られている。2006年の末にスリランカの大統領を始め約1,000人の参列者と共に、落慶法要が行われたという。
ここでは特に入場料も必要なく、隣に小さな資料館があったけど、そこも別に費用は不要だった。
ワシの像は見世物ではないんじゃ!
津波資料館にて
池の横には簡易な小屋が建てられていて、そこには津波後の生々しい写真が壁一面に飾られていた。
2004年12月26日のインドネシア西部時間で7時58分53秒にスマトラ島沖で起こった地震は、地震発生後2~3時間後に津波としてスリランカに達する。それまでスリランカに大津波が襲ってきたのは約2,000年前に一度だけあったらしいけど、実際に大きな津波をスリランカの人々が目にしたのはその時が初めてであった。
スリランカの海岸線でも最も津波が高かった場所には、高さ約5~15m程の津波が襲いかかったという。その”TSUNAMI”の衝撃は強く、このように線路をガタガタにし、多くの建物や人々を海へと引きずり込んでいったそうだ。
そんな大津波でスリランカで死亡した人は約40,000人に上る。そこまで被害が拡大したのはこの辺りの海岸線を欧米人向けのリゾート地として開拓されていた為に、海岸線に植わっていた木や土砂などを撤去し、ビーチやホテルに造り替えた為に津波の威力を抑える事なく内陸地まで伝わって行ったそうだ。
そして”津波(TSUNAMI)”という言葉自体がスリランカの人々に知られていなかった事もあり、ある調査によると生存者の約20%が津波を見に行ったのだという。「不思議な現象が海で起きている!」という事を聞いて、人々は海岸線に出ていったそうだ。
多くの被害後の写真が飾られている。ここでは被害者の遺体がトラックに運搬されたりという、生々しい写真までもが普通に展示されていた。そんな写真で死体が写っているのは見たがらない人もいたけど、どんな時も目を反らしたくはないボクはしっかりその光景を目に焼き付ける。
人類からしたら恐ろしい災害だけど、その悲惨な経験を後世に活かしていくんじゃ!
そして池の中に立つ18.5mの仏像に近づく。ここはあまり観光で来るスポットでもないのか、他に観光客は来ていなかった。
そして仏像の足元に行こうかと思ったけど、ここでも靴を脱いで脱帽しないといけないようだ。今日は帰国する日で靴下をあまり汚したくなかったので、ここから先へは立ち入らないようにした。
タイではマングローブ林が津波の勢いを吸収し、その内陸地方の津波による被害を低下させたという。その為にタイではこの件以降、マングローブを保護して植樹する方針を打ち出したという。
こちらは津波の資料館で、何とも簡素な建物である。中にいたオジチャンも歯が抜けて汚らしい感じだったけど、一応説明は英語でしてくれた。
さて今回の旅でスリランカでは最初から最後までアテンドしてくれた、現地ガイドのパリタさん。ヨーロッパだと現地ガイドさんは訪れる都市毎に変わるけど、それ以外の大陸だとこのように同じ現地ガイドさんがず~~っと案内してくれるので、最後の頃にはとても仲良くなってくるのである。
世界各国から津波による被害の義援金が約2500億円も集まった。しかしスリランカでも日本と同じようにその内約500億円が使途不明金となっており、更に約600億円が津波の被害とは全く関係ない事に使われたという。
海岸線から内陸地への方へ少し進むと、ゴールとコロンボを結ぶ鉄道の線路が見えてきた。こちらの路線が先程津波の資料館にあった写真で、線路がガタガタに曲がっていた場所である。
この津波が襲ってきた時に線路を走っていた列車は転覆したが、被害は免れたそうだ。それを見た地元住民が「列車内にいれば安全だ!」と考えて、列車内や入りきれない人は列車の屋根に上ったという。しかし津波の第二波がその後にやって来た時に、その列車は津波に呑まれてしまい約1,000人近くがそれにより死亡したという。
スリランカでも珍しい高速道路へ
さてスリランカでは珍しい高速道路にここから乗って行くようです。こちらは2011年11月に開業した「南部高速道路(Southern Expressway)」で、コロンボ~ゴール間を繋ぐスリランカで初めての高速道路である。コロンボ~ゴール間(116 km)で今までは3時間半掛かっていた時間が、この高速道路の完成で約1時間程度に短縮するという。ちなみにこの高速道路の建設には日本の大成建設も関わっている。
そして大成建設のテレビ・コマーシャルでは、あの「君の名は。」で有名になった新海誠氏が監督した30秒CMが作られている。
大成建設:スリランカ高速道路編 動画
唯一のサービスエリアにて
そしてそんなスリランカの高速道路を走る事、約30分でスリランカ国内で唯一のサービスエリアに到着します。
こちらには現地の高校生と見られる集団が居たけど、「ア~ユ~ボ~ワン」(こんにちわ!)というこちらの挨拶に全然反応しなかった。この時は全然気にしていなかったけど、スリランカではシンハラ語とタミル語も公用語(+英語も)になっていて、タミル人にはタミル語の挨拶をしないといけなかったのかもしれない。
ここは唯一のサービスエリアでまだ建物は新しくて綺麗だったけど、全然お客さんの姿は無かった。それだけ高速道路の利用客が少ないのか? それともサービスエリアでゆっくり休憩するという文化がないのか?
トイレ休憩と共に少し時間があったのでサービスエリア内のお店を、ちょっと覗いてみる。こちらにはキャンディアン・ダンスをしているような、腰から上がバブルヘッド人形のように動く人形が置いてある。
今まで街中のお土産屋で見てきた服などは、ちょっと安っぽかった物やイマイチなデザインの物ばかりだったけど、ここはちょっとマシそうな物が置いてあるようだ。
だけど今更買い物モードにはならなかった。ただこのサービスエリアで一番人気だったのが、アイスクリームであった。”常に笑顔の奥様”はバスに乗る前にアイスクリームを買って、バス車内に持ち込んで食べていた。ただこういったアイスクリームなど、車内を汚す可能性がある飲食はドライバーに怒られる可能性があるので、海外では慎重にすべきである。
現時点ではまだ150kmの総延長距離しか造られていないスリランカの高速道路。慢性的な渋滞解消と共に経済発展の為には、高速道路の敷設が課題であるスリランカ。ただし資金面の問題もあり、なかなか国中に行き渡る事にはなりそうにないみたい。
渋滞の解消には地下鉄や高速道の敷設が必要になるが、それの費用を払えるだけの経済力が必要になる。目立った工業製品も無いスリランカでは、当分の間は難しいだろう。
そんなサービスエリアにも仏像が置かれていた。しかもわざわざ傘が付けられていたのは、屋根を造らなかった事への罪滅ぼしのような気持ちがあったのかもしれない。
こちらにはYAMAHA(ヤマハ)製の白バイが置かれていた。さすがに外国に来ると地元の警官とかと「一緒に写真を撮ろうっ!」というのは気が引けるけど、”ちょい悪風オジサン”は白バイ隊員と記念写真を嬉しそうに撮っていた。
横では先程見かけた高校生のような団体に喋りかけたいけど、上手い事ポケトークが使いこなせずにモジモジしている”マジシャン会長オジサン”の姿が見える。
現代人はこのような物に頼るから、言葉が上達しないんじゃ!
再びコロンボへ向けて高速道路を疾走
ご覧のように高速道路の利用者があまりいないから、とても空いていた高速道路。
スリランカはこの高速道路敷設により、それをどれだけ経済発展に繋げていけるかがこれからの勝負の分かれ目かもしれない。そうでなければ中国資本を受け入れての、属国扱いにならざるを得ない道が待ち受けているだろう。
こちらが高速道路の出口だけど、残念ながらコロンボの街の中心部までは延伸していない。この高速道路を造る際に住居だった場所を移転させたりしているので、コロンボ中心部まで延伸しようとすると莫大な費用が掛かるのだろう。
そして高速道路からコロンボの街へ向けて進むと、あっという間に渋滞に巻き込まれてくる。
混み合うコロンボ周辺の道路 動画
混み合う街でよく目にする、このオート三輪。経済的に貧しい国だからこの三輪が活躍して混雑するのか? それとも混雑する街に向いているから、オート三輪がこれだけ普及するのか?
混み合うコロンボ周辺の道路2 動画
そして高速道路に乗ってから約2時間後に、コロンボの街の外れにあるレストランに到着します。
こちらの看板を見ると「SAKURA」とあり日本食レストランのようですが、表記としてはチャイニーズ・レストランを主張するお店のようです。
こんな旅はまた次回に続きます!
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