東京旅(2022年11月)-6
訪問:2022年11月
無料の資料館!
ここは品川区内にある、味の素の歴史が学べる「食とくらしの小さな博物館」。
「食とくらしの小さな博物館」の見学!
今では普通にスーパーなどで陳列されて見る事のできる「味の素」だけど、最初は製造工程などでとても苦労したようだ。
ちなみにこちらは1909年に初めて出した新聞広告で、その当時はまだ「味の素」ではなく、「鈴木商店」という名前だったようだ。
明治時代の終わり頃に”グルタミン酸ナトリウム”の製造販売で特許を取得したあとは、海外でも次々に特許を取得していく。
このように先に海外に打って出る視野を持っていた創業者だからこそ、今では世界的な企業になっているのだろう。
こちらは初期の「味の素」で、”池田博士発明”などという文字が入れられている所が、昔の商品らしい面影を残している。
1910年頃の発売当初の「味の素」で、薬品用のガラス瓶に入れられて流通していたという。
こちらは宮内省御用品の「味の素」で、1927年になって宮内省から”買い上げ品指定”を受ける事になる。
それによって毎年3回の上納が行われ、川崎工場内で専用スペースが設けられて、宮内省御用品「味の素」が造られていたという。
味の素も当初は「蛇」が使われているなどの悪評が拡がり、あまり順風満帆なスタートではなかったという。
しかし、宮内省御用品などで社会的に認められていく毎にそのような悪評は少なくなり、一般家庭に定着していく事となる。
こちらは1939年に開発された「ボール紙缶」で、それまでの瓶や缶からエコに時代を先取りして鞍替えしたのかと思ってしまうけど、実は激しくなってきた戦争の影響で従来の容器の素材が手に入らなくなり、苦肉の策として”ボール紙”が使われるようになったという。
のちに戦争で戦うアメリカにも、このように缶詰め製品として出荷されていた「味の素」。
「AJI」という大きなアルファベットと共に、「A VEGETABLE PROTEIN」という文字が入れられていたようだ。
野菜のプロテインか?!
当初は”グルタミン酸ナトリウム”単体の調味料を販売してきた味の素も、戦後に物品税が全廃された事で競争が激化した事を受けて新製品の開発に動き出す。
そして1960年に鰹節の「旨味成分」である『イノシン酸(inosinic acid)』を2%混ぜた、”複合調味料”を開発する事になる。
味の素もその製法で特許を取得しているものの、後年に開発された他社の製造方法の方がより優れた手法だった為に、優位性が無くなり苦境に立たされる事になる。
その為に「味の素」の単一商品だけではなく、こちらにもあるような「コンソメスープ」や「みそ汁」なども製造していき、企業として大きく成長していく要因となる。
こちらには19世紀の終わりに、アメリカの「ジョン・ハーヴェイ・ケロッグ博士」によって開発された、シリアル食品の代名詞である「ケロッグ:コーンフレーク」のパッケージも見られた。
このパッケージには「味の素」のロゴが入っているが、1962年に日本法人が設立された当時から味の素と販売契約を結んでいた為である。
しかし2020年に両社の提携は解消され、約60年も続いた関係に終止符が打たれている。。
日本人にはあまりコーンフレーク文化が根付かないからさ!
それ以外にも、「冷凍のハンバーグ」や沖縄限定品「マーガリン」など、食品関係にどんどん進出していった味の素。
更には「サラダ油」や「天ぷら油」も発売し、味の素とのセットで”お歳暮ギフト”が開発されていった。
昔はよくお歳暮を贈り合う文化があったのにな。。
そして商品が増える程に、このような広告宣伝も大量に使うようになっていく。
このような宣伝広告費にはどれだけの効果があるのかは分からないけど、少なくとも儲かっていた高度経済成長期の企業では、税金対策も兼ねて奨励されていたのかもしれない。
昔は会社の金での接待だらけな毎日でした・・・
そして日本国内は敗戦国から高度経済成長期を迎えて最盛期を迎えた頃には、国内には色んな物が溢れる時代となっていた事もあって、多種多様なライフスタイルが生まれていく事になる。
こちらはボクら世代にとっては、小学校時代にとてもお世話になった「ファミリーコンピューター」の本体である。
【ファミコン】名作10選レビュー
ファミコンのゲームも今から見ると単純なゲームが多いけど、逆にその単純な仕組みの中に、今でもやりたくなってしまう程の”中毒性”と、シンプルな音源に今でもハマる人が多いようだ。
こちらの「ほんだし 鰹まる」は1970年頃の発売開始からロングラン商品だったが、2017年頃に終売となってしまっているようだ。
このように今見られる販売されている商品群も、全てが生き残ってきた訳ではなくて、猛烈な競争を生き抜いてきた商品だけが残っているという訳である。
こちらの「ビックリマンチョコ」は味の素の商品ではなく、ロッテの商品であるが、これもボク世代に一世風靡した懐かしいお菓子である。
そんな風に味の素の歴史と共に、その時代の移り変わりなども学べる「食とくらしの小さな博物館」。
東京都にはこのような無料の博物館が何軒もあるので、このインフレ時代にはこういった無料の見学できる場所をフル活用しない理由はないのである。
なお、味の素食の文化センターの中には、日本庭園のような庭が造られており、更にはこのように水が流れ落ちる景色まで見られる素晴らしい場所となっていた。
こんな旅はまた次回に続きます!
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2022年11月上旬に訪れた、2泊3日の東京旅です。