無料で「味の素」の歴史が学べる『食とくらしの小さな博物館』を訪問【東京旅⑤】

東京旅(2022年11月)-5

訪問:2022年11月

無料の資料館!

品川区 味の素食の文化センター 外観

東京都品川区で朝イチに物流博物館の見学を終えて、次は近くにある「味の素食の文化センター」にやって来た。

ここは味の素グループの研修施設になっている建物で、この中には「食とくらしの小さな博物館」という無料の資料館も併設されているのだ。

 

【食とくらしの小さな博物館】

住所:東京都港区高輪3-13-65
営業時間:10時~17時頃(※定休日:日曜&祝日)
電話番号:03-5488-7305
入館料:無料/予約不要
写真撮影はOKとNGあり

 

 

 

「食とくらしの小さな博物館」の見学!

品川区 味の素食の文化センター 外観 入口

東京都内には調べてみると、そこそこに大企業の資料館や博物館が設置されている。

しかも”入場料無料”という所が多いので、下手な博物館巡りをするよりもコスパが良くて、更には思ってもみなかったほどの勉強ができる場所ともなっている。

江戸春男
江戸春男

このインフレ時代に『入場無料』という言葉はソソルぜ!

 

品川区 味の素食の文化センター  看板

まずは建物内の受付で記帳を行い、それから手荷物はコインロッカーに預ける必要がある。

勿論コインロッカーは無料で使えるので、邪魔な手荷物はここで全て預けよう。

 

品川区 味の素食の文化センター 展示室

そしてまずは「日本の食文化」という常設展から、見学を開始していく。

 

「味の素」というと世界を代表する”調味料”メーカーであるが、我が家ではオカンがそのような調味料を使わない人間なので、実は殆ど口にした事がないのである。。

オカン
オカン

人工的な調味料は使わヘンで!

 

品川区 味の素食の文化センター 展示室 江戸錦絵の顔出しPOP

まずは「日本の食文化」入口脇に設置されていた、こちらの”大江戸錦絵”の顔出しパネルでオカンの記念撮影を行う。

 

品川区 味の素食の文化センター 江戸時代の寿司サンプル展示品

部屋の中に入ると、江戸時代に一般的に食べられていたと考えられる寿司サンプルが展示されていた。

寿司というと日本人にはお馴染みの食べ物であるが、時代によってその内容も変化があったと考えられている。

 

品川区 味の素食の文化センター 江戸時代の寿司サンプル展示品2

鮎の握り寿司なんかもあったらしく、しかも豪快にこのように一匹丸々がシャリの上に載っていたという。

ただ江戸時代は現代みたいに冷凍/冷蔵システムが未達だったので、海鮮系のネタは海や川に近い所でしか鮮度の良い物は食べれなかっただろう。

 

 

品川区 味の素食の文化センター 「日本の食文化」展示室

それとこんな無料の味の素の博物館も、他に訪れているお客は殆ど見かけなかった。

あまり知名度がないからか、それともコロナ禍の影響で来客数が少ないのかは分からないけど、世の中の人々はあまり”入場無料の博物館”自体に興味を示さないのかもしれない。。

 

品川区 味の素食の文化センター 「日本の食文化」展示室 ポスター

江戸時代はそれまでの戦乱時代とは打って変わって平穏な時代となり、江戸時代後半には栄えた都の江戸は全国から多くの食材が集まってきて、食文化も大きく花開く事になる。

 

品川区 味の素食の文化センター 「日本の食文化」展示室 弁当箱

そんな人と食材が多く集まった江戸では、色んな食べ物が凝って作られるようになっていく。

こちらは残された江戸時代の資料を基に、再現した「江戸時代の花見弁当」となっている。

 

品川区 味の素食の文化センター 「日本の食文化」 錦絵

特に江戸っ子は『宵越しの銭を持たない』という気質だったので、色んな事に豪快にお金を使い、代わりに満足感を得ていたと考えられている。

芸術と同じように食文化も一部の人達が贅沢にもお金を費やした事から、色んな発展を遂げていく。

 

品川区 味の素食の文化センター 「日本の食文化」 蒲焼の写真

”鰻の蒲焼き”室町時代には、鰻はそのまま串に刺して焼いているだけだったという。

ちなみに”蒲焼き”とは、その串に刺して焼いている姿が、がま科の多年生植物「蒲(がま)に似ていた事から由来しているとか。

 

品川区 味の素食の文化センター 「日本の食文化」 錦絵2

それが江戸時代になると、鰻を開いて串に刺して焼く現在のスタイルになったという。

鰻屋では”匂いで鰻を食わせる”という程に、鰻を焼く時の匂いを店先に充満させて、通り掛かりのお客の胃袋を捕まえていたようだ。

 

品川区 味の素「食とくらしの小さな博物館」 入口

そんな小さな展示室を観てから階を移動し、可愛らしいパンダのPOPが見られる「食とくらしの小さな博物館」の部屋に進んで行く。

 

品川区 味の素「食とくらしの小さな博物館」 入口

個人的には「味の素」という調味料と普段関りがないだけに、「味の素ってどんな物なのか?」と興味深々であった。

 

 

品川区 味の素「食とくらしの小さな博物館」 道明寺甕

調味料「味の素」は”昆布の旨味成分”である『グルタミン酸ナトリウム(C5H8NNaO4)』を発見した事が始まりとなっており、昔の塩酸を使う製法では容器が腐食してしまう問題があり、その為に腐食しにくい「道明寺甕」という愛知県常滑市で作られている粘土製の甕を使うようになった。

 

品川区 味の素「食とくらしの小さな博物館」 道明寺甕 昔の写真

こちらは昔の”味の素”を製造している様子の写真であるが、同じく道明寺甕も全て手作りだった為に品質が安定しておらず、毎日の作業中に1~2個は割れてしまう物が出ていたという。

 

品川区 味の素「食とくらしの小さな博物館」 道明寺甕の内側

そんな品質の良くなかった道明寺甕を長く使う為に、当時は甕の外側に針金やロープを巻いて、更に外側を漆喰で固めて使っていたという。

江戸春男
江戸春男

昔の人達は、物を大事に長く使ってたのさ!

 

品川区 味の素「食とくらしの小さな博物館」 展示室内観

このように”うま味調味料”からスタートした会社も、今では世界中に進出しており、連結子会社も合わせて総売り上げは年間1兆円を超える規模にまで成長している。

 

品川区 味の素「食とくらしの小さな博物館」 展示室内観 昔の家庭

こちらの展示室には、昔お馴染みの家族団らんの部屋が再現されていた。

昔の根性アニメなどでお馴染みの光景であるが、今ではまず一般家庭では見られない光景ともなっている。

 

品川区 味の素「食とくらしの小さな博物館」 展示室内観 昔の家庭 ちゃぶ台

漫画『巨人の星』では、主人公:星飛雄馬の父親である星一徹が、このちゃぶ台をひっくり返す「ちゃぶ台返し!」が代名詞ともなっていたが、今では大きなダイニングテーブルが主流となっている家庭が多いので見る機会が少なくなってきている。

 

【公式】巨人の星 第1話「めざせ栄光の星」

江戸春男
江戸春男

巨人軍も、もう憧れのチームでも無くなったしな・・・

 

品川区 味の素「食とくらしの小さな博物館」  昔の味の素のデザイン

こちらは「味の素」で使われていた昔の広告が掲載されていた。

このような「広告」という概念も近代に大きく発展していった産業である。

 

品川区 味の素「食とくらしの小さな博物館」  試験結果報告書

こちらは明治41年にグルタミン酸ナトリウムを主要成分とする調味料で、”衛生上無害”であるという認可を取った書類である。

 

品川区 味の素「食とくらしの小さな博物館」  味の素 創業者の写真

グルタミン酸ナトリウムを主成分とする調味料は、写真右側の東京帝国大学「池田菊苗」が開発し、特許を出願して明治41年に特許登録された。

そしてその技術を委託された、写真左の「鈴木三郎助」が『味の素』という商品名で製造販売していく事になる。

 

品川区 味の素「食とくらしの小さな博物館」  味の素 特許許可書

特許を取得した池田菊苗は、幼い頃より”昆布のだし”の旨さに憑りつかれ、最終的にその旨味成分である「グルタミン酸ナトリウム」発見の第一人者となる。

江戸春男
江戸春男

いつの時代も”マニア”が新しい物を開発していくのさ!

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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東京旅(2022)

2022年11月上旬に訪れた、2泊3日の東京旅です。

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