九州縦断旅:大分編
旅行期間:2020年8月中旬
家庭円満を祈る場所は紅葉がキレイ?!
今回も大分県の国東半島にある両子寺の様子をお伝えします。この訪問時は真夏時だったので他の訪問客はあまり見かけませんでしたが、この両子寺は”全国森林浴の森百選”というのにも選ばれている位に広い境内に生えている紅葉などの植物が豊富で、それを見に秋に訪れる人が多い場所でもある。
大分県の両子寺境内にて
こちらの石には「花が開けば蝶が来て、佛のお教えに人歩む~~~」と文字が彫られている。この石碑はそこそこな年代物のような外観をしていた。
この両子寺は夫婦円満や子宝成就の御利益がある所らしく、境内に入ってすぐの場所にはこのようにハート型した絵馬が飾られているのが見えてくる。カップルなどがその関係を強化したいと思って来る、人気スポットのようだ。
道祖神の石碑
そんな夫婦円満・子孫繁栄・縁結びなどの御利益を演出しているのが、こちらの石に刻まれた仲睦まじい姿をしたカップル。これは『道祖神(どうそじん/さいのかみ)』と呼ばれていて、一般的には道端に祀られていて村や町に邪気や悪霊が入るのを防ぐ為に昔の人たちが置いていたもの。
そんな道祖神は悪霊などを村に入れない役割と共に、害虫などを防ぐ為に村に豊作をもたらす。そして夫婦円満・子孫繁栄も結果的に農業の担い手を増やすことになり、それが豊作に繋がるという事で一緒に信仰されている。
こちらの看板にはこの道祖神は信州辺りで信仰されていた神様がモデルとされていると書かれている。神様も色んな所からのルーツがあり、それが新しい地方に行って更にその土地柄要素がプラスされて、どんどん御利益がある神様へと変貌していくのだろう。
この両子寺は境内に入ってから早速沢山の石像などが見られる。こちらにはどこかの僧侶のような像が置かれている。
そんな僧侶の像辺りには「両子寺七不思議:しぐれもみじ」と書かれた看板が置かれており、秋頃の紅葉シーズンにはこの辺りのもみじを見に来る人が多いようだ。
今は真夏だったのでまだまだ全然赤くはなく緑色だったもみじの葉っぱが、たくさん生い茂っているのが見える。
境内奥へと進む道には、その両脇に大きな木々が生えていて、森林浴を楽しめる寺という感じを受ける。結構広い境内の両子寺だけに、のんびりとした雰囲気が落ち着きを与えてくれるようにも感じれる境内である。
そんな気持ちいい境内奥へと進んでいくと、少し先に石で出来ている橋が見えてくる。これは石橋というよりも大きな1枚岩が橋として敷かれているだけのように見える・・・。
両子寺の「鬼岩」 動画
この1枚岩の橋は『鬼橋』と呼ばれていて、昔に力持ちだった僧侶が山で大きな1枚岩を見つけてきて、ここに設置したという伝説が残されているそうだ。橋としての距離は短いけど、初めてこの橋を見ると渡るのが少し怖そうに見えてしまう橋である。
ただし鬼橋の注意書きにはこの橋が崩れる云々の心配事は書かれていなくて、普通の岩なだけに万が一滑って怪我をする可能性があると書かれていた。という事はこの鬼橋は普通に渡る分には特に問題がないという事だろう。
そんな1枚岩の鬼橋の上に立って、下を流れるチョロチョロとした水の流れを見つめる。そして手前にはまだ新しめの小さな橋が掛けられているので、もしこの鬼橋を渡るのが怖いと思う人はこの橋を使えばいいようだ。
この両子寺は奥にある標高721mの両子山の麓に造られている。勿論その両子山に登る事もできるが、今回はあくまでも寺を見学に来ただけなので山の方には向かわずに石段100段ほど登った所にある奥の院を目指すとする。
そんな奥の院を目指して階段を登っていると、まずは口を閉ざしている吽形像が見えてきた。こちらは両子寺の入口前門脇にあった2mを超える筋肉隆々の阿吽像とは違い、なんとも可愛らしい感じを受ける阿吽像のようだ。
そんな吽形像の反対側に位置するのは、口を開けた阿形像。こちらの像は造られた年代は不明であるが、像に生えている苔などの模様を見ていると、これもそれなりに年代物のような雰囲気が出ている。
こちらは両子寺稲荷堂の赤い鳥居。ここでも相変わらずドコでも見られるように、この鳥居の上に石ころが沢山乗っかっている光景が見られた。これは迷信好きな人がやっているのか、それとも子供の遊び心でやった跡なのか?!
さてそれはさておき奥の院へと繋がる石段を登っていきます。周りを囲む緑色の木々と共に、足元の石段にも所々に苔が生えていて、緑一色のような景色がまた心を癒してくれるかのようです。
上に登る途中に見られた、こちらの石の仏像も苔というか植物がビッシリとこびりついていたので、これも相当な年代物のように感じる。
そんな景色や森林浴を楽しみながら進んでいくと、奥の院の鳥居が出迎えてくれる。ここを訪れた時は真夏だったけど、頭上には背の高い木々が沢山の葉っぱを茂らしていたので、あまり直射日光が当たらなくて意外と涼しく感じれた。
木は天然の日傘のようだね!
奥の院へと繋がる石段は、見てもらったら分かるように結構急な傾斜となっている。また石段にはこのように苔や植物がビッシリとこびりついていて、万が一足を滑らせたらいけないので、なるべくこの手すりは持って登った方がいいかもしれない。
先程の急な石段を登り終えると、さすがに額に汗が噴き出してきた。しかし動いて汗が出てくる事に関しては、なんとなく清々しくも感じる。人によっては噴き出てきた汗をすぐタオルで拭き取るけど、ボクは基本的にあまり出てきた汗はぬぐわないようにしている。というのも汗が出てくるのは熱くなった体温を冷ます為の役割があるので、それをすぐにタオルで拭き取るとせっかくの人類が長い時間を掛けて育んできた身機能が不全に陥ってしまうような気がするからである。
この両子寺境内は結構広くて、さっき看板のあった「両子寺七不思議」が数か所に点在しているようだ。今回はお供している”エロ坊主オジサン”が駐車場でボクの帰りを待ちわびているだろうからと奥まで進まなかったけど、この広い境内を一周して回ると結構いい時間がかかりそうな場所のようだ。
この看板の脇には霊場へと繋がる急な階段があった。
これが1人で来ていたなら、この怪しい坂道を進んでいったかもしれないな・・・
てっきり奥まで行くもんだと思って、時間潰しに周辺を散歩してたんだよ!
この狭くて苔がこびりついた、多くの人たちが踏破して摩耗した感じの石段がなんとも言えない雰囲気を醸し出している。こういうのを見ると進みたくて仕方がなくなるのである。もし先に危ない道があったら、それはそれで引き返せばいいだけだし。
両子寺の奥の院にて
先程の脇道をとりあえず無視して進むと、古そうな本堂の建物が見えてきた。時期が時期だけに、ここにも全然人がいなかった。
この奥の院があった場所は元々は岩場だった場所らしく、それをくり抜いて1846年に旧杵築藩主松平公の寄進で建てられた建物だという。建物内には千手観音立像などもあり、不老不死を祈る場所でもあるとか。
この奥の院は九州西国の観音霊場となっていて、それで参拝客が後を絶たない場所だそうだ。ボクは神様への祈りには興味がないけど、こういう霊場を巡るのが好きな信仰深い人達にはたまらない場所なんだろう。
奥の院建物脇には、本堂裏の洞窟へと繋がる扉が開いている。この奥にある「奥の院岩屋洞窟」には石像千手観音と不老長寿の湧き水である霊水があるという。不老長寿は人間の果てない欲望の象徴のように思う。死なない人間はいないし、年を取らない人間もいない。権力者であればある程に、昔から夢見てきた不老長寿。
もしここの水にそんな不老不死の御利益が本当にあるのであれば、地球上の人類達が挙ってここの水を飲みに来ているハズ。ただ周りを見渡しても誰も見かけなかったので、ここのお水はあくまで言い伝えレベルであり、そんな不老不死の効用はないようだ・・・。
奥の院の裏側に回ってみると、洞窟に造られただけあって岩との隙間が狭い通路となっている。幅としては1人ずつ通らざるを得ない程である。
そのせり出した岩の先へと進むと、なにやら石像やロウソクを置く台などが見えてくる。どうやらこの辺りに湧き出てくる、不老不死への希望を持たせてくれるという霊水があるハズ・・。
後ろの棚には石を彫って造った千手観音像が並べられていて、右側奥の穴に水が溜まっているようだ。説明書きなどが無かった為に断定はできないが、この中の水が不老不死へと願いを託す霊水のようだ。
真夏シーズンは気温がとても暑いけど、このように緑に囲まれて川が流れている場所は、直射日光も当たらずに水がある影響もあって涼しい。そして鳴り響く蝉の鳴き声が暑苦しい夏のイメージを演出してくれるけど、このような緑に囲まれているとその暑さを軽減してくれているので気持ちよく感じれる瞬間でもある。
この両子寺境内は『国東半島両子山遊歩道』として”森林浴の森日本100選”(林野庁&緑の文明学会&地球環境財団が1986年に制定)に選ばれているだけあって、緑が豊富である。勿論このように頭上を見上げると木々が広がっているが、足元を見ても石段や通路に苔などが生えていて緑色になっている光景がいい感じである。
こちらは先程渡った、1枚岩の鬼橋。普通の体格の人間が普通に渡る分には、まずこの1枚岩は割れる心配はなさそうに感じる重厚感を感じれる。ただ小錦のような体格の人が上で何千回と飛び跳ねると、もしかしたら亀裂が入ったりするかもしれないが・・・。
紅葉シーズンには多くの観光客がやって来る両子寺だったけど真夏の、しかもコロナ禍の中ではほとんど訪問客がいなかった時。ただ2020年の紅葉シーズンはコロナ禍も一旦収まり、GO TOトラベルキャンペーンの影響で赤くて綺麗な光景を見ようと、多くの観光客がこの両子寺を訪れたようだが・・・。
こんな旅はまた次回に続きます!
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