九州縦断旅:北九州編
旅行期間:2020年8月13~23日
福岡県と山口県の境
人生40年で初めて訪れる関門海峡。飛行機網が発達した現代の時代においても、中央の船舶に見えるように海運業は未だに盛んで、目の前の関門海峡を渡る商船がひっきりなしに行き交っていました。ただ関門海峡は流れが激しい場所なので今でも潮に流されて座礁する船が絶たないそうだ。
関門橋の袂にて
本当はこの関門橋の上を歩きたかったのだけど、この橋は残念ながら自動車専用高速道路となっていて、徒歩での歩行者は侵入禁止になっている。車から見る景色もいいけど、自分の足で歩いて眺める景色はより記憶に残るように感じる今日この頃。

その関門橋の袂近くに岩がゴロゴロと置かれた場所がある。何の岩だろうか?!
横に説明板があり「産湯井」や「平家の一杯水」と呼ばれた井戸跡だという。この場所は日本の義務教育を経た人だったら絶対知っている”壇ノ浦の戦い”があった場所でもある。

壇ノ浦の戦いは1185年に行われた、栄華を極めた平家が源家によって滅亡に至らされた戦い。最近は海外の歴史のお勉強が多いけど、国内の歴史もなかなか勉強するに値する濃さがある。
さてその遊歩道を歩いて関門橋の袂にやってくる。夏場でなければここから関門海峡の潮の流れを眺めれるスポットなので人で賑わう場所だが、真夏の昼間は暑すぎて全然人が居ない。。
この関門橋は自動車専用道路なので勿論歩行者は登る事が出来ないが、高い場所にあるので強風が吹き付ける時には通行禁止になる場合があるという。その時は代替えとして地下のトンネルに切り替えられる。
個人的にはポルトの街に架かるドンルイス1世橋のように、その内に人が通れるようになって関門海峡を橋の上からゆっくり眺める事が出来るようになって欲しい。
和布刈神社にて
その関門橋の下を抜けると直ぐ目の前に、和布刈神事でも有名な和布刈神社が現れる。
この和布刈神社の起源は何と約1800年前にあるという、歴史的な神社でもある。九州でも一番北端にある神社である。
見学がてらに和布刈神社の境内へと進んで行きます。ここへは徒歩ではなく自動車に乗ってやって来る人が大半のようで、駐車場と化していた。
その入口にはこのような大きく育った木が、何ともいい感じの雰囲気を醸し出している。
巨大な岩にはしめ縄が付けられて、まるでこの木を背負っているようにも見える。
立地的にはこの関門海峡を横断する、関門トンネルや関門橋を祀る神社のようにも思える和布刈神社。さすがに関門橋もこの神社を跨ぐようには造られなかったようだ。
和布刈神社の境内にはまた鳥居があり、その奥には本堂が見えます。ボクはあまり神の存在など気にしないけど、”エロ坊主オジサン”など昔の人達は神社に行くと毎回真面目に手を合わせて礼をしたりする。そういう姿を見ると、みんな普段は真面目に生きているんだな~~と感じる瞬間でもある。

そりゃ日本人なら、神社で手を合わしてお祈りするのが常識やけ!
こちらは和布刈神社の案内板。この説明によると神事で刈り取られるワカメは万物に先んじて芽を出して、自然に繁殖する為に幸福を招くと昔から考えられていたそうだ。約1300年前にはここで刈られたワカメが朝廷に献上されたという記録も残っているそうだ。
そんな和布刈神社内にある、こちらの鳥居は関門海峡の方を向いている。実はここで行われるワカメ狩りの神事は、ここから海へと降りて行くのだという。
和布刈神社から下に降りる階段を降りて行くと、関門海峡の海水が近づいて来る。そしてその傍らには灯篭も見える。
まさに和布刈神事で寒い2月の深夜に、凍えるように海水の中へと足を踏み入れるのがこの場所だという。夏場では気持ちのいい海水浴が出来そうな(とても流れが速いが・・・)、気持ちいい場所にしか見えないが。。
和布刈神事が行われる場所 動画
一応灯篭ではあるものの海の中にあるので火は灯らない灯篭。だから和布刈神事が行われる時は、大きな松明に火を灯してそれを担ぐ人がわざわざ同行するのである。
現代でも1日平均で約500隻の船が行き来する関門海峡。中国大陸や韓国や台湾から大阪・東京へ向かう商船は、九州南部を回らずに最短ルートであるこの関門海峡を通り、瀬戸内海を抜けて行くルートである。
こちらが和布刈神社の本堂である。こちらは関門海峡の方角を正面にして造られており、平家が滅亡した壇ノ浦の戦いがあった関門海峡を眺めるように建てられているようにも思える。
日本の神社に付き物の、太いしめ縄と木彫りの龍が本堂の正面を飾っている。
この関門海峡は特に岸付近の流れが激しく、時速約15キロ程のスピードで流れるという。なのでこの関門海峡を泳いで単独で渡る行為は自殺行為だという。
和布刈神社を抜けて少し歩くと、目の前に「関門トンネル:人道入口」の建物が見えてくる。こちらはトイレも完備されていて、結構行き交う人が多いようだ。歩いて関門海峡を渡れるという事で地元の人間ばかりではなく、観光客もよく訪れる場所のようだ。
2018年にはNHKの人気番組「ブラタモリ」で、タレントのタモリさんがこの関門トンネルを渡る様子などが放送されたようだ。
この鳥居は関門海峡を望む場所に造られている。昔の人達はこの激しい潮の流れ自体、神様が造った自然の恵みだと思っていたのかもしれない。
関門トンネルに進む
さてそのまま関門トンネルに早速進むとします。勿論トンネルは地下にあるので、このエレベーターで地下へと進みます。なおこの関門トンネルの人道は無料で通行する事が出来ます。
エレベーター内に入ると「地上」と「地下」の2つしか、行先ボタンがありません。なお自動的に行き来するエレベーターではないので、勿論行先ボタンを押さないとエレベーターは動きません。
ボクらがエレベーターに入ろうとしてボタンを押し、目の前の扉が開いたら、若いカップルがエレベーター内に居て、行先ボタンを押し忘れていたようで少し慌てていた・・・。そんな若手カップルを見た”エロ坊主オジサン”は彼らに「エレベーター内でイチャイチャしてたんだろう?!」と喋りかけてました。。
そして地下に辿り着いて到着した、関門トンネルの人道口。勿論徒歩ではありますが、自転車や原付バイクなども押して歩く事が出来ます。関門トンネルの自動車で通れる道は有料で、車種によって110円~420円となっています。なお原付バイクでも片道20円かかり、こちらの人道の方で歩いてバイクを押す人もいるようです。
このようにエレベーターは大小2基が設置されています。
さて関門海峡の底の部分に造られた関門トンネルの人道部分に到着します。この道は車両が通れるトンネルに隣接しており、そのトンネルは国道2号線でもある。ちなみにこの国道2号線は大阪市北区の梅田から北九州の門司までを繋ぐ総延長671.4 kmの道である。

さて関門トンネルを渡る前に設置されている案内板を見てお勉強タイム。1958年に完成し、海底部の780mに渡る地下トンネルだそうだ。そしてこの人道の真上を自動車が走れるトンネルとなっているようだが、その騒音などは全然聞こえなかった。
この関門人道トンネルも周辺に住む人達の為だけではなく、観光客の誘致にも乗り出している。確かに関門海峡を歩いて渡れるのはいいけど、出来れば周辺の景色も見れる方が楽しいのであるが。。
そして周辺の地図も飾られている。なお人道トンネルの入口は関門海峡のすぐ手前であるが、自動車トンネルはそれぞれもうちょっと先に進んだ場所に入口がある。
最近はどこに行っても歩きたがるボクにはうってつけの関門トンネル横断。電車や車に揺られて体を動かさない旅よりも、自分の体を使って動いた旅の方が記憶に残り易いと思う。そう思い、最近の旅では主に徒歩を優先するのである。

関門トンネルの人道を進む 動画
このトンネルも開通してから数十年経つだけあって、途中でトンネルが崩れる心配もなく、壁をドツいても全くビクともしない。

関門トンネルの途中には歩行者を飽きさせないようにと、このように今どの辺りの位置にいるかが分かる標識が取り付けられている。なお勿論このトンネル内にはトイレは設置されていないので、もし急に催してきたら走って近い方に行くしかない。
トンネル内では一応右側通行になっている。幅はあまり広くない為に、広がって歩いていると邪魔になるので注意である。
そしてこのトンネル中間地点が、山口県と福岡県の県境となっていて、このように地面にもそれが記されている。
山口県と福岡県の県境という事は壁にも描かれている通り、本州と九州との境目でもある。

ここが県境やけ、記念に写真撮っとけ!
そんな県境の場所はこの関門トンネル人道でも一番人気の写真スポットである。このように県境のラインを跨いで写真を撮るのだが、この後”エロ坊主オジサン”にスマホを渡して写真を撮ってもらったハズだったがボクの写真は残念ながら写っていなかった・・・。ハイテク音痴である”エロ坊主オジサン”は携帯電話の扱いすら慣れてないので、増してやスマホの写真撮影など論外のようだ。。
海底だけに涼しいかと思いきや、暑くもないけど何か生温い感じの気温だった関門トンネル。通勤ラッシュの時間帯でも無いので、あまり行き交う人も沢山は見かけなかった。
全長870mの関門トンネルはゆっくり歩いて約10分程で、反対側である下関に到着します。こちらの方も九州側と同じような造りで、一見九州側と勘違いしてしまいそうにも見える。
足元には「門司方面は反対側ですよ~~!」という感じで、表示されているのが見える。
この関門海峡付近はランニングコースとして人気があるので、このトンネルも走る人をそこそこ見かける事が出来た。しかし壇ノ浦の戦いを繰り広げた当時の平家や源家の人達も、まさか後年この関門海峡の下に人間がトンネルを掘るなんて夢にも思わなかっただろうな。
この大きい方のエレベーターは定員40人まで乗れるようで、運転時間は24時間営業ではなく8時~22時までとなっている。なので深夜はこの歩道トンネルは渡れないのである。
あまり人が居なかったので、今回のエレベーターはボクらの貸切。40人が乗れるエレベーターをたった2人で独占である。
エレベーター内のシンプルなボタン。ただし一番上のボタンは非常用ボタンなので、緊急事態以外には押してはいけないので注意である。
そして地上に上がってくるとまた夏場の強烈な太陽光線が眩しい感じに、目に飛び込んでくる。しかしここから見られる景色は先程までの九州側ではなく、本州の下関側である。そして壇ノ浦の戦いがあった場所は、この目の前にあるのだ。
こんな旅はまた次回に続きます!
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