九州縦断旅:鹿児島編
旅行期間:2020年8月中旬~下旬
電車では、結構遠い開聞岳
さて迎えた2020年8月中旬~下旬に掛けて訪れた九州旅の8日目は、この旅で一番早く朝起きする。朝5時に起きて5時40分にはホテルを出発、勿論この南州館ホテルでは黒豚しゃぶが付いた美味しい朝食が食べれるホテルなんだけど、さすがに時間が早過ぎてまだ朝食の準備中だった。。
開聞岳を目指して!
何でそんなに早く出発するのかというと、去年(2019年)に鹿児島を訪れた時に眺めた”日本百名山”の1つでも開聞岳に登山する為であった。今回の旅はレンタカーを借りていないので、基本的には徒歩か電車のみの移動。鹿児島市内であれば徒歩で充分に移動できるのであるが、開聞岳は薩摩半島の南端にあるので無論電車でしかいけない。
しかも開聞岳に向かうJR指宿枕崎線は本数が少ない為に、この朝6時20分に鹿児島中央駅を出発する電車(開聞駅到着:7時57分)を逃すと、次の電車だと開聞駅に到着するのが3時間以上遅れてしまう。ただでさえこの暑い真夏に普段登山しない者が1人で登山するという無茶な計画だけど、更に暑くなってくる昼頃からスタートするとより厳しい登山になってしまう。
という事で無理やり早起きした訳である・・・眠いZzz・・
まだ鹿児島市内を走る路面電車の市電も走っていない時間帯なので、徒歩で鹿児島中央駅を目指す。そしてその途中に鹿児島市内を流れる甲突川に差し掛かる。こちらの看板には「川はともだち」と書かれていたけど、川だけでなく地球上の大自然全てとも友達である。
今まで何気なく橋を渡っていた甲突川だけど、約25年位まではこんな川に江戸時代に肥後の石大工達が造った石橋が架けられていたと思うと、ちょっと感慨深くなってしまう。だけど甲突川に架けられていた5つの石橋は今では、2つは洪水時に決壊して流されてしまい、残る3つは重要な文化財として石橋記念公園に移転されてしまって、今はシンプルな近代的であまり特徴のない橋が架けられているだけだが。。
そんな甲突川の袂に大きな像が建てられているのは、こちらも薩摩を代表する明治時代の日本を引っ張った大久保利通である。ただし途中で西郷隆盛と意見が合わず仲違いし、鹿児島では西郷隆盛を裏切った人物として憎まれていたという。それもあって大久保利通が亡くなってからすぐにはこの像は造られずに、死後100年経ってからやっとこの生まれ育った鹿児島市内に像が建てられたという。
利通は今でも親友でごわす!
鹿児島中央駅から開聞駅を目指す!
そして南州館ホテルを出発して徒歩で約20分かけて鹿児島中央駅に到着する。目的の開聞駅はJRの指宿枕崎線で薩摩半島を南下して指宿辺りから西の方へ進み、途中で電車の乗り換え1回して23個目の駅である。なお運賃は大人1,310円である。ただJRの指宿枕崎線ではワンマンカー運転や無人駅もあるので、交通系ICカードは使えない。
こちらの車両がJR指宿枕崎線6時20分発大山駅行きの電車である。この電車を逃すと次に開聞駅に到着できるのが約3時間後になるので、「今日は絶対早起きをする!」という気持ちでいたら案外早く目が開いた。
人間って、目標があると動きが変わりますよね!
ちなみにこちらは逆に開聞側(西大山駅)から鹿児島中央駅に帰る電車の時刻表。行きの電車本数が少ないという事は、必然的に帰りの電車本数も少ない。こちらも1本逃すと2~3時間後の電車を待たざるを得ない。なお、今日は開聞岳登山をしてからすぐに帰るつもりはなくて、歩いて1時間程の場所に温泉があるのでそこに入ってから薩摩半島南端に出ている長崎鼻という岬に寄って、最後は”JR最南端の駅”としても有名な「西大山駅」から電車に乗って帰る予定である。
こちらは開聞岳登山についての事前に確認していた情報である。こちらの登山時間目安としては、登り:3時間、下り:2時間30分と書かれていた。ちなみにボクは日本百名山を登山するのは、今回の開聞岳が初めて。そして普段は全然登山しない人間が何故開聞岳に登ろうと思ったかというと、この開聞岳は日本百名山の中でも標高924mと2番目に低い山であったから。
924mだったらそこそこ簡単に登れるだろうと、そして日頃の運動不足を解消する為に!
開聞岳登山を甘く見てると、痛い目に遭うタケ!
そして早朝6時20分発の電車に乗り込むが、全然乗客がいない・・・。普段は大阪市内に住んでいるとこれだけガラガラな電車はあまり見ないけど、この2020年は国内で何か所か行って電車に乗ったら、やっぱり地方は過疎化の影響かでガラガラな電車を多く見かけた。結局2~3時間に1本しか電車が走らない理由も分かるし、それでもこのように全然人が乗らないのである。なので地方で運航する電車が、赤字続きなのがよく理解できたのであった。
ただJR九州は鉄道以外に建設業や不動産・ホテル業など、多角的に経営しているので今までは黒字経営だったが、さすがに2020年はコロナ禍の影響で赤字に転落する事となった。
こちらは鹿児島中央駅から開聞駅まで向かう電車のキップで、運賃は1310円。約55kmの移動なのでこんなものなのかなという運賃であった。
そして早起きしてまだ朝食を食べていなかったので、コンビニで購入したおにぎりを2個車内で食べる。去年(2019年)に鹿児島を訪れた時は、知人の”西郷どん”が車で指宿まで連れて行ってくれたので電車に乗る機会がなかった。なので今回は鹿児島で初めて乗る電車でちょっとウキウキ気分で、車窓からの景色を楽しむのであった。
すると”日本で一番海に近い駅”とも呼ばれるという「宮ヶ浜駅」が見えてくる。この宮ヶ浜付近はあの鹿児島が生んだ大スターの長渕剛の母親の故郷であり、彼も小さい頃に何回も訪れた事があるという。なのでこの垂れ幕にもあるように「長渕剛ゆかりの地」となっているようだ。
”日本で一番海に近い駅”と誰が言い出したかは分からないけど、この1ヶ月後に訪れた愛媛県松山市の「梅津寺駅」の方がまだ海からは近かったと思う。そして他にも駅横がすぐ海な場所に造られている駅も多いので、”日本で一番海に近い駅”と言い出した人はあまり全国の駅に行った事のない人か、それとも無理やり何も特徴の無い駅をアピールする為にそう言ったのかもしれない。。
このJR指宿枕崎線で枕崎方面に行く電車は2両編成でこちら後ろの車両に乗り込んだ。最初は他に高校生のような子2~3人程が乗車していたが、途中で降りて誰も居なくなった。前方車両には数名の人が乗っていたが、後で分かったのだけどこの電車はワンマンカーなので、駅員さんが居ない無人駅は車掌さんの運転する先頭車両側から降りないといけないのであった。。
だから残っていた人達は前方車両に乗っていた訳でした。。
この指宿まで来る電車はそこそこ本数はあって、ここまで来るのであればそこまでは不自由しない。なお鹿児島中央駅~指宿駅間は特別な観光列車「特急:指宿のたまて箱」が、1日3本出発している。指宿まで行って砂むし温泉を楽しんで帰る観光客には人気がある電車のようだ。
薩摩半島の東側を南下していく路線なので、途中からは左手に鹿児島湾が見えてくる。なお、この電車は開聞駅までは行かずに、5つ手前の「山川駅」までしか行かない。そして山川駅に到着すると「なかなか扉が開かないな・・」と思っていると、車内アナウンスで「前方車両の前方扉からしか降りれません!」と言われる。そして車掌さんに切符を見せて電車を降りようとすると、「次の電車に乗り継んでしょ、直ぐその電車出発するから急がないと乗れないよ!」と言われて一気に焦る・・・。
そして乗っていた電車の車掌さんに、その乗り継ぎ電車が停まっているホームへの行き方を教えてもらって駆けて行ったけど、勢い余って道を間違えてしまって反対側ホームではなくて駅の外に出てしまった・・・。無人駅だし誰も周辺に居なかったので、冷静にもう一度駅に戻って反対側ホームに行く道を見つけて必死に駆け抜けていったのであった。。
そしてたった3分間しか乗り継ぎ時間の無い電車に滑り込みセーフ。慌てていたので写真魔であるボクなのに、この電車に乗る前の写真を撮っている余裕が無かったほどである。。
もしこの電車に乗り遅れていたら、次の電車が2~3時間後だったので、仕方なしに歩きで2時間以上かけて開聞岳に向かわなければならなかったので、焦るもの当然であった。。
そうやって山川駅を抜けて開聞駅へと向かっていく電車の車窓からの景色は、畑ばかりが見えてくる。とても長閑な光景が広がっているが、やっぱりこの辺りを歩くと時間がかなり掛かりそうだ。かといって電車を待つにしても2~3時間だし、駅周辺でレンタサイクルを借りれそうもないし。。
そして鹿児島中央駅を出発する事、約1時間30分でお目当ての標高924mの”薩摩富士”とも呼ばれる山が見えてきた。記憶にある登山した経験を思い出してみたけど、全然前に登山した時の記憶が出て来なかった。10年以上も前に皮膚科の先生が奈良の山登りに連れて行ってくれた時に登った位で、他は竹田城とかでそんな山登りというレベルの登山などした事がなかった訳である。
高い山の方が登った時に、気持ちいいはず!
だからそれはミスチルの歌詞でもあったやつでごわす!
JR指宿枕崎線「開聞駅」に到着!
そして目的の「開聞駅」に予定通りの午前7時57分に到着する。こんな九州の南側の路線でもキチンと時間通りに駅に到着するのは、さすが日本という感じ。なお先程山川駅での乗り換えの際に写真を撮る余裕がなかったけど、山川駅~開聞駅までの電車はこちらの一両編成のワンマンカー。
こちらは「開聞駅」にあった看板で、まるで「この駅を利用する人は開聞岳に登山せよ!」というようなイメージの絵となっていた。そしてこの開聞駅にやって来たボクはまさに開聞岳を登山しに来た為にこの駅で降りた訳だし、実際にこの駅を利用する人の大半が開聞岳登山をする人なのかもしれない。
この開聞駅はこのように無人駅でホームも片側1本だけ。ホームと言ってもさっきの看板と、こちらの屋根付きベンチがあるだけの簡素な駅。都会ではまずお目に掛かれない程に質素な駅だった。
開聞駅の景色 動画
そんな開聞駅で降りた乗客はボク1人だけ。そして次いつやってくるかもしれない電車を待つ人の姿は、勿論なし。ただこれが地方の現実で、逆にボクのように車ではなくて電車で登山しに来る方が珍しいのであろう。
そして開聞駅は無人だったし近くに人もいなくて、対面での聞き込みは不可。ただし駅の近くにはこのように看板が設置されていて、開聞岳登山客に向けた案内が書かれていたので特に不自由はしなかった。この開聞駅の1つ手前にある東開聞駅というのもあって、最初はどちらで降りようかと思っていたけど、このように地図を見るとやっぱり名前の通り開聞駅の方が登山道に近いようだ。
そしてこの開聞駅から開聞岳登山口までの行き方も看板でチェックする。この開聞駅近くにはコンビニは無いけど、ちょっと先に行った国道226号線の方に一応コンビニはあるみたい。
こちらは開聞岳の麓付近の地図。イベント広場や公園などがあって、お蕎麦を食べれるお店もあると書かれているけど、こんな人の少ない場所に本当にあるのか、もしあっても営業している可能性は少ないかもしれないので注意。特に2020年はコロナ禍でしかも真夏8月は暑くて登山客も少ないので、下手したら誰も居ないかもしれないし。
こちらの地図は「九州オルレ:指宿~開聞コース」が描かれていて、この辺りを徒歩で歩きながら散策するオススメコースが書かれている。なお開聞岳登山後にここに描かれているコースの一部を歩いたけど、さすが8月の炎天下の時期だけあって、歩いている人は1人しか見かけなかった(1人だけでも奇跡的!)。
そしてまずは開聞岳の方向へと向かうが、一旦開聞駅の北側から東側に向かって迂回するように登山道方面へと進む。でも標高924mで百名山の中でもブービーな高さの開聞岳だけど、やっぱり生で見ると当然だけど大きく見える。昨日周囲を一周した桜島火山でも約1,100mの標高で、やっぱり1,000m程の高さがあると”山に来た”という感じを受ける。
コイツ開聞岳は、ワシの子分的存在ド~~ン!
桜島火さん師匠、ご無沙汰してますタケ!(笑)
開聞駅周辺には家なども見られて車もそこそこ見えるけど、全然ひと気を感じない。駅を利用する人が全然見えないというだけあって、あまりこの地方には人もそんなには住んでいないのであろう。この地域は指宿市開聞十町という所で、人口は約2,000人。約60年前の人口は今の倍の4,000人程だったらしいけど、ここも過疎化でその時期から半減している。この開聞十町と言えばこれから訪れる開聞岳と、全国で食べられる”そうめん流し発祥の地”となっている唐船峡が有名である。
こちらは建て替え工事中だった指宿市役所:開聞庁舎。これだけ人口の少ない町だけど、新たに建て直さないといけない程に老朽化していたのだろうか。なお開聞庁舎ではこの約1年前に「指宿市開聞庁舎整備基本計画(案)」について、意見などを募集(約1ヶ月間)したがホームページを見ると、「提出者0人、意見件数0人」という寂しい結果に終わっていた・・・。
開聞駅北側の道を東側に向かうと「開聞岳登山口」という信号のある交差点に出てくる。この交差点を南側に向かうとこのように道路上に「かいもん山麓ふれあい公園」という案内板が見える。結局開聞駅から開聞岳登山道まで向かう途中には、道路工事のオジサン以外にはこの辺りの住人らしき人の姿を確認する事が出来なかった。
逆に人が少ない所の方が好きで、敢えてそういう場所を好んでいくボクなので、それはそれで問題なかったのであるが。。
こんな旅はまた次回に続きます!
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