九州縦断旅:鹿児島編
旅行期間:2020年8月中旬~下旬
低くても高い開聞岳
さて鹿児島で過ごす3日目は、朝早くに開聞岳の最寄り駅である開聞駅までやって来ました。朝6時前にホテルを出発し、JR指宿枕崎線で約1時間40分揺られて、指宿市開聞十町から登山道まで向かうのであった。
いざ薩摩半島の象徴である開聞岳へ
そんな「開聞岳登山道口」という特に何もない交差点を南下して開聞岳に向かう途中に、さっき乗ってきたJR指宿枕崎線の踏切に出てくる。この辺りは当然の如く無人駅なので、近くの駅といっても駅員さんもいないし、全然歩いている住民の人も見かけない。
このようにJR指宿枕崎線は鹿児島中央駅から南下してきた時は2本の線路かと思っていたけど、この辺りは単線だった。こういう一本に延びた線路を見ると、田舎に来たという実感が嫌でも湧いてくるような気がする。
その踏切を越えると目の前にそびえる開聞岳に向かって道が延びているので、とりあえずこの道を進むとする。昨日の桜島一周サイクリングも今日の開聞岳登山も、周囲に同じような事をしようとしている人を殆ど見かけなかった。コロナ禍2020年というのもあったけど、この真夏35度ほどの気温の中で動き回る行動は下手したら無謀な事にも思われた。この21世紀は昔は全然言われなかったけど、今ではテレビなどでも嫌になる位に「マメに水分補給をして、熱中症対策を!」という場面を見かける。
普段はあまり意識して水分を補給しないけど、さすがに今回は日本百名山の中でも低い山の開聞岳だったけど、この真夏に体を動かして下から頂上まで登るには2~3時間は掛かるというのでコンビニで買ったお茶1リットル×2本をカバンに入れてきた。ただ今日の登山ではリュックだと邪魔になるのでショルダーバッグを身に付けてきたので、下手に水分を持ちすぎても逆に重さで疲れてしまうので最小限度の水分だけ持つ事にした。最悪下山したらまた水を買おうと思っていたけど、傍から見れば結構初心者が山を舐めてかかって登山して大事に至るケースの典型のようにも思われる行動であったかもしれない。。
なおこちらは開聞岳に向かう道中の左手に見えた「開聞中学校」で、過疎化の影響もあり年々生徒数は減少傾向にあり、現在では約100名の生徒が通っているという。この開聞町では唯一の中学校で、昔は開聞中学校と川尻中学校と2つの中学校があったけど、約50年前に統合されて今に至っている。
開聞岳は標高が924mと日本百名山の中でも低い山であるが、ただ登山となるとこのようにほぼ標高0m地点から歩いて登っていくので、頂上まではそれなりに時間が掛かる。この登山道入り口の手前にある公園やキャンプ場付近までは車でも行けるけど、その場所でせいぜい100mの高さ。
登山はやっぱり一番下から攻めないとタケ!
相変わらず全然人が居ない登山道入り口へと向かう道だけど、少しずつ登り坂の傾斜が出てきた。そして辺りはこのように林になってきたけど、この手前までにはチラホラと自動販売機も設置されているので、まだ水を買う事も出来る。しかし今日装備してきたショルダーバッグは2リットル分の水でもう一杯になっていたので、もうこれ以上持てないという理由もあってここでは買わなかった。
開聞岳の麓に到着
そして少しずつ傾斜になってきた坂道を登っていくと、このように開聞岳がだんだんと大きくなってくる。この道は道なりの右方向に登っていくと「ふれあい公園」という場所があり、そこが駐車場にもなっているようだ。
今回は初めてとなる日本百名山の登山。そして開聞岳はこの看板にもあるように『霧島錦江湾国立公園』の指定内にも入っている場所なので、むやみに環境を汚したり動植物などを持ち出してはいけない場所。
勿論ゴミを放って帰るなんて言語道断なので、必ずゴミは持ち帰りましょう!
山でゴミを捨てる輩なんて、溶岩火炙りの刑ド~~ン!
そんな登山道へと向かう入口付近で、茂みの中に記念碑らしきものが見えたので近寄ってみた。そんな場所に建てられている記念碑は、大正~昭和前期に活躍した歌人でもあった斎藤茂吉がここに来て読んだ句だという。
開聞は圓かなる山とわたつみの
中より直に天に聳えけれ
by 斎藤茂吉
そんな記念碑なんかを見ながら登山道入り口へと、歩行者道路を進んで行きます。ここでやっと道路工事中の作業員さんに出会っただけで、他にはこの道でも全然人を見かけなかった。
そして少し進むと広場のような場所があり、ここに「最後のトイレ」とも看板があって、これ以上登って行ってもトイレはないようだ。普段登山をよくする人からすると当然の事だけど、初心者が甘く見がちなのが「山にはトイレは無い!」と「山には自販機やコンビニが無い!」という事だ。ただ山によっては中腹まで道路があってトイレや自販機などが設置されている場所もあったりするので、そういった山ばかりだと思っていると痛い目に遭う可能性がある。
ただこのように「登山の皆様へ! この先トイレはありません」と表示されているのは助かる。ここで登山前に膀胱に溜まっている水分を絞り切っておくと、この登山時期が真夏だったのもあって、掻く汗によって体内の水分が出ていった為に約4時間に渡る登山中には途中でトイレに行きたくなる事は無かった。
そんなトイレがある場所にはこのような広い芝生広場が広がっていた。ステージなども造られていたし、芝生も綺麗にカットされているようで定期的に管理されているように見受けられる。
ここが開聞岳登山前の「最後のトイレ」である。見た感じはボロボロだったけど、中はキチンと定期的に掃除がされているような内観で、ちゃんと水も出た。
こんなトイレがあるだけで感謝しないとね!
そんな「最後のトイレ」には、このようにこれから大自然に足を踏み入れる登山客に対しての警告文が張られている。普段から地方に暮らしている人からすると当然の事だけど、普段は動物や虫の少ない都会に暮らしている人間からすると、それらに出会うだけでちょっとパニくってしまう。
なので事前にこのような警告文を見て、心の準備をしておく事も大事です!
登山途中で出会った虫や動物達も、ボク達の仲間だから優しくしてあげてタケ!
そして最後のトイレを済ませて、登山道へと向けて坂道を登っていく。なおここまで来るだけで既に汗を掻いてしまっている。まだ午前8時半頃だったけど、さすがに真夏だったので登山道に辿り着く前から汗が噴き出す。ただまだ登山道までも辿り着いていない段階でこれだけ汗を掻くという事は、登山を開始して頂上まで行く間にどれほどの汗を掻くのだろう。そう思うと2リットルしか水分を持ってきていないので、少々不安に駆られる。しかしこの夏場は炎天下の日中にぶっ通しで2時間歩いたりという軽いトレーニングをしていたので、何とかいけるハズだと自分に言い聞かせた。
ただ平地を歩くのと山道を登るのは、全然違いましたね・・・
おいどんも山道は苦手でごわした・・・
開聞岳登山口(2合目)に到着
坂道を登っていくと舗装道路が無くなって、このような山道の「開聞岳登山口(2合目)」に到着する。開聞駅を降りてからこの登山口に到着するまで、これだけで約30分徒歩で掛かった。
軽い準備運動を済ませたような状態である!
ここにも全然ひと気がなかったので、登山口に掲げられている看板の内容をしっかりとチェックする。
・登山道・頂上にはトイレは無い!
・日没にかからないように、ゆとりある登山計画を!
・国立公園のマナーを守り、ゴミは必ず持ち帰る!
なお登山で登る時は慎重に登った(というかシンド過ぎてゆっくりとしか動けなかっただけ・・・)ので特に問題はなかったけど、下山中は登山を達成して気持ちが緩んだからか何回か足元が滑り、途中に岩場で滑って足をぶつけたりした。
なので特に下山中は登りよりも注意しないといけないです!
登山する人達を見ていると、下山中にケガする人が多いタケ!
そしてこの「開聞岳登山口」は標高0mではなく、既に2合目である。なので登山口はここからだけど、既にこの場所に辿り着くまで開聞岳登山は始まっていたのである。
なお先に今回の開聞岳登山に要した時間を先に報告しておきます。
2合目→17分→3合目→15分→4合目→18分→5合目→18分→6合目→16分→7合目→15分→8合目→18分→9合目→20分→頂上到着
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【開聞岳:下りの所要時間 合計1時間40分】
頂上→14分→9合目→14分→8合目→10分→7合目→12分→6合目→35分→3合目→15分→2合目到着
このように頂上での滞在時間を省くと、開聞岳登山に要した時間は3時間57分でした!
無事に大きな怪我なく、下山するだけで御の字でごわすよ!
そして登山口の脇には雑草に少し覆われた「登山者 心得」が書かれた看板も設置されていた。こちらも登山する基本的な注意事項が書かれているだけだが、一番注視したのは「天候が悪化したら、引き返す勇気を持ちましょう!」という項目だった。この日は嫌になる程の晴天だったので天候自体は問題なかったけど、雨が降ってきて足場がぬかるんでくると殆ど整備されていない道なので滑ったりする危険性が増えるからである。またそういう天気になると登山者が少なくなり、もし動けなくなる怪我をした場合に発見されにくくなるという危険性もある。
する勇気も重要だけど、辞める勇気はもっと大事だと思う!
男はとことん行くしかなかとです!
そしてここ開聞岳は国立公園に指定されている範囲内の場所でもあるので、希少種の植物だけではなくて、全般的な動植物の持ち出しは違法行為となる。ボクは草木や花などにはあまり興味を示さないけど、家に花や植物を育てている人はこうやってハイキングしている時などに「あっ、これ綺麗だから持って帰ろうっと!これだけ生えてるから、ちょっと位は大丈夫よね!」という考えで持ち帰る人もいるのだろう。
綺麗な花などは眺めるだけにするタケ!
そんな登山する心得や注意事項をしっかりと頭に叩き込み、舗装されていない登山道へと足を踏み入れる。ここまで全然登山客自体を見ていないし、こんな8月の真夏に登山する人も殆どいないだろうと思っていたけど、結果的には合計13人の登山客とすれ違った。
こんな真夏に登山しようと思う人も、やっぱりボク以外にも居ましたね!
人類はキチガイだから、雪が降ろうと雨が降ろうと登ってくる奴がおるド~~ン!
2合目から始まる登山道を進んで行くと砂利道が延々と延びており、進むほどにこのような岩などが転がっていたりする。この登山道は約1mに満たない幅の道で、特に目印などはないけど、基本的には1本道なのでまず登山中に迷子になる事はないとは思う。
2~3合目に向けて登っていく 動画
海外旅行にツアーで行くと登山好きな人に出会う確率が高いけど、そういう登山好きな人からするとこのような登山道の景色なんて全然気にならないのだろう。ただボクみたいに全然登山の経験がない人間からすると、このような雑草や木々が生い茂った道を進むのに、ちょっと抵抗を感じる。今歩いている場所付近はいいけど、上に登れば登る程に道らしきものでは無くなってくるのだろうから。。
そういった道なき道を進むのが、登山の楽しみやけ!
登山素人からすると、こんな登山道も全然整備していないように思えるけど、要所要所ではこのように木が切られた後や階段やロープが設置されている場所もある。何と言っても日本百名山の1つでもあるだけあって、恐らく定期的に登山道もそれなりに管理されているのだろう。
まだこの登山しだした頃は全然余裕で「こんな道なんて、楽勝だぜ~~!」と思っていた。熊本城の石垣のようにこのような山も下の麓付近は坂の傾斜が緩いけど、登れば登る程に段々と傾斜がキツくなってくる。なので後半は休憩しながら進まざるを得ないという状況が来るのだが、今の時点では全然そんな雰囲気を感じ取れてなかったのである。
そして進んで行くと、汚れた看板と木のベンチが設置されているのが見えてくる。まだここでもすれ違う人がいなくて、「もし全然誰も登る人がいなかったら・・・」とちょっと不安になりだす頃合い。。
ここは開聞岳登山道2.5合目という中途半端な地点。ここから左に続く道を進めば、開聞岳麓自然公園に繋がっている道が延びている。勿論そんな公園には行くつもりはないので、このまま登山道を進む。
この開聞岳登山での楽しみは、登山道がこのように場所によって均一ではなくて、所々に個性的な顔をしているのでそんな道を眺めながら歩く事かと思う。というか逆に考えると開聞岳登山という行動が思っていた以上にシンドかったので、そういう風に登山道を楽しまないと登る気力が出そうになかったからかもしれない。
このように小さい渓谷になっているような道など、普段歩く機会がないので楽しいですよ!
さっきみたいな渓谷のような場所だけではなく、このように普通に道っぽくなっている場所も勿論ある。なお開聞岳登山中には動物を見かけはしなかったけど、しんどくて足を止めていると小さな虫が寄ってきたので、虫除けを振っておいた方がいいかもしれない。
あと登山道はさっきみたいに平坦な道もあれば、このように岩ばかりの道もある。なお今回の登山では普段使っている靴で登ったけど、底が硬くて足首まで固定できる登山靴は必須まではいかないけど、あるに越した事はないと思う。普段履きの靴だと岩場を進む時は足の裏に刺さるような感触があったり、所々で滑った時に足首を捻ったりした。幸い大事には至らなかったけど、普段登山をしない人からすると足首を挫く可能性を考慮して登山に臨んだ方がいいのだろう。
そして2合目の登山道を登り始めて17分で、「開聞岳登山道3合目」に到着する。この標識では「あと2.9km」と書かれているけど、平地の2.9kmではなく山道の2.9kmなので参考にもならない。ただ先が見えないシンドイ行動をしていると「あと〇〇分」とか、「あと〇〇m」とか書かれているのを見ると何とか頑張れる気がする。だからこのように途中に見えた標識に残り距離が掲げられていたのだろう。
こんな旅はまた次回に続きます!
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