九州縦断旅:熊本~大分~福岡編
旅行期間:2020年8月中旬
ゲリラ豪雨がもたらす災害
さて迎えた九州旅も早や5日目となりました。初日の北九州から同行してくれている”エロ坊主オジサン” 、予定では今日別れるものの熊本駅周辺まで車で送ってもらう予定だったのですが、オジサンのお父さんの容態に急変があったので急遽北九州へ帰らざるを得ない事態となってしまいました。という事で熊本駅までは近くにあるという九州JRの久大本線に乗れば、辿り着けるというのでその久大本線の駅まで送ってもらう事となりました。
再びやって来るけど、一旦バイバイの熊本県
ここは昨晩宿泊した阿蘇鶴温泉ロッジ村で、このベランダ側にそれぞれの部屋毎に温泉の露天風呂が兼ね備えてあり、24時間自由に温泉に浸かれるという贅沢な宿泊施設。だけどこの辺りは周りは大自然に囲まれているので、夜は蛍光灯などの灯りに惹かれて虫などが飛んで来るので、風呂に入る時の扉の開け閉めには注意する必要がある。
まずは大分県の豊後森駅を目指す
”エロ坊主オジサン”から説明のあったJR九州:久大本線の豊後森駅は大分県の駅ではあるけど、宿泊したロッジ村は熊本県でも北端側に位置しているので、大分県と熊本県の県境にある豊後森駅までは車で約30分程度と予想よりも近かった。
この旅行(2020年8月中旬)の約1ヶ月前に、熊本県を中心とする九州地区で起きた「令和2年7月豪雨」と呼ばれる大雨の影響で、このように熊本県内の至る道路で土砂崩れの影響を受けて、片道通行になっている所が多く見られた。
ボクが会社員をやっている頃はほぼ毎日車に乗っていたけど、ある程度の都会である大阪府下を走っていたので、このように土砂崩れなどで片道規制になっている道は殆どなかった。でも実際に地方に来てみると、このように片道通行になっている道も多く見られた。普段ならニュースだけで見ているだけで”対岸の火事”のように思えていた災害であったが、今年(2020年)は実際に自分でこういった場所を訪れてみて、その災害の深刻さを肌で感じれた。
大昔には日照りが続き、それによって農作物が不作となるのを防ぐ為に雨乞い儀式などをしてきた古代人。しかしこれだけ短期間にまとまった雨が降ってしまうと、その雨は逆効果となって災害の二文字にしかならないのである。
でも片側通行の規制になっているだけ復興作業中であるからいいけど、道によっては通行止めになって迂回せざるを得ない道もあった。この時はそんな「令和2年7月豪雨」の起きた翌月だっただけに、その被害痕をしっかりと目に焼き付ける事が出来た。
右側に見える筑後川水系の支流である玖珠川(くすがわ)も、そんな豪雨の影響で川が氾濫して濁流が溢れる程に流れてきたらしく、反対側の川岸にはその時の被害痕の上に設けられたブルーシートが長々と設置されているのが見える。
玖珠川が氾濫(大分合同新聞 oitatvcom) 動画
この時の玖珠川はそんな氾濫するなんて考えられない位の優しい川の流れだったけど、バランス感覚が崩れてきた地球環境ではどんな異常気象が起こっても不思議ではないのだろう。ちなみにこの玖珠川の元は筑後川の源流となっている、昨日飯田高原で見た阿蘇山から流れて来る水である。
筑後川が流れていく地方の生態系を支えているのも、偉大な阿蘇山なのである!
このように道が崩れているという事はJRの電車も通れなくなっているのかと思ったけど、これから電車に乗る予定の久大線:豊後森駅~日田駅間は2020年8月8日に運行が再開したばかりで何とかセーフ。。
JR豊後森駅に到着する
カーナビの付いてない車でヤマ勘を頼りに運転する”エロ坊主オジサン” だったけど、特に大きく迷うことなく豊後森駅に到着する。こちらの駅は元々は1929年からの歴史がある久大本線の中でも重要な駅で、今見られる駅舎は2013年に『ななつ星in九州』というJR九州が運営する、九州を周遊する高級志向の寝台列車の運行に合わせてこの駅舎もリニューアルされている。
せっかく高級な列車が停まっても駅舎が貧相な造りだったら味気が無いという事で、2013年にデザイナーの水戸岡 鋭治氏が手掛けたデザインで、外装も内装も木の部分は茶色に統一されて高級感が出されているという。
この久大本線とは福岡県久留米市にある久留米駅から、大分県の大分駅を結ぶ線の事である。この豊後森駅はその久大本線の中でも、中間地点に位置する駅で昔から重要な駅だったそうだ。
そして豊後森駅に到着したらホームに電車が停車しているのが見えたので、”エロ坊主オジサン” との別れも手短にして、急ぎで切符を購入しホームになだれ込む。この2020年8月時点では豊後森駅より東の大分駅側に行く路線が通行止めでバスのよる代替え輸送が行われていて、逆方向の久留米駅行きへの折り返し運行のみしていた。その為に、この豊後森駅では長く停車していたので、慌てて電車に乗り込む必要がなかったのだが。。
王子よ、お疲れ様。ここでお別れやけど、気を付けて楽しんできてくれや!
こちらが久留米まで向かう久大本線の車両。しかしこの電車は直接久留米駅まで行く訳ではなく、途中の日田駅までしか行かずに、そこで久留米駅行きの電車に乗り換える必要があるという。こういった田舎というか地方の電車は1本乗り過ごすと、ゆうに1時間は次の電車が来ないので乗り間違えないようにという緊張感が少々沸き起こってくる。
こちらの車両には幸いにもトイレが備え付けられているので、途中で催してもわざわざ下車する必要が無いので一安心である。
こちらはJR九州:久大本線で先程の豊後森駅から久留米駅までの乗車券で、料金は1680円。そして意外だったのがこんな田舎の駅にも関わらずに、この切符の支払いにクレジットカードが使えた事。まあそれも券売機ではなく窓口だったから、クレジットカードが使えただけかもしれないが。
ちなみに元々は現金派だったボクだけど、「会社を辞める前にする事!」という記事を読んで、一番大事なクレジットカードを作れ!という勧めに従った。何故クレジットカードを作る必要があるかというと、一旦無職になると定期的な収入が無くなり、金銭的に社会的信用がなくなる。その為に無職や始めたての自営業者では信用が無いので、クレジットカードを作れない事が多い。
その為に辞める前の会社在籍時にクレジットカード作っておく必要があるというのだ。日本に住んでいるとそこまでクレジットカードを使う必要はないけど、いざ海外に行くとクレジットカードがないと海外でお金が引き出せなかったりホテルに泊まれなかったりする場合もあるので、会社を辞めて海外旅行に行きたいと思う人はクレジットカードを作っておく必要があるのだ。
まだ動かない電車からはホーム上に造られている「童話の里」と名前が入った鳥居のようなものが見えている。ここ豊後森駅のある玖珠町は、デンマークの人から”日本のアンデルセン”と呼ばれたという明治後期~大正~昭和初期に活躍した児童文学者である久留島 武彦氏の出身地だという。
そして電車で待つ事約20分ほどで、やっと電車は久留米駅がある西方向へと動き出した。まだ朝の時間帯という事もあって、更に夏休み期間でもあったので乗客の数は数える程しかいなかった。横に座っていた同じ高校の学生のような2人組は顔見知りのように挨拶をしていたけど、電車での道中はこのようにそれぞれイヤホンを付けてスマホを触りっぱなしで、一言もお喋りすらしていなかった。
田舎の子供たちもすっかり近代的な機器に、支配されているかのようでした・・・
JR九州:久大本線の車窓から 動画
JR日田駅にて乗り継ぎ
豊後森駅を出発してから約30分ちょいで、途中の日田駅に到着する。豊後森から乗った電車ではこの日田駅止まりだったので、ここから久留米駅行きの電車に乗り継ぐ必要がある。そんな日田駅の構内には、何やら大きな下駄が置かれていた。
鬼が履いたという下駄にしては大き過ぎるし、何だろうか?!
この日田駅がある大分県日田市は、この下駄に張られている「日田杉」で有名な”木材の町”だそうだ。元々この日田は江戸幕府の直轄地で、屋久島の屋久杉、飫肥の飫肥杉と共に“九州三大美林”と言われていたという。なんでもこの日田の地域は夏はとても暑くて、逆に冬はとても寒くなり、その極端な寒暖差が杉にとって良質な材質になる要因なんだとか。
駅の構内には思わず見落としてしまいそうな普通の看板が実は「名所案内」で、日田温泉などの場所が書かれていた。こんな看板だと、ここの設備の名前が書かれている看板にしか見えないので思わず見落としてしまいそうな感じだった。。
普段はあまり地方で電車に乗らないので、「JRだったら地方でも自動改札があったり、有人駅ばかりでしょ!」と思っていたけど、実際に地方に来てみると自動改札機のある駅自体が少なく、無人駅もざらだった。都会では乗降客が多いのでそれらは当然だけど、地方だと赤字路線も多くて車を持たない人達の足になっているので、廃線にもできない事情もあり最小限の経費にするために無人駅やワンマンカーなどをやむやむ運行をしているのが現実であった。
この日田駅構内にはトイレはなくて、一旦改札から外に出ると、外側に綺麗な公衆トイレが用意されていた。意外と地方でも駅のトイレが綺麗になっており、田舎の臭いトイレではなく、このように最新型の綺麗なトイレになっていて感激してしまうのであった。
今の日本に住む現代人はすっかりウォシュレットに甘やかされてしまっているので、今更ウォシュレット無しのトイレを使う事など考えられない位になっている。ボクも二十歳位の時に家庭の事情でオカンが建てた家に引っ越した際に、そこにウォシュレットが付いたトイレがあったけど、最初の1年ぐらいは抵抗心があって「ウォシュレットは絶対に使わない!」と決めて使わなかった。
しかし一回そのウォシュレットの快適さを覚えてしまうと、人間ってのは不思議なもので引き返せないようになってしまうのだ。
だからウォシュレットの無い海外などに行くと、携帯ウォシュレットなる道具を持っていく程になっているのである。。
地方はどこ行ってもどの地域性をPRする為に、その地方らしさを出してこのような看板などを掲げているけど、その効果はイマイチな感じにしか見えない。この日田もさっきの日田杉が“九州三大美林”と言われているようだけど、わざわざそれを目当てに日田を観光しようと思う人も少ないだろうし。
日田駅前にはこのようによく見るアルファベット・オブジェが造られていたけど、さすがに日田杉で有名な町だけあって、ちゃんと日田杉で造られているのでこれはGOODだと思った。ただしこの「HITA」となるはずの部分にIの文字が無かった。
そのアルファベット・オブジェの裏側に回ると、このように「あなたの愛(I)でHITAを完成させてください!」と書かれていた。ただし全然観光客が居ない日田駅前でこのアルファベット・オブジェに群がる人は全然いなくて、ボクも自撮り用アイテムが百均で購入したものが壊れてしまっていたので、自撮りすらできずに終わったのである・・・。
結局その後にもう一回百均の製品を購入してもすぐ壊れたので、思い切ってこの3000円の自撮り棒兼三脚スタンドを購入しました。
こちらの商品が案外使い勝手が良くて、9月半ば以降の旅行で自撮り写真撮影に重宝しました!
案外日田駅前は開けているように見えるけども、人の姿はあまり見られない。まあ真夏の時期というのもあって人が少ないのだろうけど、地方都市はどこでも人口流出による人口減少に悩んでいる現実があった。勿論日本自体も年々人口が減りつつあるけど、地方は若い子が都心部へ出てしまうので余計に人口減少のスピードが速いそうだ。
真ん中の久大本線久留米駅行きが、これからボクが乗ろうとしている電車。この時刻表を見れば分かるけど、1時間に1本の電車があればまだいい方のようだ。。
特急も走っているようだけど、無職の貧乏人がする貧乏旅行なので、出来れば特急料金が発生しない普通列車で久留米まで行きたいのである。ただし列車本数の少ない地方で電車に乗る際は、特急料金などわがままを言っているとその分時間をロスしてしまう事も多い。
駅の待合室は贅沢にもクーラーが掛かっていて、高校生のような奴らが涼しげにスマホを触っていたけど、こっちは万が一電車を乗り過ごしてしまったら困るので暑いホームで電車を待つのである。一応こう見えて、ボクは我慢強いタイプなので汗が出て暑い位の環境でも、特に問題なく耐えれるのだ。
小学校の頃に先生に罰として「廊下で立ってろ!」と言われて、それを言った先生が忘れていて自分が帰る時間となって職員室を出てみると、そんな遅い時間まで廊下に立っているボクに驚いたという記憶が今でも残っている位。。
さて日田駅で待つ事約25分で、ホームに黄色い色をした車両の電車がやって来ました。何回も確認した通りに、この電車が久留米駅まで行くのに間違いはないようだ。
久留米を目指して電車に乗り込む
しっかりと自分の目で「久留米行き」という表示を何度も確認する。この日で九州旅は折り返し日程になるけど、今までは案内役を買って出てくれた”エロ坊主オジサン” に任せっきりの旅程だったけど、ここからは全部自分の意思で動く旅となるのだ。
この電車もここ日田駅が始発となるので、電車内はガラガラである。この辺のような地方では車社会となっていて大体の家庭には1人1台ずつの車があったりするので、このような電車にはあまり学生以外は乗らないのであろう。
JR九州:久大本線の車窓から② 動画
日田駅を出発した久大本線久留米駅行きの電車は、久留米駅まで到着するのに約1時間10分程の時間が掛かる。この日の宿泊予定は旅行に来るまでは決めていなかったけど、”エロ坊主オジサン” の「熊本(市内)では1泊した方がいいよ!」という助言があって熊本市内に1泊する予定となった。なので今日はこれから久留米市を経由して熊本駅まで向かう予定なのである。
こちらは「夜明(よあけ)」という珍しい駅名が意外と人気な駅のようだ。今では年間で約28,000人ぐらいの乗降客が利用する無人駅だけど、今から約50年前はその10倍もの乗降客が居たという。これだけの利用客が減っているという事実を見ると、このような地方がドンドンと活性化が無くなっているという現実がよく分かるのであった。
そして別の駅ではまた変にリアルなカッパの像が造られているのが見える。よ~~く見てみると意外と大きなデベソをしたカッパである。
”エロ坊主オジサン”の住んでいる北九州市でも多くのカッパ伝説があるようだけど、この久留米市に近い場所にも多くのカッパ伝説があるようだ。このカッパの外観イメージは武者落ちした侍のようにも見えるだけに、本州から逃れてくる侍などが多かったのかもしれない。
久留米市に到着
そして予定になかった福岡県久留米市にある久留米駅に到着します。この久留米は予定に全くなかったけどこのまますぐに熊本駅まで移動しても良かったけど、せっかくこの駅に辿り着いたのには何かしらの因縁があるハズなので、駅を出てちょっぴりこの周辺を散策してみる事にした。
こんな旅はまた次回に続きます!
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