鬼会の里や天念寺を訪れ、不動明王像が刻まれた川中不動尊を眺める

九州縦断旅:大分編

 旅行期間:2020年8月中旬

 

岩に刻まれた不動明王像

「鬼会の里」の建物

九州旅は大分県に突入しており、同行する”エロ坊主オジサン”がオススメするこの豊後高田市地域で昔から伝統的に行われている祭の勉強をする為にここ「鬼会の里:歴史資料館」を訪れます。

エロ坊主オジサン
エロ坊主
オジサン

この地方で行われている、この修正鬼会という伝統的な祭りの踊りは面白いけ!

 

鬼会の里 歴史資料館

 

住所:大分県豊後高田市長岩屋1152
TEL:0978-27-3049
【営業時間】□4月~11月 9時~17時/ ■12月~3月 9時30分~16時
 ※休業日・・・ 毎月第2・4火曜日
【入館料金】 大人300円 子供150円(20名以上の団体料金あり)

館内は写真・動画撮影禁止となってます!

 

 

 

 

大分県豊後高田市にて

「鬼会の里」のパンフレット

ここを訪れた時は2020年の8月中旬盆明けの平日だったので、この「鬼会の里:歴史資料館」には全然人が来ていなかった。だからてっきり無人の場所なのかと思ったけど、奥から食堂を切り盛りしていると思われるオバサンが出てきてチケットを購入する。

そして館内では昭和52年(1977年)に国指定重要無形民俗文化財にしてされた”天念寺修正鬼会”で使われる衣装などの展示があり、それらの様子を収めたVTRなども見れる。しかしこの時はVTRの調子が悪くて、オバサンが映像を流すのに手間取ったけども一応何とか祭の様子を見る事が出来た。

 

天念寺の上にある「無明橋」-2

「鬼会の里:歴史資料館」内に原寸の模型があった”無明橋”がこの近くにあるそうだが、見回してもそれらしき橋をなかなか発見できなかった・・・。

 

天念寺の上にある「無明橋」-1

よ~~く山の上に目を凝らして見てみると、こちらの小さい石橋が見えた。こちらが”無明橋”で今から約100年前の大正時代に造られた橋で、橋の長さ5.7m/横幅1.2m、そして高い場所にありながら手すりも無いという肝試しの場所のようだ。この”無明橋”は今は修行僧などの関係者だけしか渡れない事になっているそうだ。勿論高い場所で手すりが無いので落ちれば重傷は免れない場所である。

高い所が好きなボクも今回は断念しました・・・orz

 

天念寺横にある看板

こちらはここ豊後高田市の国東半島の観光マップが置かれて、それを眺めてみる。案内してくれる”エロ坊主オジサン”が連れてきてくれなかったら、まず自分で来ようとは思わなかった国東半島。

 

天念寺横にある看板-1

案内してくれる”エロ坊主オジサン”は教壇に数十年立っていただけあって、このように説明板を前にしての説明も手慣れている。なおオジサンが指差しているのは先程訪れた、国宝の大堂がある富貴寺でそこからこの天念寺は近い場所にある。

 

天念寺前を流れる、長岩屋川

天念寺の前を流れる長岩屋川は昔から大雨の際に度々川が氾濫し、周辺の住民達が困っていたのでその水害を抑える為に川の中にあった大岩に不動明王像を掘ったという。この川沿いの道路にある標識「川中不動尊」はそんな大岩の事である。

 

天念寺前を流れる、長岩屋川-1

天念寺が建立されたのは8世紀とされていて、昔の人達は川の氾濫を防ぐ技術が無かったのか、このように神様への願掛けで防ごうとしていたようだ。その後の時代になると川の氾濫を防ぐ為に、川の流れ自体を変える工事などが行われたりするのである。

 

 

天念寺周辺にて

天念寺の正面

この天念寺周辺は「国東半島峯道トレイル」という、国東半島での歴史的な場所を巡るトレイルロードになっている。車で国東半島を巡るよりも歩いたりして自分の体で歴史を体感しながらの方が、より一層国東半島の魅力を楽しめるみたいである。

 

 

天念寺の正面-1

この天念寺裏側にある険しい山道はかつての修行僧たちが歩んだ長い歴史があるという事で、【天念寺耶馬及び無動寺耶馬】として2017年10月に国の名勝に指定されている。

 

 

天念寺の正面-2

天念寺横にある、こちらの神社は身濯(みそそぎ)神社。天念寺の本堂(昭和16年の大雨による水害で流される)と講堂の間にある身濯神社は、12世紀頃に建立された六所権現という6人の祭神を祀る寺(明治に神社となる)である。

 

長岩屋川にある不動明王像

天念寺前の長岩屋川の中にある「川中不動」

そして天念寺の前を流れる長岩屋川に、大きな岩が鎮座しているのが見える。その手前には浮島のように見える小さな島があり、そこまで石橋が造られているので渡ると川中不動尊が目の前で見られるようだ。

 

天念寺前の長岩屋川の中にある「川中不動」-1

高さ約3.2mの大きな岩を削って、不動明王像の姿を彫ったという川中不動尊へと進んで行く”エロ坊主オジサン”。昔の人達はありとあらゆる場所に神様の姿を彫ったり描いたりして、そこを信仰の場所としていたようだ。

 

天念寺前の長岩屋川の中にある「川中不動」を眺めるオジサン

常にハイソックスを履いていた”エロ坊主オジサン”の背丈と比べると、この川の中に鎮座する”川中不動尊”が刻まれた岩の大きさが分かると思う。そんな川中不動尊の手前には、小さいながらお供え物が置ける台などが造られているのが見える。昔はこの周辺に護摩堂があったそうだが、これも昭和16年の水害時に流されてしまったという。

 

天念寺前の長岩屋川の中にある「川中不動」の岩

こちらの川中不動尊はこのように近くで見ると不動尊だけではなく、左右の脇にそれぞれ別に人物がいるのが見える。左側に見えるのは制多迦童子(せいたかどうじ)という不動明王の脇侍で、右側に見えるのは矜羯羅童子(こんがらどうじ)。こられは仏教信仰から来ている不動明王に関連する人物である。

 

天念寺前の長岩屋川の中にある「川中不動」の岩-1

この大岩にこの不動明王像を彫ったのは、この長岩屋川で度々起こる水害を抑えたいという村人たちの神にすがる気持ちである。果たしてこの不動明王像を彫った成果があったのかは分からないけど、とりあえず村人たちの不満は一旦は鎮まっただろうと思う。

 

天念寺前にある川中不動尊 動画

 

 

天念寺前を流れる、長岩屋川-2

この長岩屋川も普段から激しい濁流の川ではなく、通常はこのようにとても穏やかな川。ただし川も大雨が降ると、そんな穏やかな川も一転して激しい流れの川になってしまうのだけども・・・。

 

天念寺前を流れる、長岩屋川-3

そんなこの長岩屋川の川中不動尊がある所は池のように水が溜まっていて、このように魚がのんびりと泳いでいる姿も確認できる。この2020年8月は全国的にコロナウイルス騒動の影響で、観光客が減っていたので魚達ものんびりと泳げていた時期だったのかもしれない。

 

天念寺近くのお店

こちらの「ふれあい直売所」は普段は開いているのかは分からなかったけど、この時は閉まっていた。「鬼会の里」もコロナウイルス騒動により一時閉まっていたようだが、この8月は一応は開いていたので助かった。一時はコロナウイルス感染者拡大により一部の都市で緊急事態宣言が出たけど、2020年6月からそれらが解除されて段々と観光施設なども再開し出していた頃合いだった。

 

天念寺前を流れる、長岩屋川に架かる橋

もし1人でここに来ていても全然こんな川中不動尊修正鬼会の事なんか知らなかったので、たぶんほとんど見ずに通り過ぎていっていただろう。そういう意味では1人旅もいいけど、誰かと一緒に巡る旅も面白くて新発見が多くある。

 

天念寺前の長岩屋川の中にある「川中不動」-4

今から約2500年前にインド地方で実在したとされる仏陀の影響が、遥か遠くの日本の地まで伝来されていたという事実を見ると感慨深くなる。それだけ仏教という宗教の内容が良かったのか、それとも昔の人達は現代みたいな科学が発達していなかったのでこういった迷信というか祈りに頼らざるを得なかっただけなのかもしれないが・・・。

ブッダ君
ブッダ君

失礼なっ!・・全てワシの人徳が現れておるのじゃ!

 

 

身濯神社の見学

天念寺の正面鳥居

さて川中不動尊を見学した後は、こちらのさっき見た身濯神社の見学をします。案内してくれる”エロ坊主オジサン”は意外と倹約家なので、このように無料で見学できる場所が好きなようです。

ただしお酒を飲んでしまうと、自分の勢いを止めれずに突進してしまうタイプだが・・・

エロ坊主オジサン
エロ坊主
オジサン

オレは北九州の男やけ、邁進するだけやけ!

 

天念寺の正面鳥居-1

身濯神社の鳥居横には、左右に阿吽像が待ち構えています。ただしこれらの像はあまり古そうではなかったので、まだ近年に奉納された像のようだった。

 

天念寺の正面鳥居に進む

ボクと違って真面目な”エロ坊主オジサン”は昔気質な人間なので、必ず神社ではこのように頭を下げて御参りする姿が見られた。客観的にこういう姿を見ると、これが多くの日本人に知らぬ間に押し付けられている宗教心なんだろう。物心付く前から親などに教え込まれた事を無意識にしてしまうけど、周りの人がやっているから同じ事をしないといけないとは思わないボクは冷静にそんなオジサンの後ろ姿を眺めるだけである。。

 

身濯神社

身濯神社には六所権現という八幡の神々を祀る場所。近くに宇佐神宮があるので、それの影響を大いに受けているのが見て取れる。この大分県国東半島に根付いた八幡神の信仰が、この辺りでは昔から信じられていたのだろう。

 

身濯神社-1

この身濯神社や天念寺には管理人が在住している訳では無く、普段は無人の場所。それでも誰かが定期的に掃除をしているようで、神社内はそんなに汚れている感じでもなかった。

 

身濯神社からの景色

この天念寺周辺を訪れている時に、他に来ていた人は今川中不動尊をお参りしている一組だけだった。真夏の8月だったので川中不動尊をお参りするのも女性は日傘が必要なみたいである。

 

身濯神社からの景色-1

この天念寺の創建自体は約1300年も前だという、歴史ある場所である。ただ鳥居や建物などは恐らくその後の時代に再建されたものだろうけども。

 

天念寺講堂内にて

身濯神社の内部

身濯神社奥には天念寺講堂があり、そこも中の見学ができるようになっていたので入ってみる事にする。ここでは特に靴を脱ぐ必要もなく、土足でそのまま上がり込める場所。

 

身濯神社内に置かれている、修正鬼会で使われる松明

すると天念寺講堂内にはこの地方の伝統的な行事である”修正鬼会”(しゅじょうおにえ)の時に使われる松明が置かれていた。毎年旧正月に行われるこの”修正鬼会”は、赤鬼や黒鬼に扮した僧が火の点いた松明を振り回して五穀豊穣や無病息災などを祈る行事である。

 

身濯神社内に置かれている、修正鬼会で使われる松明-1

こちらの松明は2020年に使われたもののようだが、この大きい松明は手に持ってお尻をブツ用の物ではなさそうだ。

 

修正鬼会(2018)  動画


こんな感じで鬼が小さな松明でお尻を叩くと、それが御利益があると信じられていて、今だに昔ながらの伝統が続けられているのである。

 

身濯神社内に置かれている、修正鬼会で使われる松明の説明板

こんな修正鬼会の行事も担当者が高齢化して、村の人口も減っているので段々と規模が小さくなってきているという。そして村によっては毎年開催されずに数年おきに開催する所もあるようだ。

 

 

身濯神社内の景色

この天念寺講堂内が先程の動画にもあった修正鬼会が実際に行われている場所である。だから講堂の床や柱は松明が当たったりして凹んだ痕が見られる。

 

身濯神社内の景色-1

この修正鬼会という行事はこの天念寺が建立された頃から、行われていたという説がある。という事はゆうに約1200年も続いているようだ。

 

身濯神社内の景色-2

天念寺講堂内にはこのように寺に対して、寄付金を出してくれたスポンサー企業などの張り紙が飾られている。修正鬼会という伝統的な行事を継続するのも、結局はこのようなスポンサー無しでは続けられない現状がここで見られる。行事を行う人間と、それに対してお金を提供する人間が最低限必要なのである。

 

身濯神社内の景色-3

講堂内に置かれていた、この小さい松明が修正鬼会の時に人々のお尻をケツバットして御利益を与えるものである。別に触ってはいけない物ではなかったので触ってみたけど、埃というかススみたいなのが松明に付いていて手が汚れるだけなのであまり触らない事をお勧めする・・・。

 

身濯神社内奥に飾られている仏像

講堂奥には仏像が鎮座しているのが見える。こちらだけは扉の中に納められており、鍵も掛けられて保管されている。この仏像は先程の松明よりも重要なものなんだろう。

 

身濯神社内奥に飾られている仏像-1

近くに寄ってその仏像を見てみると、右手の指が欠損しているのが見える。古代から信仰の対象となってきた仏像も、それぞれに長年経過した中で色んな事を乗り越えてきて現存するのだろう。

 

身濯神社内の傷づいた床

何気なしに歩いていた講堂の床だけど、意識して床に視線を落とすと長年の行事の影響でボコボコになっているのが目立つ。過疎化が激しい田舎の村だけに、いつまでこの伝統行事が続けられていくのだろうか。

 

天念寺に置かれている「修正鬼会」で使われる松明

特に2020年はコロナウイルス騒動の影響で、全国的に祭などの伝統行事はことごとく中止になった年。逆に言えば祭など無くても何の支障もないという事が証明された年だけど、昔から毎年行われていた祭が無かったら寂しいと思う人が多かったみたいだけども。

 

身濯神社内の水を飲むオジサン

暑くて水分が不足しがちな真夏だったので天念寺の水を飲む”エロ坊主オジサン”も、祭り好きそうなタイプなので今年は全然祭が無かったので寂しかったようだ。

エロ坊主オジサン
エロ坊主
オジサン

そりゃあ、祭が無いと生きている感じがせずに寂しいけ~~!

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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