大倉山ジャンプ競技場でジャンプ台頂上まで登るのに約15分は必要

北海道/札幌旅行記
 旅行期間:2020年9月1日~4日

徒歩でも登れるジャンプ台

大倉山ジャンプ競技場にて

札幌市内にある大倉山ジャンプ競技場で、リフトに乗り込んでジャンプ台の上まで登った後は、麓にあるオリンピックミュージアムで札幌オリンピックや冬季オリンピックなどの資料や展示品を見学しました。ただ普通の人ならこれで満足して大倉山を後にしますが、一味違う人間はここから常人が考えない行動を取るのである。

 

大倉山ジャンプ競技場にて

大倉山ジャンプ競技場を登る

というのも先程リフトで昇ったジャンプ台の上まで、わざわざ今度はリフトを使わずに脇に設置されている階段を登って、もう1回上まで登るのである。何故もう1回登るのかというと、それはルートを変えて登るとまた新たな景色が見れて、違う経験値を手に入れる事が出来るからである!

メグちゃん
メグちゃん

どうぞご自由に!ワタシは売店でゆっくりしてるから~!

 

 

大倉山ジャンプ台を登る

大倉山ジャンプ競技場の途中から眺める景色

ここ大倉山ジャンプ競技場を訪れたのは2020年9月3日だったけど、天気もあまり良くなかったからか、全然観光客はいなかった。代わりに中学生のような団体が100名ほどやって来ていたが、このジャンプ台を徒歩で登ろうという発想の子供は皆無だった。

 

大倉山ジャンプ競技場に飾られている大野精七の記念碑

そんなジャンプ台を登っていく道の麓には、こちらの「大野精七博士顕彰碑」が造られていた。北海道にやって来てからスキーなどに目覚めてドップリとハマり、その後は北海道スキー界の為に尽力する事になる大野精七医学博士。

この道を登ろうと思ったから発見できた記念碑です!

メグちゃん
メグちゃん

良かったね~~!頑張って登ってね!

 

大倉山ジャンプ競技場に飾られている大野精七の記念碑1

この大野精七医学博士は茨城県出身で帝国大学を卒業後に、ここ北海道大学に赴任してきてスキーを始めた。もし北海道ではなくて雪が降らない南の地方へ赴任していたら、札幌オリンピックが開催される事もなかったかもしれない。そんな偉大な人物の記念碑の割には、意外と普通にやって来た観光客には発見しづらい場所に設置されていた記念碑であった。

 

大倉山ジャンプ競技場に飾られている日韓友好の記念碑

そしてその先の道を進むと、道の傍らにこちらの「日韓親善青少年国際交流記念碑 2003.4.19」というものが、設置されているのが見える。

 

日本と韓国は1965年に国交を回復してお互いに親善に努めてきたが、ここ数年で急にその関係が悪化した。そんな悪化した日韓関係も全ては政治家たちの遺物であり、お互いの国民同士が憎み合わない限り、この記念碑に記されているように親善な気持ちは消える事は無いだろう。そしていつの日かまたお互いに手を取り合って、笑顔で交流する日々が戻ってくるハズ。

 

大倉山ジャンプ台の脇に造られている観覧席

このジャンプ台脇に造られていた、コンクリートの観覧席。観覧席とは言っても座る席は造られていないので立見席のようだが、ジャンプ大会が開催されている時は、この辺りからコーチなどが風向きを確認しながら飛ぶ選手に旗を振って指示している場所でもある。

 

大倉山ジャンプ台を横から眺める

そんな通路を進んでジャンプ台の真横まで向かう。すると目の前にはこのように人工芝が植えられているジャンプ台が見えてくる。いつもはテレビの中でしか見れない光景なので、このように目の前でジャンプ台が見れて少々興奮気味だったけど、ジャンプする選手もいないし、周辺にも誰もいない・・・。

 

 

大倉山ジャンプ台を横から眺める1

大倉山ジャンプ台ではこのように脇に飛距離が1m毎に刻んで記されている。K点120mのラージヒル競技だと、だいたいこの辺りが優勝を争う着地地点になって、一番見応えがある場所であろう。この日は誰もジャンプしていなかったので、いつかジャンプしている選手が居る時にまたジャンプ台に来てその姿を見てみたいとも思う。

 

大倉山ジャンプ台を登る

ジャンプ台まで登る道は麓に「頂上まで⇒」とかいう看板が立っていなかったので、ジャンプ台を階段で登りたいと思う人間には少々不親切な場所だった。なので「恐らくこの道だろうけど・・・もし違ってたら戻って登り直しや!」と思いながら進んで行く。

メグちゃん
メグちゃん

看板が立っていないという事は、それだけ登る人がいないのかもよ~!

 

大倉山ジャンプ台脇にある風時計

こちらはスキージャンプ大会のテレビ中継で最も写る機会が多い、ジャンプ台に設置されている風度計である。ジャンプ台のバーに座ってからジャンプ可能を知らせる黄色信号が灯った後は、「10秒ルール」と呼ばれているように10秒以内にスタートしなければならない。その際に重要なのがジャンプ台脇に取り付けられている風度計で、飛び出し口や着地地点付近の風の様子を見ながらコーチは選手に指示を送る。だからスキージャンプの勝者は純粋に遠くへ飛ぶ能力と共に、”風を味方にする能力”も必要なのである。

 

 

 

誰もいないジャンプ台で動く風度計 【動画】

 

 

大倉山ジャンプ台を登る道

そんな風度計を間近に眺めた後は再びジャンプ台頂上を目指して、さっきの道を登っていく。相変わらずここまで来ても「頂上まで⇒」とかいう看板も見当たらないし、この道を行き来する人とも出会わない。この2020年はコロナ禍の中でも日本の色んな所に行ったけど、基本的にはこのように行く先々の道では人と出会わない所へ行く事が多かった。それはなるべくコロナに罹りたくないという気持ちからではなくて、普通の観光客が行きたくなるような場所では無かったからかもしれない。

 

大倉山の登山道にて

大倉山ジャンプ台を登る道を進む

そして大倉山ジャンプ台頂上を目指して坂を登っていると、やっと頂上へ向かう登山道のような整備された木組みの階段が見えてきた。お年を召された方々にとっては先の見えない登り階段は地獄の始まりのように思うかもしれないけど、ボクにとっては楽しみがどんどん脳内で増殖していく光景である。

仁義スカンク
仁義スカンク

人間にも野生の血はまだ流れているプ~~!

 

大倉山ジャンプ台を登る道を進む1

この徒歩で登る階段は、雪が降り積もる冬の時期は通行が禁止されている。なのでここでは春・夏・秋といったシーズンのみしか登れない。

メグちゃん
メグちゃん

まず普通の人がその道を登ろうとは思わないと思うよ~!

 

 

大倉山ジャンプ台を登る道を進む2

そしてそんな階段を登っているとすぐに、大倉山の中腹辺りにこのようなウッドデッキが造られている。ここからの景色を眺めて、一服してもらおうという作戦だろう。だけどそんなに登山する人がいないからか、椅子は設置されていなくて、立ち見で景色を眺めるだけのようだ。

 

大倉山ジャンプ台を登る途中の展望台からの景色

そんな中腹のウッドデッキ展望台から眺める、大倉山ジャンプ競技場の景色。大きな大会の際にはこのジャンプ台脇の芝生部分に、大勢の観客が集まって試合を観戦しているのであろう。だがレースの無い競馬場のように、この日の大倉山ジャンプ競技場は静まり返っていたが。。

 

大倉山ジャンプ台を登る途中の展望台からの景色1

写真中央付近のジャンプ台中腹に建っている建物が「審判塔」で、こちらの建物にジャンプの許可を出したり、飛型点を審査する審判員が詰めている場所。なおスキージャンプの飛型点は20点満点で採点されて、審判員5人が出した点数の1番高い点数と一番低い点数を相殺して、2~4番目までの3つの点数の合計点が飛距離と加点されて、最終的なポイントとなる。だからどんな形でも人より遠くに飛べばいいものではなくて、その美しさも求められる抽象的な競技でもある。

 

大倉山ジャンプ台を登る途中の展望台から更に登る

そして階段を登っていくとやっと初めて看板が見えてきた。しかし「スタートハウス」やら「クリスタルハウス」という分かりにくい案内となっている。「頂上まで〇〇m」とか「麓まで〇〇m」という表示にしてくれないと、初めてこの道を通る人間には理解しがたい看板であった。

 

ちなみに「クリスタルハウス」という建物は、さっき下にあったレストランが入っている建物である。ここ大倉山ではインバウンド客を更に取り込もうと半年間掛けた補修工事が終わり、この2020年6月にフランス料理店「ヌーベルプース大倉山」が一角にオープンしたばかりだったけど、コロナ禍の影響によりその思惑は大きく崩れ去ってしまっていた。。

 

大倉山ジャンプ台を登る途中の展望台から更に登る1

さて上までの距離が分かった所で、前回の九州旅で訪れた鹿児島にある開聞岳登山している時のように「頂上まであと〇〇km」と表示されていても、普段山登りしない人間にとってはその距離感を実感できないのである。だから出来る事といえば、ひたすらに目の前に続く登り坂を登っていくだけである。

 

大倉山ジャンプ台を登る途中の展望台から更に登る2

この大倉山ジャンプ競技場は札幌市内だけど、ここは山の一部なので「蜂やヘビなどが出没するので注意!」という看板を見かける。奄美大島や沖縄ではこういった山の中の遊歩道ではハブが本当に出るかもしれないと思って警戒していたけど、ここ札幌では全然警戒心を持たずに登っていた。

忙しいクマ
忙しいクマ

人間中心に物を考えたらアカンで!人間は動物が住む場所に侵入して来てるんやから!

仁義スカンク
仁義スカンク

動物側からすると、人間が飛び出て来てる感覚なんだプ~~!

 

大倉山ジャンプ台を登る途中の展望台から更に登る3

大倉山の上の方まで登ってくると、高く生い茂った木々に目の前の景色を遮られてしまい、肝心のジャンプ台が全然見えなくなる。と言っても頂上まで登れば、ジャンプ台の景色を充分に見れるので、「ここではそんな景色に見惚れずに上に登る為に、敢えて景色が見えないようになっているのだ!」と思い込んで階段を登っていく。

 

大倉山ジャンプ台を登る途中の展望台から更に登る4

するとやっと建物が見えてきて最後の階段が目の前に現れる。ジャンプ台の高さは133.6mなので、この頂上付近でもたかだ140m程登るだけである。だがそれでも運動不足な現代人は、途中から「ハ~~ハ~~」と肩で息をしながら登るのが精一杯な道のりであった。

 

 

徒歩でジャンプ台上へと登り切る!

大倉山ジャンプ台を徒歩で登り切る

ここに来て最初にこのジャンプ台上の展望台まで昇ってきた時から、約1時間半が経過していた。先程見学した「札幌オリンピックミュージアム」だけで約1時間は滞在していた訳になる。さっき上に登っていた時はモヤっていた天気だったので、見晴らしが良くなかったけど、晴れている事を期待して登って来たけど残念ながらそんなモヤはまだまだ停滞していた。。

 

大倉山ジャンプ台から再び眺める札幌の景色

そして今日2回目となる大倉山ジャンプ台上から眺める景色。なおこの時は全然気付かなかったけど、下でお茶を飲んでいたメグちゃんがボクがそろそろ上に登った頃合いという事で下に見える広場に出てきて、ボクが上にいる写真を撮っていた。しかし送ってもらったそんな写真では所詮スマホで撮ったもので、望遠レンズじゃないので米粒以下の大きさで殆ど自分の姿を確認できない程の写真であったが・・・。

 

大倉山ジャンプ台から見える札幌の夜景

大倉山ジャンプ台から見える札幌の夜景

なおこちらは5~10月までの温暖な気候時には夜遅くまで開放されている大倉山ジャンプ台から、札幌市内の夜景を撮影した写真。こうやって見るとジャンプ台の遠く向こう奥には、札幌の街を東西に貫く大通公園が見えている。もしここから飛んでいくジャンパーに翼が生えていれば、あの大通公園まで飛んでいけそうなジャンプ台である。

 

大倉山ジャンプ台から再び眺める札幌の景色1

ただここは山であるので今日のようにモヤっていると、ボヤ~~っとしか札幌中心部の景色が見えない。これがスカっと晴れている日であればさっぽろテレビ塔やJRタワーなども一望できるのであるが。。

 

ジャンプ台から遊歩道を下る

大倉山ジャンプ台から徒歩で降りる

あまり頂上に居ても見晴らしが一向に良くならないので、登って来た遊歩道をまた徒歩で降りて行く事にする。こちらの降り口に掲げられていた看板には「中間休憩所まで193m約5分、下まで561m約15分」と分かり易く記載されていた。なおこちらの遊歩道は夜間は危険な為に通行できないので、夜景を見に来る際はリフト券を買わないと登れないようだ。

 

大倉山ジャンプ台から徒歩で降りる道

登って来た道を降りる時程の安心感は、なかなか普段には感じれるものではない。こんな僅か距離にして560m、高さで140m程の遊歩道であるが、それでも自分の足で登ってみるとそれなりに満足感を得れる道であった。

 

 

大倉山ジャンプ台から徒歩で降りる景色

ただ帰り道を下っている途中にさっきから雨がポツリポツリと降り出してきていたので、普段よりも急ぎ目に階段を駆け下りていく。なお普段の旅行時は傘を持って行くという事を考えた事が一切ない。そして現地で傘を買っても手荷物になって邪魔なだけなので、基本的には雨が降ろうと傘を差す事がない。だからちょっと雨が降っても傘を差す日本人を見ると、いつも違和感を感じる外人のようになってしまっている。

 

大倉山ジャンプ台を下まで降りる

このジャンプ台を徒歩で登る時はこの脇にある見学通路に立ち寄ったりしたから約20分が掛かったけど、下り道の帰りはさっと駆け下りた事もあって10分も掛からず降りる事が出来た。こうやって体を動かして登り降りする方がやっぱり性に合っている気がする。

メグちゃん
メグちゃん

でしょうね~~!

 

大倉山ジャンプ台の売店で休憩中

下の売店に設置されているテーブルで寛ぐメグちゃんを窓越しに発見する。「思った以上に早かったね!」との事だったが、ボク用にミネラルウォーターを買ってくれていて、さすが3人の子供を産んだ優しい母親であるメグちゃんの心遣いであった。

アグア、グラシアス!

 

大倉山ジャンプ競技場の駐車場

という事で残念ながらスキージャンプ練習をする選手を見かける事が出来なかったけど、代わりに自分が動き回ったおかげで充分に満喫できた大倉山ジャンプ競技場でした。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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