九州縦断旅行記(秋)2020年-㊳
旅行期間:2020年10月24日~28日
(Drive along the Isahaya Bay reclamation embankment road and soak in the footbath at Obama Hot Springs in Unzen.)
足湯で水虫は禁句!
さて今回の九州旅もいつの間にか長崎県に入って来ています。そしてこれから向かおうとしているのが奥に見えている山だけど、これが噴火でも有名な「雲仙岳」。なお、この雲仙岳という名前は山の名前ではなくて、阿蘇山のように普賢岳・妙見岳などの三峰五岳から成る火山群の総称となっている。
長崎県の諫早にて
有明海沿いに国道207号線を南下していくと、そこから雲仙方面に行こうと思えば昔は諫早市内の方まで行かないといけなかったが、今では新たに「諫早湾干拓堤防道路」という堤防の上に道路が造られているので、そこを走れば雲仙方面までショートカット出来るようになっている。そんな堤防道路を渡る前に、諫早湾や雲仙岳などの景色を眺める。手前では自称現地ガイドを名乗るエロ坊主オジサンが、知性の限りに知りうる雲仙岳の知識を説明しているようだ。
諫早湾と雲仙の景観 動画
これから通る諫早湾干拓堤防道路は、1989年から「国営諫早湾干拓事業」として造られた干拓堤防の上に開通した道路である。この干拓事業も2007年に工事が完了したが、その周辺で予期していなかった漁業被害が続々と発生し、また干拓側に溜まったヘドロなどが水質汚染を広げるとして、開門反対派が裁判所に訴え泥沼化している。
諫早湾干拓堤防道路を走る!
そして楽しみにしていた、そんな堤防の上を走る道路だったけど、南側行きの車線からはこのように堤防の盛り上がった部分が邪魔して東側の景色が全然見えない・・・・。
こちらは今走って来た後ろ側の景色だけど、ただ真っ直ぐに貫いている普通の道路。この道路の中央付近には「雲仙多良シーライン展望所」という休憩所があって、そこから周囲を眺める事が出来るようだけど、ドライバーの朋ちゃんはそんな展望台に気付かずにドンドンと進んで行く。
せめて反対車線を走っていれば、干拓地側の景色がよく見えたのだろうけど、反対車線側から見てもあまり綺麗に見えないし・・・。
やっぱりハンドルを他の人に任せると、それによって空いた手でこのように撮影は出来るけど、自分が立ち寄りたいと思っている場所は通り過ぎてしまう。それにあまり自分の決めた場所以外の寄り道をしたくないと思っているエロ坊主オジサンの上手い誘導もあって、淡々と車は一直線に雲仙に向かって進んで行くのであった。
王子の注文を全部聞いていると、時間がいくらあっても足りんけ!
しかしこれだけ広大な諫早湾を囲むように堤防を造って、干拓地に変えるとは人間という生き物は地球を完全に私物化している。本来は人間の物ではなくて、地球上に住む全ての生物の物でなくてはならないけど、人間は自分達が地球上で一番優れた生物だと思い込んでいるので、そういう自分勝手な行動をしてしまうのだろう。。
人間の扱いには、頭を痛めてます・・・
この諫早湾干拓堤防道路は堤防部分約7kmの上を走るけど、総延長距離はその前後まで含んでいるので8.515kmの道路となっている。この道路開通は堤防の工事が完了となった、2007年12月となっている。
途中にこのような建物が見えてきて、この辺りに車を停めて水門が見れそうだったけど、ハンドルを固く握りしめて運転している朋ちゃんはひたすらに進んで行くのであった。
止まって欲しいなら、もっと手前から言ってくれないと!
堤防道路を走る 動画
事前に楽しみにしていたけど、あまり周辺の景色を楽しめなかった諫早湾干拓堤防道路。期待が大きいと、その期待に応える事が出来なかった反動で、逆に落胆も多くなる。現地ガイド役を自称するエロ坊主オジサンも、この干拓堤防については特に無関心なようで、その心はこんな道路や干拓地よりも雲仙の温泉に向いていたようだ。。
やっぱり九州では、温泉巡りが一番楽しいけ!
雲仙市の「小浜温泉」にて
そしてエロ坊主オジサンのナビに従ってまず辿り着いたのは、雲仙市で昔から人気の温泉地となっている「小浜(おばま)温泉」。結局エロ坊主オジサンに任せると、立ち寄る先がオッサン臭い温泉地ばかりをチョイスしてしまうようだ・・・。またここは【ほっとふっと105】という日本一長い足湯が無料で開放されている場所だけど、その代わりに手前の駐車場は有料で、入浴料代わりの250円となっていた。
この地に温泉が出ているのは約1300年前から確認されているらしく、主に温泉保養地として人気になったのは20世紀に入ってからだという。「小浜(おばま)」という名前を聞くと、敦賀の小浜を思い出してしまうけど、同じ名前となっているようだ。
この小浜温泉は源泉の『放熱量が日本一』だという。何かにつけて観光客を呼び込もうと「日本一」の称号を付けたがる観光地が多いけど、この聞き慣れない放熱量とは湧き出て来る源泉量と、その源泉の温度を掛けた数字だという。なお温泉が多いイメージのある日本の年間温泉放熱量は、推定約34,920,000,000,000キロカロリー(34兆9,200億)/年 前後になるとか。
ここ【ほっとふっと105】では日本イチという新しい称号を得る為に、2010年2月に完成した105mという長~~~い足湯が造られている。足湯と言っても今日は佐賀県を代表する武雄温泉に浸かっているし、わざわざここで浸かりたいとも思わなかったけど、足湯に浸かりながら目の前の海を見ながらゆったりできる場所みたい。
そんな足湯が設置されていた場所には、このようにちょっと意図が不明瞭なオブジェが置かれていた。ポケモン好きの子供からしたらモンスターの手にも見えるし、熱い源泉から噴き上がってくる蒸気のようにも見えない事もないが。
こちらの旗には「日本一 熱い町」という文字と共に、下にはお笑いコンビ:デンジャラスの片割れであるノッチがオバマ大統領の真似をしている時の顔のような絵が描かれているのが見える。2008年に行わたアメリカ大統領選挙の民主党予備選にバラク・オバマ氏が出馬した際に、敦賀の小浜(おばま)が同じ名前に便乗して、日本国内でオバマ氏の応援活動を行ってマスコミに取り上げられたけど、この雲仙市にある小浜(おばま)も同じ名前だったので同様に応援活動を行ったという。
こんな雲仙にも小浜という同じ名前があるなんて、知らなかったわ!
この小浜温泉の源泉は105度という、普通に沸点を超えた温度となっているようだ。
アレっ、沸点が100度なのに、小浜の源泉は蒸発しないの??
温泉の源泉は水に比べると少し他の物質が混ざっているけど、基本的には沸点は殆ど水に限りなく近い100度とそこまで変わらないという。ただ水の沸点が100度というのは地球上のどこでも同じ事象が起きる訳ではなくて、1気圧の場所では100度が沸点だけど、標高が高く気圧が地上に比べると低い富士山の頂上だと水は88℃で沸騰する。なので沸点は100度と固定されている訳ではなくて、その場所の気圧によって変わってくるのだ。
という事は沸点が100度を超えるという事は、この地上で源泉を測ったのではなく、気圧が低くなる地下で温度を測っている可能性が高い。下記の環境省が出している【温泉モニタリングマニュアル】によると、源泉の温度は『温泉が地上に湧出したときの温度を測定』とあるけど、湧出地点または湧出地点に近い場所を地下という事にして源泉温度を高くする口実にしていたのかもしれない。あとは地下に潜れば潜る程に沸点100度を超える源泉の温度が、理論的には測れるハズである。
これも知らんけどな!(笑)
そんな源泉の温度も直に触る訳ではないので、とりあえず放っておく。そしてこちらに見えたのが、その高温の源泉から出てくる蒸気を利用して、食べ物を蒸す「蒸し釜」であった。
別府温泉にも同じような蒸し釜を見かけたけど、このような蒸し釜も温泉街ならではの光景である。温泉地にやって来た観光客は普段蒸し釜なんて使う機会がないだけに、このように用意されていると使いたくなるのだろう。
この蒸し釜はレンタル制になっているので、まずは蒸し籠を200円でレンタルする必要があるそうだ。ただ蒸し籠さえレンタルすれば、食材は持ち込み自由らしい。ただこの蒸し釜のPRをする為にも、熱い熱い「105度の源泉」を謳いたいが為に地下で温度を測っていたのかも。。
この近くでは海を見ながら、しかも源泉かけ流しの温泉に入れる場所もあったりで、いかにも温泉街という感じになっている小浜温泉。温泉好きからしたら1日何回でも温泉に浸かるのが楽しいかもしれないけど、そこまで温泉好きでない人からすれば、1日に1回温泉に入れれば充分である。今日は既に佐賀の名湯:武雄温泉に浸かっているし、ここで足湯を挟んでから、更にこれから雲仙岳近くの温泉にも入る事にもなるし。
温泉は1日何度でも入りたくなるけ!
今日は忙しい移動になるのと、違いましたっけ?!(笑)
温泉だけはルートから外せないようですね!
ここ雲仙市の小浜町の前にある海は「橘湾」と名付けられているようだ。まあ大きく分類すれば東シナ海になるのだろうけど、ここは元々は「千々石湾」という名前だったそうだ。それが変更となったのは、日露戦争の遼陽の戦いで戦死した長崎出身の陸軍軍人「橘周太」の銅像が彼を慕う人間によってこの雲仙市千々石町に1919年頃に造られて、その関係者がこの湾の名称を彼の名前を取って「橘湾」と申請した所、海図を作成していた海軍がそれを認めて、それ以降はここが橘湾となったという。
ここの【ほっとふっと105】という日本イチ長い足湯手前の駐車場は250円と有料だけど、この足湯利用料は無料なのでここに来た人達はその駐車料金分の元を取らんとばかりに足湯に浸かっていた。
そしてここでもまたエロ坊主オジサンの一言が、今回の旅でも笑い話になった物議を醸しだす発言をしたのである。
というのも写真を一通り撮り終わってボクが足湯に入ろうと思っていたら、急にエロ坊主オジサンが
オウ、水虫王子!!
といつもながらのデカい声で叫んだら、周囲で足湯に浸かっていたお客さん達が一斉にボクの方に顔を向けて、「ドイツが水虫野郎だ?!」という顔をしてきたのだった。
日本イチ長い足湯 動画
清潔好きな日本人からすると、「水虫は罹りたくない!」という気持ちを全員が持っているのか、見事に周囲にいた人達がエロ坊主オジサンの『水虫』という言葉に反応したのであった。。
勿論ボクは、水虫になった事はありませんが!
いや~面白かった!見事にみんな王子の方を向きおったばい!(笑)
いいね~~王子、みんなの注目浴びれて!(笑)
こちらの説明板にはやっぱりこの小浜温泉の源泉が105度を超えているのは、地下数十メートルで測っているからだと書かれている。人も自分が普段生活している環境が世界の標準だと思い込んでしまうけど、同じ地球上でも場所によって沸点や酸素濃度も変化する事を頭のどこかに入れておく必要がありそうだ。
こちらはさっき見た蒸し釜の反対側だけど、まるでトルコの世界遺産となっているパムッカレの温泉が噴き出しているエリアの段々畑みたいな景色をマネして、造っていたオブジェかもしれない。
トルコのパムッカレの段々畑のような流れ落ちる温泉は、こんな小さくなくてもっと大きなスケールの場所だったけど、この景色を見てパムッカレを連想するのは、自分が実際にトルコに足を踏み入れたからである。
トルコは思った以上にいい所です、是非まだの人は行ってみて下さい!
小浜温泉の景色 動画
という事で”水虫疑惑”をエロ坊主オジサンにかけられたおかげで、普段は全然気にしない周りの目を気にしながら、105mもあるという日本イチ長い足湯コーナーの隅っこで、そんな足湯にコッソリと浸かるのであった。。
いや~~傑作だった、我ながら大笑いしたけ!(笑)
こんな旅はまた次回に続きます!
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