北海道/札幌旅
旅行期間:2020年9月1日~4日
レトロなオルゴールの数々
さて今日は札幌市内を離れて、西側にある北海道屈指の観光地ともなっている小樽の街へとやって来ました。北海道の中でも明治時代から港町として栄えた小樽の街は、その時代に倉庫などとしても造られた建物が今でも現存しているものが多く、それらが”小樽市指定歴史的建造物”として小樽の街の重要な観光資源ともなっている場所である。
「小樽オルゴール堂:2号館アンティークミュージアム」にて
その小樽の街でやって来たお店は、こちらの「小樽オルゴール堂:2号館アンティークミュージアム」。1967年に開業した小樽のオルゴール店ですが、この2号館はオルゴール博物館ともなっていて、店内には所狭しと昔のレトロなアンティーク・オルゴールの数々が展示されているのを無料で見学する事が出来る施設ともなっている。
勿論、普通にオルゴールも販売されているドウ!
そんなアンティークなオルゴール博物館だからこそ見る事が出来る、このような平盤式オルゴールなども沢山展示されている。よく店頭で売っているオルゴールと言えば、もっと小さなシリンダー式オルゴールが今では主流となっているが、オルゴールが大衆に普及した初期頃は今で言う”レコードタイプ”のようにも見える平盤式オルゴールだったのである。
この「小樽オルゴール堂:2号館アンティークミュージアム」は名前の通り、オルゴール博物館となっていてアンティークなオルゴールが数多く展示されているが、その殆どは当然触ってはいけないようになっている。なお、こちらは「ステラ コンソール」という1890年に造られた”ディスクオルゴールの最終傑作品”とも称される、平盤式オルゴールの最終形ともなっているオルゴールだそうだ。そしてこのオルゴールはこのようにボックス型になっていて、その中の椅子に座って実際にオルゴールの音色を体験できる設備となっていた。
うわ~~すごくいい音色が響く~~!
こちらのボックス型オルゴール「ステラ コンソール」は、こちらの説明を見るとオルゴール部分はスイス製で、それ以外の部分はアメリカ製だそうだ。平盤式のディスク・オルゴールも段々と性能が向上していき、特許を取得しているこの”突起のないディスク”が開発された。これによってディスクに引っ掛かりが無くなった為に変形する事が無くなり、このディスクオルゴール自体の寿命はほぼ半永久的になったという。
ただオルゴールの寿命が延びても、需要が無くなったら姿を消していくプ~~!
こうやってアンティークなオルゴールを見ていると、音楽業界の歴史をも知らない内に勉強できる。我々の世代は主にカセットテープからCD、そしてMDへと移って今では音楽データ(Mp3)をUSBやスマホなどの記録媒体で管理して流す時代になった。そのような音楽を演奏する物体とその音楽の音源を管理する物体の、衰退した歴史がこのようなレトロなオルゴールとなっているのだ。
その内、カセットテープ記念館とかも造られるのかしら?!
科学が進歩すればする程に次々と新しい道具が発明されていく。我々の小さい頃はビデオテープやカセットテープというアナログな製品が使われていたが、今ではビデオテープなんて物は一般的には販売されていない。しかしカセットテープの方はレコード程じゃないけども、時代の波に乗り遅れて緩やかな水面を漂うかのような、お年を召された方々にとっては扱いが簡単な為に、逆に今でも生き残って使われている。
今の時代ではそのように科学の進歩によって、誰でもどこでも好きな時間に好きな場所で簡単に音楽を聴けるようになっている。しかしそんなデジタルな時代にも過去のアナログ音楽の良さを気に入った愛好家たちは、レコードやこのようなレトロなオルゴールなどに憑りつかれるかの如くハマッているようだ。
そしてオルゴールもどんどんと進化して、当初は単に音楽を鳴らす道具だっただけなのが、次第に音を聴かせるだけではなく、視覚でも楽しませる道具として発展していく。こちらのスイス・リュージュ社が発売した「魚釣りをするネコ」という、自動からくり人形が付いたオルゴールである。
こちらもスイス・リュージュ社が発売した「朝食をとるネコ」という、自動からくり人形シリーズの作品である。このように当時から猫は人類に可愛がられる存在であったというのが分かる。ちなみに猫の目はガラス玉で造られていて、どの角度から見てもこっちを見ているようになっているんだとか。。
このようにある意味芸術作品の域にも達したかのようなオルゴールも、貴族など上流階級の家でのみ動いていたのだろう。これが1体いくらの値段が付けられているのかは分からない(非売品)けども、オルゴール自体に注目が行く作品ではなくて、そのおまけであるからくり人形に注目が行ってしまう作品である。
このオルゴール博物館ともなっている店内では、展示されている非売品のアンティークなオルゴールは基本的に触れてはいけない。そして中には普通に販売されている一般のオルゴールもあるので、それは触っていい物もある。
こちらはさっきのアンティークなオルゴールとは違って、ここで一般的に販売されているオルゴールである。こちらの商品は「触ってはいけないマーク」となっているだけあって、売り物のオルゴールの中でも比較的高価な部類に入るもの。手前のオルゴールは57,200円、中央奥のオルゴールは77,000円となかなかにいい値段がしている。
やっぱりオルゴールの曲に使われているのは、クラシック音楽の中でも有名な物が多い。こちらはドビュッシー作曲の「月の光」や、バッハ作曲の「G線上のアリア」など誰でも知っている名曲が収められているオルゴール。
こちらは「ディスク・オルゴール」という、今では一般的に見る事が出来ない昔のオルゴール。このディスク・オルゴールが回転する事によって、その盤面に開けられた突起部分がオルゴールの音源となる「櫛歯状の金属板」に当たって、独特の音色を奏でる仕組みになっている。このディスク・オルゴールの材質も当初は厚紙が使われており、その後は段々と金属を加工できる技術が向上していき、亜鉛が使われたりして最終的には鋼鉄製になったそうだ。
今目の前にある物についてはなんでもそうだけど、必ずそれが今ここに存在するに至る歴史がある。このようなオルゴールが生まれて、それが発展して繁栄した時期を迎えて、衰退する時期も必ずやって来る。『平家物語』の有名なフレーズ「盛者必衰の理をあらはす」ともあるけど、それが生き物だけに限らずにこのような生き物が使う道具にもしっかりと地球上での法則が適用されているのがよく分かる。
このディスクオルゴールのように盤面が反り返っているのに、ちゃんとこれが作動して音楽を奏でる事が出来るのだろうかと思ってしまう程の品物。ちなみにこちらのオルゴールは「ダブル・ディスク」という名前の通りの商品で、2枚同時にオルゴールを鳴らして、その音色に深みを与える為に造られたものだという。しかしこのオルゴール博物館でディスクオルゴールのアンティークを見た事によって、よりオルゴールに対しての歴史に興味が出てしまった。。
何事にも好奇心を持って勉強するのは、とても大事だと思います!
さてそろそろレトロなアンティークオルゴールが展示されているコーナーが終わって、これからは販売されているオルゴール製品が並んでいるゾーンとなっている。ただオルゴールも旅先で気に入って購入しても、最初の頃はオルゴールを回してその音色を聴くけど、時間が経過すると物入れの奥へと置かれるだけの物となってしまうものである。。
だからオルゴールは買う気が無かった訳で・・・
単に金が無いから買えないだけやろ!
そんなオルゴール店の中で見つけた可愛いこちらの熊は、北海道土産と言えば定番だった”熊の彫り物”のような熊が支える机だった。大阪などから来た人間にはその行動範囲内の場所で熊などが出てくるなど夢にも思わないけど、北海道にはまだまだ熊が出没する事が多いので地方に来た時は、このような熊の出没にも注意しておかないといけないのである。
そしてそんな可愛らしいクマに混ざって、記念撮影をする男。いつの間にか40歳を過ぎてしまっているにも関わらず、いまだに無職で”傾奇者”っぽい生き方を目指している男。。
相変わらず、どこでも楽しそうよね~!
本人は全然気にしないけど、身内からは頭痛の種やろな~!
こちらはスイスのジョバン社が、観光客向け用のベンチとして造ったもの。夫婦関係に倦怠期が押し寄せて、「たまたまここで出会ったプレイボーイなクマさんに心惹かれる奥様」といった感じを醸し出して記念写真を撮るメグちゃんの姿が見える。。
やだ~~写さないで欲しいけど、やっぱり写して~~!(笑)
・・・・・・(笑)
オレの方がもっといいクマやで!
このベンチを造ったスイスのジョバン社(JOBIN)は、1835年にスイスで創業された老舗オルゴールメーカーで、そのオルゴールと合わせて販売するように、木彫り彫刻などの伝統工芸品も一緒に手掛けた。単なるオルゴールだけではなく、さっき見てきたようなアンティークなオルゴールに不可欠な入れ物や装飾用として、木彫り彫刻が重要となる。そしてこのジョバン社では1884年にスイスでは最初の木彫り工芸学校を開校して、その木彫り技術を広げていった会社でもある。
伝統ある木彫りのクマさんと抱き合えた訳ね!💛
何でもそうだけど道具というのは最初は純粋にそれに求められるものだけの水準が高くなっていくけど、ある程度開発が進むと天井にぶち当たって他のメーカーとの競争で勝ち抜くためには差別化が必要になってくる。なのでオルゴールの世界ではこのように、単に音楽を奏でるオルゴールという作品ではなく、日常的に使われている製品とコラボして付加価値を高める世界へと手を出していくのである。
これは引き出しを開けると、オルゴールの音色が聴こえるようになっているよ~!
今では木彫りという加工技術を受け継ぐ人が少なくなってしまっているけど、19~20世紀前半には多くの木彫り職人たちがいたハズ。そんな昔から木を削って像などを造ってきた人類が培った技術も、今では3Dプリンターという魔法のような物を開発してしまった人類の前では存在感が消えつつある。しかしこのような伝統技術は人類が長年に渡って生きてきた証でもあり、今後も残すべき大事な伝統だと思う。
人類はちょっと生き急ぎ過ぎているような感じがするね~!もっとゆっくりした方がいいよ~!
そしてお次のオルゴールは、比較的安価な部類になっている「ボルタオルゴール」という、北海道室蘭で造られているボルトやナットなどを加工した面白い人形(ボルタ)が取り付けられているオルゴール商品である。なおこのボルタ人形自体は下記の「ボルタ工房」で色んな種類を販売しているので購入できるが、これがオルゴールに取り付けられた商品はここ「小樽オルゴール堂」での限定商品となっている。
このボルタという人形はこのようにそれぞれに、とても人間臭いポーズをしているものばかり。こちらのポーズは昔の日本を代表する、日曜日の午後に家でゴロリと横になって新聞を読むお父さんをイメージしたもの。しかし現在はスマホなどのデジタル化が進んでおり、このような新聞を購買する家庭が激減しているので、今となってはなかなか見られない珍しい光景となってしまっている。
このボルタというナット人形はこのようにず~~っと眺めていると、段々と人間のように見えてきて愛着が湧いてしまう程に可愛らしくなってくる。単にナットとボルトの集合体なんだけど、人間ってのは想像力があるので、勝手に脳内で人間っぽく見えてしまうものを自分の都合のいいように解釈するように出来ているそうだ。
そしてお次はスポーツをするボルタ人形であるが、ここでイチローの凄さが理解できる場面。というのもこのボルタ人形は顔の作りは同じなので、その体の動きなどで表現をする必要がある。右のサッカーをしているボルタ人形はこのモデル像が思い浮かばないけど、中央の野球選手はこれを見るとみんながみんなイチローだと分かるからである。このポーズを生み出した事が、イチローの成績と同じほどに彼の印象を人々の記憶に残す働きをしたのである。
そういう意味でボルタ人形を眺めると、確かにそれぞれのアクションをしている一場面でそれが何を表現しているかが理解できるけども、それが誰個人をモデルにしているかまでは他の人形では分からない。このような相撲の四股を踏むポーズなども、相撲取りというのは分かるけど、これが例えば朝青龍や貴乃花といった個性までは出ない。そういった意味では止まっている時間が多い野球というスポーツの方が、個人の個性が出やすい競技なのであろう。
北海道では昔から熊が人気なお土産なので、それにあやかった「クマ天使」という透明のガラスで造られたクマが入っている、可愛らしいオルゴールなども展示されている。そしてオルゴールに搭載されている曲も有名なクラシック音楽ばかりではなくて、流行りにも合わせて、人気の宮崎駿作品アニメの曲も多く見られる。
このようなオルゴール曲一覧を見ても、その流行りというか、人気な曲の傾向がよく分かる。これだけ映像のCG技術が進んで、アメリカでは立体に動くアニメーションなどの映画も作られているが、日本では未だにひと昔前のジブリアニメ映画が毎年のように繰り返しテレビで放映されて、毎回一定の視聴数が稼げているようだ。
宮崎駿作品「ルパン三世カリオストロの城」は特に好きで、毎回観てしまいます!
こちらのたまごのようなエッグタイプのオルゴールは、ロシアの皇帝が毎年母親へのプレゼントとして造らせていた「イースターエッグ」の模倣品みたいな商品。
実際にロシア(サンクトペテルブルク)で本物のイースターエッグを見たけど、あまりの豪華さとその精密さには驚いた記憶しかない。
とてもオルゴールの勉強になった「小樽オルゴール堂:2号館アンティーク・ミュージアム」だけど、ボルタ人形には心が少し惹かれたものの、結局押し入れの片隅に陣取る事になるので購買するのは見送る事に。。
最初からそもそも買うつもりがなかったやろ!
バレてましたか・・・・(笑)
こちらは小樽オルゴール堂の本館をイメージしたボックスに入っている、牛・クマ・キツネという北海道らしい生き物たちが動きそうなオルゴール。結局小樽オルゴール堂の本館には行かなかったけども、”小樽市指定歴史的建造物”にも指定されているレトロな建物なので、時間があれば寄ってみるのもいいみたい。
個人的にはステンドグラスのような鮮やかさの、こちらのランプに心が惹かれた。バラの模様が入ったこちらのランプは59,400円という、なかなかにいい値段がしていた。
勿論スル~~でした・・・・(笑)
こんな旅はまた次回に続きます!
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