積丹岬にある日本の渚百選『島武意海岸』で、ブルー色の海岸を眺める

北海道/札幌旅

 旅行期間:2020年9月1日~4日

 

北の大地から眺める日本海

積丹半島へ向かう

さて北海道西側にある余市町でその町を代表するニッカウヰスキー余市工場を見学した後は、せっかくなので余市町北西にある積丹半島(しゃこたんはんとう)の日本海が見える絶景ポイントがあるというので、そこまで連れて行ってもらう事に。

 


余市町から北西へ約40kmの道のりで、自動車で移動するにしても約50分は掛かる場所にある積丹半島の絶景スポットの岬。勿論電車など走っていない場所なので、車で行くしか足がない場所でもある。そしてこの辺りは自然が溢れている場所だけあって、道に野生動物が出てくる可能性が高い場所でもあった。案の定、我々が積丹岬へと向かう途中に路上に鹿が3~4匹居たので、もしここへ行く場合は動物との衝突回避の為にスピードを落として走る必要がある。

 

 

積丹半島の北端岬にて

積丹半島の北端にある「島武意海岸」駐車場に到着

連れて行ってくれた札幌市民のメグちゃんも運転オンチで、「確か、この辺だったと思うけどね~!」とあまり道を覚えてない様子で不安だったけど、何とかその積丹半島の北端岬にある展望台となっているスポットの駐車場に到着する。この辺りはウニが名産地であるので、本来はこの辺りでウニ丼などが食べれるのであるが、この時は時間が遅かったからか売店は残念ながら閉まっていた。

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」駐車場に到着1

そしてこの駐車場からはその日本海を見晴らせる展望台のようになっている景色が見られる訳ではなくて、まだこの先にあるその絶景スポットまで少々歩いて行く必要があるようだ。

メグちゃん
メグちゃん

初めての時はいいけど、何回か来ると上で待っているだけになっちゃう場所だよ~!

 

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」駐車場から海岸展望台へと向かう

ここ積丹半島の中でもその北端になっている積丹岬で、その先には左に看板のある『島武意海岸(しまむいかいがん)』があって、日本海を一望できる景色が待ち受けている。それと「積丹半島(しゃこたんはんとう)」や「島武意海岸(しまむいかいがん)」という通常には読みにくい地名は、元々北海道に住んでいたアイヌ人達が名付けた名残りで残っているのだ。

 

 

 

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」駐車場から海岸展望台へと向かう1

こちらの先にある「島武意海岸(しまむいかいがん)」は、”日本の渚百選”にも選ばれている場所だという。”日本の渚百選”とは大日本水産会などが集まって作られた選定委員会が、日本国内の渚を100個選んで1996年に選定した物らしいけど、特にこれといった縛りなどはなく、あくまで観光用にPRする為だけの冠みたいなようだ。

 

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」駐車場から海岸展望台へと向かう2

そんな「島武意海岸」を見る為には、この「島武意海岸トンネル」を進んでいく必要があります。なお、このトンネルを進むと海岸が目の前に広がる場所に辿り着くけど、ここの上に上がると灯台があって、この辺りの景色を一望できるスポットとなっているようだ。

ただ今回はここの灯台へは行きませんでしたが・・・

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」駐車場から海岸展望台へと向かうトンネルを進む

この「島武意海岸トンネル」はそんなに長いトンネルではなくて、入った瞬間から出口の明かりが見えているので、閉所恐怖症の人でも問題が無さそうに見えるトンネルのようだ。このトンネルの距離は通り過ぎるのに約1分掛かったので、だいたい約80m前後のようだった。

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」駐車場から海岸展望台へと向かうトンネルを進む1

今ではこんなトンネルが出来ていて島武意海岸に辿り着くにはとても簡単なルートとなっているが、このトンネルが無い時代は皆この小高い山を上り下りして島武意海岸に行っていた訳である。そう思うと我々は非常に便利になった時代を生きている訳であるが、逆にその分人類として何万年以上も体を動かしてその命を繋いできた大事な機能を失いつつある21世紀の人類である。

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」駐車場から海岸展望台へと向かうトンネルを進む2

トンネル出口に近づくと、目の前には日本海が広がる景色が目に飛び込んでくる。海の景色はどこで見ても綺麗であるが、北海道から見る日本海も予想していなかっただけに余計に綺麗な景色に見える。

 

 

島武意海岸にて

積丹半島の北端にある「島武意海岸」に到着

そんな目の前に日本海が広がる絶景が見られるポイントは、こちらの看板にもあるように「島武意海岸」という名前が付けられており、”ニセコ積丹小樽海岸国定公園”にも選ばれている場所でもある。なおこの国定公園とは”国立公園”に準ずる位置づけで、自然公園法によって環境大臣が指定した公園となっているが、国立公園が国管理なのとは違って国定公園は都道府県が管理する公園となっている。

 

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」の景色

そんな国定公園にも選ばれている島武意海岸は、単なる目の前に広がる広大な日本海の景色だけではなくて、その海岸にある長い年月を経て浸食された奇石群などが特徴的な場所でもある。だから普通の海岸では見られないような、海だけではなく海岸の景色も楽しめる場所なのである。

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」の景色1

島武意海岸と海岸の名前が付いているものの、このように断崖絶壁が立ちはだかる場所となっているので、観光客が集まって海水浴を気軽に楽しめる場所では無さそうである。ただそんな環境だからか、目の前には自然溢れる地形が広がっており、目下に見える海も透き通って見える程に綺麗である。

 

 

島武意海岸の景色 動画

 

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」へと降りる道

さてそんな島武意海岸はここの断崖絶壁から眺め下ろすだけではなくて、ちゃんと海岸に降りる道も造られている。そんな海岸へ向かう道を降りようとすると、同行していたメグちゃんは

メグちゃん
メグちゃん

ワタシ、ここで待ってるから1人で楽しんできてね~!

と言い出した。前に来たことのあるメグちゃんはわざわざ下に降りるつもりがなかったようだけど、後でこれは分かった事であるが階段を降りるという事はまたその階段を登る必要がある。ただその階段を登る事がシンドイから、ここは遠慮したのであった。。

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」へと降りながら見える景色

しかしボクは逆に体を動かせるポイントではイキイキして、少し興奮状態になって階段を足早に降りて行く。なんたって目の前には絶景が広がっていて、しかも自分の足で降りる事が出来るなんて楽し過ぎる。もしこれが階段ではなくてエスカレーターとかが設置されていたら、そんなボクの楽しみは半減する。

人間は体を動かして、初めて感動できるのである!

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」へと降りながら見える景色1

海岸へと降りて行く階段は急勾配の為に直線型ではなくて、ジグザグに造られている。なので余計に歩数が掛かるので、普段運動していない人達にとっては疲れるポイントなのかもしれない。ここを訪れたのは2020年9月2日とまだまだ夏の暑さが残る時期だったので、この階段を昇り降りしている人はみんな汗を掻いてシンドそうな顔をしていた。

だけど人類は体を他の動物達よりも器用に賢く使う事によって、生き残った生物である。特に動きながら汗を掻くという機能は動物でも珍しく、だいたいの哺乳類は汗を掻けない。だからライオンやチーターなどは瞬発力があって動きが速いけども、汗を掻く事が出来ないので長距離は走れない。でも人類は何日もかけて獲物を追い詰める肉体があったから、今日まで生き残れたのである。

 

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」へと降りながら見える屏風岩

海岸に見えるこちらの大きな岩は「屏風岩」と名付けられており、長年の波に浸食され続けてこのような形を形成してきたものである。我々人類の寿命は長くても100年程であるが、このような地球上の大自然は何千年・何万年といった、途轍もなく長い年月を過ごしてきている。

北海童子
北海童子

だからこの屛風岩も貴方達の大先輩なんだドウ!

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」へと降りながら見える屏風岩1

ここにやって来た時間は17時前となっていたので、こちらの屏風岩越しに差す太陽の光もそろそろ地平線上に沈んで行く時間帯を告げていた頃。このような自然の絶景は勿論太陽が沈んでしまうと何も見えなくなってしまうので、コロナ禍の影響によって閉館時間が早まっていたニッカウヰスキー余市工場の15時からの見学が、ちょうど夕陽前に来れるベストタイミングとなっていた訳である。

メグちゃん
メグちゃん

暗くなる前に来れて良かったね~!

 

島武意海岸の海岸部分に到着

積丹半島の北端にある「島武意海岸」へと降りる

階段を降りる事6~7分でやっと下の海岸付近に辿り着く。ここで数人の観光客と出会ったが、海岸側から階段を登って帰ろうとしていた人達は、特に「ハ~~ハア~~・・・・」と疲れている御様子だった。

こういう人達の疲れた姿を見ると、上で待つと言ったメグちゃんの気持ちが分かりましたね!

 

 

島武意海岸の海岸からの景色 動画

 

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」下の景色

ボクからするとこのような体を動かして汗を掻いて少々シンドイ思いをする階段も「運動不足の現代人を、運動させてくれる階段」と思うと逆に感謝してしまう。人類はつい200年前までは国内移動をする際にも、乗り物などは基本的に無くて自分の足で20~30日を掛けて動いていたのである。そういう意味ではこの階段を昇り降りするだけで疲れる人類は、だいぶ退化しているとも言えるのかもしれない。

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」下の景色1

海岸というグラウンドレベルからの景色は、先程崖の上から見ていた景色とは異なる。だけどこのように下に降りないと見れない景色がある。そして奇石などに目が行く海岸となっているけど、ここでは昔から日本海から打ち寄せる波が激しい証拠がある。そういうのを調べるには足元を見ればいいのである。

モ~モ~子
モ~モ~子

自然の環境には、必ずそこに存在する因果関係があるよ!

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」下の景色2

するとこんな積丹半島の先端部分の海岸に、このような石垣跡が見える。ここでは昔ニシン漁が盛んだった場所で、100年程前に漁師が暮らしていた場所の跡地だという。だから先程この海岸に通じるトンネルを通ってきたけど、元々はこの海岸で採れたニシンを運び出す時に使われた通路跡だったのである。

 

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」下の景色3

ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝は、晩年この辺りで魚釣りにハマっていた。そして余市町に来てから初めてこの辺りでニシンが大量だった年を見て、その信じられない光景が生涯忘れられなかったという。というのも海岸一面がニシンのお腹の銀色部分が、足の踏み場もない位に大量に群がっていたという。勿論ニシンは亀みたいに海岸の砂浜で産卵する訳ではなくて浅瀬部分で産卵するのであるが、あまりにもその大群過ぎて、まるで東京丸ノ内線のラッシュアワー時刻の電車並みに、後ろの大群に隙間なく押されて海岸に打ち上げられてしまう程に大群だったという。

忙しいクマ
忙しいクマ

ニシンが大量にやって来た時は、オレも恐怖を感じるぜ・・・

 

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」下から見る屏風岩の景色

そんなニシンの卵からは昔は高級品だったカズノコが獲れて、大群のニシンが押し寄せた年などは漁師は儲かって次々とこの辺りに”ニシン御殿”を建てられていったという。しかし地球上の環境が変化した影響か、その後は全然ニシンの大群襲来が見られる事はなかったそうだ。そんなニシンの動向に合わせて、昔はこの辺りに沢山あったニシン御殿も次々に姿を消していった。そんな状況を見て竹鶴政孝は生前に、そんなニシン御殿後に会館として使われていた建物をニッカウヰスキー余市工場内へと移築したという。

 

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」下から見る景色

人間からするとそんなニシンの大群が襲来するのは自然の恵みだと考えるが、それを当然の物と思って乱獲してしまうと、有限な地球上の生命体なので仕舞いには数が減ってしまう。ニシンの生態についてはまだ解明されていない点が多いらしいけども、大群が来なくなったのは地球環境が変動してしまった影響が高いのかもしれない。

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」下から見る景色1

そして足元にはこのようにそこそこに大きくて、角が無くて丸々した岩が転がっている。これらは日本海の波が強い事を表しており、波が海岸に登って曳いていく何百万回以上といったそういった動きによって自然と摩耗して丸くなって、小さな石は埋もれてしまい大きな岩だけが見えるようになっているのだ。

 

積丹半島の北端にある「島武意海岸」下から見るダイン外絶壁の景色

こちらはさっきトンネルを通って見えた、島武意海岸の絶景ビューが見えるポイントの崖。この崖に沿って昇り降りする道も直線の傾斜がある階段ではなくて、このようにジグザグとした階段はここで獲れたニシンを担いで登る階段として造られたものだから、このような傾斜が緩くてその反面長い階段が造られていたのだろう。

忙しいクマ
忙しいクマ

人間はここで海の絶景に見惚れたのではなく、ニシンに見惚れたのが始まりや!

 

夕暮れ時の「島武意海岸」の景色

だから今この海岸がこのような展望スポットとなっているのも、昔にニシンが獲れる場所であり、そして今では殆どニシンが獲れなくなってしまったからこそ、このような場所になっているのだ。もし今でも昔さながらにニシンが獲れる場所となっていれば、この辺りには漁師小屋が乱立して、ニシン御殿も乱立している場所で景観を楽しめる場所とはなっていなかっただろう。

メグちゃん
メグちゃん

こういった景色だけしか今は見えない場所にも、こういった歴史があるのよ~!

 

夕暮れ時の「島武意海岸」の景色1

という事で人間の手付かずの大自然が残っている場所ではなくて、人間が手を付けなくなってしまった場所だった為に、今では絶景が見られる場所となっている「島武意海岸」

忙しいクマ
忙しいクマ

人間の得意技は、環境破壊やで!(怒)

 

夕暮れ時の「島武意海岸」の景色2

しかし自然という物は何万年以上も掛けて出来上がってきたシステムに構築されているので、その循環システムが生き残っている限りはまた自然環境を育んで行く強大な生命力がある。だから人類が産業革命を起こして以降に地球上をだいぶ汚してしまったが、将来的には地球の生命力でその失った自然が回復される事を切に願うのである。

モ~モ~子
モ~モ~子

草が生えないと、食べる物が無くなってしまうよ~!

 

夕暮れ時の「島武意海岸」の看板

という事で再び看板のある島武意海岸の絶景スポットである崖の上まで登ると、額からは汗が噴き出していた。しかしこのような汗を掻くという事は人類が「自分は生きている」という事を一番実感できるものであり、今までの人類に必要だったものであり、これからの人類にも欠かせないもののハズである。。

 

こんな旅はまた次回に続きます!

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