福井県敦賀旅行記2022年4月-9:完結編
旅行期間:2022年4月上旬(当日旅)
鯖とそうめんの相性!
さて福井県敦賀を訪れた旅は、帰り道にここ滋賀県の長浜市街地にちょっと寄り道をしてみた。約10年前に来た時には、ここまで縦横無尽に街歩きをしなかっただけに、今の充実ぶりが実感できた長浜市であった。

歩き過ぎて、もうお疲れですが。。
真宗大谷派長浜別院:大通寺にて
長浜の市街地は旧市街地のような古い雰囲気が漂っていて、そのような江戸時代の雰囲気を代表するのがこちらの「真宗大谷派長浜別院:大通寺」の山門だった。この山門は1840年頃に建立された門らしく、完成までに約30年間を要した力作になっているようだ。
この「大通寺」は真宗大谷派(浄土真宗)の寺院となっていて、元々は1602年頃に長浜城跡に本願寺教如を開基として建立され、1606年にこの地に移転してきて今に至るという。
そして立派な山門には、こちらの『近衛牡丹』と呼ばれる家紋マークも見られる。この家紋マークは摂関家だった近衛家や鷹司家などで使われていた家紋であり、その関係性が強かった証ともなっているようだ。
大きな山門をくぐって境内に入ると、まずはこちらの大きな本堂が見えてくる。この本堂は伏見城にあった建物を移築して、江戸時代初期に建造された建物となっているようだ。なお、この建物は”国の重要文化財”に指定されている。
さてそろそろ夕陽が差し込む時間帯となってきたので、この長浜で早めの晩飯を食べるか、それとも大阪に帰ってから晩飯を食べるかとオカンと協議しながら歩く。オカンとしては、せっかくこの長浜に来たのだから、ここで何かしらを食べて帰りたいという意見だった。
という事で晩飯を食べれるようなお店を探しつつ、また長浜市内をブラブラと歩く。こちらは長浜市街地に流れる米川で、長浜市内を蛇行して、最終的に琵琶湖に流れ込む川となっている。
夕陽になってきている時間帯ではあったが、まだ16時20分頃と晩飯を食べるにはちょっと早いので、「長浜市曳山博物館」の広場で少々休憩タイムを取る事に。曳山博物館は営業時間が17時までなので、今から見学するには時間が足りなく、今回の見学はパスしたのである。。
曳山博物館のあった敷地の広場は「きいなパーク」という名前が付けられていて、横に細い川が流れていて、心が落ち着ける雰囲気の場所となっていた。人気の観光地も、地元の商店などが観光客に物を売ろうという気が強過ぎて、それが嫌に思う事が多々あるだけに、このような癒しスポットの存在をとても有難く感じるのであった。
そしてメインのアーケード商店街通りにあった「海洋堂フィギュアミュージアム黒壁」で、建物前にあった、こちらの『真剣白刃取りする猫~ペン置けました~』(1回300円)にとても惹かれてしまった。
全部で8種類の猫ちゃんデザインが入っていたガチャガチャを引くと、こちらの「黒猫Ver」が出てきた。猫の種類によって、手の位置などの構えが異なり、全種類集めると、白刃取りではなく、”わっしょい担ぎ”が出来るようだが、個人的にはこの1個だけで満足であった。

ホンマにペンを、受け止めれるんかい??
そして「海洋堂フィギュアミュージアム黒壁」の建物内も、一応見学する。
海洋堂というと、去年に高知県を訪れた際に、「海洋堂スペースファクトリーなんこく」を見学していたので、ここはじっくり見る場所では無く、商品販売がメインのお店に思えた。
この大きなヱヴァンゲリヲン初号機の咆哮するフィギュアは、なんと約15万円という”なかなかにいいお値段”となっている。ただ、なかなかに作りこみがされていて精細なフィギュアとなっているので、このような値段は当然なのかもしれない。。
そして長浜市内で良さげな食べ物屋さんを探していると、豊国神社の境内に建てられていた「加藤清正」の銅像が見えてくる。加藤清正の銅像というと、熊本城や名古屋城で見られる椅子に腰かけたポーズではなく、熊本市内の本妙寺に設置されている長い槍を手に持って立っているポーズとなっている。
なお、この銅像は戦前に設置されたが、戦時中の金属回収令によって失われてしまい、戦後になって再建された物だそうだ。
そんな加藤清正の像が設置されている場所の近くには、このような美味しそうな「草餅」が販売されている『菓匠禄兵衛 黒壁店』というお店が見えてきた。オカンはこのような中にアンコが入った甘い餅が大好きな人種なので、食べたそうな顔をしていた。
”当店NO.1 看板商品”ともPOPに書かれていた事もあって、この草餅を買おうとしたけど、残念ながら閉店間際だったので最後の1個だけしか残っていなかった。

とりあえず、草餅1個だけ購入しました♪
「成駒家」で焼き鯖そうめんを味わう!
そして長浜駅近くにあった、こちらの「成駒家」というお店が焼き鯖を提供しているとパンフレットに記載されていたので、思い切って入ってみる事にした。
このお店:成駒家は焼き鯖そうめん専門店ではなく、滋賀県の郷土料理全般を提供する食事処という雰囲気だった。
それと17時過ぎにお店に入ると1階のテーブル席に案内されたが、他に先客の姿が見当たらずに、初めて訪れる店だけに少々不安を感じた幸先であった。。

まあ、入ってしまったから食べるしかないで!
焼き鯖そうめん以外にも、「近江牛」を使ったすき焼きや鍋、鰻御膳から太閤御膳なども用意されている。また松花堂の御膳や湖魚御膳などもあったりと、腹が減っていればどれも食べたくなる料理ばかりが載っていたメニューだった。
目的の「焼き鯖そうめん」は、”単品”と”定食”が選べるようになっていた。
なお、この訪問時(2022年4月)は焼き鯖そうめんの”単品”が900円/”定食”が1500円だったけど、最近のホームページを確認すると、インフレの影響で1割値上がりして、”単品”が990円/”定食”が1650円となっているようだ。

インフレで値段上がったものは、そう簡単に下がらないよ~!
そして年配の年季ある女将さんのような人に、とりあえず焼き鯖そうめんの単品を注文した。
そして出来上がりを待つ間に、先程ガチャガチャでゲットした『真剣白刃取りする猫~ペン置けました~』のフィギュアが、本当にペンをしっかりと白刃取りするのかを検証してみた。
すると、謳い文句通りにしっかりとこのようにペンを受け止めた。ただ、ペンの後ろ部分が滑り易かったり、置いたテーブルが滑り易かったりすると、ズルズルとペンが滑っていくので、この態勢を長くキープ出来なかったが。。

事務所のデスクに置いてれば、一躍人気者になれるよ!
そして注文してから約8分ほどで、目当ての「焼き鯖そうめん」が運ばれてきた。
ただこの「焼き鯖そうめん」という料理がある事は今日長浜にやって来て初めて知った事であり、それと「何でそうめんの中に焼き鯖を入れているの??」という疑問しか感じなかった料理でもあった。。
このそうめんは温かく、初めて見る”焼き鯖”と”そうめん”のコンビネーションに一瞬、食べるのを躊躇する。
しかし、ここまで来たら食べるしか選択肢はないので、とりあえず先にオカンに食べさせてから、その感想を聞いて味わう事にしてみた。
オカンは初めて目の前にした”焼き鯖そうめん”に怯む事なく、大胆にもいきなり焼き鯖に喰らいついている姿が見られた。
そして感想はというと・・・

結構、旨いで!
との事だった。
年配の女将さんみたいな人の説明では、「長時間煮込んだ焼き鯖は味がしっかりしていて、中に骨が入っているけど、噛んで食べれる程に柔らかくなっているので、そのままお召し上がりください!」との事だった。
そして実際に焼き鯖を食べてみると、想像していた以上に濃厚な味になっていた。そして骨も長い時間煮込んだ事により柔らかくなっていて、気持ちいい食感で噛んで食べる事も出来た。
ハッキリ言って、そうめんとのコンビネーションである必要はないと思うけど、ラーメンなどのコッテリとしたスープに焼き鯖を載せるとその味が邪魔されてしまうだろう。その為に、うどんや蕎麦やそうめんなどの出汁だと、焼き鯖の旨味を上手く引き出すのかもしれない。
想像していた以上に美味しかった「焼き鯖そうめん」。オカンは長浜駅までの帰りしなに、このような焼き鯖そうめんの広告を見て、インスタントなりを買って帰りたかったようだが、実際に自分が家で作るとなると、先程の柔らかくて濃厚な味の焼き鯖を再現できる自信が無かった事もあって、ここで購入するのは結局見送る事になったが。。

あれ以来、滋賀県の特売所があれば、”焼き鯖”を探してしまうようになりました・・・
そして帰りの電車内で、先程残り1個だった『菓匠禄兵衛』の草餅を、満を持して味わう事にする。
そして、更に一緒に買った「きんつば」と共に、駅前のスーパーマーケットで購入した、滋賀県長浜市にある佐藤酒造が製造した『六瓢箪』(吟醸酒)を味わいながら、帰路に就くのであった。。
<まとめ>
今回の旅で初めてやって来た福井県敦賀市。
「この敦賀市にどうしても来たい!」という強い動機があった訳ではないけど、大阪市内からは電車に乗れば2~3時間ほどで訪れる事が出来て、意外とアクセスが良い場所。
ただ、逆にアクセスは良くても、「敦賀に何があるの??」と思って、行く理由が見つけられない人も多いように感じた。
今回の旅は2022年4月6日という、桜がほぼ満開になり始めている時期に訪れた事もあって、沿道に多く植えられていた桜の木に咲く花がちょうど見頃の時期でもあった。
そして”日本三大松原”とも称される「気比の松原」では、松ばかりの光景を想像していたけど、このように松の中に所々桜の木も植えられていて、松と桜のコンビネーションしている景色が見られた。
このようにモリモリと元気に花を咲かせていた桜の花を、ここ敦賀で見れただけでも、この敦賀に来た甲斐があると感じた景色であった。
ただ、今回訪れた水曜日は敦賀市内の観光施設に定休日が多く、訪問予定にしていた施設がことごとく定休日の為に閉館していたのであった。。
一応、一番のメインに考えていた、こちらの「人道の港 敦賀ムゼウム」という施設も、水曜日はちょうど定休日となっていた。。
そして今では改装された観光客向けの施設となっている「敦賀赤レンガ倉庫」も、同じく定休日となって閉まっていた。。
ただ、幸いにも恐竜博士さんが外のベンチ脇に立ってくれていたので、記念撮影だけは行えたが。
敦賀市内で人気の桜の名所も訪れた。こちらの「金崎宮」という神社の境内には、約1000本ものソメイヨシノが植えられているそうで、境内を歩いているだけでも桜の花を満喫できる場所となっていた。
金崎宮では桜の花が咲く季節限定のイベントとして、『花換まつり』が行われていた。明治時代に始められた当初は、この祭で若い男女が交際したいと思っている相手に桜の小枝を差し出して、それに対して相手が答えればカップル成立という、告白タイムが行われていたという。
そんな金崎宮の上に造られていたのが「金ヶ崎城跡」で、戦国時代に織田信長や羽柴秀吉の連合軍が挟撃されて、命からがらに逃げ延びた場所としても有名な所である。
そして福井県の港で水揚げされる「越前ガニ」も、冬の味覚として観光客に大人気な海の幸となっている。
ただ、『越前ガニ』という名前は、福井県で水揚げされたズワイガニの雄に付けられるブランド名である。その為に違う場所で水揚げされると『松葉ガニ』とも呼ばれるが、基本的には同じ日本海で獲れたズワイガニなのであるが。。
そして訪れようと思っていた敦賀市内の施設が3つ共に定休日で閉館していたので、予定を切り上げて、帰り道途中の滋賀県長浜市で寄り道をしてみた。
長浜城というと豊臣秀吉の居城としても有名な城だが、江戸時代には城は取り壊されてその資材は彦根城築城に流用され、江戸時代を通して城が築かれていなかった場所である。その為に今見られる天守のような建物は再建された”模擬天守”で、その建物内は歴史博物館となっている。
敦賀市内でも桜が綺麗に咲いていたけど、ここ琵琶湖の畔である長浜市でも桜の花が綺麗に咲いている光景が見られた。
新型コロナウイルス感染の影響で、2020年/2021年と2年連続で桜の花見を楽しめなかった人も多かっただろうが、この2022年はコロナ禍に徐々に慣れてきた事もあって、宴会は自粛されていたものの、そこそこの花見客が見られた。
長浜市街地は江戸時代のレトロな雰囲気を残しつつ、高度経済成長期後に衰退しかけたが、第三セクターや地元の人達の奮起により、逆に関西きっての人気観光地へと成長した。立地的に「なんでこの長浜に人が集まるのか?」と思っていたけど、他にない魅力があるのだろう。
この長浜という立地は江戸時代を通して、北国街道の通り道となっていた事もあって、大きく発展した。それ以前にも羽柴秀吉の居城があり、楽市楽座によって城下町が発展したという経緯もあったようだ。
そんな長浜の郷土料理として知られているのが、こちらの「焼き鯖そうめん」だった。
この料理も「なんで、そうめんに焼き鯖なんか入れるの??」と最初は思ってしまったけど、実際に食べてみると、そんな疑問が吹き飛ぶ位の美味しさであった。
そして今回の旅で一番印象に残ったのが、明治時代以降に賑わいを見せた敦賀の町が、大きく衰退していた事である。
こちらはかつて敦賀港から貨物列車を運んでいた路線であるが、最近になってようやく廃線が決定し、今でも撤去されていない線路が残っていた。
そんな敦賀市内で一番のメイン通りである、国道8号線沿いにあるアーケード商店街も、ご覧のように全然観光客は歩いている様子が見られず、シャッター街となっていた。
ただ、この商店街も2020年に数年後に敦賀市内まで開通する、北陸新幹線の延伸を受けて、それに合わせるように車道を減らして歩道部分を増やす改修工事をしていた。
敦賀市内はこのように至る所に綺麗に咲く桜の木が植えられていたが、それらを見物している観光客の姿が全然見られなかった。
確かにコロナ禍という影響は排除できないけど、帰りに立ち寄った長浜市では多くの観光客の姿を見かけただけに、単に”コロナ禍”という影響に結び付ける訳にもいかないと思う。
それよりも、敦賀という町の魅力が観光客には全く浸透しておらず、逆に”原発がある町”という悪いイメージが先行しているように思った。
敦賀の町からしても、原子力発電所などの大型施設がある事により、大きな雇用や税金が入ってくる為に、どうしても”原発ありき”の行政となってしまうのだろう。
しかし、この21世紀には2011年に発生した東日本大震災の影響で原発の稼働が停められてしまい、更には大きく過疎化と少子高齢化が進む地方都市という、厳しい状況に置かれている敦賀市。
だけど長浜市のように頑張れば観光客を迎え入れる事も可能な訳で、これからの観光立国を目指す日本の中で、北陸新幹線が延伸してくるというメリットを活かして、活性化を期待したいと思った敦賀であった。。
2023.2.17
<完>
こんな旅はまた次回に続きます!
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